言葉の世界・伝言板 1998年7月




沖縄

佐藤和美 (98/07/31 12:04)

 私は日本語と、日本語を取りまく言葉に興味があるもので、中国語と日本語の関係、アイヌ語、沖縄方言等を趣味で勉強しているわけです。

 沖縄方言の話されている地域が、かつての琉球王国の範囲だというのもおもしろいですね。1609年に薩摩軍が琉球を侵略し、そのときに奄美諸島は薩摩領になり、琉球王国も植民地化されたわけですが、このあたりは陳舜臣「琉球の風」に詳しいですね。「琉球の風」はNHKの大河ドラマでやってましたけど、沖縄県ではかなりの視聴率だったそうです。奄美諸島が沖縄方言を使ってるというのが、おもしろいですね。

 本土方言でも薩摩方言とか津軽方言とかありますが、琉球方言でも奄美方言とか与那国方言とかいろいろあります。このへんのことも、そのうちやってみたいですね。

 沖縄には3度行きました。印象深いのはやはり西表島でしょうか。それと首里で聞いたと思うのですが、首里には昭和20年より前のものは(戦火で焼けて)なにも残ってない、というのがおどろきでした。

 沖縄のことはそれほど多くあつかっていませんが、これからも見にきてくださいね。



はじめまして

二重異邦人 (98/07/30 23:46)

はじめまして。今日はじめてきました。おもしろいですねえ。
現在京都で哲学を学ぶ大学生です。
ハンドルネームの「二重異邦人」の由来ですが、わたしは沖縄人と大和人の間の子供です。そのため、沖縄と日本どちらも故郷でもあり、また異郷でもあるということです。
私は、落ち着く場所に行きたいと思っているのですが・・・。
こういう事を考えていると、言葉の壁を痛感するんですよね。
私は日本語〔大和方言〕と琉球語(沖縄方言)を使いますが、
これはナショナリズムと絡んできて、重要なことです。
一人でいろいろ書いてしまいましたが・・・。



土用の丑の日

佐藤和美 (98/07/29 21:19)

 今日は土用の丑の日ということなので、この日はどういう日かということですが。

 まず土用はどういうことかですが、

 季節は普通「春、夏、秋、冬」ですが、これを陰陽五行説で五つに分けると「春、夏、秋、冬、土用」になります。一年を五つに分け、土用をさらに四つにわけそれぞれの季節の最後におきます。「春、夏、秋、冬」はそれぞれ「立春、立夏、立秋、立冬」から始まるので、この四つの「立X」の直前に土用が入ります。夏の土用は立秋の前に入ることになります。

 十二支は「年」に使いますが、「日」にも使います。土用の期間で丑になった日が「土用の丑の日」というわけです。

 「土用の丑の日」にウナギを食べるのは、平賀源内がウナギ屋さんのために宣伝したのが始まりだそうです。



カレドニア、カンブリア

佐藤和美 (98/07/28 09:22)

 古生代にカンブリア紀というのがあります。この「カンブリア」というのは「ウェールズ」(イギリスの地方)の古名です。

 カレドニア造山運動というのがあります。また、太平洋にはニューカレドニアがあります。この「カレドニア」は「スコットランド」の古名です。ニューカレドニアは今はフランスの植民地ですが、その前はイギリスの植民地だったのが、これでわかります。

 学問上の名称等はいったんつけると、なにか変更する理由がなければそのままつかわれます。「カンブリア」や「カレドニア」は、地学がイギリスで発達したことや、イギリスが太平洋の島々を「発見」したことの名残なのでしょう。



人名による駅名

佐藤和美 (98/07/27 10:14)

 司馬遼太郎の代表作の一つに「峠」というのがあります。越後長岡藩の河井継之助を主人公にした幕末物です。

 この作品の中で一点気になる所があります。それは伯備線の方谷駅ですが、この駅名は河井継之助の師匠のような人(山田方谷)にちなむのですが、司馬遼太郎は人名による駅名は全国でもこれくらいだろうとしています。

 ところが、他にも人名による駅名があるんですね。それは鶴見線の安善駅です。この駅名は安田財閥の創立者である安田善次郎にちなむ駅名なんです。

 私が思いつくのはこれくらいですが、他にも人名による駅名ってあるんでしょうか?



