言葉の世界・伝言板 1999年5月




イコン

佐藤和美 (99/05/31 11:58)

イコンといえば、キリスト教の宗教画ですね。広辞苑には次のように書かれています。

イコン Ikon ドイツ
「ギリシア教会でまつるキリスト・聖母・聖徒・殉教者などの画像。ビザンチン美術の一表現で、6世紀に始まり、11〜17世紀に特にロシアで盛行。画像。」

現代のイコンはコンピューターの画面の中にあります。それは「アイコン」iconです。



エトゥ、ノツ(岬)

佐藤和美 (99/05/29 12:33)

 「北海道のアイヌ語地名」の「地名の中のアイヌ語」に「エトゥ、ノツ(岬)」を追加しました。久しぶりの「地名の中のアイヌ語」シリーズの更新です。
 このシリーズの次回は「赤」をやってみようかなと思ってます。>フミさん
6月中完成をめざしてがんがる予定です。





佐藤和美 (99/05/29 12:31)

日本の地名をヨーロッパ語で説明しようとするのは、「トンドモ本」の世界ですね。やめといたほうがいいです。

で、赤羽、赤湯の語源ですが、

赤羽
赤埴(あかはに)の転訛。赤埴は赤土のこと、この場合は関東ローム層の赤土のことだそうです。
(本間信治「消えてゆく東京の地名」月刊ペン社)

赤湯
吉田茂樹「日本地名語源辞典」には次の記述があります。
「「豊後風土記」に赤湯がみえ、別府温泉の血ノ池地獄をいう地名ではないかとみられる。鉄分の多きい湯の湧出地をいうのであろう。」
一般的に赤い色(赤茶色?)の湯を赤湯といったようです。山形の赤湯も同じだと思います。



伝言板沖縄関係集

佐藤和美 (99/05/28 08:29)

 伝言板に書き込んだ沖縄関係の書き込みについてまとめてみました。
「日本語とその周辺」に「伝言板沖縄関係集」として追加してあります。





フミ (99/05/27 22:33)

白にまつわる地名は興味深いですね。
さて日本の地名で色がつくもので、中でも赤がつくものは、
赤羽(東京都)、赤湯(山形県)などがありますが
赤羽は川の近く、そして赤湯は温泉地と
水とかかわりが深いですね。
この2地名の赤は色というより、aquaが古日本語に入ったものを
語源にしているのでは?



グルメ

佐藤和美 (99/05/25 20:19)

「グルメ」はフランス語の「gourmet」です。
意味は「食通」ですね。



おしえてください

すぎやん (99/05/25 16:01)

「グルメ」の語源は何ですか?
そしてグルメの定義とは?
何方か知っていたら教えて下さい。



音声入りについて

佐藤和美 (99/05/24 08:43)

まずはこのHPのメインであるアイヌ語のコマーシャルを
「アイヌ語ラジオ講座」
http://www.dosanko.co.jp/stv/ainugo/

方言の音声ですが、インターネットでこういうのを調べるのは
サーチエンジンを使うのが定石です。

例えば、
「goo」
http://www.goo.ne.jp/
で、
キーワード「方言 音声」でサーチすると、1653件ひっかかります。
これで満足できない場合はキーワードをかえていろいろためしてみてください。



音声入りについて

上村 彰好 (99/05/22 14:43)

私は小学校の教師をしているものですが,今「総合的な学習の時間」の試験的な学習をしています。その中で「方言」を研究テーマにしている児童がいて,音声入りのホームページを探しているのですが,もし音声入りのものがありましたら教えていただきたいのです。申し訳ありませんが,よろしくお願いいたします。





佐藤和美 (99/05/21 08:23)

「白」のつく地名です。

「カサブランカ」
スペイン語で
「カサ」casa 家
「ブランカ」blanca 白い
「白い家」

「モンブラン」
フランス語で
「モン」mont 山
「ブラン」blanc 白い
「白い山」

「ベラルーシ」
ベラルーシ語で
「ベラ」bela 白い
「ルーシ」rus ロシア
「白ロシア」もいつのまにか「ベラルーシ」になってしまいました。
「象牙海岸」がいつのまにか「コートジボアール」になったのに似ている?
独立すると翻訳地名は使わないようにするという不文律でもあるのでしょうか。

