言葉の世界・伝言板 2003年4月



mandarine

にれのや (2003/04/30 22:49)

■ラルースの語源辞典で次の記述あり。
【mandarine】初出 1773。語源=スペイン語 naranja mandarina
□ naranja mandarina は、現代スペイン語にもあり。「清の高級官僚が食すようなオレンジ」 という意味の命名だったのだろうか。ポルトガル語でない、というところが、また、やっかい。
■Wahrig というドイツ語辞典に Apfelsine の語源記述あり。
【Apfelsine】< 低地ドイツ語 Appelsine [1700年頃 ハンブルク] < オランダ語方言 appelsien



Maniac C. さま

takc (2003/04/30 22:02)

丁寧に答えてくださり、ありがとうございます。これからもこちらに遊びにきます。



詩編の数え方について

oniricoempirico (2003/04/30 22:00)

 すみません。続けて質問です。短歌は何故、一首、二首と数えるのでしょう。中国語の辞典をみてもはっきりとわからないのです。中国でも詩を首という漢字で数えることはあるようなのですが...



ビューラーの語源について

oniricoempirico (2003/04/30 21:55)

 まつげカーラーは英語ではeyelash curlerというそうですが日本では「ビューラー」という語がまかり通っており語源が不明です。どなたか教えてください。





zo- (2003/04/30 19:58)

massangeanaさん

 ありがとうございました。リスト、見落としていました。すいませんでした。



Re: 括

massangeana (2003/04/30 15:46)

zo- さん:
いえ, ぜんぜんまちがっていないと思います。わたしのリストにもちょっと載っ
ていますが, 古活切なら guo (声調はさておき) になると予想されます。くだっ
て『中原音韻』でも guo3 のようです。

問題は「括」があまり日常語で使わない, 学校で習うような字であることで,
その結果変な音が生じたものではないかと思います。陸志韋『北京話単音詞詞
彙』に「把両箇数児括(kuo4)起来」という話しことばの例文がのっていますが,
これも「数字を括弧に入れる」という意味のけっこう固い言葉のようです。

gua1 という音は二等の黠韻か[金害]韻から来たような音ですが, 由来が明か
ではありません。「刮」あたりの類推でしょうか(今ちょっと調べたら, 『龍
龕手鏡』に「古活反。……又『刮』『膾』二音」と書いてありました。意外に
古い?)。『児女英雄伝』に「顔をしかめる」という意味の gua1da を「括搭・
瓜搭」とふたとおりに書いており, このころはすでに「括」を gua1 と読んだ
ことがわかります。

kuo4 は『集韻』に苦活切というのが追加されているので, それに由来するか
とも思います。ただしその場合は「矢はず」という意味で, ふつうの意味では
やはり古活切です(じつは「矢はず」の意味で苦活切になるのは, 詩経・秦風・
[馬四][鐵-金+馬]の鄭箋「抜, 括也」に対する経典釈文に由来するので, 切韻
より古い)。特殊音が何かの理由で一般化したのかもしれません。帯気音にな
るのは官話系統に多いのですが, おかしなことに広州でも kut (Yale式)とい
う帯気音になります。広州で「闊」は fut ですから, それとも合いません。





zo- (2003/04/30 05:27)

したの書込みで間違えました。弧ではなく、括でした。

括の発音、ちょっと自分でも調べてみました。考え方として間違っていること、ご教示頂けたらと思います。ずうずうしいですね(汗)。

台湾の「国語」ではkuo4、gua1両方あるようです。『広韻』を見てみましたが、古活切とありました。見母、山摂末韻合口一等で、この韻母は幇組声母と結びついているときは、北京音ではoで、見母などと結びついているときはuoになっているようです(佐藤昭氏の『中国語語音史』を見ました)。とすると、kuo4が「正統」かと思いきや、見母は北京音では、洪音韻母と結びつく場合はg、細音声母と結びつくときはjになっているとありました(『中国語語音史』)が、kの発音については書いてありませんでした。ということは本当はguoなんでしょうか?

『広韻』に括は一回しか出ていないようなんですが、中古より後からできた破音現象は、どういう過程を経てできたものなんでしょうか?それから中古の入声と北京音はどうやって対応させたらいいんでしょうか?

やっぱり、自力では無理でした(トホホ)。



appelsien について

にれのや (2003/04/30 01:50)

■まず、訂正の訂正。
  melo narancia は、やはり mela narancia ですね。
■本日、Kluge のドイツ語語源辞典を見つけまして、Apfelsine を引いてみたら、あらら
   Apfelsine < 新オランダ語 appelsien < Apel de Sina < 仏 pomme de Sine
となっておりました。つまり、appelsien は、Apel de Sina の縮約形で、Apel de Sina は、フランス語 pomme de Sine を模した語だということです。他の辞書でウラを取ってはいませんので。
 フランス語の語源辞典には pomme de Sine のような用例は載っていないのでどうかとは思いますが。
■松茸さんが、たびたび、sweet orange と bitter orange の混乱のことを書いておられますが、Oxford の Word Histories に興味深い記述をみつけました。
 16世紀、ポルトガル人が、喜望峰まわりのインド洋航路を発見してのち、中国から sweet orange を西ヨーロッパに持ち込み、これが、bitter orange を駆逐した、というのです。
 フランス語の pume orenge の初出が 1200年ですから、少なくとも、bitter orange に遅れること 300年で、sweet orange が西ヨーロッパに到達したと、いうわけですね。
 で、この辺に、pomme de Sine とか Apel de Sina あるいは appelsien という名前の登場した原因があるのではないか、と推理するのですが。
■bitter orange, sweet orange, appelsien, mandarin(e) というあたりは、いったい、どれとどれが同じものなんだか、こんがらがってきました。
■南仏の地名 Orange の来歴がどうしてもわかりません。ラテン語名 Arausio と現代の Orange のあいだに何があったのか? 地名辞典のたぐいはあてになりませんね。Orange を調べると、オレンジ公の名にちなむ、なんて書いてあって、人名辞典で、オレンジ公を調べると、地名 Orange にちなむ、なんて平気で書いてある。世の辞典とか、地名語源××なんて本は、あんがい、こんなのの集積なんでしょうね。



res: つばめとswallow

Maniac C. (2003/04/30 01:06)

takcさん、「言葉の世界」伝言板へようこそ。

私も昔、英語を知ったとき、そっくりで面白いなぁ、と思いました。
でも、答えは、「英語と中国語(そして日本語)は全くの別物」です。

まずは、英語から。
名詞の swallow は、古期英語では swealwe と綴られました。
当時の英語はほとんど表音的でしたから、「スウェアルウェ」と読みます。
一方、動詞のswallow は、古期英語では swelgan と綴られました。
発音は「スウェルガン」に近く、違う単語であることが解ると思います。
「古期英語」というのは、諸説在りますが、一番長く考えると、450年頃
〜1150年頃に話されていた、仏語の影響をほとんど受けていない英語です。
名詞はゲルマン共通基語(紀元前2000年〜1500年の間)までは遡れますし、
動詞の方は印欧祖語(紀元前4000年〜3000年頃)にまで遡ることの出来る、
かなり古い言葉です。

次に、中国語です。
「嚥下」という熟語は「咽下」とも書かれ、ここからも「嚥」は「咽」と
同じだということが解ります。発音も同じで、意味も、@のど、Aのむ、
で同じです。どちらも形声文字で、「燕」も「因」も音を表しているだけ
のようです。この漢字がいつから使われているのかは、私には判りかね
ますが、英語の450年頃よりは古いでしょう。

日本語が、英語と本格的に関係を持ち始めたのは、日米修好通商条約が
結ばれた1858年以降ですから、それ以前から「燕」「嚥」という字は
間違いなく在ったはずですし、日本でも使われていたでしょう。

日本語に初めて“スワロー”という「外来語」が入ってきたのは、『角川
外来語辞典』によれば、“スワローテール”つまり「燕尾服」の意味で、
1909年だそうです。

最後に、日本語の「つばめ」です。
この言葉は『万葉集』(奈良時代)には既に見える言葉です。
「つばくらめ」という言葉も、『竹取物語』(平安時代初期)に見えます。
古期英語と同じくらい古い言葉です。しかし、どちらの日本語にも、
動詞の意味は有りません。



オレンジ関係

青蛙 (2003/04/30 00:27)

英:apple は本来、広く「果実」を意味していたようです。(<ゲルマン基語:*aplu-)
独:Apfel/蘭:appel/古ノルド語:eple(研究社『英語語源小辞典』では apall)
羅:malum、希:melon に相当。言うまでもなく後者はメロン(<英:melon)の語源)

・apple [OE:aeppel] → 梨(状)果
・berry [OE:berrie] → 液果(漿果)

フランス語では pomme が該当します。ちなみに>英:pome は学術的に「梨果」を指すようです。詩語としては apple と同義。語源は <俗ラテン語:poma<後期ラテン語:pomum ですが(古典)ラテン語の pomum は「果実」全般を指していたようです。英:apple も仏:pomme も「リンゴ」に特化するようになったらしいですね。

蘭:sinaasappel(フラマン語:appelsien でいいんですよね?)、独:Apfelsine は、ひょっとするとネーブル <英:navel(orange)の学名 Citrus sinensis var.brasiliensis と関係があるのかもしれません(ここで「中国産」英:Chinese が sinensis(sin-) と表記されています)柑橘類の中で、ネーブルって中国原産なの?

英:orange の変遷は既に説明されているので繰り返しませんが、『外来語の語源』によれば、オレンジ(みかん? 品種不明)は「インド原産で,ヨーロッパには15世紀,米国には17世紀に伝わった」とあります。(おいおい、17世紀じゃまだ米国は建国されてねーじゃん)それから、英:orange の初出が1380年頃(『英語語源小辞典』には書名“Cleanness”が掲げられています)ということは現物がもたらされる1世紀も前のことではありませんか。なお、『英語語源小辞典』では古仏語形が orendge となっており、中期ラテン語形として arangia, arantia, aurantia とあります。非ヨーロッパ系の語彙を借入するときに、往々にしてこのような表記の揺れが生じます。これらうちの最後が、ラテン語 aurum の影響による変形とされているようです。

三省堂『コンサイス地名辞典・外国編』(1977年初版第1刷・青背版)によれば、オランジュの古形(おそらくラテン語形)は「アラウシオ Arausio」とあります。





zo- (2003/04/30 00:12)

massangeanaさん
 熊、雄のご教示ありがとうございました。なかなか理解できないものも多いのですが、何か取っ掛かりができたらまた質問させていただきたいと思います。

>期 qi1
「期」は中古で「其」と同音(渠之, 群母之韻), 1周年・ひと月の意味の「朞・稘」は居之(見母之韻)で, いずれにしても qi1 には対応しない。

とのことですが、台湾(民国初期に制定当時はといってもいいかもしれませんが)では「期」は二声で読みます。これだと規則的な変化でしょうか? それから、弧の発音、大陸ではkuo4で、台湾ではkua1ですが、どっちが「正統」でしょうか。できたら、調べる手順を紹介していただきたいんですが。基礎的な本はあります。なければ買います。もしお時間がありましたらよろしくお願いします。



つばめとswallow

takc (2003/04/30 00:08)

疑問に思っている事なのですが、英語のswallowは「ツバメ」と「飲み込む」と言う意味がありますよね。日本語のツバメも「燕」と「嚥」とあります。これはswallowという外来語が入ってきてから派生した言葉なのか、もっと古くからあるのか教えていただければ幸いです。



Re: 熊 xiong2

massangeana (2003/04/29 23:27)

「熊」と「容」はちょっと事情が違っていて, 「熊」はかなり古い時代から特殊な変化をして
いたらしく(元代の「中原音韻」ではすでに「容」などとは別な音になっている), 官話系の方
言ではどこでも同じように変化しています。いっぽう「容」が r- になるのはごく一部の方言で
のみ起きた変化のようです。もうひとつ変なのは「傭・庸」の 2字(もとは「容」と同音)が
yong1 と一声になっていることで, けっきょく規則的変化の結果として期待される yong2 はまったく
存在しません。上声・去声では「勇yong3・用yong4」などがふつうにあるので(「冗rong3 」は日母だ
ったので r- で規則的) どうも yong2 という音を避けなければならない理由があったらしいのです。

「熊」 1字だけなら言霊的な考え方が原因かもしれない(クマの名前を口にするとクマに
おそわれるのでわざと音を変えた)ですが, それ以外の理由はよくわかりません。



re 性

Maniac C. (2003/04/29 18:31)

>massangeanaさん & 大家(みなさん)
>実が melarancia, 木が melarancio のようですね。
■古典語である希臘語・羅甸語では、性はまだ完全には文法的に固定されたものに
 なっておらず、性を表す語尾が分離可能な単語では、自然性に準じて分けられる
 ものも在りました。
□例えば、de-us「男神」と de-a「女神」という羅語がそうです。
□また、語尾が、男性名詞に多い-usでも女性名詞(Corinthus「康楽」, Aegyptus
 「埃及」など)、女性名詞に多い-aでも男性名詞(agricora「農夫」,nauta「船乗り」
 など)、と「名より実」を取った、例外的な名詞も在りました。
□そのため、殊、木の実と木に関しては、果樹=「生産するもの」=「母」=女性:
 果実=「生産されるもの」=「作品・子」=中性(neuter は、ne[=not]+uter[=
 either of two]で、男性でも女性でもないもの、「無性」と訳した方が良い)、と
 いう性の役割分担が出来ています。独逸語の「母」 Mutter(女性名詞)と「子」 Kind
 (中性名詞)の関係を想起していただければ解りやすいと思います。
□希語/羅語における、実(中性)−木(女性)の関係
 「梨」 a´pion−a´pios/pirum−pirus
 「李」 prou^mnon−prou´mne¯/pru¯mum−pru¯mus
■これが羅曼語の時代になると、語尾の -m や –s が落ち、どちらも男性名詞に
 合流してしまい、この性の使い分けが出来なくなります。そこで、伊語や西語では、
 果実を意味する単語の方を女性化し、別な形で、この役割分担を存続させたもの
 と思われます。
□伊語/西語における、実(女性)−木(男性)の関係
 「林檎」 mela−melo/manzana−manzano
 「橙」 arancia−arancio/naranja−naranjo
 「桜桃」 ciliegia−ciliegio/cereza−cerezo
 「桃」 pera−pero/pera−peral
■また、仏語では、特殊な接尾辞を付けることによって、性の役割分担を存続
 させました。果実はやはり女性名詞になっています。
□仏語における、実(女性)−木(男性)の関係
 「胡桃」 noix−noyer<nucarium=nux+-arium(容器→実をつける木)
 「林檎」 pomme−pommier<po¯mum+-arium
 「桜桃」 cerise−cerisier<cerasium+-arium
■では日耳曼系ではどうなっているかと、代表として独逸語を見てみますと、特に統一
 は無いようです。果実・果樹の区別なく、どちらも大部分は女性名詞になっています。
 特に果樹の方を言いたければ、「木」を意味するBaum(男性名詞)を付けますので、
 全体として男性名詞になります。
□独語における、果実・果樹の性
 「林檎」 Apfel(男性)
 「桃」 Pfirsch(男性)
 「珈琲」 Kaffee(男性)
 「橙」 Apfelsine(女性), Orange(女性)
 「桜桃」 Kirsche(女性)
 「李」 Pflaume(女性)
 「梨」 Birne(女性)
 「胡桃」 Nusz(女性)
□面白いことに、「松」は、羅語では pi¯nus という女性名詞で、伊語/西語では pino
 と男性名詞になり、その実「松毬」は伊語 pigna/西語 pin~a と女性名詞になるのは
 規則通りなのですが、これが独語では、「松」 Kiefer (女性)−「松毬」 Kieferzapfen
 (男性, Zapfen=英 tap「栓」)と、通例とは逆になるのです。いやあ、言葉って、本途に
 面白いですね(^。^)。



re 清濁

Maniac C. (2003/04/29 18:23)

>高駒麗人komaさん
>日本語の清濁はpがΦを経由してhになり、
→通説とは異なる意見も在るようです。
下記は、私が更新を心待ちにしている、野心的なHPです。
お時間の有る時に、じっくりとお立ち寄り下さい。
非常に啓発されます。

http://www.biwa.ne.jp/~ichhan-j/paline/paline(contents).htm



SARSですかぁ・・・

きしろふ (2003/04/29 16:28)

いま日本では「サーズ」と読むか、「サース」と読むか、「エスエーアールエス」と読むか迷っているようです。いずれにしても間違いではありませんが、読み方を統一しようとしているらしいです。

>高駒麗人komaさん
>「日本のメディアは香港と中国を別扱いしています。」
>「日本の記者は香港返還を知らない無知か故意に認めていないということでしょう。」
「一国二制度」という認識をもっても言っているんでしょうかねぇ?



服装用語外来語氾濫

高駒麗人koma (2003/04/29 16:24)

点譯者さんへ
訂正です。失礼しました。
ファッション業界は「ファー」だの「クチュール」だの不可解なアイリアン語→エイリアン語(異邦人語、宇宙人語)を連發する奇人変人の集団ですからこういう言い換え案も馬耳東風でしょうが。
ファッション関係者は非とに分かりやすくつたえようという發想がない。その意味で国際性も無い。
「肩に山盛りのコサージュをのせたレザードレス、ウオッシュデニムのパッチワークドレス、ワイルドなファーコートとファーブーツ。」書いてる本人も自分で意味をわかっていないでしょう。意味なんか考えていない世界ですから。
http://structure.cande.iwate-u.ac.jp/miyamoto/katakana.htm

http://www.senken.co.jp/clrpt/2000a2w/lndn03.htm

http://www.senken.co.jp/clrpt/2003a2w/all-c.htm



非典型肺炎

高駒麗人koma (2003/04/29 16:12)

点譯と漢譯の苦労 続き
私のHANDLE NAMEをもし点字にする場合は、「こま」「こうくりじん」「たかこまれいと」等、何でもかまいません。

massangeanaさんへ
日本語の清濁はpがΦを経由してhになり、「ざじずぜぞ」のzが語頭でdzになった結果により音声学的な対応p・b、s・zから離れたということでしょう。

「肯」kenは日本語音で「こう」であるように本来 keng でしょう。「鳥」diao>niao、「秘」bi>miは非鼻音化の珍しい例です。
「洗」xiは地名人名では Xian のようで、「癌」は本来「岩」と同音でng声母が yに変わり(または同化し)、北京語で yan の筈でしたが、「胃癌」weiyan、「肺癌」feiyanが「胃炎」weiyan、「肺炎」feiyanと同音になるので、中国政府は何処かの方言音 ai を普通話音に採用して「胃癌」wei'ai、「肺癌」fei'aiになったようです。
「癌」をアイと發音するのが何処の方言かわかりません。因みに新型肺炎SARS(Severe Acute Respiratory Syndrome 重症急性呼吸器症候群)は中国語で「非典型肺炎」Fei Dianxing Feiyan略して「非典」Feidianです。「非典」Feidianと「肺炎」Feiyanで韻を踏んでいるのは漢語らしい所です。
http://fpj.peopledaily.com.cn/zhuanti/Zhuanti_57.html
点字ではどうなるのでしょう、「しんがたはいえん」?「さあず」?
ところで今でも日本で「思ひます」「不便でせう」「町長」は「ちやうちやう」で「蝶蝶」は「てふてふ」のように歴史的なかなづかいを復活させようという人もいますが、点字を使う方々としてはどうお感じになるでしょうか。

辻本裕幸さんへ
「心」は【sam】で、「三」は【sa:m】という事ですが、「点心」が英語でdim sumなので「心」の廣東語音は sum,someに近く、母音aはΛに近いのではないでしょうか。
「三星」Samsungは朝鮮語ですが、朝鮮語漢字音でも「星」の母音がΛに近いのでしょう。
私としては「点心」は dim sam、「三星」はSamseongと綴るほうがいいと思います。
http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/homophone.html(同音異義語への異議)
行省 (北京語)xing2sheng3 (廣東語)haang4saang2 (朝鮮語)hayngseng
(日本語)かうしゃう>こうしょう 

余談ですが香港が中国に変換されて6年たとうというのに、新型肺炎の患者数でも「中国・香港共に100人以上」「中国の患者数の情報が隣の香港に漏れた」等、日本のメディアは香港と中国を別扱いしています。中国本土と香港あわせて200人以上とか中国大陸地方から中国香港地方へ移ったとか言わない以上、日本の記者は香港返還を知らない無知か故意に認めていないということでしょう。



点譯と漢譯の苦労

高駒麗人koma (2003/04/29 15:36)

点譯者さんへ
お役にたてて、光栄です。
>同音異義語は点譯者にとって悩みの種。大抵は文の前後で判断できるようなのですが、どうしても分かりにくい場合は点譯者が注釋を入れています。
特に固有名詞等は難しいでしょう。日本語は漢字を見ることを前提とした物になっており、菊池寛は「きくちかん」か「きくちひろし」かという問題もありますし、最近、朝日新聞やAERA(これは点字ではどうなるのでしょう?「アエラ」の点字表記でしょうか)では「胡錦涛」に「フージンタオ」という振り暇名を振っています。
「豊郷(とよさと)」、「湯来(ゆき)」、「和泉(いずみ)」、「錦織(にしきおり←少年隊、にしこり←鈴木大地の記録を破った水泳選手)」、「細川内(ほそごうち)」などはTVでも読みをカナで書いて欲しいと思いますが、意外と「手話ニュース」が役にたちます。
日本語が同音語だらけになったのは明治時代の日本人が西洋語を漢語譯した時、science→「科学」&chemistry→「化学」(かがく)、comet→「水星」&mercury→「彗星」(すいせい)のように音の重複を一切無視した為です。
http://www.sf.airnet.ne.jp/~ts/language/homophone.html(同音異義語への異議)
我々は漢字なしでは日本語を読めないようになていますが、点字の世界は「かな たいぷ で かかれた にほんご」のような日本語の可能性の一つとして重要です。
以前、NHKの朝鮮語講座に匿名で「何故、朝鮮語の課文に漢字を書かないのか。にほんごをぜんぶ ひらがなで かいたら まるで よめないでは ありませんか」という投書が載り、講師が、今、朝鮮では漢字はほとんど使われていないという説明をしていました。
「」は日本語音で「キ」だそうで「軌」と同音です。
また、この傳言板のようにアルファベットの混ざった文を点字にするのも難問でしょう。結局は点字と録音をセットにした物が最適ということかもしれません。
「おおさか(大阪)」と「こうべ(神戸)」で何故「はんしん(阪神)」なのか、目の見えない人や、漢字を知らないローマ字文化圏の人に説明するのは難しいでしょう。
外語教育&学習と所謂「障碍者(障害者)」関係の仕事はよく似ています。
「障碍(障害)」は人でなく社会の側にあるという意見もあります。これを除くのがバリアフリー。最近、西洋語系外来語を漢語や和語で言いかえる案が出されました。バリアフリーの分かりやすい言い方は今後の課題でしょう。ファッション業界は「ファー」だの「クチュール」だの不可解なアイリアン語を連發する奇人変人ですからこういう言い換え案も馬耳東風でしょうが。
http://www1.ocn.ne.jp/~kanamozi/kananohikari.html
一説によると驛(駅)前の点字ブロックは盲人の方々には余り役に立っていなくて、福祉をやっているというポーズという意見もあるようですが如何でしょう。

逆に中国人が日本の地名人名を漢譯する場合、「菊池寛」など北京語でJuchi Kuanなので、日本語でヒロシだろうとカンだろうと問題外ですが、「松たか子」、「土井たか子」、「さねとうけいしゅう」、「井上ひさし」、「小林よしのり」、更に日本で販賣されている英文紙上の地名Gotemba等をどう漢字で書くかが悩みの種になるようです。日本のファッションデザイナーの「ジュンヤ・ワタナベ」JUNYA WATANABE、「イッセー・ミヤケ」ISSEY MIYAKE等カタカナ・ローマ字書きの名は中国人泣かせです。こういうカナ・ローマ字表記をするファッション業界人は国際性が無い。

真珠養殖者の「御木本幸吉」の名が中国で「庫基奇米基莫托」のように書かれたこともあります。英語名Kokichi Mikimotoを漢譯した中国人が、日本語の漢字を知らなかったせいです。



熊 xiong2

zo- (2003/04/29 15:20)

熊 雄がどうして xiong2なのかも長年の疑問の一つでした。台湾語では、高雄はko hiongなので、たぶん全く、不規則でもないのではとも思っていたんですが、たぶん、云母?がこういう発音になるのって、熊、雄の2つだけですよね?

