言葉の世界・伝言板 1998年5月




サントリー、ニッカ

佐藤和美 (98/05/31 17:00)

 今月から酒税が変更になって、ウィスキーが値下げ、焼酎が値上げされました。ということで、今日はちょっとかわって会社名の語源をやります。

 まずはサントリーですが、創業者が鳥井と言う人で「サン」SUNに栄光というような意味を持たせて、「サン」+「鳥井」=「サントリー」としたそうです。

 次はニッカですが、ニッカはリンゴジュースの販売から仕事を始めたのですが、会社名を大日本果汁と言いました。これが省略されて、「日果」、「ニッカ」ですね。



新しい語が、辞書に載るまで

がめら (98/05/31 02:32)

新語の日本語としての定着の度合、辞書の編集方針によると思います。
『三省堂・新明解第五版』(1997)には、インターネットが出ています。
この言葉、日本に登場してまだ、6〜7年だと思いますが。

また、なかなか辞書に載らない言葉として
『チン(ーする)』があります。
電子レンジまたはオーブンなどで食品を加熱・調理すること

すっかり日本語として定着していますが、まだ、載っている辞書を見ていません。



背広

佐藤和美 (98/05/30 16:00)

 藤井さんから質問のあった、背広の語源をまだやってなかったですね。

 背広の語源説は二つあって、
1.「平服」を意味する英語の「civil clothes」の前半がなまった。
2.ロンドンの洋服屋の名「Savile Row」がなまった。
この二つです。



Thou art the man

佐藤和美 (98/05/29 22:00)

 きのう、ポーの話があったので、もう一つ、ポーの小説の題名の話をやります。

 原題は「Thou art the man」です。これをどう訳すかですが、「thou」は「you」の古語、「art」は「are」の古語です。つまり、「Thou art the man」は「You are the man」ということですね。これを「汝こそその人なり」と訳した人もいましたが、一般的には「お前が犯人だ」という題名でとおっているようです。「汝こそその人なり」は直訳的で、「お前が犯人だ」は意訳的ですね。

 江戸川乱歩の「何者」のラストで明智小五郎が犯人を指摘する章の題は「Thou art the man」となっています。クライマックスにふさわしい題ですが、どれだけの人がこの意味をわかっていることか。



「今日のオススメ」の一日でした

佐藤和美 (98/05/28 22:00)

 いやあ、すごい一日でした。Yahooの威力ってすごいですね。きのうのカウントは2300ちょっとだったんですが、Yahooの「今日のオススメ」に登録されたら、今日は午後8時で3700越えてますからね。Yahooにはクールにも登録してもらったし万万歳です。

 皆さん、またどんどん見にきてくださいね。



”しずかちゃん”って 一体 ・・・

藤井由雅 (98/05/28 01:59)

 最近 授業で 若者の言葉を考察していたのですが 、その中に「しずかちゃん」ってのがありまして、その意味をみて驚きと納得しました。

意味は 「いつもお風呂に入っている子」だそうです。 そうです!あの”どらエもん”に出てくる「しずかちゃん」はいつもなぜか、お風呂に入っていますよね! サービスカットなのでしょうか?
 それはさておき、新しく出てきた造語が、辞書に載るのに大体10年位かかるそうです。 私はもっとかかると思うのですが・・皆さんはどうお感じになられますか?




オランダ語ですね!横着してすみません。

藤井由雅 (98/05/28 01:52)

やはり オランダ語でした !!!
意味は しぼり汁だそうです。
そういえば ポン・ジュース !

ところで、またまた質問なのですが・・・
こんなに甘えてばかりで・・・
背広って 日本語と違いますが・・・出所
おわかりになりますか ?

 話は変わりますが、個人的にエドガー・アラン・ポーの作品では ウィリアム・ウィルソンが好きです。



グリーン家の「アダ」?

