言葉の世界・伝言板 1999年1月




ため口、ため年のための語源は?

岩崎 (99/01/30 14:35)

はじめまして。
ためというのは同じと言う意味なのらしいのですが
その語源は何処から来ているのでしょうか?
使われている年齢層、階層、又、漢字ではどの様に
書くのでしょうか。
よろしくご教示をお願いいたします。



ウナギ文

佐藤和美 (99/01/30 14:30)

 文法はあまり興味がないのでそれほど本を持ってません。

北原保雄「日本語の文法」(日本語の世界6)中央公論
くらいでしょうか。

この中の「ウナギ文」がおもしろいと思いました。
食堂でウナギを食べようとして、
「僕はウナギだ」と言ったとします。
「我輩は猫である」は「I am a cat」ですが、
「僕はウナギだ」は「I am an eel」にはなりません。
どうして「僕はウナギだ」という文が成り立つのでしょうか?

なお、以下のリンク集が役に立つかもしれません。
「国内言語学関連研究機関リスト」
http://www.sal.tohoku.ac.jp/~gothit/kanren-app.html



日本語の主語

あおい (99/01/29 11:31)

こんにちは。はじめまして。あおいです。
大学で日本語学の勉強をしているのですが、今度「主語」について研究することになりました。
何か面白い研究対象や参考文献などありましたら、教えて下さい。



蚤の市

佐藤和美 (99/01/28 12:29)

フリーマーケットのフリーは「flea」です。「free」ではありません。
「flea」を直訳すると「蚤」ですね。

なお去年の7月10日の書きこみ「スペルは違っても、仮名は同じ」を参考にしてください。



「鉄腕アトム・人口太陽球」の「私の太陽」

佐藤和美 (99/01/26 12:11)

 「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に「「鉄腕アトム・人口太陽球」の「私の太陽」」を追加しました。



L’Arc〜en〜ciel

佐藤和美 (99/01/23 18:15)

 「L’Arc〜en〜ciel」といえば有名なグループですが、
意味はフランス語で、
「ciel」が「空」、
「arc」が「アーチ」で、
「空のアーチ」の意味になります。
ようするに「虹」ですね。



アイヌ語の季節名、月名

佐藤和美 (99/01/21 12:28)

 田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」(草風館)から
アイヌ語の季節名、月名をピックアップしてみました。

季節名
春 パイカラ paykar
夏 サク   sak
秋 チュク  cuk
冬 マタ   mata

月名  1月 トウェタンネ   towetanne
 2月 クウェカイ    kuwekay
 3月 キウタチュプ   kiwtacup
 4月 モチュプ     mocup
 5月 シンチチュプ   sincicup
 6月 マウタチュプ   mawtacup
 7月 マウチチュプ   mawciup
 8月 ハプラプ     haprap
 9月 ニホラク     nihorak
10月 ウレポク     urepok
11月 ルウェカリチュプ ruwekaricup
12月 チュルプ     curup



旧国名について

佐藤和美 (99/01/18 12:27)

 伝言板に書き込んだ旧国名についての話題についてまとめました。
「日本語とその周辺」に「旧国名について」として追加しました。今回は日付の昇順で並べています。



RE:北海道犬

k.chaki (99/01/16 03:26)

 「北海道犬」についてのご教示ありがとうございました。
浅学にして「アイヌ犬」という言葉が差別用語とはつゆ知らず誠に申し訳なく思います。
投稿の趣旨は近い内に家族に加わる子犬の名前をつけるにあたり、「北海道犬」には
アイヌ語がふさわしかろうと善意に思ったまでで他意はありませんでした。
お説から察するに、むしろ子犬の名前にアイヌ語は適当ではないのかもしれません。
よって、11月生まれですのでNovemberからとって「ノブ(NOVE)」と命名しようかと
考えております。ありがとうございました。            以上



北海道犬

佐藤和美 (99/01/15 16:55)

 例えば、藤本英夫「知里真志保の生涯」(草風館)に次のような記述があります。
「そのころ、旭川では、アイヌの子供たちは、「少しでも和人に似るように努力した。どんなに努力しても顔だちですぐ分かる。用事を言いつけられて街にいくと、おとなでも子供でも犬をけしかけてきて、ほんとうにおそろしかった。犬がいなくても、アッ、イヌがきた、といってからかう。子供だから、用たしでも街にいってみたかった。だけど、街へいくことは悲しいことだった」。
 これは、長い間、アイヌの解放運動を続けてきた旭川の荒井源次郎夫人ミチさんから、ある冬の夜、聞いた話である。「アッ、イヌがきた」と、バカにするセリフは、最近でこそ耳にしなくなったが、北海道ではアイヌ系の人たちのいるところでは常套的侮蔑語だった。」