あと同じく云母の容とかが、rongなのも不思議だったんですが、こっちは一応自力である程度調べました。



Re:北京語の不規則変化

zo- (2003/04/29 15:11)

massangeanaさん

  感激です。勉強させていただきます。どうもありがとうございました。



Re: オレンジ

massangeana (2003/04/29 09:02)

ペルシャ語は na:ranji: (だいだい色) と別に na:rangi: というのがあって, こちらはミカン
の一種のようです。

にれのやさん:
>なぜかわざわざ "bitter orange" と
アラビヤ語で bitter でない方のオレンジは burtuqa:l (例によって「ポルトガル」)だから
のようです。

>melarancia
実が melarancia, 木が melarancio のようですね。



Re: 北京語音韻の不規則変化

massangeana (2003/04/29 05:18)

すみません。まだぜんぜんできてませんが, とりあえず下のページにあげておき
ました。ユニコード(UTF-8) を使ってますが, ちゃんと読めますでしょうか。
http://www.asahi-net.or.jp/~ez3k-msym/lingua/bjliwai.htm



re taronja

Maniac C. (2003/04/29 04:09)

■大家、同じHPに辿り着くようで。私もKatzerのHPは見ていました。

>にれのや師匠
>オレンジのカタロニア語形を見て、思わず、笑ってしまいました。taronja。いったい、どうしちゃったんでしょう? それに、ポルトガル語形 laranja も、わかりそうでわからない。
■下記のHPによると、加泰羅尼亜語の taronja (別のHPによれば、同化の例として説明
 されていますが、発音は turonja が近いらしい)は、亜剌比亜語の turu´njah に
 由来し、更にこれは、「檸檬の木」を意味する梵語 matulu´ngah に由来するようです。
■laranja(冠詞との異化)や orange(or との交雑) についての説明も書いてあります。

http://www.geocities.com/Athens/Delphi/3925/N.htm



世界の orange

にれのや (2003/04/29 02:21)

■ここを覗くと、世界中の言葉で orange を何というかわかります。
http://www-ang.kfunigraz.ac.at/~katzer/germ/generic_frame.html?Citr_sin.html



Sina или sien

にれのや (2003/04/29 02:13)

■わたしがチェックした Dutch-English Dictionary にも
Sina あるいは sien はありませんでした。これも、オランダ語語源辞典か!



orange

にれのや (2003/04/29 02:06)

■まったく、言葉というのはやっかいなものですね。
きのうの訂正
  mela narancia → melo narancia
ですね。Maniac.C氏の言うようにラテン語が透けてあらわれているのかもしれません。
■フランスの食についての本をちょっと覗きまして、次のような明快な説明がなされていました。
  「中世、ルネッサンス期を通じて、食材・香辛料は、中国人、インド人、アラブ人が、東方からコンスタンチノープル、もしくは、アレキサンドリアに集積し、そこから、イタリア人(おそらくベネチアか? にれ)が西ヨーロッパに運んだ」
まあ、こういう内容です。松茸さんの言っておられることも、おそらく、同じような流れではないでしょうか。
■フランス語の語源辞典というのは、ラング・ドイルのみをフランス語として扱い、ラング・ドックはプロヴァンス語として、別の言語扱いしています。よって、
  pume orenge < melarancia
のあいだには、プロヴァンス語形がなければならないはずで、そのあたりの変化は、先だって Maniac.C 氏の推理されたようなものだったかもしれません。
 また、1200年にすでに、ラング・ドイル形 orenge が現れているからには、フランス語とプロヴァンス語で並行して、語形の変化が起こっていることも考えられますね。いずれにしても、日本ではプロヴァンス語の古形を調べるのは困難のようです。
■Orange の町のラテン語形がわかりました。Arausio です。どうも、オレンジとは関係がなさそうです。
■それと、オレンジ(bitter orange)のラテン語形は aurantium ですね。プロヴァンス語にしばしば現れる、語頭の au- は、ラテン語の影響でしょうか?
■オレンジのカタロニア語形を見て、思わず、笑ってしまいました。taronja。いったい、どうしちゃったんでしょう? それに、ポルトガル語形 laranja も、わかりそうでわからない。



re^2: orange と appelsien

松茸 (2003/04/28 04:28)

>  ちなみに、推測ですが、sinaasappel は、先に伝わった bitter/sour oranges(橙、柑子)を指し、
> oranje は、後から伝わった sweet oranges(蜜柑、甜橙)を指すのかも知れません。
……どうやら逆みたいです。(^^;
http://gmr.landfood.unimelb.edu.au/Plantnames/Sorting/Citrus_1.html
http://gmr.landfood.unimelb.edu.au/Plantnames/Sorting/Citrus_2.html

 sweet orange は大航海時代に東アジアから導入されたと思われますので、「中国」を(民間)語源としても不自然ではないでしょう。



re melarancia

Maniac C. (2003/04/28 03:34)

■師匠より賛辞を賜り、光栄の至りでございます。
■さて、標題の melarancia ですが、希臘語me^lon(=apple)に基づく、後期羅語の
 me¯lo¯(n-)+(n)arancia/arantia/arangia だと思われます。
■この単語は、日本語で言う「メロン」の語源でもあります。
■もしかすると、mel(=honey)との連想も有るかも知れません。

■確かに、appelsien は現代語として使われています。
 Vlaams で検索をかけると、必ず、標準語 sinaasappel と対比されていますので、代表的
 な白耳義語のようです。
■日本で唯一入手可能の蘭語辞書『講談社オランダ語辞典』には、Sina も sien も立項
 されていません。
■立項されているのは、名詞 China, 形容詞・転成名詞 Chinees のみです。



Re: orange について

にれのや (2003/04/28 02:14)

■Maniac.C どの。忠告などではありません。素人言語学者の楽しみは何といっても、イリュージョンですから。
■とはいうものの、本日、いろいろ、調べまわってきまして、いくつか新事実がわかりましたので、ここにご報告を。
   (1)フランスで出版された、フランス語の語源辞典を2点ほど覗いてきました。1点はラルースであります。どちらも、同じルートを載せていました。
    アラビア語→イタリア語→フランス語
これには、かなり説得力があります。というのは、文献のいちばん古い使用例が 1200年 pume orenge になっているのであります。現代語にすると pomme orange です。1200年は、まだ、被制格によって、所有が表されるので、de は入っていません。で、
    pume orenge < 古イタリア melarancia
だというのです。melarancia の語形成については、イタリア語の語源辞典を調べなければならないでしょうが、おそらく、mela narancia です。la+na が la に縮約されることは不自然ではありませんね。つまり、
    pume orenge < mela narancia
ということです。これで説明すれば、n が落ちた理由も説明できます。
 やっかいなのが、地名(および、そこから派生した姓) Orange は、これとは別の系統らしく、のちに、orenge とこんがらがったらしいのですが、地名の語源辞典が見つかりませんでした。どうも、ラテン語による地名の訛ったもののようです。

■それと、Dutch-English Dictionary 2点で、appelsien が、現在でもベルギーで使われているらしいことを確認しました。それと、オランダ語4週間で、オランダ語には 「名詞+形容詞」 という語順もあることを確認しました。その場合、形容詞は無語尾です。ただ、かつて、sien という形容詞があったかどうかは確認できませんでした。



re orange と appelsien

Maniac C. (2003/04/28 01:13)

>■Maniac.C どの。イリュージョン拝見しました。
→…「イリュージョン」ですか。引田天功(Princess Tenko)ばりの華麗な illusion show という
 ことで、お褒めのお辞と受け取ってよいのやら、「幻想・錯覚」という元々の意味で、御忠告
 いただいているのか、びみょーな単語ですね。

>アラビア語ないしスペイン語から、南仏にはいったとき、「オレンジ」 は、どの語形だったのか。
→何の証拠も有りませんが、aranja の方だと思います。a>o や au>o の変化は普通だと
 思いますが、a>au の変化は不自然で、何か人為的な干渉が在ったと考えるべきです。師匠も
 仰っているとおり、伊語 arancia との関連も有ります。松茸さんに先を越されましたが、中国
 語によるOEDの紹介のHPを見ると、narancia, naranca, naranz と、語頭の n が落ちていない
 伊語形も在るようです。(因みに、伊語の「金」は oro です。)

>aur- で始まる語形より、ar- で始まる語形のほうが古いとしたら、na(:)ranj ないし naranja の語頭の n の落ちた理由が説明しにくくなるように思います。
→私の方から逆に質問ですが、au- だと、何故、説明しやすいのでしょうか?
 以前、「女性名詞に付く不定冠詞は una なので、ちょっと怪しいかも。」と書き込みしましたが、
 2つの理由から、考えを変えました。1つは、orange が、「果実」の意味では女性ですが、「色」
 の意味では男性であること。もう1つは、別に‘una naranja’や‘une narange’という女性形
 でも、ちょっと滑らかに言おうと思えば、n(a)- が落ちそうな気がしてきたからです。

>また、スペインと南仏とのあいだの、カタロニア語、バスク語は、何らかの影響を与えなかったでしょうか。
→影響は、残念ながら、与えていないようですね。

>さらに、不思議に思うことが、オレンジがフランスから、フランドルなり、ネーデルラントなりに伝わったときに、なぜ、それが、「中国から渡ってきたもの (appelsien)」 だと思われたのでしょう。
→下記の和蘭のHPでは、3つの語源説が紹介されています。
■1500年頃、中国に上陸した葡萄牙使節団が、「中国の果実」と名づけた種子を、欧州へ送った。
■19世紀、旅好きな王が、西班牙に栄養豊富な果実の在ることを知っており、病弱な息子のため、輸入し
 ようとした。お粗末な宮廷医が最良の果実が採れるのは「支那」であると王に告げた。王がこの種を見た
 とき、即座に「支那の果実」と名づけたが、民衆語では「果実支那」と呼ばれた。(息子には薬効なく、
 10歳で亡くなった。)
■中世には既に埃及で栽培されていて、十字軍の従軍騎士たちは目にしたり、試食していたりしており、
 「西乃の果実」と呼ばれていた。後に摩尓人がこの果実を西班牙に持ち込んだときには既にこの名前が
 付いており、「西乃の果実」が訛って「支那の果実」になった。

>(4/25)不思議なのは、そのネーデルラントに、果物オレンジを表す Orange に由来する単語がないことです。なぜでしょう?
→松茸さんも書いておられますが、私の4/20の書き込みをご覧ください。

 ちなみに、推測ですが、sinaasappel は、先に伝わった bitter/sour oranges(橙、柑子)を指し、
oranje は、後から伝わった sweet oranges(蜜柑、甜橙)を指すのかも知れません。
http://users.skynet.be/stc.eksaarde/mededelingen/8steFamiliequiz/Reeks3.html



いきなり横槍ですが・・・

らにい (2003/04/27 23:24)

「オレンジ」について話題が盛り上がっているようですね。
「オレンジ」は漢字で「甜橙」と書くそうです。(他の表現もあるとは思いますが・・・)そのまま「甘い橙(だいだい。ミカン科の常緑小高木)」という意味でよろしい?



Re^2: orange についての考察 について

松茸 (2003/04/27 17:17)

* オンライン辞書を引いた限りでは、標準オランダ語の"oranje"にも「果実」の意味はあるようです。
# corpus は未調査。(^^;

* イタリア語の場合、古くは"narancia"であり、現在でも方言形や姓として語頭の'n'が遺存しているようです:
http://bgu61.nease.net/homepage/paper/paper30.htm
http://bibliomania.com/2/3/260/1282/20140/1.html

* 一般に、地名/民族名を冠した動植物名で、原産地/(その言語の使用集団への)伝播元を示していない例は多い(特に家畜/作物の場合)ですから、"appelsien"(「中国のリンゴ」と解するのが適切だと仮定して)もそれほど異様ではないでしょう。



オレンヂとモモ

Maniac C. (2003/04/27 12:09)

こことよく似た横文字掲示板を発見!
「ぜし」ご覧ぜられたし。

http://thorntree.lonelyplanet.com/messagepost.cfm?postaction=reply&catid=47&threadid=16476&messid=111991&STARTPAGE=1&parentid=0&from=17&showall=true



北アイルランドの英語

にれのや (2003/04/26 23:56)

今日、放送大学をぼおっと見ておったのですが、「ことばの標準化と多様性」 という題で、英国における、方言の問題を扱っておりました。各地の話者が実際に、地元の方言でしゃべって、画面下に字幕が出るのですが、すさまじいのは、北アイルランドの英語でした。高校生か大学生くらいの男の子が出てきて、北アイルランド方言でこんなことをしゃべっていました。
   「英軍の見学日に、戦車について将校に質問したら、何度繰り返してもわかってもらえず、けっきょく、将校が北アイルランド出身の兵士を呼んできて、彼に通訳をしてもらうことになった」
ということでした。実際、字幕の文字とくらべても、どこをしゃべっているのか、いっこうにわかりませんでした。
 Cockney English の話者も出てきましたが、あまり、ブロークンな英語という印象を受けませんでした。[ei] を [ai] と発音するというのは、有名な話ですが、聞いた感じでは [ai] ではなく、むしろ、[ei] と [ai] の中間のような感じでした。
 スコットランドには、発音に2つのレベルがあって、他の地域の人にも理解可能な程度になまっている、標準スコットランド英語と本来のスコットランド訛りがあるそうです。
 down を10人ぐらいの出身地のちがう英国人が発音するビデオは大笑いでした。一所懸命、発音を訓練している日本人がアホらしく思えるくらいです。特に耳に残ったのは [dun] というような発音をする地域が多かったことです。
 それと、もう1つ面白いことを知りました。英国の規範的な英語を Queen's English と言いますが、これは、そのときの英国を統治しているのが King であるならば、King's English と言い換えるのだそうです。また、"God save the Queen" というのも "God save the King" になるそうです。



Re: orange についての考察 について

にれのや (2003/04/26 23:16)

■Maniac.C どの。イリュージョン拝見しました。
なるほどでは、ありますが、1つ、疑問の点があります。つまり、アラビア語ないしスペイン語から、南仏にはいったとき、「オレンジ」 は、どの語形だったのか。また、aur- で始まる語形より、ar- で始まる語形のほうが古いとしたら、na(:)ranj ないし naranja の語頭の n の落ちた理由が説明しにくくなるように思います。
 もし、aur- で始まる語形のほうが古いのだとしたら、イタリア語形 arancia の語頭の ar- が説明しにくくなるように思います。スペインから南仏へ広がったオレンジが、それより南のイタリアへはすぐに伝わらなかった、というのは、このあたりの文化的・経済的交流の頻繁さから考えても、どうも考えづらいように思います。
 また、スペインと南仏とのあいだの、カタロニア語、バスク語は、何らかの影響を与えなかったでしょうか。
 さらに、不思議に思うことが、オレンジがフランスから、フランドルなり、ネーデルラントなりに伝わったときに、なぜ、それが、「中国から渡ってきたもの (appelsien)」 だと思われたのでしょう。これが、たとえば、「スペインのアップル」 だとか 「アラブのアップル」 ならば、納得が行くんですが。



北北西に進路を取れ の放送

にれのや (2003/04/26 23:05)

■このあと、深夜0:00〜 NHK BS2にて
 映画 『北北西に進路を取れ』 の放送があります。
このタイトルが、なぜ、矛盾に満ちているのか感得したい向きは、どうぞ。



re orange について(考察)の訂正

Maniac C. (2003/04/26 01:29)

これで一足跳びに or a nge の出来上がりです。
→これで一足跳びに or e nge の出来上がりです。



re orange について(考察)

Maniac C. (2003/04/26 01:25)

■4/24・25の両日に亘って、にれのや師匠が orange の語源と綴りの変遷
について書いていらっしゃいますが、その中で南仏語→北仏語の伝播に
ついて、私も古仏語の知識等を駆使して考察してみようと思います。
■まず、西語naranja→南仏語aranja。現在の西語ならば「ナランハ」と
読むところですが、古い発音を多く残す葡語 ja の発音が「ジャ」である
ことと、日本語の「シャボン」の語源が古い西語の xabo´n であり、これ
が現代西語では jabo´n 「ハボン」となっていることとを考え合わせると、
古い発音は「ナラーンジャ」だったのではないかと思われます(強勢は規則
通り第2音節)。一方、古い仏語の発音に基づく現代英語の綴り ja の発音
は「ヂャ」なので、南仏語の発音は「アラーンヂャ」(強勢は第2音節)で、
現代仏語の特徴である鼻母音が南仏に移行したのは近世のことですから、
「アーン」は鼻母音ではないだろう、と考えられます。
■次に、南仏語aranja→北仏語orenge。ここからが私の知識の使いどこ!
所謂 langue d’oc(南仏語、普羅旺斯語もこの1種)と langue d’oil(北仏
語)との違いは、強勢の有無による母音の変化に在ります。強勢の有るaは
北仏語ではa:>ae>e と変化します。また、強勢の無い狭母音i,uは消失
し、それ例外の弱母音は曖昧母音@となって、綴りの上ではa〜o〜eで
表されます。これで一足跳びに orange の出来上がりです。
■ここで問題になるのは、私が以前紹介した古普羅旺斯語形の auranja。
古い北仏語および南仏語では、現代仏語と異なり、二重母音は綴り字通り
発音されたはずなのです。つまり、そう書かれたからには、ちゃんと、「アウ
ラーンヂャ」と発音していたことになります。なぜ、南仏語だけ「アウ」に
なったのでしょうか。やはり、多くの辞書の言うとおり、羅語 aurum の影響
でしょう。この単語は北仏語では or ですが、南仏語では今でも aur です。
■一方、北仏語では、曖昧母音@を表すのにaでもoでも良かったわけですが、
「金」の意味を持つ単語が or だったので、*arenge とならずに orenge と
なったのでしょう。いつからかは不明ですが、鼻母音 en と an の発音は合流
していますので、これまたいつからか、南仏語形に倣ったのか、現代語形は
orange となっているのです。



北京語音韻の不規則変化

zo- (2003/04/25 17:55)

massangeanaさん

董同[龠禾]の本、最初は私には詳しすぎて、もっと簡単な本ないかなあと思っていたんですが、断片的な知識が多少たまり(誤解も多いんですが)、用語にもなれてきた今では、ちょうどいい感じに思えてきました。あと5回くらい読めば基礎ができるのではないかと思っています。

massangeanaさんに不規則変化を紹介していただけるの、楽しみにしています。

「洗」は規則変化ということは、日本語の「せん」が不規則変化なんでしょうか。



orange について

にれのや (2003/04/25 15:34)

■先日、報告しました、Orange という姓について。
  (1)古い綴りを残したヴァリアントがありました。Aurenge というものです。今まで登場した綴りを、整合性が取れるように並べてみると、こんなふうになります。
    Naranja (西) > Aranja > Auranja > Aurenge > Orange
もちろん、試しに並べてみただけですし、プロヴァンス語とフランス語の境界もあいまいです。
  (2)16世紀以前に、北仏でオレンジが知られていなかった理由を想像させる単語を見つけました。
    Orangerie [オラんジュ'リ-]
です。日本でも、パリのオランジュリー美術館の名で有名です。l'Orangerie というのは、もともと、「箱植えされたオレンジの木を、冬の間、かこっておく温室」 のことだったそうです。つまり、オレンジの木は、パリでは冬が越せなかったということですね。
  (3)Orange 姓の発祥の地、ヴォクリューズ県 (Vaucluse) のオレンジについて、思い出したことがありました。ここは、かつては、オレンジ公国の首都だった街です。そして、オレンジ公は、ネーデルラントの領主でもあったわけで、オレンジ公は、オランダ語名 Oranje オラニエも持っていました。不思議なのは、そのネーデルラントに、果物オレンジを表す Orange に由来する単語がないことです。なぜでしょう?



マンダリンについて

にれのや (2003/04/25 15:32)

■ポルトガル旅行へ行った友人に、ある種の辞典を買ってきて欲しいと頼んだところ、まったく関係ない、高価なポルトガル語語源辞典を買われてしまって、ホコリをかぶっていたのを思い出して mandarim を引いてみました。
  【mandarim】 かつての中国 (China) の高級官僚 (16世紀)‖ mandarim の使う言語 (18世紀)。
  マレー語 m{a+V}nt{a+V}ri < サンスクリット mantri (助言者、大臣)。t→d の変化は、動詞 mandar (命ずる) の影響を受けたもの。
□ついでに Webster's New World Dictionary を引いてみました。
  【mandarin】 < ポルトガル語 mandarim (mandar 命ずる の影響で) < ヒンディー語 mantri: (大臣) < サンスクリット mantrin (助言者) < mant{a+´}r- 考える人 < IE base *men 考える
□サンスクリットについては、あたくし、知識がありませんので、何のことやらわからずに引用しております。
□マレー語辞典がないので、インドネシア語辞典を調べると
  【menteri】 大臣‖perdana 〜 総理大臣‖〜 dalam negeri 内務大臣‖〜 luar negeri 外務大臣。
となっておりました。



アイヌ語について

こにお (2003/04/25 12:10)

OKIさんのアルバムの「Kane Ren Ren]の歌詞の意味をアイヌ語辞典で調べましたが、
Pon kippow hara he!の部分が全くわかりません。教えてください。Kane ren ren を私は太陽が沈むととらえましたがどうなのでしょう



Re: 不規則変化

massangeana (2003/04/25 09:01)

zo- さん:
zo- さんは董同[龠禾]の本をお使いになっていたんでしたっけ。董氏は重紐については主母音が違う
という説のようですね。

>不規則変化
ちょっと数が多いので, 週末にでも...
ぱっと思いつくだけでも「我・不・鼻・指・猫・鳥・入・癌・貞・肯・秘」などがありますね。
「洗」は広韻で先禮切ですので, xi3 になるのは規則的です(律名の「姑洗」の場合を除く)。
「鉛」はナゾですね。



Re: ニセコの地名について

massangeana (2003/04/25 07:23)

寅次郎さん:
わたしはアイヌ語はわかりませんが, ここの掲示板過去ログにある(2001/1)
「ニセコアンヌプリは和製アイヌ語」という記事をみてください。
「家形をなしている山」というのはニセコアンヌプリでなくて, ここにかいてある
より古い名前「チセネシリ」の意味だと思います。



Re: orange について

massangeana (2003/04/25 04:26)

American Heritage にもいろいろ書いてあります。(etymology のところでなくて word history の方
が面白い) 英語では 1380 年ごろに書かれた文献に初出するということです。
 http://www.bartleby.com/61/52/O0105200.html

ドラビダ語に由来するという説が有力のようですが, サンスクリットの na:ga (竜・象) に
結びつけた説もよく見ますね。このページでは「象が消化不良を起こすから」と書いていて
笑いました。
 http://www.westegg.com/etymology/



ニセコの地名について

寅次郎 (2003/04/25 02:31)

はじめまして、アイヌ語の地名を調べているうちにここにやってきました。「郷土資料事典 北海道」によるとニセコアンヌプリの地名が「家形をなしている山」ということですが、それではニセコだけならどういう意味なのでしょうか?