佐藤和美 (98/05/27 23:50)

 ヴァン・ダインの有名な推理小説に「グリーン家殺人事件」というのがあります。推理小説が好きな人なら、読んだことがあるのではないかと思います。アダはその重要な登場人物の一人です。

 プログラム言語にAdaというのがあります。なんでも最初の女性プログラマからとった名前だそうですが、これは「エイダ」と読みます。ここで気になってくるのが、「グリーン家殺人事件」のほうです。本当にアダなのでしょうか。原書を見たわけではないので断定はできませんが、もとのスペルは「Ada」で、「エイダ」が正しいのではないかと思っています。原書だけ見て翻訳したら、「アダ」としてしまいそうですよね?

【追記】2024/01/20
 創元推理文庫で「グリーン家殺人事件」の新訳が出版されました。「アダ」は「エイダ」に変更されています。「エイダ」が正解だったのですね。



ネット・サーフィン

佐藤和美 (98/05/26 21:50)

 WWW(World Wide Web)でウロチョロすることを、ネット・サーフィンと言いますね。WWWの大海をあっちへいったりこっちへいったりというのを、サーフィンにみたてたのでしょう。

 ネット・サーフィンには実はもう一つの意味があります。

落語風に言うと、

WWWとかけて、
ネット・サーフィンととく。
そのこころは、
Web(Wave)をかきわけて進んでく。

おあとがよろしいようで。



e=iwanke ya?

らいら (98/05/26 01:14)

 こんにちはぁ。テスト終わったので書き込みに来ました。

 「ポンス」の謎ですか……どんな時にどんな意味で使われる言葉か知らないんですけど、『広辞苑』(岩波書店)でも『国語大辞典』(小学館)でもやっぱりオランダ語と書いてありますね(^.^;)。ラテン語のpons(ポーンス=橋)ってことはないだろうし、アイヌ語のポン(指小辞っぽい接頭辞らしい)に何かをつけたようでもないし……謎。

 そういえばゲームのことを答えてませんでした。
 ナコルルさん(よりも妹のほうが好き(爆))は、『サムライスピリッツ』というゲームに登場します。さすがに会話は日本語ですが、技の名前がアイヌ語になっています(rupus kamuy emus(nis)とかererus kamuy rimuseとかがあります)。



赤死病の仮面

佐藤和美 (98/05/25 22:00)

 「ポンス」を「岩波・国語辞典第五版」で調べたら「オランダ語」と出ていますけど……

 ところで、エドガー・アラン・ポーの短編小説に「赤死病の仮面」というのがありますね。この小説の原題は「The masque of the red death」です。
 「mask」の意味は「仮面」ですが、「masque」だと「仮面劇」になります。(発音は同じで、区別がつきません) 「The masque of the red death」は正しくは「赤死病の仮面劇」だったんですね。内容からして、「赤死病の仮面劇」のほうが正しそうです。最初に訳した人が誤訳したか、「仮面劇」というのが日本語になじまないとでも思ったのでしょうか。



来て良かった !

藤井 由雅 (98/05/25 00:54)

 日本語を勉強しています。 

で、外来語を 大学の時に国語学でした時には、「ぽんす」 は ポルトガル語 だったのですが、最近 言語学者の方から、 出所不明と言われ悩んでいます。 月曜は図書館が休みなので 火曜日にでも調べるつもりです。
 もし、ご存じでしたら お教え下さい。
又、HPを見に参ります。
 それでは  
刺激的なHPで 大変参考になります。



ヤポネシア

佐藤和美 (98/05/24 17:00)

 「ヤポネシア」という言葉は谷川健一さん等の本で見かけたように思います。「ジャパン」+「ネシア」=「ヤポネシア」というところでしょうか。琉球列島を含めた日本列島を南方の「ネシア」地域との関連で見ていこうという考えだったかと思います

 私は個人的には、縄文時代は南方の影響のもと成立したと思っています。言葉でいえば、日本語の開音節的性格(子音で終わっている音節がない)は南方の影響かもしれません。



はじめまして

がめら (98/05/24 01:22)

 がめら です。
「ことば」とその周辺に興味があり、
現在14ヵ国語のテープを聞いています。

インドネシアの意味は?について
民俗学では、「ヤポネシア」という言葉も使われているようです。
勿論、日本のこと。 地名ではありません。



color

佐藤和美 (98/05/23 20:30)

