ウディ・アレンとの関係もあってか、一般的に、彼女はモダンなセンスに溢れていると見なされているかもしれませんが、個人的な印象としては、どちらかといえばオーソドックスなイメージが勝っているように思われます。特徴的な垂れ目ちゃんが年をとってますます愛嬌度を増し、何やら随分と可愛らしいお婆様風情になりつつあります。コメディ調作品への出演が多いのも頷けるところです。彼女が有名になったのは、言うまでもなく、「ゴッドファーザー」シリーズとウディ・アレンの作品によってであり、前者に関していえば、マーロン・ブランドやアル・パチーノが演じている暗黒街のドン達というイメージから、彼女のイメージが遥かにかけ離れていたがゆえに、これらのアメリカ版任侠映画で成功したものと考えられます。というのも、彼女が演じているケイ・コルレオーネは、ブランドやパチーノが体現するギャングの世界に対して、たとえ彼女が一家の一員になろうが、一般市民の側を代表する対位法的な役割を担っていたからです。ケイ・コルレオーネは、一家の内部に取り込まれながらも、外部の象徴として機能し続けていたということです。そもそも、そのような彼女の持つ一般市民性を前提としてこそ、都会人の生活の委細な側面に切り込むウディ・アレンの作品における彼女の活躍もあり得たのです。因みに、「The
Great Movie Stars 3」(Little, Brown and Company)によると、本名がマイケル・ダグラスであったマイケル・キートンは、かつて本名がジェームズ・スチュワートであったスチュワート・グレンジャーがそうしたように、それではこの業界では具合が悪いと気付いて改名しようとした時、たまたまダイアン・キートンの写真に目がとまり、そのような芸名に決めたのだそうです。彼の場合、バスター・キートンの方かと思っていましたが、どうやらそうではないようです。 |
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