最後に英語の「ブランク」blankです。
これも「白」の仲間ですね。

みんなちょっとずつ似た「白」ですね。
これも言葉の近さのためでしょうか。
インド・ヨーロッパ語族祖語に由来する言葉のようですね。
(祖語の推定形は「bhleg」)
このあたりの話は、いずれまた。



IIJ4U

佐藤和美 (99/05/20 08:19)

プロバイダーでIIJというのがあります。
そこのキャチコピーが、
「IIJ4U」
です。
コンピュータの世界では暗黙の了解(?)で、
「2」は「to」、
「4」は「for」のことです。
「IIJ4U」というのも、
「IIJ for you」
なんでしょうね、きっと。

そうそう、古い話ですが、
MS−DOSのコマンドで
EXE2BIN
というのがありました。
これは「EXE」を「BIN」(COM)に変換するコマンドでした。
「EXE to BIN」
ですね。



ガリバー旅行記

佐藤和美 (99/05/19 08:27)

 ガリバーは全世界を旅行しました。
小人国、巨人国、……。
内容では小人国が有名ですね。
このときのエピソードから、
「ガリバー」に「巨人」という意味もできてしまいました。
「Microsoftはソフトウェア界のガリバーだ」
などと使いますね。

それと「天空の城ラピュタ」にも行ってます。

馬の国にも行きました。
この国は馬が知性的で、人間は野蛮人です。
この人間を「Yahoo」と言います。
インターネットやってて「Yahoo」を知らない人はいないでしょうけど、
「Yahoo」の語源が「ガリバー旅行記」にある「野蛮人」だったなんて知ってました?



地名の現地発音

佐藤和美 (99/05/18 12:36)

 地名の現地発音といってもなかなか難しいですね。
たとえば、「連合王国」のことを日本では「イギリス」といいます。
これなんかは、かえようがなさそうです。
「連合王国」は大ブリテン(イングランド、スコットランド、ウェールズ)と北アイルランドから構成されますが、
イギリスはイングランドのことですね。
「イギリス」はスペイン語かポルトガル語だったと思います。
この「スペイン」というのは英語ですね。

「アウシュビッツ」はポーランドにありますが、
これはドイツ語だそうです。
歴史の矛盾を感じる話ですね。



ヘボン式って…

ペルセ (99/05/16 00:34)

日本語のローマ字表記の方法はいろいろあるんですね。
http://www.asahi-net.or.jp/~EZ3K-MSYM/charsets/roma-j.htm
によれば、1.ヘボン式 (標準式) 2.日本式 3.訓令式 4.新日本式
等です。

>「Toyama」と書いても「遠山(とおやま)」なのか「東山(とうやま)」なのか
>はたまた「富山(とやま)」なのか分からない!?(^^;

欧米人は発音で区別できないから、表記も区別しないで良いという考えなのでしょう。
ヘボン式は、欧米人のための表記法だと割り切ってしまう必要がありますね。
ピンインみたいに、日本語を正確に表記できる新方式を考案せず、「欧米人向け」
表記法をパスポートに採用してしまう。久しぶりに「欧米コンプレックス」と
いう言葉を思い出しました。



Toyama

UEJ (99/05/15 03:44)

ビーバさん> パスポートに記載する日本人のアルファベット表記は、
ビーバさん> ヘボン式(ただし長音符なし)と決まっているから…
そうだったんですか、知らなかった。
でも長音符なしだと誤解を生むことがあるような。
「Toyama」と書いても「遠山(とおやま)」なのか「東山(とうやま)」なのか
はたまた「富山(とやま)」なのか分からない!?(^^;

それにしてもヘボン式という時点で「アルファベット表記=英語」ですね。
ほとんどの日本人が第一外国語として英語を勉強している状況では無理もないですが。



アルファベット表記 = 英語?

ペルセ (99/05/14 23:47)

アルファベット表記における、日本人名の姓名の逆転には素朴な疑問を感じますが、
かと言って日本語どおり姓−名の順にするのも、実際には混乱が起きるのではないか
と思います。

単純に、日本語のアルファベット表記なら姓、名順が正しいですが、日本人名を「英語」
として使っているからこそ、逆転させるのでしょう。
それは、英語と同様に、名−姓順になる欧米人との会話で、いらぬ誤解をまねかないため、
あるいは英語が国際語であるとの考えから来ているのでしょう。
(ドイツ語表記やフランス語表記だと綴りが変わる場合もある。)

もちろん、アルファベット表記でも日本人名は姓−名の順とする、ということを世界的に
認めさせることができれば一番良いですが。実際にはむずかしいし、過渡期の混乱も
ありますし。

ところで、チンギス・ハーンとかフビライ・ハーンは名ー姓順?



