●あらすじの概要&解説
Outline of the Story

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●作品の背景と解説 1999/07/09




●あらすじの概要 1999/07/09




●カットされたエピソード 1999/11/04









 
●作品の背景と解説


「となりの山田くん」には、特に映画の全編を貫いているテーマがない。あえて言えば、平凡な家族のちょっとした日常の積み重ねを描くというテーマしかない。特に目的をもって生きているとか、目標に向かって努力しているというわけでもなく、ただ生活している風景がそこにあるだけである。

朝日新聞に連載されていた「となりの山田くん」(現:ののちゃん)をアニメーション化しようと考えたのは、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーである。鈴木氏は以前から「となりの山田くん」の大ファンで、これを「となりシリーズ第2弾」としてアニメ化出来ないかと周囲に働きかけてきたという。

当初、誰もこの働きかけを冗談として聞かず、高畑勲監督もこの企画には乗らなかった。「となりの山田くん」が優れた作品であるにしても、これまでのスタジオジブリのイメージとはあまりにもかけ離れていたし、スタッフの力量を生かせるかどうか分からなかったからだ。

しかし、高畑氏は、この「となりシリーズ第2弾」というコンセプトが語呂合わせでも冗談でもなく、時宜にあった妥当なものかもしれないと気付くようになった。タテマエとホンネを使い分けない、いわば人間の外面だけで生きている山田家の行き方は、必死になって働いてきたこれまでの日本人の呪縛から自由である、もっと楽に生きたら?という問いかけこそ、いま必要なのかもしれないのであるという。

この結果、「となりの山田くん」の長編映画化が決まったわけであるが、4コマ漫画を劇場用アニメーション映画として長編化することは極めて困難である。両者の目指している方向性が全く異なるからで、それは短距離選手をマラソン選手に仕立て上げるのと同じで、ほとんど不可能に近い難業である。過去に4コマ漫画の引き延ばしたり組み合わせたりしてアニメーション化した作品には『サザエさん』や『がんばれ!!タブチくん!!』などがあるが、必ずしも原作の引き締まった面白さが生かされたとは言い難い。

そのため、4コマ漫画のテンポ、リズムを生かしつつ長編映画化するために高畑氏の辿り着いた結論は、誤解に恐れずにいえば「ストーリーをなくす」であった。小さいエピソードの積み重ねだけで映画全体の構成を試みたという。

したがって、「となりの山田くん」を例えば「もののけ姫」に臨むような感覚で見ると、思い切り拍子抜けすることになる。「もののけ姫」は全編を通して見なければ、いや全編を通して見ても理解することが難しいテーマ性を持っていたが、「となりの山田くん」にはテーマ性そのものがない。誰にでも覚えがありそうな家族の日常風景が、ただ描写されているだけなのである。

だから、「となりの山田くん」は、必ずしも最初から最後まで通しで見なくてもいい。どこか適当な数十分だけ見れば充分である。映画の前半だけ見た人も後半だけ見た人も、「となりの山田くん」を見た印象や感想はほとんど同じであろう。これは、「もののけ姫」では到底不可能な芸当である。

「もののけ姫」のストーリーを精密機械にたとえるならば、「となりの山田くん」のそれは原生動物である。精密機械は素晴らしい性能を発揮するが、少しでも狂いが生じると動かなくなる。原生動物はほとんど何の機能もないが、その代わりタフで打たれ強くて前後に切断されても生きている。単純さゆえの奥深さ。複雑な世相の中で活力の原点を家族に求めるというコンセプトは、まさにこの単純さに収斂していくのではないだろうか。

世の中がどうあっても、安らぎの拠り所として落ち着けるところとしての家族。いちいち説明したりしなくても何となく分かり合えるという安心感。それらに裏付けられた偉大なる平凡な日常の日々−。高畑氏は「となりの山田くん」を通して、そういう家族の日常を淡々と描写する。

この映画を理解するのに理屈はいらない。ヘンに頭を使ったりせず、「適当」に眺めていれば、それで充分だと思う。(1999/7/9 Y.Mohri)





