音楽雑記帳へようこそ


ポータブルのCDプレーヤーで音楽をきく毎日です。よく聴くのは、古い時代の演奏です。時代に逆行しているようですが、何故か1930年代から70年代までのものが多いのです。

音楽好きとしてみると、かなり偏った好みです。基本的にオーケストラの音楽が好きで、声楽や器楽曲はあまり聴きません。聴いているのは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、ブルックナーが中心です。そのほかにはウィンナワルツや、吹奏楽の行進曲が好きです。

クラシック音楽のほかには、カントリー音楽、50年代から70年代までのポップスもよく聴きます。こうしてみると、「懷メロ派」ということで一括できそうですね。

さて、好きな演奏家(といっても実際は指揮者のことになるのかな)をあげてみましょう。

ということになります。このほかにはカール・ベームとかロヴロ・フォン・マタチッチも聴くのですが、全員が亡くなった人達ばかり。これではならじ、とジェイムズ・レヴァインのモーツァルトを聴こう、とCDを買いに行くのですが、えてして別のものを買ってしまうのです。

あ、そうだ。エリック・ハイドシェックがヴァンデルノートといれた古いモーツァルトのコンツェルトを持っていた。よかった。生きている人がいた。


カール・シューリヒト

今でもCDがよく出るところを見ると、この人の演奏を好む人が多いらしい。30年ほど前に演奏を聴いて気に入って以来、LP時代にはLPを、CD時代にはCDを買っている。経歴としては異色で、コンサート中心で、オペラ座での活動はほとんどない。この点では珍しい人だ。

この人で不思議なのは、CD時代になってからのほうが演奏が手に入りやすい、ということだ。以前はメジャーレーベルからはほとんどLPが出ていなくて、会員制のコンサートホール・ソサエティというところからたくさん出ていた。メジャーレーベルではEMIのベートーヴェンの交響曲全集が大きいものだった。

このコンサートホール盤というのはヨーロッパのマイナーレーベルの録音を音源としていたようで、登場するオーケストラも地方オーケストラが多く、あまり上手ではない。特にパリ・オペラ座管弦楽団の演奏は中学生が聴いても下手に聴こえるという代物なのだが、困ったことにこのオーケストラで得意のモーツァルトを演奏しているのだ。そしてプラハ交響曲が絶品というのだから、いやになる。演奏のレベルって、いったいどこで決まるんでしょうね。

このマイナーな演奏の中にも、実は何度聴いても聴き飽きない演奏がある。モーツァルトのリンツとプラハの交響曲、ブルックナーの第7交響曲は素晴らしいと思う。ブルックナーの交響曲については忘れられない思い出がある。実はシューリヒトの演奏で初めてブルックナーを聴いたのだが、一遍で好きになってしまい、何度も聴き返すこととなった。この長大な曲を中学生が何で好きになったのか、今もってよくわからない。

LP時代のものでもう一つ忘れられないのはパリ音楽院管弦楽団と入れたベートーヴェンの全集だ。このなかでは田園交響曲が一番好きだ。特に、最終楽章でのホルンの遊びは何とも魅力的だ。1番と2番とはヴィーン・フィルハーモニーと入れたのもあってきき比べるのもおもしろい。それにしてもこのEMIのベートーベン全集は企画としておもしろい。ドイツの指揮者にフランスのオーケストラを振らせているのだから、いわば相互乗り入れとなっている。そう言えば、アンドレ・クリュイタンスがベルリン・フィルハーモニーを振ったベートーヴェン全集も出ているから、同時期の企画だとすると、中々の知恵者がEMIにいたことになる。でもシューリヒトの全集はモノラルなのに9番だけステレオ録音というのも不思議だ。指揮者が変人として有名だったから、録音にまでそれが影響していたのかもしれない。