「アイヌ犬」という言葉は差別的なので使用しないで、「北海道犬」を使用してください。



まったくのおひさしぶりです。

山下@雨上がり (99/01/14 19:13)

雑誌の「ノンノ」が花とは知らなかった。
台湾では「濃濃」という真似物雑誌が出てましたね。

そういえば、中島みゆきが国語審議会に入りましたけど、
審議会の今度のテーマは「いじけ語」なんですかね?
あ、いや、私は中島みゆきの大ファンですよ。
http://www.linkclub.or.jp/~mcyy/



人名駅について

佐藤和美 (99/01/14 12:57)

 人名による駅名については、去年の7月27日、8月5日に書き込みがありますね。
 また一つ、人名駅名が増えたわけですか。



アイヌ語(暦月の呼び方)

k.chaki (99/01/13 23:58)

 近日中にアイヌ犬(北海道犬)の子犬が家族の一員になります。
この子犬に名前をつけるにあたり、家族会議で「アイヌ語で生まれ月か
家族に加わった月の呼び名で、親しめる呼び方であれば一番良い」と
いうことになりました。ついては下記の月についてのアイヌ語の呼び方を
ご教示下されば幸いに存じます。
   1月、 2月、 11月、
                           以上



人名駅について

佐藤義昭 (99/01/13 12:46)

以前人名駅が話題になった事がありましたが、今月11日に開通した井原鉄道に人名駅があります。
吉備真備(きびのまきび)という駅で岡山県にあります。
これで岡山県では宮本武蔵(智頭急行)についで二駅目になります。共に第三セクター鉄道にある駅です。岡山県は人名駅を作るのが好きなのかな。
ちなみに、手塚治虫の火の鳥(鳳凰編)に吉備真備は登場します。



「白いパイロット」のベルトのバックル

佐藤和美 (99/01/12 12:38)

 「手塚治虫研究」の「手塚治虫ショートショート」に「「白いパイロット」のベルトのバックル」を追加しました。

 単行本には未収録部分があって、説明不足になっているところがあるという話です。



アメリカの日本語地名

佐藤和美 (99/01/12 12:03)

「トンデモ本の世界」という本があります。
いろいろなトンデモ本を紹介しているのですが、
そのなかに「古代、アメリカは日本だった!」というのがあります。

この本ではアメリカの日本語起源の地名を紹介しています。

「オハイオ」の語源は「おはよう」だそうです。(笑)
「テキサス」は「敵刺す」
「ミズーリ」は「水入り江」
「マサチューセッツ」は「鱒駐節」
「ミシシッピー」は「水疾飛」
「カンザス」は「関西」
(笑)の連続ですね。

これに比べたらトカラがアイヌ語だというのは規模が小さいですね。(笑)



地名の解釈

kina (99/01/11 19:34)

西日本でも東日本でも地名をアイヌ語で解釈するこころみは昔からあります。
そこで問題になってくるのは、アイヌ語で解釈できたとして、それが正しいかどうかを判断できるかということです。

たとえば山田秀三氏は、似た地名を集めて地形を比較するという方法を用いて、アイヌ語地名として解釈できるか否かを決定しました。また、知里真志保博士は、アイヌ語の文法上ありうる形か否かということに厳密でした。博士の「アイヌ語入門--おもに地名研究者のために」を読むと、それがよく伝わってきます。

「幽霊アイヌ語」をまき散らしている連中に欠けているのは、そういう厳しさなんでしょう。

トカラは... 私には解釈できません。



トカラ

佐藤和美 (99/01/11 13:48)

 個人的には西日本の地名をアイヌ語で解こうというのはやめておいたほうがいいと思ってます。
 kinaさんはひかえめに書いておられますが、「トカラ」に「魚の多いところ」という意味があるとするのは、先週から書いている幽霊アイヌ語の可能性が高いでしょう。



トカラ出典について

堂園和義 (99/01/11 06:29)

 恐らく俗説なんだとは思いますが、南日本新聞社が季刊で出している小冊子(新聞についてくる冊子です)にそう書いてあった覚えがあります。2,3年前の温泉特集だったものです。
 鹿児島に住んでいれば私が探せるのですが、今シアトルに住んでいるのでそれができません。新聞社に問い合わせてみると、正確な出典が判るかもしれません。



読んだ本

佐藤和美 (99/01/10 16:36)

 「1998年読んだ本」、「1999年読んだ本」を追加しました。

去年読んだ本で印象に残っている本を3冊あげてみます。
山田秀三「東北・アイヌ語地名の研究」(草風館)
山田秀三「アイヌ語地名の輪郭」(草風館)
小泉保「縄文語の発見」(青土社)
というところでしょうか。

「東北・アイヌ語地名の研究」、「アイヌ語地名の輪郭」はこれから書くであろう「アイヌ語地名行」シリーズの材料になると思います。

「縄文語の発見」は日本語との連続性で縄文時代の言葉を探ろうという試みです。いろいろおもしろかったのですが、東北地方のアイヌ語を無視しているのが、ちょっと気になりました。

それにしても、コンピュータ関係の本、だいぶ読んでるなあ。
LotusNotesの本、また読まなくちゃ。



出典おしえてください

kina (99/01/10 01:06)

「トカラ」という音から「魚の多いところ」という意味のアイヌ語を想像する
ことは、私には残念ながらできません。その本の出典と、できればどのような
解釈になっているかを教えていただけませんか。



本当なのでしょうか?