 
●あらすじの概要


パラグラフ



目安



エピソード

プロローグ 1-2 のの子のナレーションで家族を紹介。
3 「となりの山田くん」タイトルが出る
4-13 4-5 のぼる「違う親だったら、ボクはもっとカッコよくなっていたのに。」
まつ子「何言うてんの。うちらが結婚せんかったら、あんたはこの世におらへんねんで。」
のの子「お母さん達って結婚したことがあったんだ。」
6 たかしとまつ子の結婚式のシーン。以下、10分にわたってキクチババのスピーチが続き、間に様々なシーンが登場する。
7 ボブスレー登場 新婚の二人が人生の海原に繰り出す。人生山あり谷あり。
8-9 のぼる誕生。のの子誕生。「子を持って知る親の恩」
10 家を建てたのはたかし。しかし、土地の名義はしげのもの。もめる二人。
のぼる「ケンカはやめてよ。いずれはボクのものになるんだから。」
11-13 海底のシーン。キクチババいわく「人生は航路なり。」
14 夫婦でテレビゲーム。大失敗にずっこける。
家庭崩壊の危機編
15-24 15-17 家族でデパートに買い物に行く。帰りの車の中で、のの子をデパートに忘れてきたことに気づく。
18-19 しかし、のの子は自分が迷子になったという自覚がない。デパートで、やはり親とはぐれた男の子と話をしている。「お母ちゃまがいなくなっちゃったの」「最近、大人の迷子が流行っているんだ。」
20-22 山田家の4人はデパートへ引き返すが、のの子はいない。迷子の男の子の親と一緒に車で出た後だった。
23-24 心配しながら4人は帰宅する。ほどなく電話がかかって、のの子が男の子の家で世話になっていることがわかる。ほっとする4人。
25 バスの中。居眠りするまつ子。起きて慌てて下車ボタンを押すが・・・。
家政の天才編
26 雨が降り始める。まつ子が慌てて洗濯物を見に行くが、洗濯物は取り込まれていた。その真相は・・・。
26 外出するしげ。まつ子は買い物を頼むが思い出せないままついていく。パン屋の前まで来て食パンを買うことを思い出す。
27 のぼる、うどんを作らされる。
27 蛍光灯が切れた。あまり使わないところから補充するが・・・。
28 お茶を入れにいったのぼる、食器洗いを任される。
28 急な来客。まつ子は散らかった部屋を片づけるどころか散らかし始めた。その理由は・・・。
我が家の夫婦道編 29 たかし、会社から家に電話。家に忘れてきたと思っていた書類は会社にあったのだが。 
29 まつ子が新聞を読んでいる。たかしは手が出ない。
30 買い物を頼まれるたかし。たかしはしっかり覚えていたつもりであるが・・・。
30 レストランで。たかしのメニューの決め方ときたら!
31 たかし、今日は禁パチンコ日と言って家にいる。家事に口を出すたかし。まつ子が怒って出かけた先は・・・。
32-33 たかし、まつ子のチャンネル権争い。息詰まる駆け引き。 しげ「テレビより面白いわ」
夫婦ダンスの間奏シーン
親子の会話編
34-35 たかし、のぼるとキャッチボール。たかし「ここは2アウト満塁でリリーフしたって設定だ。」 のぼる「えーっ、ボクは先発完投型なんだ。」
塀の向こうで聞いていたじいさんがツッコミ。「うるさい親子だな。」
36 たかし「このテープを繰り返し聞くと英語の勉強になるかな。」 それを聞いたのぼる「ボクも繰り返し勉強しろと言われるけど、ちっとも勉強する気にならないよ。」
37 たかし、のぼるにちょいと酒をすすめてみる。のぼるのコメントときたら・・・。
38 たかし、のぼるをキャッチボールに誘う。しかし、のぼるは面倒くさがる。親父はひとり表に出ていくのであった・・・。
父権の回復編
