●「となりの山田くん」ニュースクリップ:11
News Clip of "My Neighbors The Yamadas"

1999年7月上旬〜中旬

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1999年7月20日 読売新聞 衛星版

個性派 矢野顕子の挑戦 映画「となりの山田くん」家族愛の世界表現  

 歌手でピアニストの矢野顕子の話題が目立つ。公開中のアニメ映画「ホーホケキョ となりの山田くん」の音楽を手掛けたほか、8月4日には2年ぶりの新作アルバム「ゴー・ガール」(エピック)を出す。住んでいる米国から一時帰国した矢野に話を聞いた。

 ソロデビューして23年になるが、映画音楽は意外にも初めて。依頼は多数合ったが、断ってきた。「時間がなく、作品にひかれなかった」のが理由。なぜ今回は引き受けたのか。

 「まず原作のいしいひさいちさんの漫画のファンだった。そしてセックスも暴力も出てこない、家族の日常を温かく描いた良質な映画だったから」という。

 それまでスタジオ・ジブリ作品に強い関心はなかったが、台本に目を通すとすぐに没入できた。「画面にピアノと声で茶々を入れるように」という高畑監督の求めに応じ、ピアノによる小品を幾つもつなぐ形で仕上げた。

 「おもろうてやがて悲しき家族愛の世界を表現したつもり。監督から注文されて作るのは、CM音楽をずっとやっていたのでとまどいはなかった。そこはプロですから」

 自信に満ちた言葉通り、元気で明るい歌声と旋律がアニメの画風に合い。ほのぼのとした雰囲気を盛り上げる。映画音楽でありながらも、随所に自由な感性のほとばしりが感じられる。

 豊かな個性は新アルバムでも発揮されている。幼い目の百貨店での買い物風景を謳った「イセタン・タン」など、独自の音楽世界を示した。共同プロデューサーのジェフ・ボヴァを迎えたのが功を奏した、という。

 「ジェフに、『歌をよそいきにしないでいいよ』と言われた。今まで自分のしたいようにやっているつもりでも、プロの誇りもあって、例えば音楽は性格に歌わなきゃという思いがどこかにあった。改めて自分を解き放せた気がする」

 さらに表題曲やシングルの「ガールフレンズ・フォーエバー」など女性への応援歌が多いのも特徴だ。

 「励ましであり、問いかけでもある。自宅で読む邦人向け女性雑誌の広告にはモノと恋愛のことしか出ていない。それだけじゃだめ、もっと自分の内面を磨かなきゃ、との思いを込めた」

 坂本龍一とニューヨークに渡って十年目。「東京は作品を披露するという意味ではいいが、作る原動力がわかない」と小刻みに帰国して活動している。昨年、子育てが一段落したのを受け、渡米以来中断していたピアノの弾き語りによる出前コンサートを再開。今年も全国各地を巡った。年末には恒例のツアーも控えている。「久々に大変」と言いながらもどこかうれしそう。

 「新しいことをやるたびに新鮮な発見がある。だから今はすごくいい曲が作れそう、歌えそうな気がしているの。」(当該記事より 記事提供:コウさん)






1999年7月18日 報知新聞

「山田くん」初日 庵野監督 新作はジブリ制作で

 17日、スタジオジブリの最新アニメ映画ホームページが全国245館で、ポケモン映画第2弾「劇場版ポケットモンスター ルギア爆誕」が全国322館で一斉に封切られた、「山田くん」初日あいさつでは大ヒットアニメ「エヴァンゲリオン」の庵野(あんの)秀明監督(39)がスタジオジブリと合体、2001年にもジブリ製作の新作を発表することが明らかになった、

 東京のメーン館・丸の内ピカデリーに殺到した徹夜組が50人。世界最高峰のアニメ工房・ジブリヘの期待に包まれた「山田くん」初日舞台あいさつ後、ゼネラルプロデューサーの徳間康快・徳間書店社長(77)の口から仰天プロジェクトが明かされた。

 「『山田くん』はリピーター(再入場者)がどんどん出て配収60億円はいくと思う。次は2000年に宮崎駿監督作品を作り、その次に庵野君に作ってもらいます」

 97年、映画「エヴァンゲリオン」を社会現象にした庵野監督は84年の宮崎監督作品「風の谷のナウシカ」にアニメーターとして参加。クライマックスの巨神兵のシーンを手掛けて名をあげるなどジブリとは縁が深い。

