Where's Poppa? ★★☆

1970 US
監督:カール・ライナー
出演:ジョージ・シーガル、ルース・ゴードン、トリッシュ・バン・ディバーロン・リーブマン

左:ジョージ・シーガル、中:ルース・ゴードン、右:トリッシュ・バン・ディバー

コメディアン、カール・ライナーの監督作品なのですが、かなりブラックな映画ですね。ジョージ・シーガルが何かにつけ邪魔になる自分のケッタイな母親(ルース・ゴードン)を厄介払いしようとするのですが、敵もさるものなかなかそうはいかないという映画です。果てはシーガルが自分の恋人トリッシュ・バン・ディバーを家に招待するとこの母親がしゃしゃりでてきてとんでもないことを口走ったりして、彼女を逃げ帰らせてしまうのです。この母親役を演ずるルース・ゴードンがなかなか傑作で、ジョージ・シーガルがあの手てこの手(たとえばゴリラの縫いぐるみを着て彼女を嚇して心臓麻痺を起こさせようとするのですが反対に急所を殴られて自分の方がひっくり返ってしまったりします)を使って何とか厄介払いしようとするのがよく理解出来ますね。けれどもこの映画で最も傑作なのは、シーガルの兄だか弟だかを演じるロン・リーブマンで、このとんでもない母親を自分に押し付けられるのがいやなあまりに(来ないとこの厄介な母親をお前の所に押し付けるぞとシーガルに脅されるのです)、夜中のセントラルパークを何度も駆け抜けるのですが(ちょうどセントラルパークをはさんだ反対側にシーガルとゴードンが住むアパートがある)、その度にマグられて身ぐるみはがされながら、尚且つそれでも夜のセントラルパークを再び駆け抜けるのです。実にくだらないジョークシーンがわざとらしく飛び出したりするのはどこかイギリス的なのですが、こういうアンモラリスティックにブラックな映画というのは密やかに見て楽しむのが正しい見方であり、まあそういう意味においてかなり楽しめる映画であることは間違いないように思います。


2001/05/03 by 雷小僧
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