Re:志不可起

点訳者 (2003/04/25 00:27)

massangeana 様、にれのや様、高駒麗人KOMA 様、ありがとうございました。
子供の中学の国語の先生に聞いてみても分らないとの事だったので、
途方にくれてしまったところでした。本当に助かりました。

普段、自分で黙読(目読)する分には、多少読みが分らなくても済んでしまうところも、
点訳するとなると、一字一句疎かにはできず神経を使います。
高駒麗人KOMAさんのおっしゃる通り、同音異義語は漢字の読み方と同様に
点訳者にとって悩みの種です。大抵は文の前後で判断できるようなのですが、
どうしても分かりにくい場合は点訳者が注釈を入れています。
今回の点訳本は『大阪ことば辞典』というものなのですが、アクセントの違いでの
説明や、語源の説明に漢字を多用するので難儀しております。
例えば、「『オトゴ』の語源は弟子・乙子と説が分かれる」などです。
自分自身の国語力の無さを日々痛感しますが、同時に日本語の奥の深さに魅せられる
毎日でもあります。

皆さんのご好意に甘えて、またお邪魔するかもしれません。その時は宜しくお願い致します。



orange について

にれのや (2003/04/24 23:56)

■Webster's New World Dictionary に【orange】の語源が詳しく出ていました。詳しいから正しいということではありませんが。
   古仏 orenge <
   プロヴァンス auranja (ラテン語 aurum 金 の影響、および (&) 冠詞 un を取り去る際に語頭の n を誤って取ってしまった) <
   西 naranja < アラビア語 na:ranj < ペルシャ語 na:rang < サンスクリット naranga <
   おそらく、タミル語 nar.u (芳しい) と関係がある。(prob. akin to)
■ラルースのフランスの姓名辞典で Orange という姓を調べると、次のようなことがわかりました。
   Orange は、「オレンジを商っていた町」 の出身者が名乗った姓で、本来は、ヴォクリューズ県 (Vaucluse) の町、オランジュ Orange が発祥の地、とのこと。オランジュは、首都 Avignon アヴィニョンの少々北にある町です。学校で使う程度の地図でもアヴィニョンは出ているので位置を確かめてください。地中海には面していませんが、すぐ近くです。そして、そこは、プロヴァンスの真ん中です。おそらく、かつては、プロヴァンス語地域だったはずです。
   また、当辞典には、中世における、Orange 姓の綴りは、Aranja であった、と書かれています。これは、orange のプロヴァンス語形として多くの辞典に載っている auranja と似ています。また、さらに、北仏では、16世紀以前にはオレンジが知られていなかった、とも書かれています。古フランス語は13世紀までのものですから、だとすると、orange の古仏形 orenge はどこから出てきたものか。
■わき道にそれますが、orange のポルトガル語形は、laranja でした。これは、また、別の意味で興味深いですね。
■アラビア語形の na:ranj ['ナーランジ] についてですが、妙なことがわかりました。現代正則アラビア語では、naranj, na:ranj どちらでもよいのです。亜英辞典で調べると、これらの語義をなぜかわざわざ "bitter orange" と記述しています。
□アラビア語の辞典で単語を調べるのは、初学者には簡単ではありません。綴りや発音がわかっても、文法がわかっていないと辞書を引くことができないのです。どういうことかというと、単語の中の語根の(通常は)3子音を見出して、その3子音をアルファベット順に並んだ見出しから見つけなければならないからです。派生語はすべて、語根の後に並んでいます。
 わたしは、na:ranj という単語を n-r-n-j と解釈して辞書で引いたら naranj が出ていたんですが、ぜんぜん別のところに、n-alif-r-n-j でも載っていたわけです。外来語の場合は、語根云々ではなく、文字のアルファベットの並びで、そのまま、辞書に載せるようです。



Re: しぶがき

にれのや (2003/04/24 22:52)

■ massangeana さん、まことにありがたうございます。
口語の辞書というのは、面白そうですね。当時、口語の辞書というのは珍しかったのでしょうか。それとも、その手のものが流行ったことがあるのでしょうか。



不規則変化

zo- (2003/04/24 18:31)

massangeanaさん

 すっごく勉強になりました。

 便乗質問させていただいてもよろしいでしょうか。北京語の発音で中古音の体系と対照した場合、不規則変化しているものって、どういうものがあるんでしょうか?日本語の漢字音と対比してみて素人考えで思い浮かぶのは、「鉛」がどうしてqian1か、とか「洗」がどうしてxi3なのかとかです。中古音との対応で言ったら、こうだけど実際の北京音ではこうなっているとか、常用語彙の漢字でご紹介いただけませんか?煩雑でしたら結構です。



Re: 介母?

massangeana (2003/04/24 15:31)

まつまつさん:
>下線付き i、下線付きウムラウト付き i、下線付き u、下線付き i の右肩
>に w が乗ったも の、下線付きウムラウト付き i の右肩に w が乗ったもの
>の6種

「下線」とおっしゃっているのは "i" の下に ")" を左に 90 度曲げた記号が
ついている字のことだと思います。以下 ")i" と書くことにします。「子音的
な i」(または半母音的な[j]) という意味です。")i" は今の北京音の jie の
i のような音だったと考えてまずまちがいないでしょう。右肩に w がついて
いるのはピンインで u ウムラウトを書く音と同じような音だったでしょう。

こんなややこしい記号を使っているのはカールグレンの再構に問題があったか
らです。カールグレンは声母の口蓋化を表わすために "j" を使いました。ま
た「仙」韻のように口蓋化した声母と結びつく韻には子音的な ")i" 介母があ
り, 「先」韻のように口蓋化しない声母と結びつく(が, 現在の諸方言では i
介母が表われる)韻には母音的な "i" 介母があったと考えたので, 3種類の記
号を使いわける必要があったのです。

その後, 「先」韻は切韻の時代には介母はなかったと考えられるようになった
し, 口蓋化した声母とそうでない声母は音韻的には差がないと考えられるよう
になったので, ")i" を "i" または "j" に修正した方がよかったと私は思い
ますが, 有坂氏も河野氏もカールグレンの ")i" をそのまま使いつづけていま
す。

さて, ")i" の点が 1つのものと 2つのものがある理由ですが, これは重紐と
いう現象にたいするひとつの解釈です(有坂・河野説と呼ばれます)。切韻では
原則として同じ発音の字は一箇所にまとめられているはずなのですが, ところ
どころ, 同じ韻で同じ声母のはずの字が二箇所に分かれていることがあります。
例えば「真」韻では「貧(符巾)」と「頻(符鄰)」の 2つがあります(かっこ内
は反切)。一見反切下字が「鄰」と「巾」で違っているように見えますが,
「巾」の字を見ると, 「巾(居鄰)」とあるので, 「鄰」と「巾」の韻が同じで
あることがわかります。この一見不可解な現象を重紐と呼びます。

『韻鏡』などの韻図では, 「貧」を上から 3段め(三等)に, 「頻」を 4段め
(四等)に置いているので, それぞれ重紐三等・重紐四等と呼ぶことがあります。

カールグレンは重紐を扱いかねて「頻・貧」を同音として扱いました。それに
対して有坂氏は朝鮮・ベトナム漢字音などの資料によって, 重紐は介母音の違
いであり, 重紐四等は三等より口蓋化が強いと考え, 口蓋化が強い方を点 1つ
の ")i" で, 弱い方を点 2つで表わしました。

さっきの「貧・頻」でいうと, 日本漢字音や今の北京音では同音ですが, ベト
ナムでは「貧 ba^n」「頻 ta^n」(声調は省略)のように子音が違っています。
これを「頻」の方が介母音の口蓋化が強かったので, 子音が b から t へ変化
した, と考えるわけです。

ほかに, 介母音でなく声母の違いと考える三根谷説や, 母音の違いと考える説
もあります。もっともこれらは音韻的解釈の差であって, 実際の音としてはど
の説でも大同小異かもしれません。

>どのような縮退が発生したのでしょうか

上の「貧・頻」でわかるように, ほとんどの場合は単に区別がなくなっていま
す。三等と四等の痕跡らしきものが見られる場合があります。たとえば「支」
韻・「脂」韻の唇音声母の字は, 北京音では三等で -ei に, 四等で -i にな
る傾向にあります(ただし例外も少なくない)。

こんな説明でよろしいでしょうか?



広州話すぺる

辻本裕幸 (2003/04/24 15:21)

広州話ピンイン法案では長音の【a:】は「a」で。単音の【a】は「e」で表記されている。日本人や英米人は心【sam】と三【sa:m】は母音の長短の違いととらえるが、(お爺さんと叔父さんの違いの様に)しかし中国人にとっては両者は、全然違う母音と捉えられているのではないでしょうか?だからスペルを変える。一方イエール式はaとaaの様に同じ母音をダブルスペリングで表し、千島式ではaの上に横線を引っ張って長音を示す。バール式の様にarとスペルするものもある。いずれにしても【a:】【a】は同じ音と捉えられている。しかし北京語では心は【sam】>【xin】三は【sa:m】>【sam】と別の母音で対応している。やはり両者は違う母音と言う観念があるのだと思う。
 しかし広東語学習の最大の難関はテキストごとに採用ローマ字表記が違うことだ。新しいテキストを買うたんびに覚え直さなければいけない。ピンイン法案もはっきり言って無駄が多すぎる。【a】を「e」にしてしまったため、【a】【oe】【e】を補助記号を使って区別しなければならなくなった。また「z、c、s」が母音【i】を持ったときにスペルを「j、q、x」に変えるというのも無駄だ。正直に言えば、広州語ピンイン方式は嫌いだ。しかし現時点では最も有力な字体だろう。イエール式はもっと嫌い。声調の違いを「h」を挟んで表記するなんてこの上なく無駄だ。そのために漢字一文字あたりのスペルが異常に長くなる。あれで勉強している、欧米人はかわいそう。誰があんな馬鹿な表記法、考えたんだろう?



介母?

まつまつ (2003/04/24 07:32)

またまた有識者の方々に教えを乞います。

「日本の漢字音」の「介母の受け止め方」の項によれば、介母なしも含めると中古漢語では6種類の介母があったとなっています。
なし、下線付き i、下線付きウムラウト付き i、下線付き u、下線付き i の右肩に w が乗ったもの、下線付きウムラウト付き i の右肩に w が乗ったものの6種です。

疑問1
それぞれはどんな音なのでしょうか。(なしの場合はわかります)

疑問2
現代中国語の介母は、介母なしを含めて4種のようですが、どのような縮退が発生したのでしょうか。
単純に、ウムラウト有無の区別がなくなったのでしょうか。

以上、よろしくお願いいたします。

疑問3
三等介母とか四等介母というような呼び方もあるようですが、それぞれは何を指すのでしょうか。



おっと

massangeana (2003/04/24 05:56)

Maniac C. さんがすでに書いておられましたね。



Re: 半濁音

massangeana (2003/04/24 05:37)

日本における「半濁」という語の使われ方については, ここの論文が参考になると
思います。
半濁音名義考
http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/han2.pdf



re 半濁音

Maniac C. (2003/04/24 04:27)

>高駒麗人KOMAさん
>またpのパ(ハの右上に小さい○)行の○は「半濁音」と呼ばれますが、これは変です。
>半濁音とはpaとbaの中間の音です。日本語のpaは完全な無声音であれば清音です。
■日本語における清濁の対立は音韻論上の観念で、音声学上の対立ではありません。
□例えば、音声学上の無声・有声の対立は、h:w/p:bですが、
 音韻上の対立はh:bです。
□似たようなことは「サ行」対「ザ行」にも言え、音声学的には[s]と[dz]の対立、
つまり、摩擦音対破擦音の対立になっています。

では、なぜ「“半”濁音」なのか、という説明は以下の通りです。
■擬態語・擬声語における清濁の対立は、一定の意味の差として表れる場合が在り
ます。
□トントン:ドンドン/カンカン:ガンガン/パンパン:バンバン…音の大小
 「半濁音」と濁音との対立では、「半濁音」は清音的立場です。
□トロトロ:ドロドロ/コロコロ:ゴロゴロ/ホカホカ:ポカポカ…程度の大小
 清音と「半濁音」との対立では、「半濁音」は濁音的立場です。
□ハラハラ:パラパラ:バラバラ/ホロホロ:ポロポロ:ポロボロ…程度の大小
 3者が対立するときは、「半濁音」は清音と濁音との中間的立場です。
□従って、「“半”濁音」なのです。

上記の説明とは異なる「半濁音名義考」(岡島昭浩)という論文も在ります。



만드는mandeuneun 点字と手話

高駒麗人KOMA (2003/04/24 03:58)

故に「소리를 만드는 작업」sorireul mandeuneun chageop(音を作る作業)のsとdとgが清音で、man euneun a eo が濁音です。故に金泳三 Kim Youngsam氏の名の「泳」Young(Yeong)は濁音です。
朝鮮語の羅馬字表記を間違えました。すみません。

>*『志不可起』には「ゑんば 北越筋の詞に最中の義を云」とある。*「しぶがきには えんば ほくえつすじの ことばに さいちゅうの ぎを いうと ある」ですね。

難しいですね。「云」に送り假名がないので私は「うん」と読んでいました。
点字は表音文字ですから、盲人や点訳関係の方々は「しぶがきには えんば ほくえつすじの ことばに さいちゅうの ぎを いうと ある」のような、「ひらがなだけのにほんご」即ち純粋な音声言語の世界にいるわけですね。その場合、同音語の多い単語を避ける為、語彙の選擇で苦労はなさっていないでしょうか。「しりつ(私立、市立)」「かがく(科学、化学)」、「ほうがく(法学、方角、邦楽)」は点字ではどうなのでしょう。朝鮮語のハングル表記でも「大将」と「隊長」が両方대장Daejangデヂャンになるという事があります。
NHKの手話ニュースでは手話と同時に字幕も出ますが、字幕の漢字には振り假名がついています。聾唖者の方は手話&文字の視覚言語を使うわけですが、漢字の読み方も必要なのでしょうか。辞書で引くときの目安なのでしょう。字幕つきの手話ニュースは日本語を学ぶ外国人にも有用です。
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%BC%EA%CF%C3

よく、中国人が日本語を打つ時漢字の読みを知らないので、私(一応、母語は日本語)は中国人から漢字に假名を振るという面倒で幼稚な仕事を頼まれることがあります。中国人の大の大人が「大きい」「広い」「美しい」という小学校レベルの漢字の読み(日本語)を知らず、日本人にこういう事(假名振り)を頼んでくると、私などは「人に頼む前にちゃんと辞書ひいて調べろ」と言いたくなりますが、同時に「人は外語に出会うと幼児同然になるんだな」と思うものです。

http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%C5%C0%BB%FA
http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%BC%EA%CF%C3
それはともかく点字と手話は日本語の可能性の一つとして注目していいでしょう。
手話では助詞が省かれ「わたし、鈴木さん、電話します、した(過去)」になり、これは中国人が話す日本語とそっくりです。テニヲハが省かれる上に「電話します」「電話しました」「電話してください」を区別できず「昨日電話します」等と言ったりして、手話よりも単純です。手話では動作を現したあと過去を現す手話をつけて時制を示すようです。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c3%e6%b9%f1%bf%cd%a4%ce%c6%fc%cb%dc%b8%ec+%b8%ed%a4%ea&hc=0&hs=0



Re: 志不可起

massangeana (2003/04/24 03:54)

にれのやさん:
>『志不可起』とはどのやうな書なるや
直接この本をみたことがないのでまちがっているかもしれませんが, 当時の口語を
集めた辞書のようです。『国語学大系』に収められています。

> 「しぶがき」 なる句は、「こころざし、たつべからず」 といふ、通人風の洒落なるや
徂徠の「南留別志(なるべし)」や源内の「根南志具佐(ねなしぐさ)」のように
当時よくあった題のつけ方なのだと思います。意味まで考えているかどうかは
存じません。

>「最中」 は、「もなか」 にはあらざらんや
「えんば」は「ちょうどその時に」という意味らしく, よみ方としては
「さいちゅう」「もなか」どちらの可能性もあると思います。
どっちかわからないときは音読みということで :-)



再々訂正 茶葉のエキス

高駒麗人KOMA (2003/04/24 03:11)

お茶は「茶水」chashuiであり、
「茶場のエキス → 茶葉のエキス の入った熱い水」ですから。しかし、普通「汁」とか「水」とか言ったら酒(酒精入りの水)だとは思わないでしょう。
失礼しました。

Vodaを注文してVodkaが出て来たら驚きます。「水餃子」の「水」は熱い水で、暖かい餃子の事でしょう。



brandewijn 焼いた酒 酒水と飲料

高駒麗人KOMA (2003/04/24 02:13)

括弧つけわすれ、もうひとつ。
ㅗ(o),ㅜu,ㅠ(yu),→ ㅗ(o),ㅜ(u),ㅠ(yu),
一方、「濁音(탁음 thageum)」とは母音及び母音と半母音との結合ㅑ(ya),ㅐ(ae),ㅔ(e),ㅏ(a),ㅓ(eo),ㅗ(o),ㅜu,ㅠ(yu),ㅡ(eu),ㅙ(wae)等と流音ㄹ(r,l)、鼻音ㅁ(m),ㄴ(n),ㅇ(ng)です。故に「소리를 만드는 작업」sorireul mandeurun chageop(音を作る作業)のsとdとgが清音で、man eureun a eo が濁音です。故に金泳三 Kim Youngsam氏の名の「泳」Young(Yeong)は濁音です。

「新英漢飲餐詞典」から↓(補足)。
「白蘭地一名源自荷蘭語brandewijn,意為焼過的酒。」ブランデーの名はオランダ語brandewijnで、「焼いた酒(じゃない)」の事、という意味です。
「[ロ卑]酒」pijiu即ちビール(Bier、beer)は malt liquor(麦芽で釀造した酒)の一種だという事で、つまり「麦酒」だと分かりました。
「新英漢飲餐詞典」では creme de mentheは「薄荷甜露酒」でした。やはりこれは薄荷入りのお酒の事ですね。

liqueur(甜露酒,利口酒)と liquor(烈性酒)で譯語が違うのはどういうわけでしょう?
cider(苹果汁;林檎の汁)は champagne cider(香檳苹果酒;シャンパンの林檎酒)では単なる「汁」でなく「酒」になるようです。中国では「汁」は酒精無しのjuiceの事です。
林檎汁(林檎ジュース)と林檎酒の違いは、葡萄ジュースと葡萄酒(ワイン)、麦茶と麦酒(ビール)、お冷や(冷水)と冷や(冷酒)、重湯(おもゆ)と熱燗(あつかん)、voda(水)とvodka(酒)の違いみたいな物でしょう。ciderがjuiceと酒を両方意味するのは難しいですね。
もっとも中国では茶のことも「水」shuiと言い、レストランで服務員が「請喝水」(お水をどうぞ)と言って熱いお茶を出して来ます。お茶は「茶水」chashuiであり、「茶場のエキスの入った熱い水」ですから。しかし、普通「汁」とか「水」とか言ったら酒(酒精入りの水)だとは思わないでしょう。
「飲料」yinliaoは本来、酒も汁も含めた飲み物全般を指す筈ですが、現実にはジュースやコーラ、茶等アルコール無しの飲み物:軟飲料 ruan yinliao/soft drinkを指します。酒類は「酒水(水)」jiushuiです。この發音が酒精無しの“juice”と紛らわしいのが難点です。日本人が、中国の餐庁で日本語訛りの英語を使って「ジュース」と言って注文すると、中国人職員は「酒水」だと思うでしょう。世界で安易に英語等を使うべきではないという例です。



、じゃなくて酒の名Brandy

高駒麗人KOMA (2003/04/24 01:23)

ㅉ(tch),ㄲkk→ㅉ(tch),ㄲ(kk)、
書き直し:朝鮮語辞典によると、朝鮮の言語学では「清音(청음 cheong-eum)」とは平音ㅂ(p、b),ㄷ(t、d),ㅅ(s),ㅈ(ch、j),ㄱ(k、g),ㅎ(h)、濃音ㅃ(pp),ㄸ(tt),ㅆ(ss),ㅉ(tch),ㄲ(kk)、激音ㅍ(ph),ㅌ(th),ㅊ(ch),ㅋ(kh)の事です。

、じゃなくて酒の話題で盛り上がっていますね。
陳丕[王宗]著「新英漢飲餐詞典」(上海譯文出版社1999)より
brandy 白蘭地 以葡萄酒蒸餾而成的酒精飲料。一般用木桶陳釀,含酒精40%以上。酒液呈琥珀色,装瓶后即不再陳化。白蘭地一名源自荷蘭語brandewijn,意為焼過的酒。法国夏朗徳地産的白蘭地被公認為是最佳品種。白蘭地一般用単独飲用,也可加汽水冲飲,也可作許多甜露酒的酒基。此外尚有多種水果白蘭地,如櫻桃、苹果、李子和草苺白蘭地等。

「法国夏朗徳」Faguo XialangdeとはFranceのCharante地方の事です。
sherry 雪利酒、 cider 苹果汁、 liqueur 甜露酒,俗称利口酒、 liquor 烈性酒
malt liquor 泛指任可由麦芽釀成的酒,如[ロ卑]酒即是一種麦芽酒。
champagne cider 香檳苹果酒

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=charante&hc=0&hs=0



清音と濁音

高駒麗人KOMA (2003/04/24 00:45)

http://katikun.tripod.co.jp/suzhouhua.htm(上海語と蘇州語)http://www.jpschool.net/bbs/dispbbs.asp?boardid=21&rootid=8300&id=8300&star=2&page=1

北京語aoが上海語では口の大きいオになりますが、蘇州語では何とアとエの中間音で、「好」haoは上海語でホー、蘇州語でハーとヘーの中間haeです。

中国の語音学(音声学)では濁音zhuoyinとは音声学的な濁音(声帯が振動する音)の事で、故に「容」rongのrも「用」yongのyも濁音です。

朝鮮語辞典によると、朝鮮の言語学では「清音(청음 cheong-eum)」とは平音ㅂ(p、b),ㄷ(t、d),ㅅ(s),ㅈ(ch、j),ㄱ(k、g),ㅎ(h)、濃音ㅃ(pp),ㄸ(tt),ㅆ(ss),ㅉ(tch),ㄲkk、激音ㅍ(ph),ㅌ(th),ㅊ(ch),ㅋ(kh)の事です。
一方、「濁音(탁음 thageum)」とは母音及び母音と半母音との結合ㅑ(ya),ㅐ(ae),ㅔ(e),ㅏ(a),ㅓ(eo),ㅗ(o),ㅜu,ㅠ(yu),ㅡ(eu),ㅙ(wae)等と流音ㄹ(r,l)、鼻音ㅁ(m),ㄴ(n),ㅇ(ng)です。故に「소리를 만드는 작업」sorireul mandeurun chageop(音を作る作業)のsとdとgが清音で、man eureun a eo が濁音です。故に金泳三 Kim Youngsam氏の名の「泳」Young(Yeong)が濁音です。

http://www.shin-gogaku.com/balum.html
http://kr.softwise.yahoo.com/bin/query?p=%f6%fa%eb%e5
しかし、日本語入門書等で使われる時は日本語の濁点付き文字の音を濁音と表現します。

탁음: 청음 글자의 오른쪽 상단에 「"」부호를 붙여 만듦. 탁음, 반탁음 (だくおん, はんだくおん) 濁音:清音字の右上段に「"」符号をつけて作る物。濁音、半濁音(だくおん、はんだくおん)…
http://jeilinfo.mokpo.or.kr/home_edu/html/gukhya/2002/일본어/7차.htm [jeilinfo.mokpo.or.kr 에서 더 찾기]

히라가나-탁음(ひらがな濁音) [현재창] [저장된 페이지]
-탁음(濁音) 흐린(濁った?) 소리(音) 즉(即?) 유성음(有聲音)을(を) 말한다(話す/發音する?). 「カ,サ,タ,ハ」행(行)의(の) 글자(字) 오른쪽(右) 어깨에 탁점(濁点) 기호(記号)인(である) 「〃」을(を) 찍어 나타낸다. ガ행(行) ザ행 ダ행
http://210.95.22.122/japan/smain3-2.html [210.95.22.122 에서 더 찾기]

有声音でも自鳴音sonant(母音a,i,u,e,o、半母音w,y[j],[ч],r、鼻音m,n,ng、流音r、l)は清音扱いされるようで、zo-さんは「容」rongがyongになっただけで「濁音でない」と感じるようですがyongも有声音なので濁音です。また日本語ではmのマ行とnのナ行には濁点はつきませんが、ngのガ行には濁点がつき、東京本方言の ka-ngami(鏡)は「かがみ」と書かれます。これはnaを「だ」で現すような不自然な表記です。

またpのパ(ハの右上に小さい○)行の○は「半濁音」と呼ばれますが、これは変です。半濁音とはpaとbaの中間の音です。日本語のpaは完全な無声音であれば清音です。



志不可起

にれのや (2003/04/23 23:14)

■ massangeana さんへ質問。
『志不可起』とはどのやうな書なるや? 語源説集のやうなもの?
また、この 「しぶがき」 なる句は、「こころざし、たつべからず」 といふ、通人風の洒落なるや?
また、「最中」 は、「もなか」 にはあらざらんや?