手塚治虫メーリングリスト

佐藤和美 (98/07/24 12:03)

 「手塚治虫メーリングリスト」というのがあります。手塚ファンが集まってメールのやりとりをしてるわけですが、内容の濃いメールが飛びかってます。
 明日は久しぶりのオフラインミーティングです。何が楽しいといって、集まるのが全員手塚ファンだというのがいいですね。明日は新座の手塚プロの見学というおまけつきです。
 「手塚治虫研究」のページから「手塚治虫メーリングリスト」のHPにリンクを張ってありますので、手塚ファンはぜひ「手塚治虫メーリングリスト」のHPを見てみてください。



いなたい

がめら (98/07/24 00:10)

父が大阪人で、私は京都に20年間暮していましたが、「いたない」は聞いたことが、ありません。
おそらく、大阪でも一部の地区でしか使われない方言ではないでしょうか。大阪でも、船場言葉、河内弁、摂津弁、など多くの方言が、ありました。現在はテレビ、ラジオの影響でいわゆる「関西弁」に変わりつつあります。



いなたい

佐藤和美 (98/07/23 12:04)

 「いなたい」をサーチエンジンのgoo(http://www.goo.ne.jp)で検索すると、何件かひっかかって来ます。(ゴミもありますが)使われている言葉ではあるようですね。

 紹介されていたHPは私も見ましたが、「どうもこれは大阪弁」と軽い感じで書いてあるので、このHPだけで「大阪方言」だと断定しないほうがいいのではないかと思います。

 なお、東條操・編の「方言辞典」には「いなたい」は載っていませんでした。



Ponsの逆襲

田舎の碩学者 (98/07/23 00:46)

今日講談社の「オランダ語辞典」なるものを見かけたので、ponsを引いてみた。
pons1) 英語punch穴あけ機、pons2)(廃)ポンスpunchとあり、更に囲み記事でポン酢の語源云々と江戸時代の文献からの引用が有った。
オランダ語の辞書に日本の江戸時代の文章を引用するのはどうかと思うが。
ちなみに、現在Oxfordやオランダ国内で出版されているオランダ語の辞書にはpons1)の記述とponskaartパンチカードの記述が有るのみである。
ポン酢おそるべし。
"いなたい"についてだが、紹介したページに有るように大阪の某深夜ラジオで頻繁に使われている。以上。



「いなたい」について

LUCILLE (98/07/22 17:25)

しばらく来ない間に調べていただいていたのですね。
佐藤さん、田舎の碩学者さん、どうもありがとうございました。
大阪方言だったんですね。
ここへ書き込んだ後、音楽雑誌で「いなたい」が使われているのを3例程見付けました。
一部の人々の間では頻繁に使われる語なのでしょうね。



ふくろう

佐藤和美 (98/07/22 12:03)

 ギリシア神話ではアテナ(ローマ神話のミネルウァ、英語でミネルヴァ)のお供がフクロウです。アテナの神殿であるアテナイのパルテノン(あるいはアクロポリス)にはたくさんのフクロウが棲息していたそうです。アテナは知恵の神でもあったのですが、フクロウはアテナのシンボルにもなっていて、フクロウが知恵を表すようになったようです。(このあたり、何の本で読んだのか思い出せません)

 19世紀にうみへび座からてんびん座にかけてフクロウ座というのがあったそうです。(原恵「星座の神話」恒星社)

 手塚治虫は昭和3年生まれで、今年は生誕70年でいろいろな本がでてます。手塚作品の動物に関しては先週出たばかりの「手塚治虫博物館」(講談社)という本があります。これによるとフクロウ科(ミミズクもフクロウ科です)のでてくるのは
「双子の騎士」
「鳥人大系」
「あらしの妖精」
「モモンガのムサ」(ライオンブックス)
です。
あまり有名な作品はないですが、全て講談社の全集に入ってます。

 手塚治虫の生年月日は昭和3年11月3日で、現在は文化の日ですが、戦前の明治節(明治天皇の誕生日)です。「治」(おさむ)というのは「明治」の「治」を取ってつけられた名前です。

