”「20世紀の涙」発売記念
青木孝明 JET SET & さいとうみわこ”LIVEレポート

1997年10月16日(木)PM7:00〜 下北沢・clubQUE

出演者:青木孝明 JET SET、さいとうみわこ
ゲスト:鳥羽修,太田譲(FROMカーネーション)



(曲目)−−−さいとうみわこ分のみ掲示

  1. 土曜日のトースト
  2. 桃郷シンデレラ
  3. NEGATIVE HEART
  4. 恋人はサイエンティスト
  5. LIFE,SHORT OR LONG
  6. EARTHQUAKE LOVER
  7. how do you love?
  8. WATER
  9. 恋人はいつでも
  10. さりげない奇蹟
  11. LONLEY STARDUST DANCE

    <アンコール>

  12. KISS...
  13. THE FIRST KISS

WHAT'S NEWでも書いたが、本日10月16日は大安吉日の善き日。さいとうみわこSOLO LIVEとしては、95年1月28日(土)新宿パワーステーション以来となる。このときは、THE SUZUKIをトリとして、徳武弘文・さいとうみわこ計3アーティストのnewCD発売記念(みわこさんは「ONE DOZEN GENTLEMEN」)LIVEであった。あれから2年半、待ちに待ったという表現は全然大げさではないだろう。私はほとんど強引に仕事をブッチして来た。申し訳なさ半分、ルンルン気分が半分という複雑な気持ちで会場に駆けつけた。

到着したのは、7時半頃だったと思う。青木孝明 JET SETの演奏は、無論とっくに始まっている。それはどうしようもないことだったのだけれど、とにかくひとの多さに私は一瞬あ然となった。「満パイやないけ!」
マジでびっしりと人で埋まっていた。前の方と左側にはイスが出ていて、それ以外は立見となるのだが、その立見の場所をキープすること自体とても難しいと思えるような状況であった。仕方がない。とりあえず、入り口近くのバーカウンター辺り(ここだと、ステージに向かって右側のはじっこになる)で見ることにする。
最初はほとんどステージが見えない(涙)位置だったけれども、じわじわと(笑)平行移動したおかげで、ほぼ全体が見渡せるところまでたどり着いた。でもそのときには、JET SETの部は終わってしまった。悲しい。8時15分位だったであろうか。

先に「業務命令」で来ているはずの友人Tを探す。いたいた。立見エリアのほぼ真ん中にいる。やっぱり、彼の周りにもひと1人分の余裕はなさそうだったが、人の移動の流れもあり、何とか隣に漂着することができた。この位置は、完全にステージを見渡せるGOODな場所である。ラッキー!!ワクワクしながら待つこと数分、照明がおとされ、いよいよみわこさんのLIVEがはじまる。



(MC中のみわこさん。ちなみに右の人形って誰?ミニラじゃないよね・・・(^^; )


さて、今日のみわこさん、何となくいつもより気合が入っているように見受けられる。うたい方がとくに力強いとかそういうことではないので、単に私がそう感じただけなのかもしれないけれども、挑むような、ちょっと前かがみでうたう姿はとてもりりしく、カッコ良い。この体勢は結局最後まで変わらなかったことからも、この日のテンションの高さが伺い知れる。

オープニングは、もうおなじみとなった「土曜日のトースト」である。伴奏(p. )はいつもの通り、伊藤隆博さん。前回のメトロトロン・ワークスと同様、2 人だけのミニマムSETだ。ちなみに本日のみわこさんのいでたちは、上掲写真のように原色縞々の60年代風シャツにオーバーオールである。
2曲目は、あの「桃郷シンデレラ」の再演である。メトロトロン・ワークスのときのが大変好評だったようで(さもありなん!)本日も前回同様、青木さん・伊藤さんとの3人編成での演奏となった。何回聴いてもいい曲だと思う。幸せ探して3x年のウサギが、幸せを感じるひとときである(^^;

95年1月のソロLIVEのときは、まさに「ONE DOZEN GENTLEMEN」プロモーションLIVE の様相だったため、他のアルバムからの曲は確かやらなかったような気がする。そういう意味では、本日披露された「桃郷シンデレラ」以外の昔の曲は、いったい何年振りということになるのだろうか。「NEGATIVE HEART」はそんな曲の1つである。
ここで、JET SETのリズム隊(あんそにーさん、林さん)が合流。林さんはボンゴ(・・・ん?コンガだっけ?いかん、記憶が・・・)を用意している。果たして、曲のアレンジはボサノヴァ風味付けである。この曲のアンプラグドVERSION を聴けるなんて。生きててよかった(笑)
この曲の中には、いつも聴いててゾクゾクするほど好きな部分がある。12小節め後半から13小節めの(これで正しいのかなあ・・・音楽には全くのシロートなのですが)、1番の歌詞でいうと「あさーひがー」という箇所。特に「ひ」から「が」への音の進行(こういうのも、専門用語がありますよね。「短三度進行」みたいな言い方が)これがたまらない。鳥肌モノです。今日のアレンジだとKEY は少し下げ気味になるだろうから、私の好きなこの部分はどんな感じになるんだろうと興味深く、いやちょっと心配して(^^;聴いていたのだけれども、全くの取り越し苦労だったようだ。十分ゾクゾクさせてもらいました。
それにしても。みわこさんのこえって。miracle voice、magical voice、one and only voice・・・。某ビールのCMのように、「なんでみわこさんのこえって、私をこんなに満たしてくれるの。どうして?」と問いかけたいくらいだ。ほんと、どうしてなんでしょう、みわこさん。
てな感じで、あっという間に「NEGATIVE HEART」終了。