堂園和義 (99/01/09 21:53)

 鹿児島にあるトカラ列島はアイヌ語からきていると何かの本で読んだのですが、
本当なのでしょうか?意味は、「魚の多いところ」とありました。



辞書だけの問題でしょうか?

kina (99/01/09 02:40)

私は、単に辞書だけの問題ではないような気がします。というのも、アイヌ語に限らず「和製英語」のような幽霊語は日本中に満ち溢れていて、識者(と呼ばれている人)がいくらおかしいと主張してもどんどん幽霊語が増殖しているからです。



辞書がない

佐藤和美 (99/01/08 12:34)

 どうしてこう幽霊アイヌ語がまかり通っているんでしょうか。

 私には簡単にアイヌ語辞書が手に入らないからだと思えてなりません。

 英語の「dog」に「猫」という意味があるとか、「qwx」が「犬」だとかいってもほとんどの人はまちがっていると判断できるでしょう。

 ところがアイヌ語「otaru」に「はまなす」という意味があると言ってもまちがいを指摘できる人はそうは多くはないでしょう。

 ほとんどの人がアイヌ語を知らず、辞書もない。これでは結果はわかっています。

 国語辞典や英和辞典のように2000円台でアイヌ語辞典が買えたらどんなにいいでしょう。
アイヌ新法ができてアイヌ語振興にもお金がでるようになったのですから、
アイヌ語辞書にもお金をだしてもらって、近くの本屋で安く買えるようになったらこの状況も改善できるのではないでしょか。



kiroro

佐藤和美 (99/01/07 12:51)

 kinaさんから紹介された、「kiroro」のページ見てきました。
「kiror」に「こころ」という意味があるとするなら、
これも幽霊アイヌ語になるんでしょうね。

とにかく、世の中、幽霊アイヌ語だらけですね。



あけましておめでとうございます

kina (99/01/06 13:35)

ことしもよろしくおねがいいたします。
「幽霊アイヌ語」ですか。せっかく辞書を手に入れたのでしたら、
ぜひゴーストバスターのページを作ってくださいよ>佐藤さま

↓こんなのを作ってみましたので参考まで。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~kina/repunkur/kiroro.html



幽霊アイヌ語

佐藤和美 (99/01/06 12:59)

 手元に「これは役立つ! 言葉のルーツ」(PHP文庫)という本があります。
この本の220、221ページにアイヌ語地名のことが書いてあります。
ところがこれがいいかげんなんですねぇ。

「小樽」はOtarunaiに由来し、otaruは「はまなす」という意味だと書いてあります。
アイヌ語に「otaru」なんていう単語はあったかな?
ということで、買ったばかりの「アイヌ語沙流方言辞典」で調べると出てきません。

「網走」の「Apa」は沼という意味もある、とも書いてあります。
また、「アイヌ語沙流方言辞典」で調べてみると「apa」という単語は存在しても
「沼」という意味はありません。

 こういうように、存在しないアイヌ語の単語、または単語は存在してもそういう意味は存在しない単語を幽霊アイヌ語と言います。実はアイヌ語地名の世界では幽霊アイヌ語がまかり通っています。
この本の著者は多分アイヌ語のことを何も知らないで資料をただ引用しただけでしょう。
こういうやりかたでは、もとの資料がまちがっていたらそれでおしまいです。
アイヌ語地名を解説した文章ではこういう安直なやりかたが実に多い。
WWWでもアイヌ語を専門にやってないHPで、地名を一覧表にしたようなところは要注意です。
幽霊アイヌ語だらけですから。



アイヌ語辞書

佐藤和美 (99/01/04 12:55)

 前から欲しかったアイヌ語辞書をついに買いました。
田村すず子「アイヌ語沙流方言辞典」(草風館)です。
値段が値段なもので、なかなか買えなかったんですが、
やっと買えました。
さて、この辞書でこれからなにをしようかな?



伝言板のアイヌ語関係のピックアップ

佐藤和美 (99/01/02 23:09)

 去年伝言板に書き込みのあったアイヌ語関係についてまとめました。
「北海道のアイヌ語地名」に「1998年伝言板アイヌ語関係集」として追加しましたので、目を通してみてください。



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