 内容などは、これから検討されていく形となる。宮崎監督、「山田くん」の高畑勲監督に続く第3の天才・庵野監督のジブリ参戦に期待が集まる。

ポケモン好発進「配収30億円確実」
 「ポケモン」映画第2弾も「配収30億円は確実」のロケット・スタートを切った。東京・有楽町での日劇東宝での舞台挨拶後、久保雅一エグゼクティブプロデューサーが「ポケモン2000プロジェクト」を発表。11月12日、昨年、日本で配収43億円の大ヒットを記録した映画第1弾の英語吹き替え版を全米1500館で公開。9000万円をかけてフィルムに手を加えたうえ、声優には米大物俳優を起用する。来年には、豪州、中国、韓国など世界公開もされる。また、映画第3弾の来夏公開も決まった。(当該記事より)






1999年7月18日 日刊スポーツ

「山田くん」公開

 スタジオジブリの新作アニメ映画「ホーホケキョ となりの山田くん」(高畑勲監督)が17日、東京・丸の内ピカデリー1で舞台挨拶が行われた。「もののけ姫」の宮崎駿監督(58)とともに同スタジオを支える高畑勲監督(63)は「自分たちがやらねばならなかったことが実現しました」と胸を張った。(当該記事より)






1999年7月18日 サンケイスポーツ

夏休みアニメ戦争 「となりの山田くん」「ポケモン・ルギア爆誕」

 大作アニメが真っ向から激突!この夏の話題をさらっている二大アニメ映画「劇場版ポケットモンスター・幻のポケモン・ルギア爆誕」(湯山邦彦監督)と「ホーホケキョ となりの山田くん」(高畑勲監督)が17日、ろそって初日を迎え"夏休みアニメ戦争"の火ぶたが切って落とされた。両映画の製作サイドとも「米ハリウッド映画『スターウォーズエピソード1』を"撃墜"する」と鼻息は荒く、どこまで一ヒットするか注目される。

 アニメファンにとって熱い夏がやってきた。ばく大な制作費をつぎ込んだアニメ巨編が2本、イッキに全国公開された。

 「ホーホケキョ となりの山田くん」は、「もののけ姫」などの制作で知られるスタジオジブリの劇場用第11作で、この日、全国松竹系など245館で封切られた。東京・有楽町マリオン9階の「丸の内ピカデリー1」では午前9時40分らの初回に、約50人の徹夜組を含む約800人が詰めかけ、ほぼ満席に。

 舞台挨拶した高畑勲監督は「テーマが『適当』なので、気楽に見て下さい」と"気楽"にあいさつ。たかしの声を担当した俳優、益岡徹も「今までのジブリの作品と違う勇気ある挑戦をした映画だと思う」とPRしていた。この後、会場を埋めたファンらが「適当風船」を打ち揺らして気勢を上げるなど熱気ムンムンの初日となった。製作総指揮の徳間康快・徳間書店社長も「配収は60億円以上を目指します」と怪気炎だ。

 一方、「山田くん」の初日舞台挨拶からわずか1時間後、真っ向から激突するかのように「劇場版ポケットモンスター・幻のポケモン ルギア爆誕/同時上映ピカチュウたんけんたい」の初日舞台あいさつが、「丸の内ピカデリー1」と同フロアの向かい側「日劇東宝」で行われた。同作品も全国東宝系322館で封切られ、子供たちが早朝から殺到。湯山邦彦監督は「今年もポケモンの夏がやってきました。CGを去年の10倍使っているのでアクションシーンを堪能してほしい」。サトシ役の声優、松本梨香も「ポケモンが夏を連れてくればいいな」と徹夜組約20人や立ち見を含む約800人のファンに呼びかけた。

 夏休み帰還は映画界にとって大作アニメ作品で子どもや家族連れをターゲットに大量動員を狙うドル箱シーズンだけに、絶対に負けられないガチンコ勝負だ。10日に公開され大盛況の「スター・ウォーズ」打倒も視野に、激烈バトルのゴングが打ち鳴らされた。