■Koma さんへ質問。
上海語と蘇州語というのは、どの程度の違いがあるものですか?



re:お酒 終焉(?)

きしろふ (2003/04/23 19:57)

ブランデーやシェリーについてもでてきたので、ひとつ肉刺・・・じゃなかった豆知識。

「ブランデー(brandy)」・・・ワインを蒸留したお酒。フランスのコニャク地方のものが有名。熟成期間によってスリースター(Threestar)<V.S.O.P.(Very Superior Old Pale)<ナポレオン(Napoleon)<X.O.(Extra Old)と分かれる。「ブランデー」の言葉の元は「ブランド」(「ブランド品」の「ブランド」と同じ)。「ブランド」は元々、牛や馬につける「焼印」という意味で、発展して「商標」という意味になってきた。「ブランデー」とはワインを「焼く、蒸留する」ということ。
http://homepage2.nifty.com/YONE/coffee40.htm
http://www.rakuten.co.jp/ootaya/464772/index.html

「シェリー(sherry)」・・・アルコールの強い赤ワイン。主に食前に飲む。語源の説はいろいろとあるが、スペイン南西部の地方「ヘレス」からということは確か。
http://www.cluster-net.com/hiroba/news/25/1.htm
http://rahken01.tripod.co.jp/zatugaku/sake-omosirosugiru/mein.htm



Re: 志不可起

massangeana (2003/04/23 12:23)

点訳者さん:
>『志不可起』
「しぶがき」とよみます。18世紀にかかれた本の名前です。
>*『志不可起』には「ゑんば 北越筋の詞に最中の義を云」とある。*

「しぶがきには えんば ほくえつすじの ことばに さいちゅうの ぎを いうと ある」
ですね。



Re-Re-Ka-Ching

語源ファン (2003/04/23 12:17)

お答えいただき、ありがとうございました。レジやらスロットマシンの音やら,どうもお金に関する表現のようですね。『ジーニアス英和大辞典』には「もうけ」の意味でもあると書いてあるともわかりました。しかし,Cassell'sの挙げている意味がもともとなのでしょうね。



Re: 濁音

massangeana (2003/04/23 10:35)

ついでで何ですが... 今回のように意志疎通がうまくいかないことがあるので, 「有声音」というように
するといいと思います。n や r や w も有声ですが, 「濁音」というとどうしても仮名で
濁点のついている音を考えてしまいますよね。



Re: Ka-Ching について

にれのや (2003/04/23 09:48)

■ Cassell's Dictionary of Slang (Jonathon Green 著) には、
【Kaching】1980年代以降の使用。金属どうしがぶつかる際に発する、鋭い音の擬音語。語源は ker- + ching。
との記述があります。

擬音語の接頭辞 ker- には、異体として ka- があり、爆発・打撃を表す擬音語の頭に付いて、強調の働きをします。



訂正 菊>聞く 連音 濁音 HEIDI

高駒麗人KOMA (2003/04/23 01:32)

朝鮮人や中国人が菊とngに聞こえます。>朝鮮人や中国人が聞くとngに聞こえます。
失礼へっすむにだ。

「猿」を意味するweonsung-iの場合、これが「連声する」と教えると、日本人学習者は「ウォンスンギ」として覚える事になり、人によっては「ギ」を破裂音gのgiで發音する恐れもあります。これは朝鮮語のネイティヴが聞いて聞き取れない(かもしれない)ので、「ウォンスンイ」だと思わせておいた方がいいという配慮かも知れません。「スンイ」の場合「ン」は鼻母音になりますが、朝鮮人や中国人が聞くとngに聞こえます。



連音 濁音 HEIDI

高駒麗人KOMA (2003/04/23 01:30)

にれのやさんへ
>かむさ! こまそんせんにむ。
ちょんまねよ。なぬん、そんせんにみあにむにだ。
朝鮮語講座の講師が「ngは連音しない」と言うのは変ですね。講師が無知なのか知っていてわざとそういっているのかどちらかでしょう。
「猿」を意味するweonsung-iの場合、これが「連声する」と教えると、日本人学習者は「ウォンスンギ」として覚える事になり、人によっては「ギ」を破裂音gのgiで發音する恐れもあります。これは朝鮮語のネイティヴが聞いて聞き取れない(かもしれない)ので、「ウォンスンイ」だと思わせておいた方がいいという配慮かも知れません。「スンイ」の場合「ン」は鼻母音になりますが、朝鮮人や中国人が菊とngに聞こえます。
よく中国語教師が言う「中国語に濁音は無い」(漢語の普通話には日本語のカナで書いた場合濁点が付く音はない)というのも嘘で、どう聞いても「応該」yinggaiは「インカイ」でなく「インガイ」ですし、「我叫」wo jiaoは「ウォチアオ」でなく「ウォヂアオ」です。ただ、日本人が濁音「ガ」を用いて「インガイ」を發音すると「ガ」が鼻濁音化して
「インカ°イ」ying-ngaiになり、中国人が聞くと、ying-ai(応愛?)に聞こえるでしょう。また日本人が「我叫」を「ウォヂアオ」のつもりで發音すると破擦音「ヂ」は摩擦音「ジ」になり、「ウォジャオ」、中国人が聞くとwo yao(我要)、wo rao(我繞?)等に誤解される恐れもあり、それで嘘でもいいから「中国語には濁音は無い」と教えるのでしょう。それと似ています。実際は各地の方言でも北京語でも有声のbdgは存在しますし、北京語rが(摩擦があろうとなかろうと)濁音です。

ManiacCさんへ
Ka-Chingについては語源がよくわかりません。単なる擬音でしょうか。「未来少年コナン」は相当、原作から変わっているんですね。Heidiの作者はJohanna Spyriですね。当方の入力ミスです。失礼しました。
http://www.heidi-swiss.ch/
www6.airnet.ne.jp/furcas/heidi/ hi-bbs-file/link-menu.html - 18k -

、じゃなくて酒の名Brandyは現代北京語で「白蘭地」Bailandiです。「白蘭克」Bailanke(薬の商品名らしい)はBlankだそうです。
福澤諭吉が使った漢語詞には彼の發明語と当時の漢籍からの借用と両方があるのでしょうか。



re Ka-ching

Maniac C. (2003/04/22 23:38)

あれ? こちらには「スーパーのレジが開く音」と書いてありますよ。
http://paulkim.hp.infoseek.co.jp/singers/singers/shania.htm



re お酒

Maniac C. (2003/04/22 23:32)

ネタが尽きてきたので、これが最後かも。
■福沢諭吉はブランヂイを「罷蘭地」と書いています。現代中国語(官話)では「白蘭地bai2lan2di4」ですよね。
「焼酎」と訳してあるものも在ります。
■も一つ福沢諭吉ネタ。シェリーを「些*」(←「兀」の右半分が「下」のような感じで「ヽ」が付く字)と書いています。
現代中国語では「雪利酒xue3li4jiu3」と、巧く白葡萄酒であることを表していますね。
福沢諭吉以外には、「設里酒」「白車厘酒」「施里酒」「該里酒」などの書き方が。



re appelsien と orange

Maniac C. (2003/04/22 23:31)

>松茸さん
愛沙尼亜語の情報と御忠告、有難う存じます。
でも、私は面白いと思ってしまうのです。希臘神話と記紀神話の共通点がよく言われますが、
Hesperi´aと常世の国、「金の林檎」と「非時香果(ときじくのかくのこのみ)」、そして、
He¯rakle^sと田道間守(たぢまのもり)も、よく似ているなあ、と。無論、「一生を費やして
探求する覚悟」なんざ、有りゃしませんが。すいません。



re 動画の著作権 chungwa

Maniac C. (2003/04/22 23:30)

>高駒麗人Koμαさん
■著作権については私が書いたものではありません、念のため。
■横山氏の作品は「魔法使いサニー」以外は存じていました。
 「コメットさん」も忘れないでくださいね。
 ソニーとの商標権の絡みで「サリー」に変わったとは…。
 「カブ」はやっぱり番組名ぢゃなかったからOK?
■「未来少年…」は宮崎作品と言ってよいのでは。換骨奪胎とまでは言わないものの、
 設定だけ「残された人びと」から借りて、中身は大分違いますよ。確かジムシーや
 ウマソーは出てこなかったし、ギガントもロボノイドも出てこなかったし、あんなに
 足指が強力で器用だなぞとは書いていなかったし。
■「ムーミン」は「妖精」と言ってよいものやら。troll はどちらかと言えば「怪物」、
 日本風に言えば「妖怪」「化け物」「あやかし」の類ですよね。芬語のpeikko が
 どんな心象なのかは解りかねますが。
■Heidiの原作者の綴りは Johanna Spiyri→Johanna Spyri ですよね。

■斯瓦希里語の音節区切りは、多分、chung-waです。そうですか。「中国」より「中華」ですか。



Re: パッチム-ng の連音

にれのや (2003/04/22 23:07)

■かむさ! こまそんせんにむ。
やっぱりそうですよね。安心しました。



海上花について

にれのや (2003/04/22 23:03)

■映画『フラワーズ・オブ・シャンハイ』のパンフレットを手に入れました。(過去の映画のパンフを入手したき御仁は御相談あれ)
パンフには、残念ながら、原題のシャンハイが、なぜ、「海上」 になっているかの説明はありませんでした。しかし、この『海上花』という作品の辿ってきた道筋が少しおもしろいので書き込んでおきませう。
   1894年=韓子雲 (ハン・ツーユン) 著 『海上花列伝』 蘇州語/シャンハイの遊郭に 「居続け」 をしていたという粋人、韓子雲によってオリジナルが出版される。
   1983(?)年=張愛玲 (チャン・アイリン) 訳 『海上花開』『海上花落』 北京語/中国の女性作家、張愛玲によって、北京語に翻訳される。
   1998年=侯孝賢 (ホウ・シャオシエン) 監督 『海上花』 "Flowers of Shanghai" 上海語/台湾の映画監督、侯孝賢によって映画化される。セリフは上海語。
キャスティングにあたって、主要な役には上海語を話せる役者が選ばれました。
   カリーナ・ラウ (劉嘉玲)=蘇州出身。
   ミッシェル・リー (李嘉欣)=母親が上海人。
   カオ・チエ (高捷)=父親が上海からの移民。
ただし、
   トニー・レオン (梁朝偉)=広東生まれなので、上海語を勉強したと……
   羽田美智子=アフレコですね。最初は、マギー・チャンが予定されていたそうです。



高麗語連音

高駒麗人KOMA (2003/04/22 22:51)

朝鮮語の音節末のngは確かに次の母音と繋がりますね、猿を意味する원숭이weonsung-iは
ウォンスキ°(キ°はが行鼻濁音)ですし、猫を意味する 고양이 koyang-iは、
コヤキ°になります。



漢語羅馬字及其他

高駒麗人KOMA (2003/04/22 22:37)

zo-さん&massangeanaさんへ
対於台湾的拉丁字母、我理解了許多、謝謝。今後請多多関照。
在台湾、hotel叫“大飯店”或者“賓館”嘛。如果一個台湾人看到“大店”這種写法、不能理解或者認為“完全是大陸的写法”。

「麻辣[湯の下に火]」malatangという料理があります。[湯の下に火]tangは日本語の漢字にないようで、「煬」や「湯」で代用していいのか気になります。私は「麻辣[湯の下に火]」と書かれた店名を見て「麻辣湯」かと思って、電脳上で、撮影した写真の下にそう入力していましたが、後で中国人から字が間違っているとお叱りを受けました。

中国制(製)のカラオケで、たまに歌詞の漢字の上にローマ字が振ってあるのを見かけますが、pinyinでもWadeでもない不思議な物だったりして夢中で見てしまいます。はっきり覚えていませんが「知道」が tsitao だったり「喜歓」が sihuanだったり、そういう感じ(漢字)です。マンダリンが苦手な華人向けか外国人(非華人)向けでしょうか?
昔の新京(満州国の首都・長春)行き満鉄列車用らしい表示板に横書きで「行京新」(右から読む)とあり、英語で FOR SINKINGとありました。「沈む為に?」かと勘違いしましたが、すぐにSINKINGが「新京」Xinjingだとわかりました。Wade式では Hsinkingですから Sinkingはそれ以外の慣用でしょう。
http://www.bea.hi-ho.ne.jp/tadahiro/sinkyou.htm
>新京 高槻店 (摂津富田) ベトコンラーメン 550円. ベトコンとは、ベトナムコンバットの略ではなく、ベストコンディションの略であるとのこと。
↑こういう文を見かけました。ベトナムのベトコンは「コンバット」ではなくて「ベトナム共産党」なんですけど。

ManiacCさんへ
Grecia語、Swahili語、Estonia語については私はド素人ですが面白いですね。
「漢字で外国地名」http://www.akatsukinishisu.net/kanji/chimei.html
↑「希臘」も乗っているでしょうか?

Swahili語でorangeがchungwaだとは初めて知りました。chun-gwa(gは破裂音)でしたら「中国」Zhong-guoに似ていますが、chung-wa(ngは鼻音)ですと「中華」Zhong-huaに近いですね。Kiswahiliの發音としてはどちらなんでしょうか?
「中華」のローマ字ですが、中国の鉛筆メイカーの「中華」は CHUNGHWAで、歯磨き粉メイカーの「中華」は ZHONGHUAと商品に記述してあります。Wade式とPinyinでしょう。「青島」はQingdao、Ch'ingtao、Tsingtao、「天津」はTianjin、T'ienchin、Tientsinと色々あります。西洋のシナ学者sinologistsが記述した文を元に日本人が書いた本では「貴州」は Kweichow、「羌」族の言葉は Ch'iangで、Wade式かそれに近い物が多いようです。

Ka-Chingは「シーンが変わる時の効果音」だそうです。
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/2064/tvs/01/lawandorderci.htm

http://www.google.com/search?q=Ka-Ching&ie=GB2312&hl=zh-CN&lr=
(googleで“Ka-Ching”で検索↑)



appelsien

にれのや (2003/04/22 22:31)

■だんきゅう Maniac.C どの。
フランドル語に関する、日本語で読める本というのは、ありましたかねえ。appelsien の疑問は、ロシア語の研究としても、ぜしとも究めることとしましょう。

□ところでですねえ、きょう、放送大学を見ていたら、韓国語の講座で、連音の説明をしておったのですが、講師らしい人物が、何と
  「-ng という終声は、あとの母音と連音しません」
と、言い切っていたのです。以前、わたしは、この点を、ここでも質問しましたが、これなんですよ、原因は。世の中の韓国・朝鮮語の入門書の多くで、「パッチムの -ng は、後続の母音と連音を起こさない」 と説明されているのです。
 これは、それぞれの言語の専門家が、必ずしも音声学の専門家ではない、ことに原因があるのだと思います。韓国語のパッチムの -ng は、明らかに後続の母音とリエゾンしています。語学書には、案外、この手の、「伝統的孫引き間違い解説」 というのが多いような気がします。
 いかがなものでしょうか?



Ka-Ching

語源ファン (2003/04/22 13:55)

Shania Twainというアメリカの歌手の曲にKa-Chingというのがあります。タイトルの含まれている部分の歌詞はCan you hear it ring/It makes you wanna sing/It's such a beautiful thing-Ka-ching...です。単なる擬音のようにも思われますが,中国語のようにも思えます。どなたかこの曲のタイトルの意味?をご存知の方いらっしゃいませんでしょうか。



re^2: appelsien と orange

松茸 (2003/04/22 05:18)

* "puu"はエストニア語の「木」ですから、果実と区別した表現「みかんの木」として問題ないでしょう。

* ついで、というのはなんですが:
> 希臘神話に登場するHesperi´des姉妹の「金の林檎」と誤訳されている物は、実はオレンヂでしょう。
……この手の神話の〈合理的〉解釈は、(一生を費やして探求する覚悟でもないかぎり)お控えになったほうが賢明かと思います。(^^;



ローマ字

zo- (2003/04/22 04:46)

台湾のローマ字表記、massangeanaさんのおっしゃる通りです。もう一つ加えるとしたら、直感式です。こう聞こえたから、私はこう書く、と・・・。かなり目茶苦茶で、どれとどれが何対何とは数えられないですねー。私自身がそんなに表記法に詳しくないので。それに昔から、ウェード式は主流というわけではないようですよ。少し前、ちょっと政治も絡んでもめてたことは事実ですが。

偶々『語言自○集』買いました。『官話指南』も買ったんですが、表現、今とかなり違いますね。

今、台湾のローマ字表記で面白いのは台湾語のローマ字表記です。日本にも活発に活動なさっているかたがいるようです。

ちなみに、台湾では「酒店」はそのホテルの名称として用いられている場合はありますが、一般には「飯店」「賓館」です。



re appelsien と orange

Maniac C. (2003/04/22 03:50)

>にれのや師匠
>■どうも appelsien という語形が腑に落ちないんですね。造語法がまるでゲルマン語らしくない。appel-sien とするとフランス語の造語法のようで。こんな語形がほんとうに存在したんでしょうかね。あるいは、appel sien で sien は、かつて sina の属格だったとでも? それとも、オランダ語では、過去にこういう破格の造語法があったのでしょうか? どうも appelsien は嘘臭いなあ。
→松茸さん(4/18)が仰っているように、sinaasappel が標準蘭語で、appelsien は仏蘭徳方言(Vlaams)のようです。仏蘭徳方言はかなり仏語の影響を受けていますので、当然、このような語法も在り得ると思います。
 因みに、仏語Chine=Sine であり、これは後期羅語の Si¯nae(複数, the Chinese)に遡ります。
 下記のHPでは、China’s appel ではなく、appel-Messina に由来するのでは、と書いてあります。何故に西西里島なのか、までは解りませんが。

>「不定冠詞 un との併用で、誤って語頭の "n" を落とした」 という説
→女性名詞に付く不定冠詞は una なので、ちょっと怪しいかも。

>□『オランダ語誌』 という面白い本があるんですけど、みなさん、読みました?
→B.C.ドナルドソン著、現代書館発行のやつですよね。師匠もお読みでしたか!

>massangeanaさん
>ペルシャ語では…日本でいうオレンジのことは「ポルトガール」というそうです。
→希臘語でも portokalí と言い、羅馬尼亜でも portocalã と言うようです。
 斯瓦希里語ではズバリ chungwa。これってどう見ても「中国」。
 愛沙尼亜語では apelsinipuu と、またもや意味不明の形態素 -puu が付いています。
http://www.vanoostendorp.nl/linguist/dialectendag2000.html



Re: セリ

massangeana (2003/04/22 02:04)

Maniac C. さん:
>魔法使いサリー
「妖術公主セリ」ですね。検索したところ Saelli と書いてあるページが多いようですが,
Seri と書いてあるページもあるようです。「魔法使いサリー」から来たかどうかは別として,
セリがサリーに由来する, というのはありそうに思えます。



Re: 台湾のローマ字

massangeana (2003/04/22 01:57)

高駒麗人さん:
zo- さんのおっしゃるのは台湾の外国人向け教科書の話で, 地名表記とはまた別なの
ではないかと思います。
台湾のローマ字は政治的事情もからんで非常に複雑で, ウェード(・ジャイルズ)式・
イェール式の他, 国語注音符号第二式(昔の国語ローマ字を単純化したもの, 「国語
辞典」ほかで使用), 華語通用ピンイン(ピンインもどき), 漢語ピンイン(大陸式ピン
イン, 前の華語通用ピンインと区別してこういう) などがしのぎをけずっています :-)
高駒麗人さんの引用の中にある「通用式」というのは華語通用ピンインのことかと
思います。



在臺灣羅馬字寫法是威妥瑪還是耶魯

高駒麗人Koμα (2003/04/21 21:55)

http://www.path.ne.jp/inukawa/hedgehog/info/%5B03%5D.html
ハリネズミ・針鼠・波利禰豆美 から引用します。

Chinese : wei4, ci4wei(中国(北京):ウェイ、ツーウェイ)「刺[オ胃]」
Cantonese : chi waih(広東:チーワイ)「刺[オ胃]」
>※ ニワトリ注:イェール式ローマ字による。現代中国語のローマ字表記には、1958年以来大陸で公認され用いられている「ピンイン」と、台湾で使われている「トマス・ウェード式」の2つがあり、最近はピンインが標準になりつつあるものの、西洋の人文学ではなおウェード式表記が使われることが多いらしい由。上記の「刺[オ胃]」ci wei の表記はピンインで、ウェード式では tu wei(uの上にお椀状のアクセント記号がつく)となる。「魏仙爺」も、ウェード式では wei4 hsien1 yeh2 である。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%e6%cf%d1+%a5%a6%a5%a7%a1%bc%a5%c9%bc%b0&hc=0&hs=0(台湾 ウェード式 で検索した結果)

http://member.nifty.ne.jp/uchikawa/linguist03.html(北京語のローマ字表記)
>ウェード式 1867年に英国大使館の秘書であったThomas F. Wadeが、著書「語言自迩集」の中で用いたローマ字化システムで、…現在でも台湾における人名の表記法として標準的に使われている。
>アジア太平洋モーニング …同市内のローマ字道路標識は、従来からのウェード式と、「通用式」が混在するという不統一状態に陥り、現在に至っている。 対立の底流には、台湾独立を掲げる民進党 ...
http://www.nishinippon.co.jp/media/news/0010/apm/am/1016/1016.html
台湾でWade式が使用されているという資料は以上です。

http://www.google.com/search?hl=zh-CN&inlang=zh-CN&ie=GB2312&q=+Wade+%CD%D0%CD%D7&lr=
http://www.google.com/search?q=+Wade+Yale+%C1_%F1R&hl=zh-CN&inlang=zh-CN&ie=GB2312
http://www.google.com/search?q=Wade+Yale+%C1_%B6%A1&ie=GB2312&hl=zh-CN&lr=
(Wade Yaleで検索した結果)

www.iest.edu.tw/study/computer/1143/ c3/www/learn/new_page_1.htm - 92k -
(西洋人名漢字表記と意味の説明)

zo-さんの観た所、台湾でのYale式とWade式の使用比率は何対何位でしょうか?Wade式は漢語で「威妥瑪」Weituomaでしょうか?台湾の大(酒)店dajiudian=hotel(台湾ではは使われないようですが)では如何でしょう?

