言葉の世界・伝言板 1999年4月




連用形、連体形

佐藤和美 (99/04/29 12:47)

「連用形」、「連体形」の語源です。

「連」は「つらなる」、
「用」は「用言」、
「体」は「体言」です。

で、
「連用形」は用言が連なる形、
「連体形」は体言が連なる形ということになります。

「話す」で確認してみましょう。
連用形は「話し/た」で、「用言が連なる形」になってますね。
連体形は「話す/時」で、「体言が連なる形」になってますね。



ハングルと漢字

ビーバ (99/04/29 10:55)

 ハングルは、世界で一番合理的な文字といっても過言ではないかもしれません。
実用上でも音声学上でも、合理的なものです(もちろん、朝鮮語を記述するのに
合理的という意味です)。

 新しい文字ということもあり、ハングルを作ったときには、多くの文字が参考に
されたようです。特に文字の組み立て方には、漢字の影響が大きくみられます。



ハングル

UEJ (99/04/29 02:56)

ハングルは人工文字です。下記サイトをご参照ください。
最後の一行を引用すると
> 世宗王が文字を考えているときにふと目にとまった窓の枠をヒントに作ったと言われています。
なんだそうです。

http://www2s.biglobe.ne.jp/~HIROE/Korean1.htm



ハングルの起源は?

ペルセ (99/04/29 00:17)

>日本の船のはずがハングル表示の缶詰を積んでいました。
>アメリカ人にとってはひらがなとハングルは同じにみえるのでしょうか。

人間も、日本人と、韓国・朝鮮人と、中国人の区別がつかないのでしょうね。

似ている文字といえば、ギリシア文字とロシア文字。でも、これはたしかルーツが同じなんですよね。
ハングルはどうやって作られたのでしょうか。日本語のかなみたいに漢字が元になっているんでしょうか?



ゴジラ

フミ (99/04/28 02:29)

アメリカ製ゴジラ見ました。
GODは神、ZILLAにも何らかの意味を持たせて
その意味を解説している場面があり、興味をひかれました。
ZILLAの意味は思い出せないのですが
その単語が表記の差を生んだのでは。
また、日本人の老人(役の上では)までGODZILLAの
L発音ができていたような気がしました。???
もう一つ気になったのは
日本の船のはずがハングル表示の缶詰を積んでいました。
アメリカ人にとってはひらがなとハングルは同じにみえるのでしょうか。
まさかね。でも「は」「な」「む」「こ」などは、
かなり無理もありますが似ているような気がします。



ゴジらとガメら

ペルセ (99/04/27 01:41)

ゴジラの英語表記は、GODZILLA。
ガメラの英語表記は、GAMERA。
LとRの違いは、意味があるのかないのか。
アメリカ製ゴジラは正しく発音してるんでしょうね。



「%」と「ポイント」

佐藤和美 (99/04/26 13:04)

 選挙などがあると投票率に関して、「%」と「ポイント」という言葉がでてきます。
投票率そのものは「%」であらわしますが、「%」と「%」を比較するときは「ポイント」を使います。
これは違う母集団を直接比較しても意味がないからです。
投票率が1%増えたとはいえないわけです。
それで「投票率が1ポイント増えた」というように使うわけです。

 母集団に関しておもしろい話を一つ。
Aさんのうちは男一人、女一人で、男の比率は1/2です。
Bさんのうちは男一人、女二人で、男の比率は1/3です。
Aさん、Bさんのうちの合計の男の比率は
1/2+1/3=2/5
です。
ん?



方言周圏論

佐藤和美 (99/04/21 08:54)

NIKIさんwrote
>東京から距離が遠くなるほど、歴史のある言葉を使っているのかも なんて意見もでました。

このことに関しては文庫で次の二冊があります。
柳田国男「蝸牛考」(岩波文庫)
松本修「全国アホ・バカ分布考」(新潮文庫)

「全国アホ・バカ分布考」はなかなかおもしろい一冊でした。
「アホ・バカ」を意味する言葉の全国分布を調べると、
畿内が新しい言葉を使っていて、畿内から離れれば離れるほど古い言葉になる。
そのいうことを調査した本です。

「蝸牛考」は「カタツムリ」を意味する言葉を調査した本です。
日本で最初に方言周圏論(言語地理学)を提唱した本です。



ふむふむなるほど

NIKI (99/04/20 23:48)

さっそくいろいろと伝言を読ませていただきました。そして佐藤さんの伝言をもとにもう一度日本語の周辺「ウチナ-グチ」を読ませていただき さらに納得。今日のお昼もこの話題で盛りあがったのですが、東京から距離が遠くなるほど、歴史のある言葉を使っているのかも なんて意見もでました。話はかわるのですが、先週、沖縄の水納島という本土から高速艇で15分のところへいってきました。そこの島民の方が言うには水納島の目の前にある伊江島は(高速艇で5分くらい)いまだに互いの島の方言が通じないそうです。
昔は手こぎしか 行く手段が無く、言葉がどんどんかわっていったのだとのことです。
しかし、こうやって佐藤さんのhpを読んでいると、言葉の分化のル-ツがつかめ
さらにふむふむなるほど と勉強することができます
どうもありがとうございました。