2000年夏にポケモン第3弾
「ポケモン」の久保雅一エグゼクティブプロデューサーは「全世界での上映を想定した劇場版シリーズ第3弾を2000年夏に日本公開したい。今後はアジア、ヨーロッパにも配給したい」と新構想を発表した。昨年7月日本公開の「劇場版ポケットモンスター・ミュウツーの逆襲」も11月に全米公開されることになり、8月に配給の米ワーナー・ブラザースとハワイで会合を持ち声優の選出などを詰める予定。「ポケモン」もいよいよ世界共通キャラクターだ。(当該記事より)






1999年7月18日 スポーツニッポン

アニメ対決ポケモンVS山田くん 封切り ピカチュウ世界制覇

 アニメ映画「幻のポケモン ルギア爆誕」(湯山邦彦監督)が封切られた17日、配給元の東宝から全世界を舞台にしたプロジェクト「ポケモン2000」が発表された。11月12日から全米では1500館でシリーズ第1弾「ミュウツーの逆襲」が公開されるのに続いて、来年中にはテレビアニメが放送されているカナダ、オーストラリア、香港、台湾、中国やヨーロッパなどに配給していくものだ。

 久保雅一エグゼクティブプロデューサー(40)は「ワールドワイドにキャンペーンを行い、ピカチュウを世界の共通語にしたい」とぶち上げた。さらに、シリーズ第3弾の公開を来年の夏休みに行うことも発表。第2弾の「…ルギア爆誕」も配収40億円に向けて快調なスタートを切った。

 一方、アニメ映画「となりの山田くん」も丸の内ピカデリー1ほか全国245館で封切られた。製作総指揮にあたった徳間書店・徳間康快社長(77)は「"スター・ウォーズ"に負けない。配収60億円はいける」と高らかに宣言。邦画の熱い夏休み戦線が本格的にスタートした一日となった。(当該記事より)






1999年7月16日 朝日新聞 夕刊広告

となりの山田くん 明17日(土)より超拡大ロードショー

もののけ姫から山田くんへ。ジブリの夏、開幕! 
いよいよ明日、適当な時間にお越し下さい。






1999年7月7日 読売新聞 衛星版

この人と60分 家族は理想より「適当」 リアルさ追求やめ四コマ漫画そのまま  

 戦時下に生きる幼い兄と妹を描いた「火垂るの墓」。無秩序な山林開発を批判した「平成狸合戦ぽんぽこ」・・・。

 「もののけ姫」の宮崎駿と共に日本のアニメ界をリードしてきた監督の映画には、いつも鋭く重いテーマがあった。ところが、5年ぶりの新作「ホーホケキョとなりの山田くん」(17日公開)のキャッチフレーズは「適当」である。いい加減という意味の適当。これには一瞬、驚かされた。

 原作は、いしいひさいしの四コマ漫画。平凡な一家が繰り広げる、あるぐれた日常がユーモラスにつづられ、全編、笑いが絶えない。

「人生、あきらめが肝心」とつぶやき、一見、いい加減に生きている登場人物たち。が、そこにこそ、肩に力が入りすぎ、窮屈に生きる現代の日本人に対する監督ならではのメッセージが込められていた。

 「今は、理想だけを見て、自分との格差に苦しむ人が多すぎる。でも、人間なんて大したことのない人の方が多い。自分も含め、愚かな人たちで社会は成り立っているし、成り立たなくちゃいけない。その名化でどう容認するかを考えるには、何事にも柔軟に対処できる、リラックスした姿勢が必要。理想だけ見ていると硬直してしまう。」

 悩める現代人とは対象的に、山田家の人々は決して背伸びをしない。父親は家で、ごろごろ。母親は家事をさぼり、受験を控えた息子も居眠りばかり。でも、我が家の隣にもいそうな一家に、実は現代では失われつつある大切なものが残っていると、監督は言う。

 「皆でこたつに入って、のんびりしていれば、自然にスキンシップがとれるし、会話も生まれる。主婦が家事をさぼるのは、裏返せば、家族が対等に負担を受け持つということ。今の課程に必要だと言われるものを、山田家は無意識のうちに達成しているんです」

 理想の家庭などという幻想を追い求めるよりも、足元を見つめ直し、自分の家族を愛することから始めよう―。いい加減で、ずぼらだが、愛すべき山田家の面々に大笑いするうちに、そんな前向きなメッセージが伝わってくる。