私は台北には一度行ったきりでよく覚えていません。「高雄」GaoxiongをKaohsiungと書くのは明らかにWade式だと思いますがYale式ではどう綴るのでしょう。Kaosiungでしょうか。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b9%e2%cd%ba+Kaohsiung&hc=0&hs=0
http://www.google.com/search?q=Kaohsiung+%B8%DF%D0%DB&ie=GB2312&hl=zh-CN&lr=
(高雄 Kaohsiung で検索した結果)

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%e6%cf%d1+%a5%a6%a5%a7%a1%bc%a5%c9%bc%b0&hc=0&hs=0



rについて 続き

高駒麗人Koμα (2003/04/21 21:02)

訂正
「国際音表」 >「国際音標」で字母の右下に小さい「J」を付けると舌面音化で、
jの上の点を^にしてジを現してます。…この^はzの「変わり」 →「代わり」と言えます。

zo-さんへ
「濁音に聞こえない」というのは「摩擦音に聞こえない」という意味でしたか。
「栄」「容」rong、「如」ru、「日」ri、がyong、yu、yiになったとしてもこれらは有声音なので厳密には濁音です。北京語ではrの摩擦が弱まり、半母音rかyに聞こえる事が普通です。rの摩擦が強いと「ジ」に聞こえます。yもrもzも舌先と上歯茎周辺で音が作られるので相互交代しやすいのです。Japanが「ジャパン」だったり「ヤパン」だったりするのと同じです。
Japonがスペイン語で「ハポン」になるj[x]は例外的です。それでフィリピン語でHaponになっている様でこれは凄い。
中国北方の餐庁では「猪肉」zhurouは zuyou となるのが普通で、最初は何かの「油」youかと思って戸惑いました。朝鮮の「肉鱠」yukhoe「ユッケ」はyで始まります。別に不思議ではありません。(「肉鱠」は漢語借用語ですが、現在の中国ではユッケを「生拌牛肉」sheng ban niu rouと呼ぶようです)

日本語音で「栄」は「エイ」(昔は「イェイ」yeiだった可能性あり)、「容」は「ヨウ」youですから「栄」「容」のrはyが変わった物です。「如」は「ニョ」nyo、「ジョ」zyo、「日」は「ニチ」niti、「ジツ」zituですからn>z>r>yという変化でしょう。

唐人の發音で「容」が「ヨン」、「日」が「ジ」になるのは、日本語音「ヨウ」「ジツ」と近いので納得できます。
riがyiになるのは、巻舌が舌面になるわけで、日本人が巻舌shを舌面x音(日本語シ)にしてshi(是)を xi(細)のように發音するのと同じ現象です。舌の形は正反対ですが、上の調音位置が上歯茎後部〜硬口蓋前部である事が共通しています。巻舌sh、rと平舌s、[z]は舌先で調音される所が似ています。



r

zo- (2003/04/21 20:54)

高駒さん

>音声学的には北京語「日」「人」「栄」「如」の声母rは巻舌有声摩擦音(濁巻舌擦音)で、「是」等のsh巻舌無声摩擦音(清巻舌擦音)に対応する濁音です。

それに対しては、massangeanaさんが高駒さんとは異なる説明をして下さっていて、私はどちらかといえばmassangeanaさんの説明が分かりやすいです。ちなみに高駒さんも濁音で発声しているわけですね…。

それから

>台湾で使われているWade式羅馬字では

台湾でローマ字表記は殆ど使われておらず、外国人に対する中国語教育で使われているのは注音符号、欧米人向けにはイェール式が主流で、「Wade式羅馬字」は殆ど使われていませんよ。どこで台湾では「Wade式羅馬字」が使われるという情報を得られたのでしょうか?



シャンゼリゼ

鴛鴦 (2003/04/21 20:35)

>高駒麗人Koμαさん
憚りながら私が説明してもよろしいでしょうか?

「シャンゼリゼ(Champs Élysée)」の「エリゼ(Élysée)」の語源はギリシア神話の冥土エリュシオン(Elysium)からで、英雄たちが死後幸せに暮らす平原、野原の意味。
「シャンゼリゼ」は昔、林野で、それにあやかって名づけられたので「エリゼの平原、野原」→「エリュシオンの平原、野原」→「英雄たちが死後幸せに暮らす平原、野原」という意味になると解釈していますが?
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife/1211/servicont/fete06jun.html

「エリザベス(Elizabeth)」の語源はヘブライ語「Elisheba」からで、日本では「神かけて誓う」とか「神はわが誓い」という意味で伝わっています。フランスでは「Élisabeth」と書き短縮形は「Élise」。似てはいますが(語源の発祥地点自体)違うのです。
「Fur Elise(エリーゼの為に)」は「For Eliza」でいいと思います。
http://www5d.biglobe.ne.jp/~ros/pan/p_de/elizabeth.htm

お粗末さまでした。



北京語r 動画の著作権

高駒麗人Koμα (2003/04/21 20:23)

辻本裕幸さん&zo-さんへ
国際音表で字母の右下に小さい「J」を付けると舌面音化で、「し」を付けるか上に「^」を付けると巻舌音になります。r右下に小さい「し」をつけると巻き舌のrになり、少し奥まった弾き音・震え音のrになります。北京語rがこれとは思えませんからrを逆さにした「英語の巻き舌半母音」の記号でしょう。英語でも語頭で摩擦が伴いますが、英語でrが摩擦か否かは意味の区別上重要でないので摩擦を表示する必要はありません。
北京語rを「zの巻舌化」と解釋すると「zの右下に小さい『し』」になり、「半母音rの摩擦化」と解釋すると、学研漢和大字典のように摩擦をVで示して「rの上に小さいV」になります。「ジ」を現す「zの右下を『つ』のようにした『ろ』に似ている記号」は zjを一字で現した物でしょう。zが舌面化したとういう解釋です。エスペラントで、j^urnalo「ジュルナーロ」(雑誌)のように jの上の点を^にしてジを現してます。これはヤユヨのjが摩擦化してジャジュジョの子音になったという解釋です。この^はzの変わりと言えます。

しかしエスペラントでは^はsやgにつくと舌面か巻舌かは不定ながら口蓋化を現し、s^シ、g^ヂとなるでこの辺が不徹底です。

「栄」rong、「如」ruは摩擦が弱まって「ロン」、「ル」に聞こえる事はありますが、北京音の場合、濁音rが清音化してshong、shuになるのは聞いたことがありません。
上海語の語頭のzはsに聞こえますが…。「上海」zanghae は「サンヘ」に聞こえます。
音声学的には北京語「日」「人」「栄」「如」の声母rは巻舌有声摩擦音(濁巻舌擦音)で、「是」等のsh巻舌無声摩擦音(清巻舌擦音)に対応する濁音です。
ロシア文字表記では、Zhu Rongji(朱鎔基)は
Чжу Жунцзиになります。
つまり、ロシア人には朱鎔基の北京語音が Chzhu Zhungtszi と聞こえているわけです。
唐語音節末ngはн(硬音tvёrdyjのn)になり、音節末nはнь(軟音mjaγkijのn、njニャニュニョの子音)になります。
もしPin音がロシア人の發明だったら、唐語の教科書や辞書で「容」「鎔」「栄」の發音は zhungと綴られたでしょう。

台湾で使われているWade式羅馬字では、無気音はp、t、ts、ch、kになり、b、d、z、gは使われないので清音だらけです。
ただpin音のrはWade式でjになり、これは清音shに対応する濁音となっています。「朱鎔基」はWade式では Chu Jungchiになる筈です。
厳密には自鳴音w、y、r、lも濁音ですが、少なくとも日本では濁音とは思われていません。w、y(ヤユヨの子音)、r(半母音)、lが無性化したら、それぞれ日本語のフΦ、ドイツ語ich音、北京語sh、無声側音lh(チベット語Lhasa)になります。

ManiacCさんへ
「魔法使いサリー」は横山光輝氏の漫画「魔法使いサニー」が原作です。横山氏の作品には他に「バビル二世」「マーズ」「假面の忍者赤影」「ジャイアントロボ」があります。彼は「三国志」も書いています。西遊記は明の呉承恩(現代北京音Wu Cheng'En)作ですが、日本のTVで「悟空の大冒険」を「原作・手塚治虫」と紹介していたのは如何なものか。「原作:呉承恩、脚色:手塚治虫」でしょう。「アルプスの少女ハイジ」「スプーンおばさん」も外国の文学のアニメ化なのに日本オリジナルと思われたり原作者が知られていなかったり…。
「未来少年コナン」はアレグザンダー・ケイ作「残された人びと」(THE INCREDIBLE TIDE by Alexander Key Copyright 1970)です、NHK「日本アニメ大全集」で出演者が「未来少年コナン」を宮崎駿作品だと言ったり、ムーミンを河馬だと言ったり(本当はフィンランドの妖精)酷い物でした。
もっとも日本のTV局はちゃんと原作者名をopening画面に出して著作権も侵害せずに放送している筈です。「ハイジ」のopeningでも「原作:ヨハンナ・スピリ」と出ています(Heidiハイディ、Johanna Spiyri)ただ、タレントも含めて視聴者がそれを見ていないで、そのままテレビで話すから誤解されるのです。
高麗では「科学忍者隊ガッチャマン」が日本と違う作画で「독수리5(오)형제」(Doksuri O-Hyeongje 大鷲5兄弟)というアニメになっております。変身の合図「バード・ゴー(Bird、go)」は「독수리、변신 」(Doksuri Byeonshin 大鷲変身)になるようです。
http://kr.search.yahoo.com/search?jy=all&p=%B5%B6%BC%F6%B8%AE+5%C7%FC%C1%A6

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b2%a3%bb%b3%b8%f7%b5%b1+%cb%e2%cb%a1%bb%c8%a4%a4%a5%b5%a5%ea&hc=0&hs=0





zo- (2003/04/21 19:48)

massangeanaさん、ありがとうございました。やっぱり体系としてちょっと落ち着きが悪いんですか。

>いちおう摩擦があるにはあるので, これで写すのもちょっと問題があると思います。IPA で摩擦の強さを表すことができないことが問題なのでしょう。

もしかしたらネイティブでも個人差があるのかもしれませんが、私は殆ど摩擦がない様に感じます。聞いていても、自分で発音してみても。音声学のことが殆ど分からないので、どの程度区別するかなど、分からないのですが、「容」の場合「よん」のように聞えることすらあります。「日」の場合、子音が聞こえないか、或いは「じー」のように聞えます(特に南方の人)。



三鞭 香檳酒()朴世莉

高駒麗人Koμα (2003/04/21 19:35)

らにいさん&ManiacCさんへ
「香檳酒()」は「xiangbingjiu」でよろしいと思います。「三鞭」は唐土でも使われているんですね。しかし、唐土本来の言葉と音が似ているので当てたのでしょう。champ(平原、野原)の意味とは違っていますね。Champ-Elyseesは「Elizabethの野原」でしょーか?Fur Elise(エリーゼの為に)は英語だと For Eliza(イライザの為に)?BeethovenよりはHiggins教授の作品みたい。

私は高麗語は得意ではありません。お世辞頂感謝はむにだ。
http://cn.websearch.yahoo.com/search/web_cn?p=%ba%ab%b9%fa+%b8%df%b6%fb%b7%f2+%c6%d3&u=&hc=0&hs=0
「朴セリ」(박세리 Pak Seri)については唐土の網で見ると「朴世莉」(北京語音でPiao Shili)と紹介されているようです。しかし、高麗語の網では「朴世莉」で検索しても何も出ません。「朴世莉」は唐土の記者が推測して当てた唐字(漢字)かもしれません。
http://www1.hitel.net/sports/seri/
((하이텔 박세리 종합總合 정보情報 사이트site [현재창] - 경기))
唐土の報紙(新聞紙)で「松たか子」は「松隆子」Song Longzi、「土井たか子」は「土井多賀子」Tujing Duoheziになり、唐人の記者さんも此処まで調べてご苦労な事です。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%cb%d1%a5%bb%a5%ea+%b4%c1%bb%fa&hc=0&hs=0



re セリ

Maniac C. (2003/04/21 18:51)

massangeanaさん、有難う存じます。

以下の情報を2ちゃんねるで拾いました。真偽は不明ですが。

>“セリ”は西洋系の名前“サリー”を朝鮮風に発音したもの。
>日本のアニメである『魔法使いサリー』を鮮人どもが例によって
>勝手にウリナラの作品であるとして著作権無視で放映、その
>主人公の名前を親がつけたという。

とすると、語源は Sarah = 王女 ??



Re:酒 追記

きしろふ (2003/04/21 18:43)

Maniac C.さんが記した「リキュール」についても。

「リキュール(liqueur)」・・・甘味(果物の風味)と香料入りのお酒。英語に直すと「リカー(liquor)」となるが、こちらは強い酒の総称に使う方が多い。「リカー」は「リキュール」からきている。「小酒」と書くのは主に食後に少量飲むからでしょうかね?



re:お酒

らにい (2003/04/21 18:28)

>Maniac C.さん
中国の「三鞭酒」は遥かに凄いですねぇ・・・(^^;)
マムシよりも凄い?



ラバトについて

にれのや (2003/04/21 16:39)

■ラバトについて、おおよそのことがわかりましたので、御報告。
まず、モロッコの首都 「ラバト」 について。正則アラビア語名は、
   ar-riba:t.u   口語音 [アッ・リバーと]  文語音 [アッ・リバーとゥ]
正式名は
   riba:t.u al-fath.i  口語音 [リバーとゥ・る・ファトふ]  文語音 [リバーとゥ・る・ファトひ]
この都市は、1150年にムワッヒド朝が建設した都で、その意味は
   「征服(勝利)の砦」
という意味です。
 アラビア語の fath.(un) には、「始まり」 の意と同時に 「征服、勝利」 の意があります。これは、同音異義語ではなく、アラビア語の語根 f-t-h. に 「始める」 と 「征服する」 の両義があるからです。これは、アラビア人の物の考え方を一端を語っているように思えます。
 なお、アーンミーヤ(各地の口語方言)には、正則アラビア語よりさらに多くの咽頭化音があり、モロッコ・アラビア語にも、かなり多くあります。(『モロッコ・アラビア語入門』 という本がありますね)。その中に、r の咽頭化音があり、r. で表します。そして、ラバトのモロッコ・アラビア語音は、第1音節の i が落ちて、r.ba:t. になります。[るバーと] ですね。欧州でリバートが、Rabat ラバトと呼ばれているのは、その辺に理由がありそうです。

■リバートについて。
riba:t. とはなんぞや、というのは、かなり、難問でした。現代正則アラビア語には、この語義はありません。9世紀以降のマグレブ地方特有の語義のようです。各種のイスラーム関連の書物を見ると、「リバート=修道場」 という解説がもっとも多くあります。(余談ですが、イスラーム辞典が、このところ、非常に多く出回っていますが、私見では、岩波のイスラーム辞典が、いちばん役に立ちました)。また、「リバート=砦」 という説明も散見されます。
 マグレブ地方というのは、イスラーム世界の西の果てということもあって、常に、中央の王朝から独立した地域でした。そのため、スーフィズム(イスラム神秘主義)が盛んで、スーフィー教団がたくさんありました。
 アラビア語で 「羊毛」 を意味する語根は、s.-w-f です。s.u:f (s.uwf)=「羊毛」。s.u:fi:=「羊毛の」。この s.u:fi: (羊毛の) を名詞として使ったものが、s.u:fi:=「スーフィー教徒」 です。スーフィズムというのは、「厳しい禁欲によって神と一体になれる」 という教義で、そのため、初期の修道者は、粗末な羊毛の衣をまとっていたために、スーフィーと呼ばれました。スーフィズムというのは西欧語で、アラビア語では at-tas.awwuf(u) [アッ・タサウウゥフ(ゥ)] と言います。
 で、そのスーフィーの修道者が、隠遁して修行を行う聖廟が riba:t リバートでした。そして、その聖廟は、異教徒の地との境界に建てられ、戦いの際には、修道者がそのまま兵士となりました。マグレブというのは、もともと、ベルベル人などの異教徒が住む地でした。ここが、リバートの解釈のやっかいなところです。つまり、リバート=修道場=砦、というマグレブ地方独特の施設なわけです。
 ところで、r-b-t. という語根は、「結ぶ、しばる」 という意味ですが、これが、なぜ、砦の意になったのか、というと、riba:t. リバートというのは、もともと、「馬をつなぐ場所」 という意味も持っていました。それが、「軍馬をつなぐ場所」=「砦」 に転用されたわけです。

■以上が、今まで調べたところでまとめた riba:t. についての報告です。



韓国のセリ

にれのや (2003/04/21 16:00)

■massangeana さん。そうですよ、韓国女子名の Seri は、いったい、どっから来てるんでしょう?



rについて

辻本裕幸 (2003/04/21 14:58)

僕の愛用しているデイリーコンサイスの中国語辞典3000円は「r」を「r」と「し」を足したような記号で書いてありますけど、「標準中国語辞典」では「z」に変更したみたいな記号が書いてある。どっちが本当なのかは、僕も良く迷ったです。多分どっちでもいいんでしょう。


Re: orange

massangeana (2003/04/21 11:00)

サンスクリットの「ナーガランガ」に由来, としているページが多くあります。
ペルシャ語ではだいだい色のことを「ナーレンジー」といい, これはオレンジを意味する「ナーレ
ンジ」から来たようですが, これはオレンジとは多少異なる品種であるようで, 日本でいうオレン
ジのことは「ポルトガール」というそうです。ポルトガルから伝わったからでしょう。



Re: ピンインのr

massangeana (2003/04/21 05:21)

ペキン語には有声と無声の対立がないのですが, r をそり舌の z で記してしまうと
そり舌の s と対立しているようで気持ちが悪いのは確かです。
IPA だとそり舌の接近音の記号があるにはあります(r をひっくり返して下を「し」の
ように伸ばした字)が, いちおう摩擦があるにはあるので, これで写すのもちょっと
問題があると思います。IPA で摩擦の強さを表すことができないことが問題なのでしょう。



Re: ソンギ セリ

massangeana (2003/04/21 04:54)

>Soung Gi, Se Ri
"ou" が広いオだと仮定して, わりとふつうだと思います。「成基・聖基・性麒」あたりが
あるようです。
"Se Ri" はゴルフの朴セリが有名ですが, 漢字はないようです。だからといって韓国固有語
でもないようですが...



appelsien と orange

にれのや (2003/04/21 01:45)

■どうも appelsien という語形が腑に落ちないんですね。造語法がまるでゲルマン語らしくない。appel-sien とするとフランス語の造語法のようで。こんな語形がほんとうに存在したんでしょうかね。あるいは、appel sien で sien は、かつて sina の属格だったとでも? それとも、オランダ語では、過去にこういう破格の造語法があったのでしょうか? どうも appelsien は嘘臭いなあ。
□『オランダ語誌』 という面白い本があるんですけど、みなさん、読みました?
■それと、アラビア語 naranj (多くの辞書ではアラビア語形を na:ranj としていますが、現代正則アラビア語では naranj なんですが、na:ranj というのは古形でしょうかね) が、フランス語で orange と語頭の "n" がなくなります。Maniac.C さんの書いているように、プロヴァンス語で auranja で 「オレンジの黄金色からの類推で "n" が落ちた」 という説もあるようなのですが、他にも 「不定冠詞 un との併用で、誤って語頭の "n" を落とした」 という説を乗せている仏和もありました。
 あるいは、アラビア語の冠詞 al をつけると、an-naranj(u) となるので、冠詞を取ると aranj(u) であると勘違いしたのかも、なんて説も考えつきます。



ピンインのr

zo- (2003/04/20 17:06)

実は、中国語を勉強していて、すごく不思議におもっていることがあります。

現代中国語の日、栄、如などの子音を国際音標で書くとき、どうしてあの記号になるんでしょうか?「日」などの発音の時は、時として濁音のように聞える時もありますが、「栄」「如」などの発音では、全く濁音のようには聞えません(特に北京の人の場合)。

たぶんすごい無知を曝していると思うので恥ずかしいんですが、長年の疑問をふと思い出したので、どなたかにご教示いただければ…。



Re:酒

きしろふ (2003/04/20 13:12)

こういう時間に書くのはホント久し振り・・・

何かお酒の話題が盛り上がっているようですが、ここのサイトならいろいろな言葉の語源が豊富だし、お酒のネーミングの語源も載っていますよ。
(実は「言葉の世界」のリンク先の一つだったりして・・・)

「ジン(jin)」・・・杜松(ネズ)の実で芳香を加えた無色透明な蒸留酒。確かに「杜松酒」と書けますね。「金酒」は音でしょうか?語源はラテン語juniperusからで「杜松の木」と言う意味。
「ウォッカ(vodka)」・・・ロシア原産の強いお酒。元々は「水」と言う意味。「水」にしてはクセがあり過ぎ・・・(汗)
「ラム(rum)」・・・サトウキビを発酵させ、蒸留してつくる強いお酒。一説にはrumbllionの短縮形と言われているが、語源の詳細は不明。
「カクテル(cocktail)」については前述がありますので省略します。
「シャンパン(champagne)」・・・フランスのシャンパーニュ地方でつくられる発泡性のある白色のワイン。「平原、野原(champ)」を意味する地方名から。

http://homepage2.nifty.com/YONE/index.htm



ソンギ セリ

Maniac C. (2003/04/20 11:55)

韓国語の得意な高駒麗人Komaさんに質問です。
(お判りになれば、ほかのどなたでも結構です。)

教育出版の英語の教科書にはSoung Gi, Se Riという人名(前者は男子名、後者は女子名)が
出てきます。これは韓国の人名としてはpopularなものなのでしょうか?
また、漢字を当てるとすると、どのような漢字が当てられるのでしょうか?