(「桃郷シンデレラ」をうたうみわこさん。右は勿論、青木孝明さん。カッコいい)


次の「恋人はサイエンティスト」で、1人めのゲスト 鳥羽修氏が登場。既に「MOONIE`S DIARY」でご存知の方も多いだろうが、この日の鳥羽さんのスタイリストはみわこさんだそうだ。「アメリカの真ん中から来たみたい」だの「砂漠な感じ」だのと表現していたが、最初からそのつもりでコーディネートしていたのだろうか?それであれば、ご本人がオーバーオールであるのも納得がいく。うーむ、深い。ちなみにこの曲では、鳥羽さんはボトルネックをはめて深南部にキメてました。
同じメンバーで続けて「LIFE,SHORT OR LONG」を演奏した後、2人めのゲストである太田譲氏が紹介される。なので、あんそにーさんはしばしお休み。

「EARTHQUAKE LOVER」は、95年1月のときも演奏された曲である。あのときは、例の大地震のほんの数日後であった。このときのみわこさんのMCは、だいたいこんな感じであった。

「メジャーなひとたちなら、時期が時期だからうたうの自粛するのだろうけども、この曲はまじめな気持ちでまじめに作ったものなので、だから予定通りうたいます」

ふつうの人はこんなふうには言えないであろう。みわこさんも随分悩んだのではないか。「ちょっと変わったシチュエーションの」ラブソングが、「生々しい現実を(いやでも)反映せざるをえない」ラブソングとなってしまったのだから、戸惑いも大きかったのではと思う。でもこの曲は、十字架を背負わされてしまった。もはや逃れることはできないだろう。
そんなこともあって、「EARTHQUAKE LOVER」には特別の思い入れのある私なのであるが。あれから2年半近くたったこの日、再びLIVEでこの曲を聴いて改めて感じたことは、これはさいとうみわこの代表曲の一つだな、ということ。重いけれども人々(とくに恋人)を勇気づけるという、みわこさん作品のなかでも異色の存在となっている。


(ゲストのお2人。左端が太田譲さん、その隣が鳥羽修さん)


「EARTHQUAKE LOVER」のあと「how do you love?」と続き、ゲストのお2人はここまで。あんそにーさんが復帰して、次は「WATER」である。
みわこさん自ら、この曲は鬼門であるといっていたのだが、確かにこの曲をLIVEでカッコ良く決めるのは結構難しいような気がする。打ち込みでじっくりとつくり込んだような音世界を、シンプルなバンドサウンドで再現、というかリアレンジするのってとても大変なことだと思う。今回のLIVEでは、レコードよりもちょっとテンポを上げて、よりグルーヴィな演奏であった。あんそにーさんのベースがブンブンうなる。イケてる。バンドサウンドの方向感はこれでOKだと思った。ただ、わがままを言わせてもらうと、オリジナルに近いテンポで、クールなベースラインにクールなヴォーカル、というスタイルのものも聴いてみたいなあ、と。そういうのもいいんじゃなかろうか?などと勝手なことを考えていたら、おっとエンディングがちょっとバタついたようで(^^;やっぱりこの曲は鬼門であった。

さて次は、100年ぶり(MCより)の曲第2弾「恋人はいつでも」である。「NEGATIVE HEART」で大満足していただけに、さらにうれしいこのプレゼント。気分は「私のはあとは〜すとっぷもーしょん♪」(すいませんね、古くて)
この曲も、オリジナルよりアップテンポぎみのアレンジ。リズム隊が疾走している。これには、私も何の文句もありません(^^;なんちて。ところで、この曲で今日初めて気付いたことがある。中間部のギターソロって意外と難しいようだ。青木さん、とても弾きにくそうに見えた。こういうことって、LIVEでなくては実感できない。そこで、今日の教訓:「百聞は一見にしかず」
くだらんことを考えているうちに、曲は「さりげない奇蹟」になだれこむ。「土曜日のトースト」同様、この曲もだいぶうたいこなれてきたようで、回を追うごとに良くなってきていることが感じとれる。それにしても名曲である。もうこれ以上いうことは何もないです、ハイ。
続いて、これまたうれしい「LONLEY STARDUST DANCE」。あ〜幸せ!あ〜もう死んでもいい!!と叫んでいるうちに、本編終了。アンコールを待つ。


(さいとうみわこ&青木孝明JET SETのフルメンバー。伊藤さんの顔が半分隠れてしまった・・・)


で、皆さん再登場。最初にLIVEインフォメなどをひとしきり行って、今日のアンコール1曲めはお待たせいたしました、の「KISS...」。この曲は、「デュエットアルバム」のなかでも1・2を争う名曲であると思う。
そして、本日の最後を飾るのは名盤「GIRL MEETS BOY」から、「THE FIRST KISS」。この選曲には正直言って驚かされた。完全に意表を突かれたというところだが、この曲がこんなにLIVEで映えるとは思ってもみなかった。これまた新しい発見をさせてもらった。ラストにふさわしく、しっとりと情感のこもった「THE FIRST KISS」であった。

それにしても、あっという間のひとときであった。みわこさんのファンやっててほんとに良かったとしみじみ思う。「東京の人」が休止中である今、これからはソロLIVEの方をコンスタントに年3〜4回位はやってほしい。ぜひぜひお願いします。

(最終更新日:1998.2.22)

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