 肩の力を抜いた柔軟な発想は、アニメの描き方も大きく変えた。現実をリアルに描くことをやめ、単純な線だけを強調。水彩画のような淡い色だけで、背景は無地の部分も多い。原作の四コマ漫画が、そのまま動き出したかのようだ。

「以前から、ち密に描くアニメとは違うスタイルでやりたかった。最初に、ざっと描いた線は実に生き生きとしているのに、丁寧に仕上げるにつれて、線の勢いやエネルギーが失われてしまうから。だったら、四コマ漫画のように必要なものしか描かず、後は想像に任せればいい」

 簡潔な表現は、どこまでのリアルさを追い求めるアニメ界のすう勢に対する問題提起でもある。「コンピューターゲームのように、現実にはあり得ないことを、あるかのように描くリアルなファンタジーが嫌になった。閉ざされた世界に逃避しても、ファンタジーの中で描かれる愛と勇気なって、現実では役に立たないのだから」

 化けるタヌキが主人公のためファンタジーと思われがちな「平成狸合戦−」も、「多摩丘陵で起きたことをドキュメンタリーにして描いた」と語る監督は、常に現実と向き合ってきた。

 「適当」というメッセージも、家族という現実と真剣に向き合った末の結論なのだと納得できた。(当該記事より 記事提供:コウさん)






1999年7月2日 報知新聞

となりの山田くん 制作費日本新23億円

 7月17目公開のスタジオジブリ最新アニメ映画「ホーホケキョとなりの山田くん」(監督・高畑勲)の完成披露試写会が1日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われ、ゼネラルプロデューサーの徳間康快・徳間書店社長(77)が製作費が日本アニメ映画史上最高の23億6000万円に達したことを発表した。舞台あいさつには米ディズニー社のマイケル・O・ジョンソン・アジア代表も出席、全米公開することを確約した。

完成披露試写会
 ついにベールを脱いだ"究極"のアニメ映画「山田くん」の製作費は、「もののけ姫」の20億円を上回る23億6000万円だった。「最初は16億円で大丈夫と言っていたら、ついに23億円を超えた。まあ、そこで止まったのは幸運だったけどね」と徳間社長。

 製作期間2年。作画枚数が日本新記録の15万枚。1時間44分の全編フルデシタル(コンピューターによる作画)で生み出された「となりの山田くん」は驚きの連続だ。原作は、いしいひさいちさんの4コマ漫画。おなじみの山田一家の妻・まつ子が、夫・たかしが2等身の体で、生身の人間より人間らしく動き回る。ディズニー作品や「もののけ姫」でも実現できなかったち密な動きだ。

 水彩画タッチで統一された画面全体がキャラクターをのみ込んで、うねるように動き続ける。アニメ映画では克服できなかったキャラクターと背景の質感の一体化も初めて実現した。

 上映後、丸の内ピカデリーを埋めた約1000人の爆笑と大拍手を受けた徳間社長は「これぞジャパニーズ・スタンダードの映画。」欧米、アジアなど全世界で異常なまでの支持を得るだろう」と胸を張った。

全米公開も確約
 10月に英語吹き替え版が公開される「もののけ姫」に続き、「山田くん」の全米進出を宣言。国内では17日、配給の松竹史上最多の263館で一斉公開される。

スター・ウォーズ相手に必勝宣言
 この夏の映画界は話題作がそろった。10日には全米公開だけで配収36億円を記録し、日本でも前売り券の売り上げ新記録が目前となっている「スター・ウォーズ」が全国410館で公開される。同日公開作品には昨年41.5億円を記録した「ポケモン映画」第2弾など「山田くん」のライバルは多い。しかし、「これが高畑さんの最高傑作。内容の面白さで『スター・ウォーズ』にも絶対に勝ちます」と鈴木敏夫プロデューサー(50)は自信を見せている。(当該記事より)

SWは10日零時1分公開
「スター・ウォーズ/エピソード1」で、日本初のカウントダウン興行が行われることが1日、決定した。10日の公開日には多くの徹夜組が予想されることから、関東では新宿スカラ座ほかで、関西では北野劇場ほかで、日付が変わったばかりの10日午前零時1分から上映がスタートする。





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