 そういえば、「金田一少年の事件簿」の絵を描いてるさとうふみやはふくろうグッズコレクターだそうですね。



「ポンス」から「ポン酢」へ

佐藤和美 (98/07/21 12:08)

 以下、横井忠夫「外来語ものしり辞典」(大和出版)から引用します。

 日本語との連想が外来語の形に影響することは、いろいろある。
たとえば、ナプキン([table] napkin)が「ナフキン」とも言われるのは、「布巾」(ふきん)との連想からであるし、また英語の「parsley」が「パセリ」となったのは、「芹」(せり)との連想が働いたからだと思われる。あるいは「pons」が「ポンズ」と言われることが多いのは、「ポン酢」と意識されているからだろう。明治時代には、「駅、停車場」の「station」は「ステンショ(所)」となまっていた。



ふくろう

水谷 です (98/07/20 10:37)

ありがとうございました。うれしく読みました。
他のページも読ませていただきました。ふくろうは聖書では知恵の神ですのに、中世では不吉な印にされているような気がしますがどうでしょうか。ギリシャ神話や星の中にもふくろうが登場しますか。またそれはどんな風に呼ぶのでしょうか。手塚先生のマンガにもふくろうが登場するものがありますか。
娘もたまに伺うようですのでその節はよろしく。



ふくろう

佐藤和美 (98/07/20 09:29)

 アイヌ語には標準語・共通語はありません。アイヌは国家をつくらなかったためでしょうか。

 そのため「ふくろう」もいろいろあります。
知里真志保「分類アイヌ語辞典・動物編」を参考にひろいだしてみました。(樺太方言は除いてあります)

・シマフクロオ
 カムイチカプ 「kamuy」(神)+「cikap」(鳥)
 カムイエカシ 「kamuy」(神)+「ekasi」(翁)
 コタンコッチカプ 「kotan」(村)+「kor」(所有する)+「cikap」(鳥)
 コタンコロカムイ 「kotan」(村)+「kor」(所有する)+「kamuy」(神)
 モシリコロカムイ 「mosir」(国土)+「kor」(所有する)+「kamuy」(神)

・エゾフクロオ
 クンネレクカムイ 「kunne」(夜)+「rek」(鳴く)+「kamuy」(神)
 ハシナウウッカムイ 「hasinaw」(枝幣)+「uk」(受け取る)+「kamuy」(神)
 イソサンケカムイ 「iso」(海幸山幸)+「sanke」(出す)+「kamuy」(神)
 イヌンカムイ  「inun」(漁する)+「kamuy」(神)

 いろいろあるわけですが、とりあえずは「コタンコロカムイ」を使えばいいのではないかと思います。

 なお岩波文庫に知里幸恵「アイヌ神謡集」というのがあるんですが、この本の最初の話が「梟の神の自ら歌った謡」です。ぜひ読んでみてください。(この本は岩波文庫の分類が赤帯(外国文学)になってます。岩波はなにを考えてるんでしょうか。)



ふくろう

水谷 です (98/07/19 13:54)

アイヌ語について教えてください。ふくろう〈owl〉が大好きなのではじめまして。
ふくろうについて大好きです。いろいろふくろう関連グッズを集めたりしています。
アイヌ語でふくろうってなんというのでしょう。
かわいいふくろう、小粋なふくろう、お利口さんなふくろう、生意気ふくろうなんて言い方ありますか。 アイヌ語のひびきが好きです。 娘が帰ってこないとEmailの番号がわかりませんので、このままおくります。



分類

佐藤和美 (98/07/17 12:38)

 「種属科目綱門界」ってなんのことだと思いますか?

