〜神宮前綺譚*特別篇〜
”CLIVE GREGSON with ANY TROUBLE SPECIAL and TOKYO NO HITO”
LIVEレポート

1997年3月19日(水)PM7:30〜 渋谷・クロコダイル
出演者:東京の人(和久井光司、さいとうみわこ、るいたん、高橋KATSU、柳島宏)、CLIVE GREGSON、ANY TROUBLE SPECIAL


前回のLIVEから約2ヶ月あまり。本日の主旨は英国フォーク/トラッドシーンで地歩を築き、現在はアメリカ・ナッシュビルを拠点として活動をしているという、クライブ・グレッグソンの来日公演(形式としては、新作のプロモーションとのこと)である。
なぜ東京の人が、彼と一緒にLIVEを行うのかということについては、和久井光司さん自らが詳しくLIVEパンフに書かれているので、そちらを参照してもらいたい(ところだが、行ってない人がパンフを持っているわけないか)。簡単に説明すると、もともとCLIVEの大ファンだったという和久井さんが、91年にグレッグソン&コリスターの来日プロモートを行ったことをきっかけに彼(等)と親しくなり、今回プロモ来日するというCLIVEにも何か協力をしたいということで、本日のLIVEが実現したということである。

というわけで、ステージはまず東京の人から始まった。今回のSETも1時間弱位のものなので、最初からかなり飛ばし気味である。途中で曲順を間違えそうになるし、やっぱり短縮版はやりずらそうにみえる。そうでしょう、そうでしょう!FANとしても完全版を見たいのさ。まあ、ないものねだりをしても仕方がないが。個人的には圧倒的に燃焼不足のまま、東京の人の部はあっさりと終わってしまった。

短い時間ながらも、相変わらず熱いLIVEを聴かせてくれた「東京の人」。
真ん中がさいとうみわこ (VO、PERC)。左の譜面台に隠れてしまっている (^^; ひとは和久井光司 (VO、G)、右のかっこよく決まっているひとが高橋'KATSU' 勝彦 (G)。

しばしの休憩のあと、いよいよCLIVEのLIVE(韻をふんでいるなあ)のはじまりである。
まずは、アコギを抱えて1人で登場した。ソロ作やグレッグソン&コリスターの作品を(などと知ったかぶっているが、知っている曲は皆目ありません。あしからず。m(__)m)淡々と演奏をしていった。

話はちょっと横道にそれるが、私は一応グレッグソン&コリスターのアルバムを1枚持っている(「a change in the WEATHER」)。この系統の人達だとそれこそリチャード・トンプソン位しか知らない私が、なぜ彼らのCDを持っていたのか。
昔、秋葉原電気街の情報誌(フリーペーパー→AKガジェットが有名だったが、確かこれではない別のものだったような気がする)の中で、グレッグソン&コリスターの紹介をしている記事があったのだ。これが結構ページをさいてあったはずで、なおかつその文面からの筆者の情熱のほとばしりをとても強く感じたことを憶えている。そこまでいうのなら、ということで買う気になったのである。ただ、その当時の私の体質にはあわなくて、結局2〜3回聴いてそれ以降はずっと忘れられた存在になっていたのだけれども。ともかく、あの紹介記事がなければ一生知る機会はなかったかもしれないわけで、そんなことを考えているうちに、私にはこんな疑問がふつふつとわいてきた。あんな思い入れたっぷりの記事を書いた人って、もしかして和久井光司さんだったんじゃないだろうか?そんな気がとてもする(本当のところはどうなんでしょうか、和久井さん?)。

閑話休題。
しかし、CLIVEはうまい!うたも、ギターも。声質がジェイムス・テイラー、リヴィングストン・テイラーあたりにとても似ていると思う。随分昔に見た、リヴィングストン・テイラーのLIVEを想い出してしまった。それに私の持っているアルバムの印象と違って、はるかに良く感じる。彼の持ち味は、こういったアコースティックな弾き語りにあるのではないだろうか。「a change in the WEATHER」は、どうもきれいに(ふつうに)つくろうとの意図が裏目に出、結果的に彼らのおもいを十分に込められなかったと思わざるをえない。それほど、今日のLIVEとの差は際立っている。彼の新作を聴いてみようか、と私に感じさせるに十分なものであった。

5〜6曲(位だったと思う)でアコースティックSET終了。器材のセッティングで少々の休憩の後、「ANY TROUBLE SPECIAL」SETの始まりだ。CLIVEは EG に持ち替えている。さらにこの日のためにSCREENのメンバーのサポートによる、ANYTROUBLEの再現がこの日本で行われた。
私はANY TROUBLEも知らなかったので、やはり曲は分からない。でもCLIVEも、和久井さんをはじめとする他のメンバーも、実に楽しそうに演奏している。いい雰囲気だ。本物のANYTROUBLEもこんな感じだったに違いない。途中で2曲ばかり、女性backing vocal(もちろん我らがさいとうみわこと、るいたんである)が入った。彼女たちのことをCLIVEは、「FISH &CHIPS」と紹介した。なかなか洒落たことを言うね、クライヴ!
「ANY TROUBLE SPECIAL」SETはやはり5〜6曲位だったろうか。なかなかの盛り上がりをみせて、無事終了した。

「ANY TROUBLE SPECIAL」SETより。右側のひとが、誰あろうCLIVE GREGSON 。

本日はLIVE終了後、個人的にはとても大きなオマケがついた。
みわこさん御本人とお話ができたこともそうだが、恐れ多くもスナップ写真を撮らせていただくことができたのだ。この日のために、大枚はたいてデジカメを買った甲斐があったというものである。当ホームページの冒頭を飾っている写真は、このときのスナップを使用させてもらっている。
そういうことで、最後のオマケが私としては最大のイベントとなったのは言うまでもない。なにもいうことのない、大満足の1日であった。

(1997.6.8)

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