スーパー方式の分離

スーパー方式の分離(選択度)は非常に優れています。例えば
1000 kHz の放送を受信している場合、980 kHz の信号が混信してきた
場合を例に説明致します。

1) ストレート受信機(並3 や 高1)の場合
   混信の比率は  (1000-980) / 1000 * 100 % =2 % です。

2) スーパー方式で中間周波数 455 kHz の場合
   中間周波数に変換して、増幅しますので、
     455 + ( 1000-980 ) = 475
   混信の比率は  ( 475 - 455 ) / 455 * 100 % = 4.4 %

1) 2) より、スーパー方式は、ストレート式に比べ、2倍以上分離が良く
なります。
また中間周波数を低く設定できるため、増幅も容易になります。
 

5球スーパーラジオ調整方法


スーパー方式のラジオ受信機の以下の調整を、トラッキング調整と
いいます。同調周波数と局部発振周波数を バリコン全域の容量変化
に対し 常に中間周波数(下記説明では、455kHz)の差を設けることで、
正しく直線的に同調周波数が合うようにすることです。

低い周波数で 局部発振回路の パティングコンデンサー(PC)を
調整し、高い周波数でバリコンのトリマーを調整し、各々交互に
調整する事により、中央の周波数も正しい目盛りで入るように
何回も調整を行うのを トラッキングを取るといいます。

なお最初に 中間周波トランス(IFT)を 調整します。
(下記説明では、455kHz)

1)テストオッシレーター(以下 TO)より 455kHz の減衰した変調波を
 出力して、 アンテナ回路に結合し、変調音が最大になるように、
 IFTの上下のねじを調整する。
2)TOより 1600kHzの変調波を出力して 1)と同様結合、
 バリコンのローターを全部出した位置で受信できるように、
 バリコンの発振側のトリマーコンデンサーまたは
 パッティングコンデンサーを調整する。
3) 2)の状態でバリコンの同調側トリマーを調整し最大音になるようにする。
4)TOより 530kHz を出力しバリコンのローターを全部入れた状態で
 受信できるようにパッティングコンデンサーを調整する。
5)TOの出力を減衰させ 600kHz を出力し、これが最大音で
 受信できるように、バリコンを移動しながらパティングコンデンサー
 のねじを調整する。
6)TOより 1400kHz を出力し、バリコンを移動しながら発振側の
  トリマーコンデンサーを調整して、最大音になるようにする。
7) 5),6)を繰り返しおこなう。
         
* TO が無い場合、1)中間周波数の調整は、1000KHz付近の
  周波数の放送局で
 また 2)〜7) は 600KHz, 1400KHz 付近の放送局を受信し 
 ダイアルと表示をあわせ、
 最大音量(感度)になるようにするのが、良いでしょう。