沖縄方言

佐藤和美 (99/04/20 08:48)

 沖縄方言に関してはとりあえず「日本語とその周辺」の「ウチナーグチ 沖縄の言葉」に目を通してみてください。

伝言板にも書きこみがあります。
以下の日付を見てみてください。
98/06/09 西表島
98/07/30 はじめまして
98/07/31 沖縄
98/08/04 ぐすく
98/09/13 “飲む(nomu)”について
98/09/13 飲む
98/09/14 “まかな(賄)う、まかない”について
98/09/15 食べる
98/10/01 O→Uか、U→Oか

これ以外になにか質問があるのなら、具体的に書きこんでもらえばいいかと思います。



沖縄の方言について

NIKI  (99/04/20 00:12)

沖縄にて、沖縄方言についての情報を入手したのでお知らせします。
いわく「以外に沖縄と日本の言葉ってにているんだよ」
とのことで以下の例を教えていただけました。
沖縄方言で「あなた」のことを「うんじゅ-」といいますが、これは雲上(うんじょう)が訛った言葉だそうです。あなたのことを「雲の上の方」と表現するなんて、とても素敵なお国言葉ですね。
また、「いらっしゃいませ」を「めんそ-れ-」といいますが、これは「面会相来」(めんかいそうらい)がなまった言葉だそうです。
言葉の成り立ちっておもしろいですね。
わたしが教えていただいたのはこれだけですが、他にご存知の方いらっしゃいますか?
興味があるので教えてください。



私のやる気コンテスト

佐藤和美 (99/04/19 12:05)

このHPはASAHIネットにあるわけですが、
ASAHIネットでやってる、
第2回「私のやる気コンテスト」というのの作品賞に
このHPが選ばれたようです。

ASAHIネット「私のやる気コンテスト」
http://www.asahi-net.or.jp/contest99/



日本語の発音

佐藤和美 (99/04/18 11:15)

 伝言板に書き込んだ日本語の発音に関する話題についてまとめてみました。
「日本語とその周辺」に「日本語の発音」として追加しました。





佐藤和美 (99/04/17 16:57)

 茶は中国原産です。茶も、茶を表す言葉も、中国から世界へ広がりました。

なお、以下のHPも参考にしてください。
「紅茶」「TEA」の語源
http://www.catnet.ne.jp/of/cafe/hanashi/tea.html



お茶は中国から

ビーバ (99/04/17 11:16)

ポルトガル語の“cha”は外来語(借入語)ですが、日本語からではなく
中国語から入った言葉のようです。

これに関する詳しい話が、UEJさんのウェブページ
『コトバ雑記』

第12話「中国、茶・茶・茶」にあるのでお勧めします。
http://www.grad.math.uwaterloo.ca/~kueda/kotoba/kotoba.html

#正しくは、ポルトガル語の“cha”の“a”の上には鋭音符“´”が
#つきますが、JIS文字では表現できないので省略しています。
#また、“cha”の発音は「シャー」です。



お茶

フミ (99/04/16 20:51)

ポルトガル語でお茶はcha。
これは、日本語でいうところのシャボンやパンにあたる外来語なのでしょうか。
それとも別の経路で入っていった言葉なのでしょうか。



新解さんの謎

佐藤和美 (99/04/13 12:51)

 文春文庫の新刊で「新解さんの謎」というちょっとかわった本が出ています。
三省堂の「新明解国語辞典」について書いてある本ですが、
本屋でちょっと立ち読みしてみて、おもしろそうだったら買って読むのもいいでしょう。

「動物園」とは「生態系を公衆に見せ、かたわら保護を加えるためと称し、捕らえて来た多くの鳥獣・魚虫などに対し、狭い空間での生活を余儀無くし、飼い殺しにする、人間中心の施設。」だそうです。



岩波古語辞典

佐藤和美 (99/04/10 16:55)

 岩波から出ている古語辞典には、語源が朝鮮語である単語について記載があるそうです。
 これで語源が朝鮮語のものもばっちり?
ただし、編者の一人があの「大野晋」なのでお気をつけて。
(大野晋を知らない人はきのうの書き込みを見てくださいね)



他人の空似

フミ (99/04/10 02:05)

いろいろなご返答ありがとうございました。
似ているだけで2つの言語を結びつける危険性を
半ば怒りながら述べていた安本美典氏の著書もありましたが、
推理することの面白さに負けないように注意します。
「似ている」ことと「同一」であることの間には
大きな壁があるのですね。



まんま

UEJ (99/04/09 22:16)

母親を表す単語は「ま」で始まるものが多いです。
媽媽(中国語)、mom(英語)、mere(フランス語)など。(下のページに例が沢山あります)
これは「ま」が赤ちゃんが最初に発音できる音だからと説明されています。
でも日本語の場合は「まんま」と言えばご飯ですね。

http://www.geocities.com/CapeCanaveral/Hangar/7534/custom.html



「言う」の語源は?

ビーバ (99/04/09 17:24)

「言う」(古い発音は ipu)については、
朝鮮語の ip(くち)と同源という説があります。

それなら「申す」は mouth(くち)と同源でも?



