(演目)−−−出演順
・さいとうみわこ
・豊田道倫
・東雄一朗
・和久井光司
・かしぶち哲郎
・中川五郎
・さいとうみわこ
ポエよみ月例会第6弾となる今夜は、題して「詩人と男たち」。勿論、ブコウスキーの「詩人と女たち」をパロッている。最初のころは「詩人と下僕たち」なんていっていたが(^^;さすがに無難な表現に落ち着いたようだ。かしぶち哲郎さんをはじめとする、豪華絢爛な「男たち」のパフォーマンスも楽しみだけど、やっぱりみわこさんの新ポエにも大期待。はたしてどんなポエLIVEとなるのだろうか。
まず最初に、みわこさん登場。いきなり2ポエる。1ポエめは、期待の新作「ノスタルジーに唾をはけ」だ。詩の内容としては、「IT'S
GETTING OLDER」や「すすめ」タイプだ。今回も一部引用させていただく。
ミック・ジャガーがジジイなら
そこにすわっている30才の
たるんだ腹の 臭い足の
アイツは何だ?
年齢なんて関係ない。問題は、現在をいかに生きているか、前向きに生きようとしているか、ということなのだろう。
ノスタルジーに唾をはけ
過去を懐かしむな
過去を学べ
「過去に戻りたいと思いますか?」と問われたとしたら、あなたは何と答えるだろうか。私の場合、「昔のあの時」に戻りたいとか全然思ったことがない。念のために言っておくが、私ほど「あのときああすればよかった、こうしとけばよかった」と後悔ばかりしてきた奴はいない。そうであっても、だ。終わってしまったことは、もうどうしようもないこと。たとえタイムマシンで「あの時」に行けたとしても、ね。そう、基本的には「いま」がいちばんなのだし、どうなってゆくのか皆目見当がつかない未来のほうがはるかに面白そうではないか。
2ポエめは、「チカラになる」。今回は、リトエルHPの「今日ポエ」で既におなじみのENGLISHバージョンを後ろにくっつけての、「日英友好バージョン」(^^;だった。ただ、英語部分のノリはなかなか難しそうだ。何回かやってみないとなかなかキマらないかも知れない。頑張れ、みわこさん。
さて、これからはゲストの面々のパフォーマンスが始まる。やっぱり若い順で、豊田道倫さんからだ。はじめに2ポエを、なぜか本人ではなく、みわこさんがよむ。彼は何をしているかというと、フロアに置いたギターをいじめており(^^;ギターは思いっきり歪んだ泣き声をあげている。アヴァンギャルドだ・・・あまりに音がデカイので、みわこさんのポエがききずらい。音はいいからみわこさんのこえを聴かせろお、と思わず言いたくなった私は、やっぱり真正さいとうみわこファン?その後、豊田さんはアコギ1本で2曲ばかりうたう。パラダイス・ガラージの曲なのだろうか、いずれにせよ曲名分からず。申し訳ない。
今回は、みわこさんは面白い試みをしている。パフォーマンスを終えたゲストと、次の出番のゲストとで「3分間ポエム連想しりとり」を行ったのだ。最初にみわこさんがテーマ(例えば、「わたしの小さなアパートのドア」)を出し、それをもとに交互にポエムのしりとりをするという企画。これって、笑ってみてるぶんにはいいけど、いざやれといわれたらすごく大変そう。事実、豊田さんと次の東雄一朗さんとのバトルでは、豊田さんたらいきなり詰まって、伝家の宝刀「おXXX」(一番困った放送禁止用語)を口走るし(^^;まあ言葉遊びなのだから、とんでもない言葉が飛び出してきた方が面白いとはいえるけれども。これ以降の年長組バトルでは貫禄ともいえるやりとりが展開され、なかなか楽しめた。ちなみに、この連想しりとりは、帰りに入場者全員にコピーを配られたことを報告しておこう。リトエルHPでは伏せ字になっているところも、原文のままである(^^;
で、2番目のゲスト、東さんである。3人のバック(コントラバス・ギター・フルート)のちょっとフリーキーなサウンドにのせ、5ポエを披露した。このなかで印象に残ったのは、「MASTERPIECE−手紙」と「SCISSOR
HANDS」。