39 のぼる、みそ汁にご飯を入れている。たかしは、のぼるを注意するが・・・。
39 のぼる、食卓で迷い箸をする。たかしは、それをたしなめるが・・・。
40 のぼる、課題の自由研究で迷う。たかし「自由にやったらいいと言われると、かえって迷ってしまうんだよな。」 あこがれの自由・・・父の回想。哲学者のよう。
親父の背中編
41-42 初雪が降ってくる。たかし、家族で写真を撮ろうとするが、みんなはテレビドラマに夢中。それでも、たかしはカメラを持って・・・。
山田家の歳時記抄編
43 たかし、家族の年賀状を仕分ける。早い早い!
44 寒の入り。たかしが用事に立ち上がると・・・。
45-46 雨の日。たかし「傘を持って駅まで迎えに来てくれないか。」 しかし、みんな嫌がる。 たかし「いい!傘を買って帰る!」 まつ子「それなら、ついでに肉を買ってきて。」
たかし、肉を買い求め、商店街を歩く。たかしの歩く先に見えたものは・・・。
47 洗濯ものが行方不明。そのありかはどこに?
名コンビ編
48 まつ子としげのコンビネーション。しげ、ビーフストロガノフ作りに挑戦するが・・・。
おさんどんの鉄人編
49 余りものの食事を食べさせられるたかし。残りものには福がある?
49 まつ子はいつ食事をする?
50 冬。1日おきに鍋が出る。「自炊させられてるんと違うやろか?」
50 夏。おかずは連日そうめん。お中元のそうめんが大量に余っているから。
茗荷の朝編
50-53 茗荷の味噌汁を飲むと物忘れがひどくなる?家族のみんなが何か忘れてしまうのであった。
反省編 54 ラジオをつけっぱなしで寝るまつ子。クラシック音楽が家の外まで響いている。 近所の人「山田さんって、クラシックのファンだったの?」
芸術は短し、人生は長し編
55 桜を見上げるしげ。しげ「この桜はあと何回見られるやろか。」 まつ子「何を気の弱いこと言うてるの。おかあちゃんまだ70やない。」 しげ「そうやなあ。あと30回くらいやろか。」
56 しげ、税金を払いに出かけるが、ポストに入れてしまう。
57-58 しげが病院へ眼鏡の女を見舞う。健康としか思えない眼鏡の女であったが、しげの「どこが悪いんや。」の一言から・・・。
59 しげが読書。あたりはすっかり暗くなっている。まつ子の声で電気をつける。 しげ「知らん間に暗うなって。」
59 まつ子「ちょっと電気消しなさい」のぼる「起きてるよ!」
少年老い易く学成り難し編
60 のぼる、風呂に入って勉強をやる気になるが・・・。
61 のぼるの中学校。試験中。「火事は最初の5分。テストは最後の5分が大事。」テスト終了のベルが鳴る。のぼるが先生に訴える。「ロスタイムはないんですか?」
62 のぼるが2階の自室で猛勉強をしている。たかしがそれを見て不思議がり、まつ子に聞く。のぼる「のぼるが鬼のように勉強しているぞ。」まつ子が言うには・・・。
62 のぼるの家庭教師の話題。まつ子「家庭教師は週2回で3万円かかるしなー。」 たかし「俺が教えてやるから3万円くれ。」 しげ「わしは2万円でええぞ。」 のぼる「自発的に勉強するから1万円!」
62 のぼる、バレンタインのチョコをもらう。のの子の口から出たセリフは・・・。
思春期編
63 のぼる、ホワイトデー用にクッキーを買い、戸棚に置いておく。家族はそれを知らず・・・。
64 雨の放課後。傘を忘れたのぼる。クラスメイトの(キクチマミ?)が、のぼるに傘を貸してくれる。クラスメイトは別の男の子のところへ走って行き、「私、傘忘れちゃったの!」というが・・・。
65 のぼるの先輩が学校に来る。先生の対応は・・・。
66 のぼるは本屋でクラスメイトと会う。買おうと見せかけた本は・・・。