 きのうの続きです。
 きのうはスペルが同じで発音が違う単語の話でしたが、今日は発音が同じでスペルが違う場合があるという話です。
 中学校で習う「color」ですが、これが実はアメリカでのスペルです。イギリスでは「colour」になります。テレビとかディスプレイでも「色」が英語で書いてあったら「color」のほうでしょうね。
 もうひとつ、「プログラム」のスペルですが、アメリカでは「program」、イギリスでは「programme」と書くことが多いそうです。



mobile、profile

佐藤和美 (98/05/22 22:00)

 mobileをなんと発音するでしょうか。今はやりの「モバイル」ですね。ところでこの「モバイル」というのは実はアメリカ英語(アメリカン・イングリッシュ)の発音で、イギリス英語(ブリッティッシュ・イングリッシュ)の発音では「モビル」になります。ではじめの頃に、「モビル・コンピューティング」なんていう記事を見かけたことがありました。

 ネットスケープ・ナビゲータVer4.0では、ユーザーごとにプロファイルというのを設定しますが、この「プロファイル」profileというのもアメリカ英語の発音です。イギリス英語の発音では「プロフィール」で、外来語として定着している言葉です。「ユーザー・プロフィール」だったらだれでも意味がわかるのに、「ユーザー・プロファイル」だと何のことかわかりにくくなってしまいますね。(コンピュータになれてない人に) ま、コンピュータはアメリカが主流だからしようがないですか。



両国

佐藤和美 (98/05/21 21:00)

 Delphoiは普通「デルポイ」と書きますね。ただ話を簡単にするために、「デルフォイ」としました。「Delphi」(デルファイ)は英語です。ちなみに「Delphi」ってのは、Windowsのプログラムをつくるプログラムで、Oracleはデータベースを管理するプログラムです。

 ところで、今、両国で相撲をやってますね。

両国という地名の由来ですが、あのあたりは「武蔵」(むさし)と「下総」(しもうさ)のくにざかいにあたるところで、両方の国ということで、両国という地名がつきました。両国橋という橋があって、この橋が「武蔵」と「下総」をつなげていたそうです。これが両国という地名のもとになったのですね。

 両国を総武線がとおっているのですが、これも「下総」と「武蔵」をむすんでいる線というような意味ですね。

 総武線のように、鉄道の路線名には旧国名を使っているものが多くあります。
「日本語とその周辺」に「鉄道路線名の由来」というのがありますので、見てみてください。



calendarium

魔導師らいら (98/05/21 4:54)

 こんにちは、らいらです。
 西洋の月と曜日の名前って、神話やお祭りなどにも関係しているみたいでおもしろいですよね。
 月の名前はラテン語に由来していて、数詞とか(septem 7, octo 8, novem 9, decem 10)ローマ神話の神名などが多いようですが、Aprilはaperio(解きほぐす,開ける)からのようです。
 それから曜日のほうは北欧神話の神名からついたものがあるみたいです。

 ところで、デルフィはデルポイの現代ギリシャ語読みのようです(^.^;)。現代ギリシャ語の発音は古典語と大きくことなっていますので……。



ありがとうございます

佐藤和美 (98/05/20 22:30)

 初めての書き込みです。ありがとうございます。
 今のところ「ヨーロッパの言葉」は二つしかアップしてませんが、次の予定は「暦と星」という題でカレンダー関係の語源をあつかうつもりです。「July」が「Julius」(ジュリアス・シーザー)で、「October」が「8の月」というようなことをやろうかなと思ってます。
 また、「雑学・コンピュータ関連用語集」の「Delphi」でギリシア語を、「suiteについて」で英語を少しですがあつかってます。コンピュータの知識がなくてもわかる内容なので目を通してみてください。
 「ナコルル」とかいうゲームがあるそうですが、ゲームってそれですか?



始めまして

魔導師らいら (98/05/20 16:13)

 はじめまして。らいらともうします(^.^)。
 私は高校生なんですが、ちょっと興味があっていろいろな外国語をやっていますのでいろいろおしえていただけたらとおもいます。
 どちらかというとヨーロッパ系の言語が好きですが、あるゲームに登場するキャラクターの影響でアイヌ語も興味があります(不純)。



カウンタ2000件突破!