 これは生物の分類のしかたなんですね。

 「ホモ・サピエンス」(現世人類)ではこうなります。
動物界
脊椎動物門
哺乳綱
霊長目
ヒト科
ヒト属
ホモ・サピエンス
(亜科、等は除いてあります)

これを下からいうと「種属科目綱門界」となるわけです。下からの方が覚えやすいですね。

ヒト属では「ホモ・サピエンス」以外には「ホモ・エレクトゥス」(立つヒト)などがいます。「シナントロプス・ペキネンシス」(北京原人)や「ピテカントロプス・エレクトゥス」(直立猿人)は今では「ホモ・エレクトゥス」に分類されます。



ポン酢の語源

田舎の碩学者 (98/07/17 00:54)

やっとポンチについての話題が出たので、以前にあったポン酢の件につき補足します。日本語の辞書にはポン酢はオランダ語のponsが語源とあるもののオランダ語にponsなる単語、またponsなる飲み物は存在しません。
実はオランダが日本への航海の途中、壊血病、コレラ等の予防薬として服用していたインドのアユル・ヴェーダの一種アルコールや柑橘類の果汁、生姜等五種類を合わせたもの〜panca(〜には各配合の名称が入る)がオランダ語なまりで入った」ものなのです。



はかる

佐藤和美 (98/07/16 12:07)

 同じ訓でも字はいろいろ違います。「つくる」は「作る」、「創る」、「造る」とあります。

 私が一番多そうだな、と思うのは「はかる」です。

図る(解決を図る)
計る(時間を計る)
測る(距離を測る)
量る(容積を量る)
謀る(暗殺を謀る)
諮る(会議に諮る)

 皆さん、使い分けできますか?(私はできそうもありません)





佐藤和美 (98/07/15 12:02)

 フルーツポンチというのがあります。「ポンチ」は英語の「パンチ」punchがなまったものです。「パンチ」という雑誌名から「ポンチ絵」という言葉ができていますが、それと同じです。

 「パンチ」はサンスクリット語(インドの言葉)から英語に入った言葉です。意味は「五」で、フルーツポンチは5種類の果物が入っているということです。

 現在、インドとパキスタンはパンジャブ地方の領有をめぐって緊張した関係にあります。互いに核実験などをして、脅しをかけあっていますね。この「パンジャブ」も「五」の仲間です。「パンジャブ」は「panji」(五)+「ab」(川)で、「五つの川」という意味なのです。(サンスクリット語とは少しずれていますが、「panji」はパンジャブ地方の言葉です。)





佐藤和美 (98/07/14 12:18)

 アウストラロピテクスAustralopithecusといえば人類の祖先ですが、意味はラテン語で「アウストラロ」(南の)+「ピテクス」(猿)です。

 次にオーストラリアAustraliaですが、「Austral」というのが入っているのでわかるとおり、意味は「南の国」です。

 ちなみに「オーストリア」は「南」とは全然関係なくて、ドイツ語で「東の国」が語源です。



いなたい

田舎の碩学者 (98/07/14 00:46)

ここのページに「いなたい」の説明あり。参照されたし。
http://www02.u-page.so-net.ne.jp/bc4/hasuike/yougosyuu2.htm



先日は失礼致した

田舎の碩学者 (98/07/14 00:32)

先日は失礼致した。当方も少し感情的になりすぎた。御容赦されたし。さて、漢字音についてだが、もし諸橋『大漢和辞典』をお使いならば、気を付けられたし。戦前に出た初版の第1巻を除いて、非常に間違いが多い。小生も数年前校定作業に携わったが余りに訂正補充部分が多く校定作業自体が休止されてしまった。漢字音で良い資料は、小川環樹先生の角川『新字源』がよろしい。この辞典の付録に『廣韻』の説明もあるので、参考になりましょうや。この辞書にある慣用音の由来について調べられると良いでしょう。非常に日本的な読みである。



ソ(滝)

佐藤和美 (98/07/13 17:33)

 「北海道のアイヌ語地名」の「地名の中のアイヌ語」に「ソ(滝)」を追加しました。3月から「近日公開」だったんですが、やっと公開できました。「大雪地名行」も「近日公開」になってるんですが、まだ2、3割しかできてないので、いつ公開できるかわかりません。「近日公開」をけずったほうがいいかな?