66 のぼるの買ってきた参考書は?
67-68 のの子「お兄ちゃん、女の人から電話!」 「あの顔でよう女ができたの。」まつ子としげが冷やかしたので、のぼるは2階へ駆け上がってしまい、怒らせてしまったかと思ったが、のぼるはひたすら喜んでいた。
山田家の歳時記抄編ふたたび
69-70 酔って帰宅したたかし。「何か食べるものはないか?」しかし、家にはバナナかドラヤキしかない。構わずミルクをチンするまつ子。結局バナナを食べるたかし。その傍らで、まつ子はテレビを見つづけていた。
71 まつ子が風邪で寝こむ。そのため、一家で出前をとるが、寝込んでいたはずのまつ子も起き出して注文!
我が道をいく婆さん編
72 選挙用の掲示板にゲートボール大会のポスターを貼るしげ。おまわりさんがたしなめる。「いくら空いているからといって、まだ候補者のポスターが貼られるかもしれないから。」
しげがポスターをはがした下には・・・
73 ボランティアで公園の掃除をするしげ。公園には幼なじみの男性がいる。
掃除のなわばりを主張するしげ。幼なじみ「60年前からちっとも変わっとらん。」
73 まつ子、ごみ分別の名案を思いつく。しかし、その実態は?
正義の味方編
74 山田家の庭にボールが入る。しげ、子供達にボールを返すが、正直な子供を気に入って昨日入ってきたボールまで渡してしまう。その子供達はのの子のクラスメイトだが・・・。
75 ひしゃげたガードレールの脇に花が飾られている。可哀想なのは・・・。
76-87 76 家の前の道を暴走族が走っている。注意に行こうとするしげ。
まつ子が止める。「そんな危ないことせんといてください。」 
しげ、納得したが注意をやめるのではなくヘルメットをかぶりバットを持って出ようとした。そこへ、たかしが帰宅。しげの代わりにたかしが暴走族を注意するために外に出る。
77-79 リアルモード 2頭身が4頭身くらいになる。
たかし、暴走族に注意しようとするが逆に怒鳴られてびびってしまう。
80-84 しげとまつ子が出てきてリアルモードが終わる。正攻法で説得にかかるしげ。
しげ「その凄みで正義の味方をやってみたら面白いんとちゃうやろか。」
通じたのか通じなかったのか、暴走族の頭はやがて黙って走り去って行く。
85‐87 たかしの空想シーン。家族がギャングにさらわれるが、月光仮面に扮したたかしが家族を危機から救う。家族から感謝される月光仮面。
その光景を想像しながら夜の公園のブランコで一人たたずむたかしの姿があった。
88 よく傘を忘れてくるたかし。今日は傘を忘れなかったぞと胸を張るが、今朝は傘を持っていったっけ?
山田課長編
89 たかし、ケーキを買ってきた。何かやましいことがあったのかと疑うまつ子。
しげはたかしを庇うが、たかしはプリンまで買っていたので、しげも疑いにかかる。
90-91 まつ子の寝坊で大遅刻のたかし。必死に走るも電車に間に合わず、よろめきながら公衆電話へ・・・。
92 少し熱があるたかし。会社を休もうと決めたら体調が良くなり、結局出社していく。
94-96 知人の結婚式でスピーチをするたかし。
予めスピーチの内容をメモしていたが、まつ子から渡されたメモは全然別のものだった。思わず、たかしの口から出たアドリブは・・・。
エピローグ
97 夫婦で歌。♪ケ・セラ・セラ、なるようになる〜未来は未来〜お楽しみ〜♪
98 のぼる「我が家が平和なのは、みんなヘンだからだ!」
99 藤原先生登場。「適当!」
100 家族でプリクラのシーン。最後に父のリーダーシップが発揮される。
101-
104
エンディング
※ストーリー進行は、あくまでも目安です。