佐藤和美 (98/05/19 21:00)

このHPは去年の10月から始めたのですが、7カ月で2000ですね。皆さん、ありがとうございます。こういう地味な内容なので、初めは一年たっても1000を越えないんじゃないかと思ってたんですが。この数字に、十分満足してます。
この欄もなるべく毎日更新するようにしますので、皆さん、また見にきてくださいね。



雨ですね

佐藤和美 (98/05/18 22:00)

今日は朝から雨でしたね。沖縄はもう梅雨に入ったそうだし。

ところで、天気予報で気圧の単位として、ヘクト・パスカル(hPa)というのがでてきますね。
このヘクトというのはなんなんでしょうか。
ということで、今日は単位の接頭語の話をしましょう。

気圧の単位といえば、ヘクト・パスカル(hPa)ですね。
キロ(k)は1000ということの接頭語ですが、ヘクト(h)は100という意味です。
ヘクトはキロほど見かけることは多くないのですが、面積の単位に顔をだします。
それはヘクタール(ヘクト・アールha)です。ヘクトが100なので、1ヘクタール(1ha)は100アール(100a)になります。



2000年は閏年、平年どっち?

佐藤和美 (98/05/17 20:00)

2000年問題というのがありますね。2000年になると、コンピュータが誤動作する(2000年を1900年とまちがえる)という問題ですが、さて2000年は閏年でしょか、それとも閏年でないのでしょうか。
プログラマでも閏年か、平年か、意見がわかれたそうですが(『殺人バグを追え』(日経BP))、こういうことでちゃんとしたプログラムがつくられてるんでしょうかね。

答えは「雑学・コンピュータ関連用語集」の「calであそぶ」にあります。

ところでUNIXの2038年問題は2000年問題よりも重要(致命的)だと思うのですが、どうなるんでしょうね。



Java

佐藤和美 (98/05/16 17:20)

インターネットをやってる人なら「Java」というのを一度は聞いたことがあると思いますが、プログラミング言語としてのJavaは「ジャヴァ」、「ジャバ」ですが、地名としてのJavaは「ジャワ」です。
今ちょうど騒乱状態にあるインドネシアの首都ジャカルタのある島、ジャワ島ですね。
ジャワ島の産物としてコーヒーが有名ですが、プログラマがコーヒーが好きということを考慮して(アメリカのプログラマはコーヒーが好きなんですかね?)、プログラマに好まれるようなプログラム言語にしようということで「Java」と命名したそうです。

今日はこんなところで。



インドネシアの意味は?

佐藤和美 (98/05/15 23:00)

インドネシアで暴動が起きてますね。
ということで、今日は時事ネタの語源でいこうかと思います。
インドネシアの意味ですが、ギリシア語で「ネソス」は「島」、「イア」は地名接尾辞なので、「ネシア」は「島の国、地方」というような意味になります。
「インドネシア」は「インドの島の地方」というような意味になりますね。

「ネソス」、「ネシア」関係の地名をいくつかひろってみましょう。
「ミクロネシア」   「小さい(ミクロ)島の地方」
「ポリネシア」    「島の多い(ポリ)地方」
「メラネシア」    「黒い(メラス)島の地方」黒い肌の人々がいたためといいます。この人々は人種的にはアウストラロイド(オーストラロイド)になります。オーストラリア先住民のアボリジニ等です。
「ペロポネソス半島」 「ペロプス(ギリシア神話の神)の島」ギリシアの半島です。

今日はこんなところで。



「一日遅れの伝言板」始めます

佐藤和美 (98/05/11 21:00)

このHPの作者です。
「伝言板」をやってみたい、と思ったわけですが、いろいろな事情でできそうもない。
(このHPのあるプロバイダがCGIを禁止してるしね)
というわけで、「一日遅れの伝言板」というのを考えました。
送られてきたメッセージをこちらで伝言板に張りつけようというわけです。
一日遅れぐらいでやってきたいと思います。
このHPへのご意見・ご感想・ご要望などありましたら、どんどんどうぞ。
ご自分の言いたいことも、どんどんどうぞ。



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