日本語 h と英語の f

ビーバ (99/04/09 14:22)

 実は、日本語の h (p) と英語の f が対応します。
次に、いくつか例を挙げます。

降るhuru − fall  晴れhare − fair  はるかharuka − far
太huto − fat  下手heta − fault  姫hime − female
畑hata − field  ひどいhidoi − fiend  ひりひりhiri − fiery
浸るhitaru − fill  火hi − fire  ぴったりpittari − fit
平たいhiratai − flat  へつらうheturau − flatter  蠅hae − fly
ほこりhokori − fog  ひだhida − fold  …へhe − for

……というのは冗談です(すみません)。

 似ている言葉を探すというのであれば、適当に言語を2つ取り出して
みれば、かなりの似た言葉が見つかるはずです。たとえば、
  英語のbad(悪い)とアラビア語のbad(悪い)
  イタリア語のciaoチャオ(こんにちは)とベトナム語のchao(こんにちは)
  朝鮮語のmani(多い)と英語のmany(多い)
  日本語の「ありがとう」とイタリア語のobbligato(ありがとう)
などがあります。
 このような対応は、言葉遊びとしてはとても面白いのですが、これを
おなじ語源などといってしまうと、真実を見誤ることになります。私は
日本語の語源に関する本を読むときには、特に気をつけます。



「so」etc

佐藤和美 (99/04/09 09:44)

 全然、関係のない言語でもたまたま似てします単語があります。
「so」はその例ですね。
中学に入学した頃、「名前」と「name」(ネイム)がよく似ていると思ったものでした。
(ドイツ語では「Name」(ナーメ)で、もっと似てますね。)
アラビア語では「あなた」を「アンタ」というと書いてある文章を読んだ記憶もあります。

大野晋という人がいます。
この人は日本語のルーツがインドのドラビダ語だと言っているようですが、
言語学者からは無視されています。
それはこの人のやっていることが「似ている単語を並べる」というレベルだからのようです。
日本語の「h」はXX語では「f」に対応する、ということが言えて初めて同じ系統と言えます。
それが大野晋ではできてないわけです。



曰く、言う

佐藤和美 (99/04/09 09:41)

 「曰く」(いわく)、「言う」(いう)などは訓読みですね。
中国語と比較していいのは、音読みだけなので、
「いわく」、「いう」は中国語とは無関係だと思います。



Soですね?

UEJ (99/04/09 02:20)

「so」と「そう」に関係があるかどうかは知りませんが
日本人が英語を喋る時はついつい「so」を多用してしまいますね。
音が似ていることに加えて「not so ...」などと言えば日本人の好きな婉曲表現になりますし ^^;
また、日本人がフランス語を喋ると、「ne pas(ネパ)」を多用するそうです。
「C'est bon, ne pas?(セボン、ネパ?=これいいでしょう?)」と付加疑問の形にすれば
やはり婉曲な表現になるし、日本語の確認を求める助詞「ね」と通じるものがあるので使いやすいようです。

http://www.grad.math.uwaterloo.ca/~kueda/kotoba/



子曰く

フミ (99/04/09 00:52)

ちょっと流れからはずれますが・・・
子曰くの(曰)の漢字を中日辞典でみると音は(yue)です。
日本語の「言う」に似ているのは偶然なのでしょうか
それとも同じ言葉なのでしょうか。
また英語の「SO」と日本語の「そう」にも同じ疑問をもっています。
ごく初歩的な疑問ですみません。新参者ゆえお許しください。



3M

ペルセ (99/04/09 00:28)

こんな略語もあります。
アメリカの会社3Mの正式名称は何というでしょうか?

答えはここに↓
http://www.mmm.com/profile/looking/1900.html



Y2K

佐藤和美 (99/04/06 08:33)

 世の中にはいろいろな略語があるんだという話です。

 「Y2K」って、なんのことだと思いますか?
これがコンピュータの2000年問題のことなんですねえ。

「Y」が「year」で、
「K」はキロ、「2K」で「2000」、
「Y2K」で「2000年」というところでしょうか。

なかなかおもしろい略語ですね。



長嶋語

フミ (99/04/03 23:55)

プロ野球いよいよ開幕しました。
そこで長嶋監督に関する話題です。
監督の話し言葉は日本語と英語が微妙にミックスされて
ユニークですね。ものまねも盛んです。
でも渡来人が来た古代日本において
やまと言葉と漢語のミックスは
現代の長嶋語より奇抜に進められたのでは・・・
将来の日本語が長嶋語みたいになるとは思いませんが
言葉の変化ということを考えさせられます。





佐藤和美 (99/04/01 12:50)

 先週、「亀」という字は亀が上を向いている象形文字だと書きました.

 ところで、「魚」という字も上を向いている字です。
「ク」のようなのが頭で、点四つが尾ひれですね。

おもしろいことに、魚の縞模様(しまもよう)の横じま、縦じまというのも魚が上を向いているときのしまの向きだそうです。
泳いでいるときの姿勢ではないんですね。
これは偶然の一致なのでしょうか? それとも……?



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