一件、削除

佐藤和美 (98/07/12 14:19)

 一件ネチケット違反と判断し、削除しました。
言葉使いには注意してください。

 指摘のあった一点だけ修正します。
 中国語の「怪」は「hui」でなく「guai」である。



スペルは違っても、仮名は同じ

佐藤和美 (98/07/10 12:05)

 英語でスペルが違うのですが、片仮名書きすると、同じになってしまうものがあります。

 「スイート・ルーム」は「甘い部屋」ではありません。「スイート」は「suite」(組み、セット)です。(「suiteについて」を参考にしてください)

 「フリー・マーケット」の「フリー」は「free」(自由)ではありません。flea(ノミ)です。「フリー・マーケット」は「ノミの市」です。

 工事現場にあったり、アイスクリームを入れるのに使う、円錐形の「コーン」。これも「corn」(つの)ではありません。「cone」(円錐)です

 今日は某TV番組ネタでした。



インタプリタ

佐藤和美 (98/07/09 12:02)

 プログラマだったら、コンパイラ、インタプリタという言葉はおなじみですね。プログラムを起動するときに機械語に変換するのがインタプリタ、事前に機械語に変換しておくのがコンパイラです。

 ところで、シャーロック・ホームズといえば知らない人はいないでしょ。このシャーロック・ホームズ・シリーズの第2短編集「シャーロック・ホームズの思い出」の中に「ギリシア語通訳」というのがあるんですが、これの原題が「The Greek Interpreter」なんです。こんなところに「インタプリタ」が顔をだしてるんですね。

 というわけで、「インタプリタ」は「通訳」、「コンパイラ」は「翻訳」にたとえられるのでした。



「XXXXXが家に来る」のこだま

佐藤和美 (98/07/08 12:04)

 「XXXXXが家に来る」というコマーシャルをさかんにやってますね。

 「霊」(たま)とは「たましい」のことです。「言霊」(ことだま)という言い方がありますね。古くはいろいろなものに「たま」があると考えていたようですね。「木霊」(こだま)とは「木のたま」、つまり樹木に宿る精霊のことです。



駅名のふりがな

佐藤義昭 (98/07/07 12:40)

ご指摘ありがとうございました。

再度資料をみたところ、「え」を使用したのはありませんでした。
又、鉄道省発行の鉄道停車場一覧(昭和9年版)をみると、上野と恵比寿のふりがなは、そのままになっていて、川越は、「え」に変わっていました。



駅名のふりがな

佐藤和美 (98/07/07 08:20)

 以前にも書きましたが、「e」と「ye」の区別は仮名の成立期になくなっています。仮名で「e」と「ye」の区別は考えないほうがいいかと思います。

 「上」の「へ」は今では「え」と書きますが、これについては「は行音について」が参考になるかと思います。平安時代末期、語頭以外の「は」行音は「わ」行音にかわりました。その後、鎌倉時代に「え」と合流するわけですね。「へ」は「e」、[ye」と別に考えるのがいいでしょう。あくまで「は」行の「へ」です。

 「恵」の「ゑ」は「わ」行、「越」の「え」はあ行でいいと思います。

 字体が違うということですが、異体字を使っているだけなのではないでしょうか。その資料の中にあ行の「え」がでてこなければまちがいないでしょう。



駅名のふりがな

佐藤義昭 (98/07/06 13:00)

駅名のふりがなで、e,ye,weをどう使いわけていたのか教えて下さい。
ここに、鉄道院発行の鉄道停車場一覧(明治45年版)があります。
この中で、駅名のふりがなが今だと全て「え」となるのが3種類にわかれています。

上野
恵比寿
川越

おもな例をあげると以上です。

上野は、「うへの」となっています。
恵比寿は、「ゑびす」となっています。
川越は、「かわご@」で、@のところに入るひらがなが私には読めません。
又、私の使用しているパソコンにも該当する文字がありません。
これがyeのひらがなかな?