名前のアルファベット表記

ビーバ (99/05/14 22:13)

 がめらさんの書き込みの中に、「Keizou-Obuti」という表記があったのですが、
「Keizo Obuchi」ではないでしょうか。というのは、パスポートに記載する日本
人のアルファベット表記は、ヘボン式(ただし長音符なし)と決まっているから
です。多くの場合には、パスポートの表記を踏襲することになると思うのです。
 これと同じ理由で、「姓・名」という順番でアルファベット表記するのには、
一定の制限を伴います。私としては、名前のアルファベット表記はその人が自由
に決められるべきだと思うのですが。



伝言板一周年

佐藤和美 (99/05/14 08:37)

 伝言板を始めて5月11日で一周年でした。
イヤー、すっかり忘れてました。

始めたばかりの頃は毎日書き込んでました。
最近はちょっと手抜き気味かな?
なるべく多く書き込むようにしよっと。

これからもよろしくお願いします。



氏名

佐藤和美 (99/05/14 08:35)

氏名の逆になっているのは、日本人が悪いと思います。

このことに関しては去年の6月12日の書きこみ「クリントン・ヒラリー」を見てみてください。



氏名

がめら (99/05/14 01:08)

アメリカのCNNでは、北京を「Beijing」と発音している様です。
そのうち香港も「Xianggang」と発音するようになるのでしょうか?

CNNやBBCでは
中国人や韓国人の名前を
毛沢東「Mao Zedong」と氏ー名の順で呼んでいますが、
なぜ、日本人に対しては、
「Keizou-Obuti」と名ー氏の順なのでしょうか?



もうたくとう

フミ (99/05/13 20:44)

日本語には漢字があるので
中国語を読むとき、まず日本語の音で読んでしまいます。
毛沢東なら「もうたくとう」と。
ところが英語の場合は「毛」という文字がないので
「mao」というピンインを直接取り入れるわけですね。
ということは日本人が中国語を学ぶ時は、
自国語という障害を乗り越える必要があり、
大きなハンディを背負うことになります。
これは中国人が日本語を学ぶ場合も同じでしょう。
ビビアン・スーが日本語をきちんと話せないのはこのため?
これはさておき、せめて人名と地名はピンインで覚えたいものです。



Mao Zedong

佐藤和美 (99/05/13 12:18)

 英語でも中国の地名・人名を表記するのに、ピンインと同じ表記がだいぶでてきてます。
で、英和辞典から中国人名をひろってみました。

「Mao Zedong」
これは「毛沢東」です。

「Deng Xiaoping」は誰だと思いますか?
「ケ小平」です。

漢字だとすぐわかるのに、ピンインだとわかりにくいですね。



ペキン

UEJ (99/05/12 22:35)

「ペキン」は広東語の発音だそうです。
西洋と最初に接したのは中国でも南の方だったために
英語には広東語の方が定着したのでしょう。
でも中国政府は「Beijing」の方を正式名称としているので
最近は英語でも「Beijing」と書くことの方が多いようです。
日本人にとっては麻雀の「北(ぺー)」の印象があるので(私だけ ^^;?)、
「ペキン」の方がしっくりきますね。



東西南北

ペルセ (99/05/12 21:37)

こんなクイズがありました。
「”北”の京はペキン、”南”の京はナンキン、では”東”
の京はなんと読むでしょう?」
私はまんまと「トンキン!」と答えてしまいました。(^^;

文字で書くとわかりやすいけど、コトバで言われると案外引っ掛るものです。



北京

佐藤和美 (99/05/12 12:50)

 最近の学校の地図帳は中国の地名を現地音で片仮名で書いています。

ところがふしぎなことに、
「北京」を「ペキン」と書いています。
「北京」はピンインで「Beijing」です。
カタカナでの大体の発音はちょっと悩みますけど、「ペイチン」といったところでしょうか。
英語では「Peking」です。これが「ペキン」の語源になったようです。
(最近では英語でもピンインどおりに「Beijing」と書くこともあるようですが)
なぜ一部こういう現地音でない読み方が含まれているのでしょうか。
慣用音ということなのでしょうか。
ふしぎですねえ。



奇子

佐藤和美 (99/05/12 12:47)