急ぎませんが、宜しくお願いいたします。



re お酒

Maniac C. (2003/04/20 11:46)

>らにいさん、高駒麗人Komaさん
漢字のオタク合戦に参戦します!
■「三鞭酒」は、高駒麗人Komaさんの書き込みでは、中国本土では全く使われないか
のように思えたので、中国の網を検索してみました。すると、ちゃんと引っ掛かって
くるではないですか!
■でも、日本で言うシャンペンとは違い、中国の「三鞭酒」は強精剤のことのようです。
つまり、「三鞭」とは虎鞭、鹿鞭、海狗鞭のことで、「鞭」とは動物の“陽具器官”
(つまり男根)を意味するようです(キャ、恥づ!)。)^^(
■ついでに、福沢諭吉は「三辺酒」と書いていますが、当時の中国ではそう書いていた
ようです。これは検索に引っ掛かってきません。
■糖酒=ラム、小酒=リキュールとゆーのもあるそーで。



Re:名

らにい (2003/04/20 10:30)

>高駒麗人KOMAさん
>「中国の状況を無視した日本列島内の漢字のオタク合戦には参加したくありません。」
そうですか(^^;;)これ以上のつっこみは協会のほうにお願いしてくだされ。私では処理しきれません・・・(-_-;;)
 「ジン」→「金酒」
 「ウォッカ(ウオッカ)」→「伏特加」
 「カクテル」→「鶏尾酒」
これからはこれで覚えておきます。「香檳酒()」は「xiangbingjiu」でよろしいんですか?
「『来夢来人』あとで読んでみたいと思います。」と言っておきながら、きちんと読んでいなかったりして(オイ)



re リンゴとオレンヂ+マンダリン

Maniac C. (2003/04/20 10:26)

■松茸さん、にれのや師匠、zo-さん、高駒麗人Komaさん、大家、情報を有難う存じ
ました。
■今回の元ネタは、下記のHPです。(ここほど専門的ではありませんが、小学生の
宿題等ありまして、幅広い話題が書き込まれています。特に「キツネ」の語源
「来つ寝」には微笑ってしまいました。)
■瑞典語 apelsin もそこに掲載されていたのですが、とにかく‘-sin’が正体不明
の形態素だったのです。まさか同じ日耳曼系の蘭語が起源とは! 迂闊でした。
■三省堂『コンサイス露和』は確認しました。(松茸さんも高駒麗人Komaさん同様、
何らかのこだわりが有って「シナ」と表記せられているのかと思いきや、本途に
『コンサイス露和』に「シナ」と書いてあるのですね。解りやすくて良いですけど、
軽い驚きです。)

■蘭語起源と聞いて、改めて近縁である独和辞典を繙いてみると、(にれのや師匠に
先を越されましたが)在りました、独語にも同系語Apfelsineが。Niederla¨ndisch
Apfel aus China という説明も有りました(師匠、言語学的には「低地独語」≒「蘭
語」ですよ)。Apfelsinenbaum(オレンジの木), Apfelsinensaft(オレンジジュース)
という複合語も収録されていました。
■元々、英語appleや仏語pomme(英語形pome)には「果実」の意味が有ります。
羅馬神話では、後者の同根語であるPo ̄mo ̄naという果樹/果実の女神がいる
くらいです。従って、appelsien は、「中国の林檎」ではなく、「唐渡りの果実」と
考えるべきでしょう。類例としては「石榴」=pomegranate, a punic[Carthaginian]
apple(種の多い果実、腓尼基[迦太基]の果実)が在ります。
■蘭語sinaasapel[スィーナーサペル]と、その複合語sinaasppelkist(オレンジ
を入れる[運ぶ]箱)(kist=英chest), sinaasappelsap(オレンジジュース)(sap=
英sap=独saft, 液汁・樹液・果汁), sinas[スィーナース](オレンジエード) を
見ると、やはり、「果実」に関連した単語であることが判ります。

■一方、Oranje[オーラニェ]の意味は、1 (中性名詞)オレンジ色; (信号の)黄色,
2(男性名詞)オレンジの果実[木], 3(形容詞)オレンジ[だいだい]色の、と有ります。
複合語oranjeappel(オレンジの実), oranjebloesem(オレンジの花), oranjekleur
(オレンジ色), oranjemarmelade(オレンジマーマレード), oranjerie(オレンジ用
などの温室), oranjesnippers(オレンジの皮の砂糖漬け)まで視野を広げてしまうと
混乱してしまいそうですが、基本は「果実」より「色(皮?)」の方に在るようです。
■独語にも、仏語由来の形容詞orange(オレンジ色の)・名詞Orange(女性では「オレ
ンジの木・実」、中性では「オレンジ色」)が在り、複合語Orangeade(オレンジエード),
Orangeat(オレンジの皮の砂糖漬け), Orangenbaum(オレンジの木), Orangenblu¨te
(オレンジの花、橙花[とうか]), orange(n)farben/-farbig(オレンジ色の), Orangen-
schale(オレンジの皮), Orangeneffekt(みかんはだ、砂利肌), 派生語Orangerie
(オレンジ栽培温室)などが在ります。
■仏語orangeの語源は(にれのや師匠も書いていらっしゃいますが)、古仏語pomme
d’orenge<古普羅旺斯語auranja(羅語 aurum 「金」との連想)<阿拉伯語na ̄´ranj
<波斯語na ̄´rang<梵語na ̄ranga-(←nの上に・, orange treeの意)。希臘神話
に登場するHesperi´des姉妹の「金の林檎」と誤訳されている物は、実はオレンヂ
でしょう。

■英語mandarinに関しては松茸さんが既に書き込んでいらっしゃいますが、補足し
ます。『英語語源辞典』に拠れば、葡語と英語の間に西語mandari´nが入っており、
こちらは「(1589年初出)中国の清朝時代の官吏、公務員」となっていますが、1771
年初出の植物名の方は別項目となっており、「中国の官吏の服がこの果実の色をして
いたことから」との註と共に、語源は仏mandarine<西mandarina(女性形)←
mandari´nとなっています。当然、仏語でもこの男性名詞と女性名詞の使い分けは
有るのですが、英語には性の区別が無いので、同音異義語になってしまっています。
因みに兄弟語の蘭語では、性の区別は残っているものの、通性(男性・女性が合流した
もの)と中性になってしまっているので、同系語madarijnは両義兼用です。また、
親戚語の独語では、きちんと3性を区別しますので、Mandarin(男性、「高級官吏」)
とMandarine(女性、「蜜柑」)の違いが有ります。

http://mukafish.hp.infoseek.co.jp/log-gogen.htm



満大人

zo- (2003/04/20 05:40)

松茸さん
  満大人はやはり、単なる俗説の可能性が高いんですか。私も、一般にはそういわれているけど、実はこれは俗説で、というのを聞いたことがあるようなないような感じだったんですが。

高駒さん
  台湾で、ビールはなんと漢字で書くか?答えは「書きません」です。当て字した例も全く見たことがありません。「ロ卑酒」と書いてあった場合、台湾語を話す人はこれを「ビール」と読み、中国語を話す人はpi2jiu3と呼んでいるんだと思います。



再訂正 「鶏尾酒」jiweijiu

高駒麗人Koma (2003/04/20 03:10)

訂正 「鶏尾酒」weijiu 投稿者:高駒麗人Koma  投稿日: 4月20日(日)03時04分28秒

Cocktailは既に申しましたように「鶏尾酒」字weijiuです。
→Cocktailは既に申しましたように「鶏尾酒」jiweijiuです。
これらの漢字を覚える方が実用的です。

jiweijiuと打つつもりで初めのjiが「字」と変換され、それを無駄な字と思って消したら「鶏尾酒」jiweijiuの読みをweijiuにしてしまいました。すみません。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b9%e1%b9%c1+%b8%c0%b8%ec%c0%af%ba%f6&hc=0&hs=0

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%c2%e6%cf%d1%b8%ec+%a5%d3%a1%bc%a5%eb&hc=0&hs=0



訂正 「鶏尾酒」weijiu

高駒麗人Koma (2003/04/20 03:04)

Cocktailは既に申しましたように「鶏尾酒」字weijiuです。
→Cocktailは既に申しましたように「鶏尾酒」weijiuです。
これらの漢字を覚える方が実用的です。

Appelsien、Apfelsine(シナの林檎)がオレンジとは難しい名前ですね。Chinese cabbage(シナのキャベツ)であるより難しい。そういえばドイツ語でSatsumaとは蜜柑の事だそうですが、私にとって薩摩という食物は薩摩芋です。小生にとってMandarinはやっぱり柑橘系の果物ですね。“Let's speak Mandarin.”等という言い方はピンと来ません。

香港で生まれたある青年は、つい2〜3年前中国北方の某都市に仕事で来るまで廣東語と英語はできてもマンダリンを話せなかったそうです。今では彼が自分の母語mother tongueだという英語と廣東語、フランス語とマンダリンを話せるようです。

http://www.twin2.co.jp/recommend/045/1.htm



サッダームのアル・マジッド

にれのや (2003/04/20 02:07)

■サッダーム・フセインのフルネーム
  s.adda:m h.usain al-majid al-tikri:t
の al-majid の意味がわかりました。「部族名」 だそうです。例のトランプの人物の中には、al-majid と名前に入っているのが多いようですね。



Appelsien と Apfelsine

にれのや (2003/04/20 01:29)

■現代標準ドイツ語には、「オレンジ」 を指す単語が2つあります。
 (1)Orange [オ'ラんジェ]
 (2)Apfelsine [アップフる'ズィーネ]
(1)は、ペルシャ語→アラビア語→スペイン語→フランス語→ドイツ語
(2)は、コンサイス露和や小学館の独和の語源の綴りが正しいならば、
  オランダ語 appelsien → 低地ドイツ語 appel-sina → 現代標準ドイツ語
となるようです。



と ケ

高駒麗人Koma (2003/04/20 01:09)

「」(三水“九”)の字は皆さんご利用のパソコンの日文・中文ソフトでは打てますか?漢字辞書の「さんずい」の所にあるでしょうか。WindowsにはあってもMacintoshにないようです。
「ケ小平」の「ケ」も、Winの漢字辞書にはあってもMacにないので、WinからMacに移すと文字化けして?マークになるようです。
「」と「ケ」は、ちゃんと出ているでしょうか。

http://www2.big.or.jp/~yabuki/doc8/ka910415.htm



名 小孩不笨

高駒麗人Koma (2003/04/20 00:24)

zo-さんへ
>ビール、ビン(門の中に虫)南語では、アモイ(廈門)あたりでは「麦酒」、台湾では接中辞のようなものが入り「麦仔酒」と言ったりします。台湾では日本語からの外来語で、ビールということが多いですが。
所変われば漢字変わるですね。台湾で「ビール」はどういう漢字で書くか知りたいので後で調べてみる事にします。

らにいさんへ
champagneは日本では「三鞭酒」、唐土では「香檳酒()」です。やはり「コナン」は『名探偵コナン』(名偵探柯南)でしたか。
>『来夢来人』あとで読んでみたいと思います。
絵が凄く丁寧で、ストーリーも面白いですよ。

>日本漢字能力検定協会『漢検 漢字辞典』にはお酒の名前にこんな当て字(熟字訓)も載っています。「ジン」→「洋酒」、「ウオッカ(ウォッカ)」→「火酒」、「カクテル」→「混合酒」
こういう漢字は今、日本では使われないのに何の意味があるのか理解に苦しみます。中国の状況を無視した日本列島内の漢字のオタク合戦には参加したくありません。

漢字の本場・漢土(唐土、中原)では、ginは「金酒」jinjiu(「金」も)で「洋酒」yangjiuと言えば葡萄酒・ワインも威士忌・ウィスキも含みます。「ボトルキープ」は「存洋酒」cun yangjiuです。vodkaは「伏特加」futejiaです。Cocktailは既に申しましたように「鶏尾酒」字weijiuです。これらの漢字を覚える方が実用的です。
もっとも「ロ卑酒」の他に「麦酒」も高麗半島や唐土南方で使われていますから、廣い唐土では別の(場合によっては日本式の)漢字表記もあるかもしれません。

http://www.twin2.co.jp/recommend/045/1.htm
http://cn.movies.yahoo.com/020624/127/14qu4.html

Net上で「[敢心]han仔鬼情霊 I Not Stupid」というSingapore映画が映画紹介されて、clickすると写真が出て「小孩不笨」と書いてあります。華語の題目が2種類あるのでしょうか。
梁智強Liang Zhiqiangが Jack Neoと言うのは少し信じられませんでした。「梁」がNeo、LがNになって iangが eo になる変化も理論上有り得ます(iangは ieaoung という音声連続)が凄い変化です。
日本語による映画紹介サイトでは、登場する三人の少年名は「コクピン」(「國彬」マンダリンで Guo Bin)、「ブンホック」(「文福」國語でWen Fu)、「テリー」Terry(「達利」普通話で Dali)です。テリーは英語名として、「コクピン」「ブンホック」は福建・台湾語でしょうか。[門虫]語で「文学」は bunhakで、「福建」は Hokkienで、「中國」は Tiongkokのようですから。

「校」はマンダリンでxiaoですが「校正」の意味では音符「交」と同音jiaoで、「[サ交]瓜」jiaoguaのjiaoや「比較」bijiaoの「較」jiaoとも音符が共通しています。
日本語で「交」「校」は「コウ」(<カウ)ですが「較」は「カク」です。「較」は古代k入声かとも思われますが、朝鮮語で「学校」hakkyo、「比較」pigyoで「校」「較」kyo〜gyoは開音節。これは以前触れた「告」の日本語音「こく」と朝鮮語koのような物でしょう。「浩」は日本語音でも「コウ」ですし。



Re: 較正と校正の混乱

古本屋 (2003/04/19 21:43)

書込みは初めてか2度目くらいです。「紙業提要」(王子製紙株式会社編、昭和17年11月3日(初版昭和13年10月)丸善)353ページに、“九.校正”という項目が立てられて、この言葉が使われています。本書は、印刷に関するものではなく、紙に関するものなので、出版・印刷の専門のものに当る必要があるかもしれません。もし、“較正”という言葉が使われていたとしたら、昭和13年10月以前ということになるのでしょうか。



Re:お酒

らにい (2003/04/19 12:29)

>松茸さん
>「ジンは『杜松酒』では?」
そういう表記もあるんですか!?
いや、これ以上詳しいことは分かりませんので・・・(--;)



Re: 較正と校正の混乱

massangeana (2003/04/19 07:12)

まず, 「正しい」ということについていうと:
JIS Z 8103 (計測用語) で「校正」となっているのでそれを使うのが現在としては「正しい」
のであり, 混乱はしていないことになります。

つぎに JIS を改定して「校正」を「較正」にしようとすると, JIS Z 8301 (規格票の様式) で
漢字は常用漢字表の字種と音訓を使うことになっており, 常用漢字表では「較」の音として
「カク」しか認めていませんから, 「較正」と書いてコウセイと読ませることはできず,
「こう(較)正」と記すしかなくなります。

中筋さんがおっしゃる「正しくは」というのは, じっさいは正しいかどうか
でなく, 以前は「較正」の字が使われていた, ということにすぎないのでは
ないでしょうか。



マンダリンその他

松茸 (2003/04/19 05:38)

http://www.m-w.com/cgi-bin/dictionary?va=mandarin
の“梵語>マレー語>ポルトガル語>英語”という解説が正しいかどうかは判断できませんが
| Date: 1589
が信頼できるならば、これは清朝が成立する前(どころか、太祖ヌルハチはこの頃まだ女真の一豪族)ですから、「満大人」説は怪しいことになります。
 なお、上記では“「みかん」の意味のmandarinは色の連想から”となってますが、原産地は中国周辺ですから、おそるべき偶合ですね。(^^;

 以下は余談:
・柳田国男の『信州随筆』に《日露戦争の頃、りんごを指して「北海道のだいだい」と言った人がいた》旨の記載がありました。"appelsien"と正反対の例?
・オレンジの類が地中海世界に伝播したのはAD1000年前後なので、レオナルドが『最後の晩餐』にオレンジを描いているのは時代錯誤、というのはよく聞きますが、もっと凄い(?)例:
| 古代エジプトの話ですが、食糧の貯蔵庫について
|   「オリーブ、オレンジ、無花果、とうもろこし、たいていの果物は揃っている」(p.131.)
|   といわれています。
http://clinamen.ff.tku.ac.jp/Mystery/Shimada/Shimada_pyramid.html

* ジンは「杜松酒」では?
 「火酒」はラムのことだとばかり思っていましたが、実際はウォトカに使うことが多いようですね。



較正と校正の混乱

中筋敏明 (2003/04/19 04:38)

初めまして、中筋と申します。
機械工学あるいは電気工学の分野で、計器類の目盛りを標準器と比べて正すことの用語と
して、英語で言うところの calibration をかつては「較正」を用いていましたが現在で
は「校正」が用いられることが一般的になってしまっています。この用法は間違いとは言
い切れませんが、正しくは「較正」を用いるべきと認識しています。いつ頃からこの混乱
が始まったのかを知りたいし、できることなら「較正」を復権させたいと思います。私が
知る限りでは1971年に発行された無線雑誌の広告記事には「較正」が用いられています。
なお手元にある1974年発行の岩波国語辞典第2版には目盛りを正す意味として校正・較正
とも掲載されていますが最近発行された辞書は校正に一本化しているものが多いようです。



清朝の官吏は

zo- (2003/04/19 03:41)

満大人(man3 da4 ren2)でしたっけ?それともこれは単なる俗説でしたっけ?



апельсин について

にれのや (2003/04/19 01:18)

■апельсин の語源は松茸さんの書かれているとおり、オランダ語 appelsien との記述があります。ロシア語にオランダ語が多量に入ったのは、ピョートル大帝のころで、ペテルブルク建設とともに、オランダの印刷技術や造船技術がロシアに取り入れられました。船舶に関する用語にオランダ語が多いのはそのためです。断定はできませんが、appelsien も、そのころのものかもしれません。
■appelsien は 「オレンジ」 の意ですが、「みかん」 の意で мандарин [マンダ'リ-ヌ] という単語があります。これは、フランス語の mandarine からです。
■また、мандарин には、「清朝の官吏」 という意味があり、これは、ポルトガル語の mandarim からです。英語にも、mandarin という単語があって、同じように、清朝の官吏を指すとともに、「北京官話」 という意味があるようですが。
■ロシア・ソ連では、オレンジ、みかんとも、コーカサスから供給があったようです。ソ連時代に、мандаринと書いたガムを買ったことがあります。共産主義で半世紀経っていたソ連では、商標という概念がほとんどなく、「商品には、その商品の名前が書いてあるのが普通」 でした。チョコレートには、「チョコレート」、ジュースには 「ジュース」 といった具合です。街の商店も、本屋は「本」、洋服屋は「服」 などと書いてあるのが普通でした。どれも国営なので、競争するのは意味がなかったのです。
■ゴルバチョフの少し前から現れ始めたスーパーで、みかんジュースを買ったことがあります。金魚鉢ほどの大きさのガラス瓶いっぱいに、みかんジュースが入っていて、ラベルには、ただ、「сок мандарина」(ソーク・マンダリーナ=みかんのジュース)とだけ書いてありました。
■以前にも書きましたが、ホテルの前で軍用腕時計の密売をやっていた少年と友達になりました。Владик[ヴ'らーヂック] ウラジクという名前でした。今は、20代後半だと思います。ソ連・ロシアは、徴兵制がありますが、ゴルバチョフ期から、兵役逃れが頻発していました。どうも、このウラジクもその口だったようです。健康そのものなのに、兵役免除になったといいます。診断書を見せてもらったら、兵役に不適格になった理由の欄に、ただ一言 "апельсиновая аллергия"[アピり'シーナヴァヤ・アりル'ギーヤ] と書いてありました。「柑橘類アレルギー」 という意味です。いったい、柑橘類アレルギーぐらいでほんとうに兵役不適格なのか、それとも、ブラックマーケットの方から手を回してどうにかしたのか、未だにわかりません。
■ところで、ロシア語で 「夏みかん」 のことを китайский апельсин [キ'タイスキイ・アピり'シ-ヌ] と言います。
■オレンジ・みかん・夏みかんとも、「中国」 と関連づけられているところが興味深いですね。



Re:続「サイダー」

きしろふ (2003/04/18 21:28)

ちなみに「ソーダ」はオランダ語からきていると辞書に書いてあります。



Re:続「サイダー」

きしろふ (2003/04/18 18:24)

>Maniac C.さん
詳しい説明ありがとうございます。
いろいろあるんですなぁ〜(^_^)
「ソーダ(soda)」は「曹達」とも書きますね。



お酒

らにい (2003/04/18 12:53)

>高駒麗人KOMAさん
>「普通は『香檳酒』xiangbinjiuです。」
ところ変われば漢字変わる?
>「(未来少年でなくて名探偵のほう?)」
説明不足で大変失礼しました。『名探偵』のほうです。
「週刊少年サンデー」の今週号(2003年20号{4月30日号})に載っています。
『来夢来人』あとで読んでみたいと思います。
「三鞭酒」は日本独特でしょう。なぜ「鞭」使っているかは分かりかねますが・・・
あと、日本漢字能力検定協会『漢検 漢字辞典』にはお酒の名前にこんな当て字(熟字訓)も載っています。
 「ジン」→「洋酒」
 「ウオッカ(ウォッカ)」→「火酒」
 「カクテル」→「混合酒」



いろいろ

zo- (2003/04/18 05:58)

 jiao guaでズッキーニを表わすことがあるんですか。野菜の名前はいろいろですね。

 ビール、ビン南語では、アモイあたりでは「麦酒」、台湾では接中辞のようなものが入り「麦仔酒」と言ったりします。台湾では日本語からの外来語で、ビールということが多いですが。



re:リンゴとオレンヂ

松茸 (2003/04/18 01:45)

 にれのや師匠のレスがないので、横から失礼します。

 手元の三省堂『コンサイス露和』には、апельсин は「<オランダ appelsien 'シナのりんご'」とありました。
 もっとも、近代オランダ語では"sinaasappel"が普通で、"appelsine"はフラマン語に遺存しているようですね:
http://www.google.co.jp/search?q=sinaasappel
http://www.google.co.jp/search?q=appelsien
 これらと"oranje"がどう違うのか、詳しい方はご教示願います。



re サイダー(続)

Maniac C. (2003/04/18 01:29)

どうも「サイダー」の語源は仏語、という認識になりそうな感じですが、
下記HP「清涼飲料の歴史」によれば、やはり英語が語源のようです。
http://www.suntory.co.jp/jiten/word/c_n_061.html
ま、英語ciderの語源自体は、後述しますが、古い仏語起源ですがね。

■『角川外来語辞典』「シャンペン サイダー」より。
 【英 champagne cider】○1炭酸を含んだ清涼飲料.
 ○2りんご汁にブランデーと甘味料を加えて発酵させ,
 ビンに詰めたあとで,酵母を抜き去った一種の果実酒.
 ※但し、この語句は、下記2つの辞典には立項なし。
  詳しくは下記のHP「三ツ矢サイダーの歩み」を参照。
 http://www.asahiinryo.co.jp/mitsuya-cider/museum/index.htm
■研究社『リーダーズ英和辞典』‘cider’より。
 (米用法)果汁, りんごジュース; (英用法)りんご酒.
 ★特にりんご汁を発酵させないものをsweet 〜,
  発酵させたものを hard 〜 という; 日本の「サイダー」は
  炭酸水 (soda pop).
■研究社『新英和大辞典』‘cider’より。
 1(英)りんご酒, シードル(りんご汁を発酵させて造る酒; 飲料のほか
 酢の原料にもする):⇒ hard cider, sweet cider. ★日本でいう清涼
 飲料水のサイダーはこの語の誤用. 2(米)(りんごなどの)果汁.
 ※「誤用」と言い切っちゃってます(^^)。
■同‘hard cider’より。
 発酵りんご酒(アルコール分10%未満の発酵りんご酒; cf. sweet cider).
■同‘sweet cider’より。
 未発酵りんご酒(cf. hard cider).
※http://www.nn.iij4u.or.jp/~sanakita/applevinegar.htmlの
 「『サイダー』って何?」には以下の記述が。
 アップルサイダー
  1) リンゴを搾った飲み物。加熱殺菌していない
   アルコールを含むサイダーと区別するときには、「スウィートサイダー」と呼れる。
  2) リンゴ酒、シードル。
   アルコールを含むサイダーは、「ハードサイダー」と呼ばれることもある。
 アップルジュース:リンゴを搾った果汁。加熱殺菌してある。
 日本でサイダーと呼ばれる炭酸飲料水は、英語ではソーダ(soda)と呼ばれます。
■研究社『英語語源辞典』より。
 中期英語cider, sider←(借入)古仏語sidre,cisdre<後期羅語si ̄ceram(=濃い酒)
 ←(借入)後期希臘語si ̄ke´ra←(借入)希伯来語∫e ̄kha ̄´r ← (借入)阿卡徳語
 ∫ikaru(=飲料、麦酒)



苹果 伊拉克 麦酒 鶏尾

高駒麗人KOMA (2003/04/18 00:52)

皆様、林檎や南瓜、黄瓜等についてご説明ありがとうございます。Grazie.