CD時代になってから、シューリヒトのメインディッシュともいえるブルックナーとブラームスの演奏を聴けるようになった。前者はヴィーン・フィルハーモニーと入れた3番、8番、9番の演奏とライブの5番だ。後者はコンサートホール盤に加えてのライブ盤だ。ライブで1番から4番まで揃う。実を言うとブラームスはあまり好きではないのだが、シューリヒト自身が好きな作曲家なので、やむなく付き合っている。そして聴いていると何となく好きになってくるようなのが不思議だ。

シューリヒトは、上に挙げた以外の作曲家では、シューマンがいいように思う。他の人の演奏を聴いたわけではないのだが、浪漫的な味わいに惹かれて時々聴いている。これも幾つか違う録音があり、それぞれにおもしろい。

マーラーの演奏もあるのだが、これはこちらがついていけないので、一度聴いたきりである。

シューリヒトにマーラーはちょっとねぇという気もするのだが、、、


ところで、『カールシューリヒト書誌』なんて言うのを始めました。よろしかったらご覧ください。

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ヨゼフ・クリップス

たくさん演奏を聴いたわけではないのだが、心惹かれる人だ。ヴィーンの音楽家なので、レパートリーもモーツァルト辺りが中心だったようだ。聴いたことのあるのはハイドン、モーツァルト、R.シュトラウスのオーケストラ作品だけで、オペラを聴いていないのはこの人の主たる分野が抜けていることになる。

それでも、聴いてみると素晴らしいものがある。モーツァルトの交響曲の録音を聴いたのが最初だったが、味わいのあるふくよかな演奏だった。オーケストラがアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団だったのが、残念といえば残念なのだが、そんなことは忘れさせてしまうような演奏だ。曲は40番と41番の交響曲だ。

特徴は、ゆったりとしたテンポで進む点と、くり返しをきっちりとやっている点だ。そのため時間がかかり(変な言い方だが)CDにも二曲がやっとという感じだ。豪華な感じのするモーツァルトで、40番ではちょっとおとなしいかな?と言う感じもあるが、全体としてはコクのある演奏となっている。初めて聴いたときに「なんて素晴らしい演奏なのだろう」と思った。きっちとした構成と、ゆったりした雰囲気とがじっくりと聴かせる演奏として仕上がっているのだ。やや物足りない演奏という見方も十分できるが、ここは味わいの方を取りたいと思う。

もう一つ素晴らしいのが、ヴィーン・フィルハーモニーと入れたハイドンの交響曲だ。これは実はLPの時代に買おうと思っていて買いそびれた演奏である。今聴いてみて、典雅で骨格のはっきりした演奏に引き込まれてしまう。見た目の派手さはないのだが、聴くほどに良さがわかってくる、そんな感じである。

クリップスのモーツァルトにはもう一つ、モノーラルの演奏を聴いた。ロンドン交響楽団といれた39番、40番、31番の三曲である。この内40番はステレオの今セルトヘボウ盤と同じなので聴き比べができる。ここでのクリップスはまた印象が違う。

より年齢が若いせいか、コンセルトヘボウ盤よりもすっきりした、軽やかな印象を与える演奏である。この軽くチャーミングともいえる演奏が、あるいはクリップスの基本的な演奏スタイルであろうか、と思えるのである。迫力よりは味わいの人、そんな印象である。

ところがそれがコンサートとなると違った感じになるからおもしろい。ヴィーン交響楽団と入れたR.シュトラウスの「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」とシューベルトの交響曲第8番を聴いたのだが、ここで聴けるのはもっとスケールの大きな、より迫力のあるクリップスである。この演奏を聴いていると、クリップスのベートーヴェンはどういう演奏だったのかな?と興味が湧いてくる。ひょっとしたら、がっちりした構成の、立派なベートヴェンが聴けるかもしれない、そんな期待を持ってしまうのである。

まだ三枚のCDを持っているだけなのだが、少しづつ集めていきたい、そんな気になっている人である。

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(C)小林年春
2001/11/27