秋の装い 1 |
片品村や檜枝岐村の山々が色づく頃
至仏・燧岳の山麓に、深い秋の色が一度に駆け上がる。
鳩待峠・沼山峠のブナは紅葉一色につつまれ
原は静寂の別天地となる。
鳩待峠のブナ林
空気が透明になり
澄みわたってヒンヤリとしたあたりの気配からか
人が生物に戻って
出立する。
原はカーンとして草紅葉に覆われる。
十字路に煙がたち
里心を招く。
池溏のオゼコウホネ・ヒツジグサ・ミツガシワは池の床に触手を伸ばし
春の準備に余念がない。
氷河期からの生き残りを思わせるイモリ達は
どのように冬を過ごすのか!
浮島のスゲ、リンドウも周囲に合わせて葉を染め
チングルマ、モウセンゴケ、リュウキンカは地下に栄養を蓄える。
みんな軽くなって、時を合わせて風と踊る。
白樺の葉が舞うように落ちる頃
原には野分の風が吹く。