「苹果」については「苹」は「萍」ではなかったかとか、「果」は「菓」だったかと悩む時がありますが、「平果」という表記もあるようです。
「[艸交]瓜」jiaoguaという言葉で「ズッキーニ」zucchikiを現すのは、中国の料理店等で現実に行われていることです。辞書の記述と厨房の言葉はよく噛み合わず、食い違います。
唐土では「芸豆」yundouを「云豆」yundou、「鮟鱇」ankangを「安康」と書くのに、「[艸交]瓜」を「交瓜」と書くと唐人が間違いだと言ってくるのですから頭に来ます。

「イラク」の唐字(漢字)表記は「伊拉克」、北京語音は Yilakeです。Baghdadは「巴格達」Bageda、「イラン」Iranは「伊朗」yilangです。「コーラン」Koran(Qur'An)は「古蘭」Gulanなので、語末nがnだったりngだったり色々です。

「三鞭酒」は初めて知りました。普通は「香檳酒」xiangbinjiuです。
「ビール」は唐土で「[口卑]酒」pijiu、高麗半島で「麦酒」maekchuですね。
これら「酒」は例によって唐土北部で「」(三水に九)とも書かれます。
カクテルCocktailは唐土で「鶏尾酒」jiweijiuです。カクテルの語源を紹介した『コナン』(未来少年でなくて名探偵のほう?)は見ていませんが、機会があれば一見したいです。外見小学生・中身高校生の江戸川コナンがお酒と関わるのは面白いです。

漫画『BAR来夢来人』では各種鶏尾酒のrecipeが紹介され、主役の沙羅がManhattan、Four Roses等の名(酒名)の由来を紹介していて面白く読めます。今宵一酔の幻をどうぞ。
http://www.kaihatu.com/raimuraito/(←この来夢来人は別の店)

http://www.google.com/search?q=%A5%AB%A5%AF%A5%C6%A5%EB+%D5Z%D4%B4&ie=GB2312&hl=zh-CN&lr=
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a5%ab%a5%af%a5%c6%a5%eb+%b8%ec%b8%bb&hc=0&hs=0(「カクテル 語源」で 検索)

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%cd%e8%cc%b4%cd%e8%bf%cd+%c2%e7%cf%a2&hc=0&hs=0



反省m(_ _)m

きしろふ (2003/04/17 22:41)

>らにいさん
そう仰っていただいてありがたき幸せです(汗)



(無題)

らにい (2003/04/17 20:24)

いえいえ、今度から気を付けていただければ(^^;)



しまった!!!

きしろふ (2003/04/17 18:18)

らにいさん、大変申し訳ありませんっ!!!(>_<)
何狂っていたんだ私は!?ああ・・・(T_T)



「サイダー」

らにい (2003/04/17 18:16)

>Maniac C.さん、けんとさん、らにいさん
Thanks!
なるほど、「シードル」からきているということですかぁ。
「シードル」は二、三度飲んだことあります。



Re:サイダー

らにい (2003/04/17 12:42)

Maniac C.さんやけんとさんの言うとおり、
「サイダー(cider)」はフランス語「cidre(シードル。発音は『スイドル』)」からですね。どっちも「りんご酒」の意味を持っているようです。
>「現在日本でサイダーというのはシャンペン サイダーの略」
そーなんですかぁ。いやぁ〜(^^;)
「シャンペン・シャンパン(champagne。フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡酒から)」も「三鞭酒」と書きますね。(「三(読み)」は「三味線」の「三」から)
ちなみに今週の『コナン』のなかで「カクテル」の語源について語られています。
>arayebisさん
>「英国では清涼飲料水のサイダーはlemonadeと呼んでます。」
「レモン水」という意味でしたっけ?確か「ラムネ」は「lemonade(レモネード)」がなまって出来た言葉だとか・・・
「ラムネ」は「月賦」という意味もありますね。



サイダー

arayebis (2003/04/17 10:08)

サイダーはケルトの文化なので、英国(南西部)、ブルターニュ、スペイン(北部)に
残っています。
サイダーがお酒以外を意味するのは日本と米国で、米国では清涼飲料水をsweet cider、
お酒をhard ciderと呼び分けることがあります。(日本ではサイダーとシードルですね)
英国では清涼飲料水のサイダーはlemonadeと呼んでます。
英国のパブで飲むパイントのサイダーはなかなか美味しいものです。



ciderはcidreから

けんと (2003/04/17 06:31)

仏cidre→cider→サイダー
アルコールの有無の問題ではなく、原語は、仏cidreと思います。



リンゴとオレンヂ

Maniac C. (2003/04/17 02:40)

露語が得意な、にれのや師匠に質問です。
露語でオレンヂのことをапельсинと言うそうですが、
これって、appleと何か関係の有るものでしょうか?
お手隙でしたらお教えください。



Re: ヌートリア

Maniac C. (2003/04/17 01:28)

>massangeanaさん
>英語 nutria (ヌートリア)は,…water とは関係なさそうです。
→研究社『英語語源辞典』には何故か、lutraと印欧祖語*wed-の変形*udro-とを結び付けています。へ(¨)へ
実は私も、どこから語頭のlが出て来たのか不思議に思っていました。
仰るとおり、*leu(@)-と考えた方が、納得が行きます(今度はtの由来で悩みますが…)。

>アラビヤ語に wa:din (谷・川) って単語
→英語のwadi「涸谷」と関連有るとすれば、同書では、亜剌比亜語wa ̄´di ̄(channel of a river, valley)からの「借入」とされています。



re 「果」と「菓」

Maniac C. (2003/04/17 01:04)

きしろふさんの補足・裏づけです。
■「果」…象形。木の上にくだもの(木+連体助詞ナ+物)が成っている形。木が実を結ぶのは最後の段階なので、終わりの意味になる。
■「菓」…形成。艸が形を表し、果が音を示す。艸は植物。果は果実。菓はくだものである。もともと果が果物の意を持っていたが、果は、はたすという意味に使われるようになったので、艸を加えた菓をくだものの意に使うようになった。
 以上、小学館『新選漢和辞典』より。

■「くだもの」…木の実などで、酒の肴・副食品・間食品となるもの。
■「くゎし」…常食の他に食する嗜好品。中世までは主に果実を用いたので言う。近世では、米・小麦の粉・餅などに、砂糖・餡などを加えた食品をも言った。
 以上、『岩波古語辞典』より。



re サイダー

Maniac C. (2003/04/17 00:42)

■『角川外来語辞典』「サイダー」より。
本来はりんご酒.現在日本でサイダーというのはシャンペン サイダーの略としてのサイダーであり,シャンペン サイダーには,アルコール分のあるのとないのとあるが,ないほうが普及したので,現在一般には甘味炭酸水に属する清涼飲料をさす.日本のサイダーはイギリスではsoda popにあたる.
■日本語では、酒精分の有る方は、仏語由来の「シードル」を使うのではないでしょうか。



サッダーム еще

にれのや (2003/04/16 23:37)

■Maniac.C さん、だんけしぇーんかむばっくです。
ほっほぉ、『英語語源辞典』そろそろ買いますか。研究社?

クセジュは、確かにいいテーマのものがありますね。でも、どうも、あのヘタクソな翻訳はガマンなりませんねえ。おい、これ下訳か? と言いたくなる。意味のわからないところが多くて、おい、原文見せろ、とも言いたくなる。ですねえ。

■Wikipedia にあった s.adda:m = one who confronts ですが、基本の動詞
   s.adama [さダマ]
には、「ぶつかる、打つ、たたく」などの意味しかありません。III (派生第三形) の動詞に
   s.a:dama [さーダマ]
というのがあって、これには、「抵抗する、立ち向かう」の意味があります。

■Wikipedia には、サッダームのフルネームが
   s.adda:m h.usain al-majid al-tikri:t
と記されています。s.adda:m は本人の名前、h.usain は父親の名前、al-tikri:t は出身地(文法上は所有格) です。するってえと、al-majid は祖父の名前ということになります。確かに、アラブ人の名前に majid ['マジッド] (本来は 「高貴な」の意の形容詞) というのはありますが、わからないのは、al という定冠詞がついていることです。サッダームの祖父は、ティクリートでは、定冠詞がつくような、何か相当、有名な人物だったということでしょうかね?



訂正

ロスケ (2003/04/16 20:02)

すみません、だいぶ前にラジオで聞いた話なので私のメモリがフラグメントしておりました。
読み直したら全然辻褄があっていないですね・・、大戦後間もない頃は車内放送などなかったでしょうから。

>第二次大戦後間もない頃、旧皇族の方が八戸に行きそこなった話
>を思い出したからです。

デフラグすると、多分もとの話はこんなだったろうと思います。
「第二次大戦後平民になった旧華族の方が、後に・・」

また、車内放送ですから伸ばさずに「次はハズノヒ」ですかね。

#どっちにしても、どうでも良いことですみません。



まこも

zo- (2003/04/16 19:11)

きしろうさん

 「お菓子」ってもともと果物なんですか。確かに「水菓子」とはいいますね。

massangeanaさん

>[草冠に交]瓜ってやっぱりマコモのことなんですか。台湾では[草冠に交]筍といって、よく食べます。「瓜」というから違うものかと思ってました。言われなかったら、柔らかい筍の一種だろう、と思ってしまうような野菜です。いろいろな料理に使いますが、バーベキューとかで、皮ごとやいて、むいて食べるとおいしいですよ。



「果」と「菓」

きしろふ (2003/04/16 18:52)

>zo-さん
>日本語では「『果』物」と「お『菓』子」書き分けていますが、どういう由来なんでしょうか?
由来そのものはちょっと分かりませんが、「菓」は「果」が派生していった字だといいます。
「菓子」はもともと「くだもの」を指していたのですが、室町時代に今のような間食用のものも含まれていき、江戸時代に本格的に「おかし」の意味になってきたようです。それにともない「くだもの」を「菓子」と区別するため「水菓子」と言うようになったようです。よく「水菓子」を羊羹やゼリーなどと勘違いされる人が多いようですが(特に若者層)。
>サイダーって、辞書によると日本語でも「りんご酒」っていう名前あるそうですね。
私も調べました。確かに元々は「りんご酒」の意味のようですね。
だったら「サイダー(cider)」の語源は?

>らにいさん
私も少し地名の漢字表記、調べていたことがありました。
「イラク」の漢字表記が分からず断念しましたが(汗)

そういえば前にこんなことを聞いた事がありますが、
戦時中に英語が禁止になったとき(昭和18年だったっけ?)、野球の用語も全て日本語に替わったそうです。
今でも「二死満塁」とか「本塁打」とかいう言葉は残っていますが、「セーフ」は「よし」、「アウト」は「だめ」だったそうです。(「ストライク」も「よし」だったかな?他はちょっと分かりません・・・)
野球ではありませんが、「ビール」も「麦酒」と表記替わったということ。
(「ビール」はドイツ語「bier」から。英語は「beer(ビア[ー])」。余計?(^^;))



Re: ヌートリア

massangeana (2003/04/16 17:45)

Maniac C. さん:
>一見関係の無さそうなotter(川獺)とnutria(水狸)も同根で、「水棲動物」の意味

英語 otter, ギリシア語 hydra (海蛇), サンスクリット udra- (かわうそ)
などは water と関係があるようですね。

英語 nutria (ヌートリア)は, スペイン語 nutria (かわうそ) に由来し, ヌー
トリアの皮をかわうその皮といつわって売ったことに由来すると聞いています。
さてこのスペイン語 nutria (フランス語 loutre, イタリア語 lontra) はラ
テン語 lutra (かわうそ) に由来しますが, lutra は luo (洗う) から来てい
て, water とは関係なさそうです。

ところで, アラビヤ語に wa:din (谷・川) って単語があるんですが, これっ
て... :-)



Re: 林檎など

massangeana (2003/04/16 16:51)

高駒麗人さん:
>「喫」
>漢語方言でもt入声とk入声が両方あります。
これは主に 2つの理由があると思います。
1. 「たべる・のむ」の意味で「喫」を使っていない方言ではそもそも「喫」の字音が
  存在せず, 別な字の音を当ててしまっているのかもしれません。
2. 日本語でキ・クで終わる字が必ずしもすべての方言で -k で終わるわけではありません。

喫は古く荘子に「喫詬」(たくみな言葉)という語がありますが, カイと読むよ
うです。「たべる・のむ」の意味はおそくとも唐にはあったようですが, こち
らは入声の錫韻(k'ek, 漢音ケキ)らしいです。いっぽう吃は「どもる」という
意味で, 迄韻(ki@t, 漢音キツ) です。現在の北京音 chi は不規則で(qi にな
る筈), 呉語は入声が一種類しかないので -k だか -t だかわかりませんが,
南昌(カン語) で ch'iak のような音になり, 「喫k'ek」の白話音から規則的に
変化した形と考えることができます。梅県(客家語)では「たべる」ことは「食s@t」
といい, 「喫」は使わないようです。私の見た本の 1つでは ts'@t となっていました
が, これは不規則で(k'ek に由来するなら読書音で k'it になる筈), 上記の「食s@t」
となにか関係がありそうです。

>[草冠に交]瓜
『中日大辞典』によると, 「[草冠に交]白」に同じで, 「マコモダケ: まこもの新芽のくきが
黒穂病菌の寄生で肥大したもの. 竹の子に似てよく食用される」とあります。『中日大辞典』は
他の本には載っていない食物名・料理名が多く載っているのでおすすめです。

>林檎
>梵語のlinkimから
この語は見つけることができませんでした。
>リンキンでなくリンゴなのは
和名抄には「利宇古宇」とかいてあります。リムゴム(呉音)のムが片方ないし両方ウになり,
後ろのムだけがウになった形からさらにウが落ちたのがリンゴなのでしょう。同じような例は
岡島昭弘さんの「唐音語存疑」にたくさん例があがっています。
 http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/ingaku/toingo.htm

Maniac C. さん
>陳臓器
唐の陳蔵器 :-) の『本草拾遺』ですね。



サイダー

zo- (2003/04/16 14:19)

サイダーって、辞書によると日本語でも「りんご酒」っていう名前あるそうですね。

普通は「苹『果』」で、日本語の「『果』物」「『果』実」と同じだと思います。…が、日本語では「『果』物」と「お『菓』子」書き分けていますが、どういう由来なんでしょうか?



漢字いろいろ

らにい (2003/04/16 13:07)

高駒麗人komaさんの「林檎」ネタを見てで思い出したことですが、
「サイダー」を「苹菓酒」と書くそうですが、
「苹」は「浮き草」という意味で、確かに「苹果」は林檎のことを指し、
「菓」は「おかし」とか「くだもの」という意味。(ここでは「おかし」の意か?)
「酒」はそのまま「さけ」ですが、アルコールが入っていないのに・・・?
「浮き草のおかしの酒」?????
う〜ん・・・・・・(--;;)

最近は外国の国名や地名をどう漢字で書くかということを調べています。
大体ここらのサイトで調べています。
http://www.ss.iij4u.or.jp/~ana/chimei.htm
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/mutumi/gaikoku/index.html
http://www2u.biglobe.ne.jp/~misaki_u/quiz/kaz/kz050-01.htm(アメリカ50州)
http://www.paw.hi-ho.ne.jp/sakura-fubuki/beikoku50syu.htm(アメリカ50州)
さて私もいろいろと「目から鱗が落ち」たことがありました。
それは日本で使われている国名の言い方です。
 ・「ギリシャ(ギリシア)」「トルコ」「ヨーロッパ」「ローマ」はポルトガル語から由来。
 ・「ジャワ」「ハーグ」はオランダ語から由来。
 ・「ペルシャ(ペルシア)」はギリシャ(ギリシア)語から由来。
あと「ドイツ」はドイツ語からと思いきやオランダ語から。
言い回しの殆どは英語からの由来ですからねぇ、自分はすぐ英語と結び付けてしまう・・・(^^;;)
いろいろと勉強になります。



トウガン

zo- (2003/04/16 12:32)

倭瓜で思い出したんですが、トウガンのことを矮冬瓜というのを聞いたことがあります(別に小さいものではなくても)。倭瓜は確か南瓜の意味で使っている地域もあったと思います。

ズッキーニは私も夏南瓜だと思っていました。



津の構内放送

ロスケ (2003/04/16 05:08)

Maniac C.さん
>>JR駅では「つー」と伸ばすのに、私鉄のほうは「つ、つ、つでございます」。
>→面白いですね。実際にお聞きになったのですか?

Да!
津に親戚がいて、時々遊びに行きます。駅のアナウンスで「つ」の一文字は言いにくいだろうなどと余計な心配をして実際に確かめました。一般にJR(現在は「私鉄」だが)では駅名を長く伸ばして呼ぶ傾向がありますね・・・例をあげれば上野を「うえのー、うえのー」の類。
余談ですが、青森県八戸駅で、「ハーズノヒー、ハーズノヒー」と連呼された時には笑い転げました。というのも、第二次大戦後間もない頃、旧皇族の方が八戸に行きそこなった話を思い出したからです。その人(女性)は旅慣れていないので、とにかく車内放送で「次ははちのへ」と聞いたら降りることに決めておいたのだそうです。そして、もうそろそろかな?と思ったら天井スピーカーから「次はハーズノヒー、ハーズノヒー」と聞こえてきたので、ああハーズノヒーか・・・まだだ!、と乗り越してしまったとか。 とにかく、JRではない会社線の放送は「つ、つ、つでございます、JR線乗り換えは何番ホーム、○○線は何番ホーム・・・」と忙しいので、「つー」と伸ばしてはいられない雰囲気です。



re 胡瓜 黄瓜 林檎 自然人

Maniac C. (2003/04/16 04:49)

>高駒麗人komaさん
>「きゅうり(<きうり)」は日本で「胡瓜」ですが「き」を「胡」と書くのは抵抗があります。
>唐土では「黄瓜」Huangguaですから「黄瓜」の訓讀「きうり」が訛ったのでしょう。
→仰るとおりです。『平城宮掘調査出土木簡概報』に「天平8年」(=736年)の日付と共に
「黄瓜」の記載が在るそうです。
 西方の由来であることを表す「胡瓜(こうり)」はどういう事情か不詳ですが、隋の時代に
 「胡」の字が嫌われ、「黄瓜」と書かれるようになったとか。

>「冬瓜」dongguaを日本語で「トウガン」と読むにはどうも納得いきません。「瓜」の語末に何故「ン」がついたのか。
→東国訛りで「ン」がついた、と複数のHPに有りました。
 夏が旬の野菜なのに、皮が厚いので保存性が高く、風通しのよいところに置くと、冬まで
 貯蔵できるところから付いた名前らしいですね。

>「カボチャ」を「南瓜」と書くのは流石に強引です。
→小学館『プログレッシブ中国語辞典』nanguaの項に、「俗に“倭瓜”wo1gua1“北瓜”
 bei3gua1(!)という.」との記述有り。

>「[草冠に交]瓜」jiaoguaはzucchiniズッキーニでしょうか。
→zucchiniは「夏南瓜」なのでは?