「奇子」に関しては、短いですが、
「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に
「「奇子」と下山事件」というのがあります。
是非、「奇子」の霜川総裁のところと「「奇子」と下山事件」を読み比べていただきたいと思います。



奇子

フミ (99/05/12 08:50)

言葉のこととは関係ないですが
手塚治虫の「奇子」読みました。
いわゆるリストラがらみの鉄道事件。
そして子供の虐待。
物語は戦直後から昭和40年代のことですが
現代に通じる内容に深く考えさせられました。



緯度、経度

佐藤和美 (99/05/11 12:33)

緯度、経度の意味です。
緯は「よこいと」、方向では東西方向です、
経は「たていと」、方向では南北方向です。
緯度、経度の意味が見えてきますね。



超ミニネタ十題

佐藤和美 (99/05/09 16:58)

 「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に「超ミニネタ十題」を追加しました。
10作品全部知ってたら、あなたは相当の手塚ファンです。



手塚作品のアイヌ語

佐藤和美 (99/05/09 16:57)

 「手塚治虫研究」の「手塚作品のアイヌ語」を更新しました。
 手塚治虫に興味のある方、アイヌ語に興味のある方はどうぞ。



手塚治虫メールマガジン

佐藤和美 (99/05/09 16:56)

「手塚治虫メールマガジン」第7号に、
このHP「手塚治虫研究」の紹介記事を書きました。
よかったら、目を通してみてください。

「手塚治虫メールマガジン」第7号
http://www.osamushi.com/mailmagazine/19990424.html



(無題)

UEJ (99/05/06 22:03)

佐藤さんこんにちは。
中国語の「r」はピンイン表記でこそ「r」の文字が当てられていますが
英語の「r」よりもかなり濁った音です。
「ジュ」と言った方が近いくらい。昔はもっとこの傾向が強かったんじゃないかな。
「然」が「ゼン」、「日」が「ジツ」、「人」が「ジン」、「弱」が「ジャク」になっているのも
そう考えれば納得がいきますね。
「日本」が「ジャパン」になったのも中国語の発音からと言われています。

ローマ字の「r」も実際には英語の「r」と「l」の間くらいの発音ですものね ^^)

http://www.grad.math.uwaterloo.ca/~kueda/kotoba/



中国語の語頭のL、R

佐藤和美 (99/05/06 16:40)

以前、大和言葉(漢字流入以前の日本語)では若干の例外を除いて、ラ行音で始まる単語はなかったという話をしたことがあります。(98/10/08)

そこで、中国語辞典でLから始まるもの、Rから始まるものを拾いだしてみました。

中国語でLから始まるもの
落 la
来 lai
老 lao
例 li
了 liao
六 liu

中国語でRから始まるもの
然 ran
熱 re
人 ren
日 ri
容 rong
弱 ruo

こうしてみると、音読みのラ行音として定着したのは中国語では「L」から始まる単語だったようですね。「R」のほうはラ行音以外です。このへんを調べてみるのもおもしろいかもしれませんね。

私の空想ですが、江戸時代に「ロシア」を「オロシア」といっていたのは語頭の「R」が苦手だったから? 「ロシア」の語頭が「L」だったら「オ」をつけずに「ロシア」のままだった?



語源は人名

佐藤和美 (99/05/03 16:49)

 調べたら語源は人名だったという話です。

 「サンドイッチ」あたりは有名ですね。
他にも「ボイコット」、「カーディガン」、「リンチ」、
「ギロチン」、「シルエット」、「ブルマー」。
いろいろありますねえ。



人工文字

ペルセ (99/05/03 14:25)

連用形、連体形というのを習ったのは中学校の国語だったでしょうか。日本語のことなのに普段は気にしないので、すっかり忘れていますね。

UEJさん、ビーバさん、ハングルのこと教えていただきありがとうございます。
韓国語も、日本語とおなじように「子音」+「母音」がセットになる言語なんですね。
こういう言葉は、西洋式アルファベットで表記するにはなじまないですね。
子音の部品と母音の部品を組み合わせて一つの文字にするという方法は、漢字の偏と旁を連想させますね。
人工文字といえば、すべての文字は人間が作ったにはちがいないですが、アルファベットとか漢字のように長い時間をかけて徐々にできあがった文字と、ハングルのように短期間に制定されたのとは違いますね。日本語のひらがな、カタカナは、両者の中間ぐらいの位置づけになるんでしょうか。



Copyright(C) 1999 Satou Kazumi

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