The Daydreamer ★★☆

1966 US
監督:ジュールズ・バス
声の出演:ヘイリー・ミルズパティ・デューク、バール・アイブス、テリー・トーマス



<一口プロット解説>
ある少年が白昼夢の中で人形になってアンデルセンの童話の世界を旅する。
<雷小僧のコメント>
普段私目は、アニメだとか人形劇だとかは見ないのですが、たまに見ると時々感心させられるものがあるのですが、この「The Daydreamer」もその内の1本です。正確に言うとライブアクション+人形劇(更に正確に言うとpuppet animationということで人形劇に見せかけたアニメーションでしょうか)なのですが、人形劇の部分で声を担当している面々が実に錚々たる顔ぶれいや声ぶれなのですね。ボリス・カーロフ、バール・アイブス、テリー・トーマス、ヘイリー・ミルズ、パティ・デューク更には早川雪舟まで登場します。ストーリーは、アンデルセン(だと思います)の童話をうまく繋げて1つの冒険物語に仕立てたもので、人魚姫だとか裸の王様などの皆様よくご存知のお話が出てきます。
童話を素材にしているので多分に教育的な面があって、それが前面に出過ぎると何か小学校の道徳の教科書(そんなものあったっけ?)のようになってしまう怖れがあるのですが、この映画はそういう部分は極自然に提示されているように思います。それよりも、エンターテインメントに対する考慮がよくなされていて、チャーミングな人形達やミュージカルナンバーが実に心地よい作品となっています。特に、ボイスオーバーする俳優に似せた人形が実に素晴らしいですね。バール・アイブスは一目で彼とわかりますし、テリー・トーマスの前歯の隙間(英国訛りに次ぐ彼のトレードマークです)が強調された人形には笑えます。また、ヘイリー・ミルズの人魚とパティ・デュークの親指姫の人形が実にキュートで可愛く、本人よりもチャーミングなのではないでしょうかなどと言ったら、ぶっとばされますね。私目など、この映画の主人公のボーイは、何でこんなチャーミングなレディ達を見捨てて手前の冒険を続けるのか理解に苦しんでしまいました。アメリカ人御用達のヘッドシュリンカー(精神分析医のことです)に見せた方がいいかもしれませんね。まあいずれにしても、家族揃って見るには格好の映画であると言えます。残念ながら日本未公開映画のようで、ビデオでも未発売かもしれませんが、見かけたら是非どうぞ。


2000/05/02 by 雷小僧
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