夏の朝 |
最初の目覚めは池とうの「もや」
その日の風の向きによって
小さな粒々が一斉に息を始める。
やがて、水面に伝わり
木々が応ずる。
もやを開くように光が射す。
生物の営みがそれを待っている。
真っ先に日を受けるのは「至仏山」の頂上である。
その頃、待ちかねるように
「おこじょ」が
めまぐるしく、すばしこい散歩を始める。
「山の鼻」(79年7月)
燧岳(ひうちだけ)は
今日の晴天の間違いないことを保障する。
出発の時が来た。