シーウルフ ★☆☆
(The Sea Wolves)

1980 UK
監督:アンドリュー・V・マクラグレン
出演:グレゴリー・ペック、デビッド・ニブン、ロジャー・ムーア、トレバー・ハワード

背:デビッド・ニブン、向:グレゴリー・ペック

それにしてもよく集めました。アクション映画であるにも関わらず、ロートルを集めてそれを売りにしているのです。当時まだジェームズ・ボンドの座を明け渡していなかったロジャー・ムーアはまだいいとしても、グレゴリー・ペック、デビッド・ニブン、トレバー・ハワード、パトリック・マクニーを筆頭として、アクションシーンで本当に走れるのかと思わせる俳優さん達がゾロゾロ登場します。そもそも、80年代の作品であるにもかかわらず、キャストを見ただけでは、50年代、或いはロジャー・ムーアさえいなければ40年代の作品ではないかとすら思えるほどです。ストーリーは、次のように開始されます。第二次大戦中イギリス政府は、中立国インドで通商破壊戦に必要な情報をUボートに渡していたドイツ商船を破壊するために特殊部隊を派遣しようとします。けれどもインドは中立国なので、艦隊を派遣して大っぴらに事を進めるわけにはいかないので、退役した軍人を再編成して破壊工作を実行させるのです。かくしてロートル軍団が登場するわけです。正直いえば、ストーリー展開やアクションシーケンスにはさほど目新しさや面白さがあるようには見えませんが、それでも3つの見所が挙げられます。1つは繰り返しになりますが、既に老境に入って久しいグレゴリー・ペックやデビッド・ニブンのアクションパフォーマンスが拝める点です。2つ目はインドの風景が美しく、そのメリットが最大限に生かされている点です。3つ目は見所というよりも聞き所と言うべきですが、ロン・グッドウィンと並んで戦争映画の音楽を担当させれば天下一品のロイ・バッドがタイトルクレジットとともに流れるド派手な行進曲やエンドクレジットで流れる歌、或いはその他のバックグラウンド音楽でも実に素晴らしい曲を提供している点です。というわけで、ブルース・ウィリスやアーノルド・シュワルツネッガーばりのアクションは期待できないのは確かとはいえ、それなりに楽しめるアクション映画に仕上がっていることに間違いはありません。


2001/09/30 by 雷小僧
(2008/12/16 revised by Hiroshi Iruma)
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