「MASTERPIECE−手紙」では、”ねじれの位置”という言葉をキーワードにしてイメージをふくらませてくれるし、「SCISSOR
HANDS」は渋カッコイイ(^^;なんかうまく言葉にできないが、そんな感じだった。
次は和久井光司さん。以前の月例会参加の折によんだ、「WESTERN LAND」の原本が行方不明とのことで、急遽作り直された「新・WESTERN
LAND」からはじまった。確かに聴いてて、中盤部が何か違うなと感じていたのは正解だったのだ。続いて、キース・ムーンに捧げられた「光年のかなた」、重いテーマの「男と女」をポエる。今の私にとっては、やっぱり「男と女」にいろいろと考えさせられることがあった。
みんなやっぱり、いろんなドロドロな経験をしているものなのだろうか。人生から色恋沙汰がなくなれば、どんなにか気楽に生きていけるだろう。でも、それはどんなにつまらない、色あせた人生なのだろう。結局は、死ぬまでドロドロし続けるのだろうね、人間って。
閑話休題。最後に、今日作ったという(^^;曲「セラピー?」をF.B.Iのヴォーカル木瀬りえ子さんとともにうたって、和久井光司さんの部は終了。
さて、個人的にはお待ちかねだった、かしぶち哲郎さん。けれども、いつものソロLIVEと変わらないパフォーマンスで、ちょっと拍子抜け。でも、私としては今年の3月以来のソロということで、とりあえず満足。やっぱりフルスケールのLIVEがみたくなるなー。次回はいつになるのだろう?
「男たち」の最後のゲストは中川五郎さん。いつものように、「2ポエ・2うた」構成だ。なんでも、「僕が死んでこの世を去る日」に曲をつけているそうだが、でも完奏すると10分以上になってしまうとのこと(^^;そりゃあそうでしょう、あんなに長い詩なのだから。現在試行錯誤中だそうだ。なので、今回も今までどおりのポエよみであった。
近頃妙に気に入っている、「僕の町に夕やみがせまる頃」。やっぱり、せつない恋の詩っていいですね。最近、詩の世界にどっぷりとハマりがちで、そういうのってあんまりいいことだとは思わないのだけど、気がつくと浸ってしまっている私がいる。何とも困っている、今日この頃。
最後の連想しりとりバトル中
の中川五郎さんとみわこさん
さあ、再び「詩人」のお出ましだ。1ポエ、2ポエめはまたまた新作である。なかでも、「バナナとデモの行進」は傑作だ。バリ島での出来事をつづる前半部も最高だけど、後半の”デモ”の行進の部分は、面白うてやがてかなしき、という気分にさせてくれる。
でも だめなんです できないんです
でも 無理なんです 私なんか
でも でも でも でも でも の行進
詩のなかにも出てくるけど、「でも」と「いつか」という言葉を使用禁止にしたら、世の中だいぶ変わることだろうと思う。まあ、それがほんとに世界のためになるのかは分からないが。ただいえることは、これらはやっぱり多用しないに越したことはない、ということ。逃げ道を断ち、前向きに生きよう。う〜ん、でも難しいなあ(やべ、使っちゃった(^^;)
このときは、楽器もしっかりバリ島していた。西村さんは指で弾くダルシマー(・・・でいいのか?)、夏秋さんはジェゴグの一番小さなタイプのシュイル(・・・でほんとにいいのか??)、みわこさんは回すとヒュンヒュンいうあれ(・・・わ、分からん???)うう、なんか書いてて情けなくなってしまった(;_;)
笑顔がかわいい(はあと)
みわこさんの部の面々。夏秋さんの
前にあるのが、シュイル(予想(^^;)
約3時間のロングランだったが、それほど時間がたったようには思わなかった。ポエLIVEを長いと感じさせないというのは、これは凄いことでは?みわこさんのポエトリー・リーディング布教計画は着実に進行しているようだ。さて、今年の残り2ヶ月のパフォーマンスでは何をみせてくれるのか、ますます楽しみになってきた。
後ろの西村哲也さん、真剣なまなざし
最後のポエ「BABY」にて
(1998.11.1)