 
●カットされたエピソード


『月刊シナリオ』(シナリオ作家協会)の99年10月号には、「ホーホケキョ となりの山田くん」のシナリオ決定稿が掲載されている。この決定稿は必ずしも映画本編と一致するものではなく、シーンが相前後したりカットされていたりする。
カットされたシーンを抽出すると、おおよそ以下のようになったた。


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●スズメバチのエピソード
山田家の歳時記抄編と名コンビ編(開始から48分目頃)の中

スズメバチが部屋の中に舞い込んでくる。
まつ子、叫んで逃げる。ハチは部屋の中を旋回する。
ハチはまつ子の頭にとまり、まつ子、縮み上がる。
しげ、「そーっと外に出なはれ」と言い、まつ子はスローモーションのようにガラス戸から降りて庭へ出る。
その瞬間、しげ、ガラス戸をピシャと閉める。
まつ子「あっ、コラ」
しげ、ガラス戸の中からじっと様子を伺っている。
まつ子、情けない表情。頭上のハチはそのまま。

【カットされた理由の推定】
しげの自分勝手な性格は先刻承知であったとしても、この場面だけは家族の信頼感を根本的に揺るがせる極めて冷酷な行為であり、不快感を呼び起こすと判断されて真っ先にカットの対象になった?





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●肉じゃがのエピソード
おさんどんの鉄人編(開始から49分目頃)の中

のの子、連絡帳を出して母に渡す。
まつ子「アンタ、給食なんやった?」
のの子「肉じゃがだよ」
まつ子「ふーん」と目を上げて考える
のの子「今晩のおかずを考えてるの?」
まつ子「そーか、肉じゃがか・・・肉じゃがでもええな。久しぶりに。」
のの子、テーブルにゴン。

【カットされた理由の推定】
このあたりは、まつ子の食事に関するだらしないシーンが連続しており少々くどい程であったので、このエピソードを間引きした?





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●夏祭りのエピソード
思春期編(開始から69分目頃)の後

まつ子、のぼるに向かって、のの子を八幡の縁日に連れていくように頼む。
のぼる、勉強中であることを理由に断る。
まつ子、連れていってくれたらのぼるの小遣いも出すと言う。
小遣いの額をめぐる駆け引き。妥協成立。
のの子、浴衣を着せられている。帯がなかなかつけられない。
のぼる、玄関先でしびれを切らす。
ようやく完了。のの子の可愛い浴衣姿。
まつ子、しげ「かわいいなー。」
結局、二人が連れていくことに。
のぼる「どうなってるの?」
まつ子「わたしらが連れていくからもうええわ。アンタ、勉強忙しいんやろ?」
三人「行って来ます」
のぼる、ふてくされて居間に転がる。小遣いは当然なし。
まつ子「留守番頼みまっせ。」

【カットされた理由の推定1】
みんなで一緒に行けばいいのに、家族の断絶を象徴するシーンになっている。「となりの山田くん」は、誰かが傷つくことで笑わせるシーンというのはないが、ここは、のぼるをコケにしているので、カット候補になった?


【カットされた理由の推定2】
高畑勲監督の作品には、何故か思春期の少女は決して登場させない。出てくる子どもの誰かが「可愛い」と言うこともまずない。よって、のの子を可愛らしく描くシーンはポリシーに反した?





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●レトルトカレーのエピソード
山田家の歳時記抄編(開始から72分目頃)の後

ちゃぶ台を囲んで夕食。
のの子「このカレーおいしい!」
たかし「レストランみたいだなあ」
のぼる「家庭のカレーも進歩したね。」
たかし、のぼる「おかわり!」
まつ子、「ハイハイ」と台所へ行く。
たかし「カレーの鍋をこっちへ持ってきたらどうだ?」
しかし、まつ子はそうしなかった。
何故ならば、それはレトルトカレーだったからだ。

【カットされた理由の推定】
レトルトカレーはどこの家庭でも使われており、まるでレトルトがいけないかのような描写は庶民の感情を逆なですると判断したか?




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●義援金のエピソード
山田家の歳時記抄編(開始から72分目頃)の後

テレビで自身の被災地の風景が映し出されている。
しげ「気の毒になあ」
まつ子「まったくなあ」
しげ「みんな貯金なんかちゃんとしてあったんやろか」
その声に、まつ子、こっそりヘソクリ?を確認に行く。3万円あった。
まつ子「いざというときか・・・やっぱ貯金が一番やろな。」
翌日の郵便局。まつ子、ヘソクリを貯金に行く。
子どもの「義援金、オネガイシマス」という声が聞こえる。
まつ子、緊張して汗。
葛藤の末、まつ子、3万円を義援金に出してしまう。
まつ子、郵便局から出てきて晴れ晴れとした笑顔。
両側に手拍子で見送る幻想の人々。

【カットされた理由の推定1】
全体でかなり長くなるエピソードなので、単純に時間的な問題からカットされた?


【カットされた理由の推定2】
さんざんもったいぶったあげくようやく義援金を払い込んだくらいで自己満足的な悦楽にひたるまつ子の姿は、実際に被災した人々に良い印象を与えないと判断され、カットされた?







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