Conduct Unbecoming ★★☆

1975 UK
監督:マイケル・アンダーソン
出演:マイケル・ヨーク、スザンナ・ヨーク、クリストファー・プラマー、ステイシー・キーチ

左:ステイシー・キーチ、右:マイケル・ヨーク

あちらの人は、いかに法廷劇が好きかがこういう映画を見ていると分かりますね。植民地時代のインドに駐屯する英国騎兵隊の駐屯地で発生した、ある将校の奥さん(スザンナ・ヨーク)に対する暴行事件を、その騎兵隊内部で裁く裁判がテーマになっています。実を言えばこの裁判の裏には、騎士道的な体面を維持しようとする騎兵隊当局の思惑(すなわち必ずしも真相が暴露されることを好まない)があり、事件の様相がより複雑になっているのですね。いずれにしても、映画の多くの部分が裁判シーンに費やされる映画であり、法廷物映画が好きではない人には全く面白くない映画かもしれませんが、好きな人にはこたえられない映画かもしれません。こういう映画は役者が大根であるととんでもない駄作に終る可能性があるのですが、この映画にはマイケル・ヨーク、クリストファー・プラマー、リチャード・アッテンボロ、トレバー・ハワード、ステイシー・キーチと(アメリカ人のキーチは別として)英国の名優をずらりと揃えているのでその心配は無用であると言ってもいいでしょう。それから英国の名女優スザンナ・ヨークが相変わらずお美しいですね。マイケル・アンダーソンという監督さんには「八十日間世界一周」(1956)のような娯楽大作映画もあるのですが、ここではいかにも英国的に渋い(ほとんどが夜間?の室内撮影のようであり、上掲画像からも分かる通り終始一貫して画面が暗いですね)映画を撮っています。お世辞にも万人向きの映画であるとは言えないのですが、真実が徐々に解明されていくプロセスを楽しむ法廷劇が好きな人にはお薦め品です。


2001/04/22 by 雷小僧
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