佐幕

佐藤和美 (98/07/06 07:59)

 今NHKの大河ドラマでは「徳川慶喜」をやってます。幕末といえば、勤王・佐幕にわかれて戦ったわけですが、それでは佐幕とはどういう意味なんでしょうか。

 「佐」の訓読は「たすける」です。「佐幕」とは「幕府をたすける」という意味なんですね。



ヒゲ

佐藤和美 (98/07/05 11:40)

 ヒゲにもいろいろあって、漢字ではヒゲの生える場所によって字が違います。
髭(くちひげ)
鬚(あごひげ)
髯(ほおひげ)三国志の関羽はこのヒゲですね。関羽は「美髯公」とも呼ばれていました。

ヒゲを漢字で書こうとしたら、どこに生えているかわからないと書けないんですね。



伝言板カウント500突破

佐藤和美 (98/07/04 11:51)

 伝言板のカウントが500を突破しました。それなりにこの伝言板も見ていただいているようですね。これからもよろしくお願いします。

 月曜日(6/29)に出した問題の答えです。
 「上」(うえ)は「うわ」に変化するが、「声」(こえ)はどう変化するかというのが問題でした。答えは「こわ」です。使用例は「声色」(こわいろ)です。



いなたい

佐藤和美 (98/07/03 12:10)

 「いなたい」ですが、ひととおり調べてみたのですが、見つかりませんでした。かなり特殊な言葉なのではないかと思います。10年前にはあったということですが、その頃新語として登場し、その後死語となった可能性もあるのではないかと思います。「E電」みたいな言葉もありましたよね。



いなたい

佐藤和美 (98/07/02 13:53)

いなたい、ですか。私も聞いたことないですね。
今晩調べてみようと思うのですが、どういう意味なんでしょうか?



「あ、い、う、え、お」の順番

佐藤和美 (98/07/02 12:08)

 何日か前に50音図の「あ、か、さ、た、な」の順番というのをやりましたが、今日は「あ、い、う、え、お」の順番です。

 今、加藤和光「英語の語源AtoZ」(丸善ライブラリー)という本を読んでいるんですが、この本に「あ、い、う、え、お」の順番について書いてあったので紹介します。

 「あ、い、う、え、お」の順番はサンスクリット語(インドの言葉)のアルファベットの順番と同じということです。つまり「あ、い、う、え、お」の順番は、仏教とともに、インドから中国経由で日本へきたと考えられるのです。

 50音図って、縦も横も奥が深いですね。



いなたい

LUCILLE (98/07/02 11:57)

はじめまして
こんな書き込みでもOKなのか分かりませんが…

先日、10人位で雑談中に私が「いなたい」という単語を使ったら、そこにいる全員が「聞いた事もない、一体何処の言葉だ?」という反応をしたのですが、私はもう10年来この言葉を使っているし本や雑誌でも目にしているので、自信満々に「これは立派な標準語の筈だ。広辞苑でも調べてみたまえ」などと言ってしまったのです。
実際に広辞苑を開いてみて載っていなかった時の恥ずかしさたるや…
その後何人かに「いなたい」という言葉を知っているかと訊ねてみましたが、かろうじて一人が「自分は使わないけれど聞いた事はある」と言っただけでした。

どなたかこの言葉の出所をご存知ありませんか?



「e」「ye」「we」の歴史

佐藤和美 (98/07/01 12:04)

 何日か前に万葉仮名では「e」と「ye」を区別していると書きました。
一例として、「e」は「衣」、「ye」は「江」で書かれたようです。
「e」と「ye」の区別がなくなったのは、10世紀です。
この二つは「ye」に合流しました。「え」を「ye」と発音したわけです。
これに鎌倉時代に「ゑ」(we)が加わります。これで「え、ゑ」が「ye」と発音されるようになりました。
(ちなみに1620年発行のロドリゲス「日本語小文典」(岩波文庫)でも「え」は「ye」になっています。)
その後、江戸時代に発音の変化がおこり、「ye」が「e」にかわりました。
これで現在の発音と同じに、「え、ゑ」が「e」になったわけです。
(以上、小松秀雄「日本語の音韻」中央公論社を参考にしました。)

 ところで、日本語には「yi」という発音は存在しません。当然それに該当する仮名も存在しません。
 「ye」の仮名ですが、万葉仮名の時代には発音・万葉仮名はあったわけですが、平仮名・片仮名に移行する過程で「e」、「ye」の区別がなくなってしまったわけですから、定着はしなかったようです。私の調べたかぎりでは、「e」、「ye」を区別した仮名は見つかりませんでした。

明治時代の授業で使われていたというのは、「?」ですね。



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