>日本語の林檎は梵語のlinkimからのようですが、リンキンでなくリンゴなのは「苹果」pingguoと混乱したせいでしょうか。
→藤堂明保著『漢語と日本語』には漢語li@mki@mをリムコムと音訳し、やがて音便によって
 リウコウと言うようになった、と有ります。
 また、中国の陳臓器の「本草」で次のような語源説が唱えられているそうです。
 ■「りんご」の呼び方
  「文林改」という人が黄河を流れてきたこの果物を初めて種えたことから「文林郎果」
  となり、それが「りんご」と呼ばれるようになりました。
 ■「林檎」の漢字体
   初め「来禽」と書かれました。これは、この果物がうまいので、鳥が集まって来た
  ことに由来しています。この後、「文林改」という人が種えたということで「来」が
  『林』に、「禽」が木に生ずる果物ということで『檎』という字体に変わり「林檎」に
  なりました。

>中国の経済用語で、法人に対して「自然人」という言い方があります。どうも公民とか一般人という意味のようです。中国人が作った中日辞典では日本語も「自然人」となっており、中国の法律の日本語譯でも「法人、自然人は…」のようにそのままで移されるようです。しかし「自然人」ではよくわかりません。
→「自然人(しぜんじん)」は経済用語ではなく、法律用語です。私も、
 法学の時間に初めて聞いたときは面食らいました。natural personの
 訳語のようです。法律上、権利義務(法-人格)を付与された組織体たる
 「法人(juridical person)」と区別するため、出生によって法人格を
 取得し、死亡によって法人格を失う人間そのものを「自然人」と呼ぶ
 ようです。法制度上の「人」は、「自然人」と「法人」とに分類される
 わけです。



きゅうり

zo- (2003/04/16 04:01)

今はきゅうりは青いうちに収穫して、野菜として食べていますが、昔(どれくらい昔か分かりませんが)は黄色くなるまでおいておいて、甘みを楽しんだと聞いた記憶があります。ですからやっぱり、黄瓜という感覚なんでしょうね。でも、中国でも胡瓜という地域もあります。



re Aa & きい

Maniac C. (2003/04/16 02:48)

>にれのや師匠
>713年というと、上方のアクセントも今とはちがいましょうね。
→アクセントの歴史については詳しくないのでよく判りませんが、
 ある程度、変わっているのではないでしょうか。

>ところでですが、印欧祖語の形態素の辞典というのは見かけたことがありませんが……
→私の愛読書『英語語源辞典』には、巻末に「印欧語根表」という付録が
 30頁弱ついています。又、白水社Que sais-je?文庫『印欧語』には、
 やたらめったら詳しく専門的な説明が載っております(本体価格\951)。

>また、ところでですが、フランス語の {i+^}le の ^ は s を略したことを示すと心得ていましたが、するってえと、この略したはずの s というのは、もともとなかったはずの s というこってすかい? Cさん。
→仏語では、12Cまでは発音されていました。しかし、それ以後、子音が
 後続する場合、-s-は消失し、表記の上では18世紀まで残されました。
■insula>i~sla>isle>i^le(s>z>δ>ゼロ)←後続子音が有声音の場合
■testa>teste>te^te(s>h>ゼロ)←後続子音が無声音の場合
■scola>escola>escole>e´cole← ^ ではない例
■英語のislandの場合、近代英語初期の標準形はiland/ylandでしたが、
 15Cごろから仏語由来のile/yleと連想され、この単語が羅語の影響で
 15C半ばごろからisleと書かれ始め、1700年ごろislandという表記の方も
 定着しました。つまり、英語でも、当時の仏語でも発音されなかった-s-が
 先祖返り的に挿入されたことになります。



訂正 능금 neungkeum > 능금 neunggeum

高駒麗人koma (2003/04/16 02:24)

一方、ワリンゴが 릉금 reunggeumn> 능금 neunggeumだそうでこれは、linkimからだそうです。こういう意味の微妙な変化は林檎が傳わったプロセスと関係ありそうです。



胡瓜 黄瓜 林檎 自然人

高駒麗人koma (2003/04/16 02:22)

ManiacCさん、massangeanaさん、西瓜について詳しい説明ありがとうございます。
日本語でも西瓜をスイクワ、シークワのように發音する所があるのは納得できます。こういう方言は是非残したい(自分で学びたい)物です。
スイクワは始め「水果」かと思いましたが「水瓜」か「西瓜」が正確ですね。
「きゅうり(<きうり)」は日本で「胡瓜」ですが「き」を「胡」と書くのは抵抗があります。
唐土では「黄瓜」Huangguaですから「黄瓜」の訓讀「きうり」が訛ったのでしょう。
「冬瓜」dongguaを日本語で「トウガン」と読むにはどうも納得いきません。「瓜」の語末に何故「ン」がついたのか。

「カボチャ」を「南瓜」と書くのは流石に強引です。「[草冠に交]瓜」jiaoguaはzucchiniズッキーニでしょうか。

まつまつさんへ
法華経による漢字音は興味深いですね。艾敬Ai Jingで御馴染みの艾は現代北京語でaiとyiの二種があるようです。
中国語方言字音データベースは便利ですね。ご紹介ありがとうございます。
http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/fangyin.htm
大陸で「吃」chiは「喫」の代用です。「吃」は日本語音キツでt入声のようです。「喫」は日本語音で「キツ」「ケキ」があり、漢語方言でもt入声とk入声が両方あります。これは不思議です。
http://hpcgi2.nifty.com/Gat_Tin/fangzi.cgi?kanji=%B5%C9
http://hpcgi2.nifty.com/Gat_Tin/fangzi.cgi?kanji=%B5%CA

日本語の林檎は梵語のlinkimからのようですが、リンキンでなくリンゴなのは「苹果」pingguoと混乱したせいでしょうか。北京の林檎賣りは「論个儿、論个儿」Linger、linger(一個幾らで賣りますよ)と叫んで商賣するようです。これを聴くと苹果が「論个儿」という名だと勘違いしてしまいそうです。(「論」をlinと發音するのは北京方言、普通話音に採用されたのはlun.日本語音「論」ロンと「倫」リンの対応も関係ありそう)
唐土(モロコシ)語では「林檎」linqinはリンゴの一種、「ワリンゴ(和林檎)」の事です。
ワリンゴは唐土語で「花紅」huahong、「沙果」shaguoとも言いますが、高麗(コマ)語ではリンゴ一般が「沙果」saguaで、一方、ワリンゴが 릉금 reunggeumn> 능금 neungkeumだそうでこれは、linkimからだそうです。こういう意味の微妙な変化は林檎が傳わったプロセスと関係ありそうです。

きしろふさん&鴛鴦さんへ
マキバオーは私も少し呼んだことがあります。マキバとボクジョーについては私は同じだと思っていましたが。

中国の経済用語で、法人に対して「自然人」という言い方があります。どうも公民とか一般人という意味のようです。中国人が作った中日辞典では日本語も「自然人」となっており、中国の法律の日本語譯でも「法人、自然人は…」のようにそのままで移されるようです。しかし「自然人」ではよくわかりません。

http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%bc%ab%c1%b3%bf%cd+%cb%a1%bf%cd&hc=0&hs=0



Re: AA と きい

にれのや (2003/04/16 01:58)

■さそくのことにありがたきことにてござさふらふ。
713年というと、上方のアクセントも今とはちがいましょうね。

ところでですが、印欧祖語の形態素の辞典というのは見かけたことがありませんが……
洋書にはあるんでしょうか?

また、ところでですが、フランス語の {i+^}le の ^ は s を略したことを示すと心得ていましたが、するってえと、この略したはずの s というのは、もともとなかったはずの s というこってすかい? Cさん。



re 「西」の唐音

Maniac C. (2003/04/16 01:46)

>massangeanaさん
>ありえない音ではないようです。
→えぇっ!? そうなんですか(@ @;)。
 また不勉強ぶりを露呈してしまいました。



re Aa & きい

Maniac C. (2003/04/16 01:37)

>にれのや師匠
>Aqua→(Ahua 想像)→Aha→Aa(→Å) ということですね。
→いいえ。羅語と独語とでは語族が違います(借入関係ではありません)。
■印欧祖語*ak<sup>w</sup>a-→日耳曼共通基語*aχwa-(河川、湖沼)→
 古高地独語aha〔axa〕→現代独語Aa(→現代北欧語Å)ということです。
■古期英語でも、e ̄aという同系の語やi ̄(e)gと言う同根の語が在り
 ました。後者は独語のAue(川中島)に相当し、現代英語のislandは、
 羅語insulamの影響で-s-が挿入されているものの、i ̄(e)glandと
 e ̄alandの子孫です(独語ではEiland)。ついでにScandinaviaの
 -aviaの部分もi ̄(e)gやAueと同系です。

>つまり、Wasser に対する外来語なわけですよね。
→上述のように、どちらも本来語です。
■waterはwet(湿った)と関係の有る語で、そのほかにwash(名詞として、
 湿地・低地・浅瀬・寄せ波。日本語でも「磯に波が打ち寄せる」
 ことを「磯を波が洗う」と言いますよね)やwinter(湿った=雨の
 多い季節)とも関係が有ります。羅語ではunda(波)が同系の単語で、
 ここからundine(水の精)が派生します。露語ではvodkaから指小辞を
 除いたvodaが「水」になるのは御存知の通りです。一見関係の無さそう
 なotter(川獺)とnutria(水狸)も同根で、「水棲動物」の意味です。

>なぜ、川にわざわざ外来語の名前をつけたんでしょうね?
→これも上述の通り、借入語ではありませんし、watersには「河川、
 湖沼」の意味が有るので、割と普通の命名法だと思います。

>「きのくに」は、「国名を漢字2字で表記せよ」という幕府の命で「紀伊」と表記するようになった、ということを聞いたような気がする…
→「幕府」ではなく、天皇ですね。和銅6年(713)の風土記編纂の詔で、
 佳字二字を地名とせよとの命が出ました。五十猛命(いそたけるのみこと)
 という、「木」の神が、多くの木種を持って筑紫から日本全国に播き増やし、
 至る所に青山を作り、この五十猛命が鎮まったところが「木の國」だそう
 で、「木の國」に起こった豪族が紀氏を名乗り、「木の國」は「紀の國」と
 なり、この詔で「紀伊國」と表すようになったそうです。



Re: 西瓜

massangeana (2003/04/16 00:45)

Maniac C. さん:
>「西」の唐音で「スイ」なぞを載せているものは、無い

唐音については資料を持ってないのですが, 『和漢三才図会』の「十五省」の説明で
中国の省名を「山西サンスイ・陝西センスイ・江西キヤンスイ・廣西クワンスイ」と
書いています。また「西安府スイアンフウ」という項目もあります。「西瓜」につい
ては「すいくハ」, 唐音(当時の中国語音)を「スユイ クハアヽ」とし, 「俗云
須以久波, 唐音之訛也」と書いています。ありえない音ではないようです。



Re: サッダームと津について

にれのや (2003/04/16 00:04)

■Wikipedia 使えそうですねえ。s.adda:m=one who confronts は、イケる感じがします。
ところで、新聞、TVで、サッダーム・フサインを、「フセイン大統領」と呼んでいるのは、よく考えるとおかしいですねえ。現代アラブ人の名前は
  (1)本人の名前―(2)父親の名前―(3)祖父の名前―(4)部族名/職業名/出身地のいずれか
という構成になるそうです。省略する場合、(1)-(2)-(4)、(1)-(2)、(1)-(4)、(1) の組み合わせがあるそうです。つまり、「フセイン大統領」という呼び名は、アラブ人にとっては父親の名を呼んでいることになるわけです。

■Aqua→(Ahua 想像)→Aha→Aa(→Å) ということですね。つまり、Wasser に対する外来語なわけですよね。なぜ、川にわざわざ外来語の名前をつけたんでしょうね?
 ところで、上方落語を聴いていると、津は「つう」ですね。「つうへ」という場合、アクセントは「う」が高くて、前後は低いです。
 そこで、思い出したんですが、「きのくに」は、「国名を漢字2字で表記せよ」という幕府の命で「紀伊」と表記するようになった、ということを聞いたような気がするんですが、「き」は2文字にする前から「きい」だったのではないか、なんてことをふと思ったんですけど……
 あたくしは、日本語のほうはとんと不案内でして、このへん、だうでせう?



ちっと余計ですが(^^;)

鴛鴦 (2003/04/15 20:38)

今回の「牧場」については、
正に「目からウロコが落ちる」ですわぁ〜(笑)
(しかし「目からウロコが落ちる」、ことわざや故事成語かと思いきや聖書由来だとは・・・!)



Re:競馬

きしろふ (2003/04/15 20:11)

>高駒麗人KOMAさん
>「『みどりのマキバオー』は『熱門小馬』Remen Xiaoma。『ミドリマキバオー』は『緑色牧場王』Luse Muchangwang」
わたしは毎週読んでいました(^^;;)
「ミドリマキバオー」は一応5文字なんですね。



Re:「牧場」 その2

鴛鴦 (2003/04/15 20:09)

>Maniac C.さん
なるほど。ようやく納得がいきました。お付き合いいただき有難うございます。
UEJさん、massangeanaさん、ロスケさんも感謝しています。
>高駒麗人KOMAさん
>「中国人には『ぼくじょう(牧場)』と『まきば(牧場)』の意味合いの区別は理解しにくい、超難関でしょう。」
然様ですか(^^;)



訂正&追記

Maniac C. (2003/04/15 18:53)

「大和西瓜」と関東地方中心の「都西瓜」の二大品種郡が形成され、
→「大和西瓜」と関東地方中心の「都西瓜」の二大品種群が形成され、

「スイカの歴史」の元ネタは下記のHP。『鳥獣戯画』の絵をご覧ください。
http://www.suika-net.co.jp/suika-history.html



re 「スイカ」の「スイ」

Maniac C. (2003/04/15 18:36)

>高駒麗人KOMAさん
>「西瓜」が「スイカ」(<スイクワ)なのはどうも不規則だと思っていましたが、本来は「水瓜」だったのでは?それをも唐土での「西瓜」xiguaの表記に合わせて「西瓜」と書くようになったのでしょう。

■『広辞苑』『大辞林』などでは、「『スイ』は『西』の唐音」ということ
 になっています。
■しかし、漢和辞典を見ても、「西」の唐音で「スイ」なぞを載せている
 ものは、無いでしょう。
■また、網上での中国語方言字音データベース(下記)で「西」を調べても、
 北京語・上海語でxi1、客家語でsi1、台湾語・潮州語・広東語でsai1
 と、「スイ」になりそうな音は在りません。
■いくつかのHPでは、「江戸時代には『水瓜』とも書かれた」と有ります
 が、それ以前には遡らないのではないでしょうか。

そこで「スイカ」の歴史を繙いてみましょう。
■スイカ栽培の始まり
 スイカの原産地は、南阿の卡拉哈迪砂漠と周辺の草原地帯とされて
 います。その栽培は、4000年前の古代埃及で発見された壁画から明らか
 となっています。希臘には3000年前、羅馬には紀元初期に入り、何と!
 種を食用にしていたと言われます。地中海沿岸で栽培されているうちに、
 果肉を食べるようになったようです。
■西回りのシマシマ西瓜
 欧州中部〜西部には16世紀、英国に入ったのは1597年とされています。
 米国における栽培の歴史は、17世紀に欧州からの移民によってもたらさ
 れ、初めて1629年に馬薩諸塞に、そして1664年に仏羅里達で栽培され
 たという記録が残っているそうです。日本では明治に入ってから、米国
 からもたらされた多数の品種をもとに、昭和初期になって、奈良中心の
 「大和西瓜」と関東地方中心の「都西瓜」の二大品種郡が形成され、
 所謂シマシマ西瓜が出てきました。現在の品種はほとんどが二大品種の
 血筋だそうです。
■東回りのシマなし西瓜
 一方、中国に伝わったのは、紀元後10世紀くらい。「西瓜」の由来は、
 中国の西域から伝播されたところからついたものです。当時のスイカは
 橄欖球のような冬瓜型で、色も黒に近い深緑で無地、味も決して甘く
 なかったそうです。
 中国を経て日本に渡来した時期には諸説が在りますが、天正七年(1579)、
 南瓜と共に葡人が種子を長崎に伝えた、という説が有力です。
 しかし、鳥羽僧正(1053-1140)の『鳥獣戯画』で、ウサギが持って
 いる果物の中に、縞皮スイカらしい絵が描かれていたり、僧義堂の
 『空華集』(1359)に西瓜を和する漢詩が見られたりすることから、
 もっと古い時代(中国にスイカが入ってすぐ)に伝わって、平安朝後期に
 は既に作られていたのではという見方も在ります。
 又、一般的には日本へは寛永年間(1624-1643)に渡来したと言われて
 いますが、慶安年間(1648-1652)に隠元禅師が中国から携えて来た、
 とも言われています。恐らく、この時代に中国や南方から、度々持ち
 込まれていたのでしょう。とにかく、江戸時代には各地で栽培される
 ようになっていました。

■では、「水瓜」とは?
 どうも当て字らしいです。しかも、一般的な理解の「水分の多い瓜」
 よりは 「水の中で冷やす瓜」という説の方が、心惹かれます。
 そこで唐突に一句。
 「西瓜食ふ娘の口の難しさ」(江戸時代の川柳)←「西瓜」は秋の季語。
 蛇足ながら、中国語で「水果」と言うと、単なる果物のことです。
■ではでは、なぜ「西瓜」が「スイカ」?
 各地の方言で、「スイカ」のことを「シーガ/シーカ/シークヮ」と
 言います。これはまさに、中国音のxiguaではないでしょうか。
 飽くまで私の個人的な意見ですが、「スイ」は「唐音」なぞではなく、
 過剰修正音なのだと考えます。
http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/fangyin.htm



re 津 & Wikipedia

Maniac C. (2003/04/15 18:34)

>zo-さん
>三重県に「つ」というところもあります。ここは津「市」で県庁所在地です。
→あまりに有名すぎる地名ですので、大家ご存じと思い、敢えて一覧から
 外しました。追補、有難う存じます。

>ロスケさん
>Maniac C.さんご紹介のWikipediaを読んでいたら、サダムについて興味深い指摘がありました。
→まさか、そんなところへ発展するとは! 予想外でした。
 Uday(Odai)やQusai(Qusay)の名前についての記述までは、パッと見た
 限りでは、見つけられませんでしたけどね。

>三重県の「津」の発音について
>面白いことに、JRと私鉄の駅のアナウンスで異なるようです。
>JR駅では「つー」と伸ばすのに、私鉄のほうは「つ、つ、つでございます」。
→面白いですね。実際にお聞きになったのですか?



サダム他

ロスケ (2003/04/15 04:39)

にれのやさん↓
>サダム s.adda:m の語幹は、どうやら
>   s. d  m
>の3つらしいのです。これからできる基本の動詞は、
>   s.adama [さダマ] 衝突する、たたく、打つ
>です。

Maniac C.さんご紹介のWikipedia(http://www.wikipedia.org/wiki/Saddam_Hussein)を読んでいたら、サダムについて興味深い指摘がありました。
曰く:サダムの母親は妊娠中に(いろいろな事情から)中絶を試みたが失敗しサダムが生まれてしまった。それで「(中絶に)立ち向かう」というアラビア語の名前をつけたと・・・。

三重県の「津」の発音について
面白いことに、JRと私鉄の駅のアナウンスで異なるようです。
JR駅では「つー」と伸ばすのに、私鉄のほうは「つ、つ、つでございます」。



短い地名 西瓜 水瓜

高駒麗人KOMA (2003/04/15 04:03)

漢語音節末tは日本語で「チ」ti>t∫i、「ツ」tu>tsu、kは「キ」ki、「ク」kuですがpは(プp>u)フΦuだけで →(プpu>)フΦuだけで
「ヒ」(フィΦi)は在りません。

また間違えました。すみません。

関西では「津」は「ツー」のように伸ばして2拍にするようです。関西で切符を買う時「ツ・1枚」では通じなくて「ツー、1枚」と言うとわかってもらえるようです。
しかし神奈川にも「津」がありますか。これは初めて知りました。

日本語は「西北」では「西」が「セイ」なのに「西遊記」では「サイ」で、これは難しいと思ったものです。廣東語では「西」は Saiのようですから、「煬帝」の「帝(ダイ)」や「高麗」の「ライ(麗)」に似ているなと思っていました。
「西瓜」が「スイカ」(<スイクワ)なのはどうも不規則だと思っていましたが、本来は「水瓜」だったのでは?それをも唐土での「西瓜」xiguaの表記に合わせて「西瓜」と書くようになったのでしょう。





zo- (2003/04/15 03:10)

短い地名、たくさんありますね。

三重県に「つ」というところもあります。ここは津「市」で県庁所在地です。



世界で一番短い地名

Maniac C. (2003/04/15 02:14)

■Åはノルウェーと、スウェーデンと、デンマークに在るそうで。
■米国編
L(ネブラスカ州にある川)
T(コロラド州にある峡谷)
D(オレゴン州にある川)
■日本編
あ(阿/熊本県)
え(江/茨城県)
お(大/和歌山県)
か(加/千葉県)
き(木/栃木県と千葉県)
く(久/島根県と岐阜県)
し(志/新潟県)
す(酢/滋賀県)
そ(曽/長崎県)
た(田/和歌山県)
つ(津/神奈川県)
で(出/富山県)
ね(根/千葉県)
ほ(保/埼玉県と山梨県と岐阜県)など



Re: 蟹摂

まつまつ (2003/04/15 01:55)

massangeanaさん、ありがとうございました。

すでにmassangeanaさんに回答いただいていますが、一応、文字化けを直しておきます。{馬矣}を1字で書いたのがいけなかったのでしょう。
{}で括った2文字は偏旁合成されて1文字を表すものとします。

以下、再投稿(一部修正)。

さて、やはり「日本の漢字音」の「呉音系字音の混質性」のところで、「『法華経』の読誦音について蟹摂(開口)の場合を検討してみよう。」として、以下のようなリストが挙げられています。

 I   -e / /礙
    -ai 開哀胎来災才材財/海待怠乃宰採在倍/愛戴逮載
 II  -e /解/懈芥疥
    -ai 皆啀{齒此}/{馬矣}/界戒械隘
 III甲 -e / /世
    -ei / /裔制勢逝誓弊蔽
    -ai / /際
 III乙 -e / /偈
 IV  -e 稽/弟/繋計髻
    -ei 低泥斎迷谿/啓涕陛/継詣隷閉
    -ai 西妻啼提/米済礼体/帝諦第切剃戻

この I II III IV の区分はいったい何なのでしょうか。
また、各行の / 区切りの意味するものは何なのでしょうか。



re Aabach

Maniac C. (2003/04/15 01:47)

>にれのや師匠
■下記のページに拠れば、アア川はまだ在るようです。
 羅語aquaと同系の古独語ahaが語源のようですね。
 ノルウェイのÅ(オー)も同源のようです。

http://www.wikipedia.org/wiki/Aa_River



ь(mkaγkij)>ь(mjaγkij)

高駒麗人KOMA (2003/04/15 01:39)

あとЪ(tvёrdyj)とь(mkaγkij)とб(b)とb(Latin文字のb)を混同した印刷ミスも結構あるようです。
印刷関係者や出版社の構成係がロシア文字を知らないですです。
訂正>あとЪ(tvёrdyj)とь(mjaγkij)とб(b)とb(Latin文字のb)を混同した印刷ミスも結構あるようです。
印刷関係者や出版社の構成係がロシア文字を知らないですです。

人の間違いを指摘しといて自分が入力ミスをしているのは情けない限りです。



緑の牧場王

高駒麗人KOMA (2003/04/15 01:35)

>ADMINISTRATOP
私は逆にロシア語のРをRと書きそうになったりします。
日本や中国の雑誌などでロシア文字が記述される時、よくある間違いがИをNやnにする物です。
あとЪ(tvёrdyj)とь(mkaγkij)とб(b)とb(Latin文字のb)を混同した印刷ミスも結構あるようです。
印刷関係者や出版社の構成係がロシア文字を知らないですです。

イラク戦争で、アメリカ兵はアラビア語を知らず、イラクやクウェイトの庶民は英語を知らず、アメリカ兵がアラビア語の会話帳を持っていてもアラビア人には文字を読めない人が多く(ローマ字轉写をアメリカ人が読めばいいのでは?)、アメリカでは現地で英語の出来るアラビア人を新聞で募集したようです。

萬葉假名の甲類、乙類と、北京語のm>b>m類&m>b>w類の分類は違うようですね。
「美味」を「びみ」と読むのは「みみ」や「びび」では解り難いからでしょうか。

中国(台湾と香港も含んで)では「みどりのマキバオー」は「熱門小馬」Remen Xiaoma。「ミドリマキバオー」は「緑色牧場王」Luse Muchangwangのようです。
日本語漢語詞の「ぼくじょう(牧場)」も日本語和語の人名「まきば(牧場)」も中国人が北京語で読めば Muchang になり、中国人には「ぼくじょう(牧場)」と「まきば(牧場)」の意味合いの区別は理解しにくい、超難関でしょう。

「國」は客家語で kuetですか。「客家」は自称 hakka で「客」のk入声は保たれています。
「博多」は「はかた」です。
漢語音節末tは日本語で「チ」ti>t∫i、「ツ」tu>tsu、kは「キ」ki、「ク」kuですがpは(プp>u)フΦuだけで「ヒ」(フィΦi)は在りません。tとkは舌を使う音なのでuやiが自然に続き、pは唇音なのでuがつくのでしょう。
博(はか)徳(とこ)は母音調和のようで面白い。昔の日本人はsaladをsalada(サラダ)で取り入れました。inkをinki(インキ)、荷蘭語glasをgalasu(ガラス)、葡萄牙語GreciaをGirisha(ギリシャ)にするように、西洋系外来語でも比較的古いものは、添加する母音が原語で子音を挟んで隣接する母音に合わせた物になっています。
アイヌ語のユーカラ(yukara)がyukar、シレトコ(Shiretoko)がShiretok、ピリカ(pirika)が pirkaと綴られるのは glas>galasuと逆の現象に思えます。
一方でglassは日本語で gulasu(グラス)、Greco-Romanは Gureko-Roman(グレコ・ローマン)になり、例えば Gereko-(ゲレコ…)ではありません。「はか(博)」に対する「はく」もその様な物でしょう。

「章子怡」は「チャンツィイー」で、日本語では彼女の名に限って「子」は「ツィ」になるようです。日本語では「帽子」「老子」「孔子」「孟子」では「子」は「シ」で、「椅子」、「揚子江」、「扇子」では「ス」、「面子」では「子」は「ツ」で、「餃子」では「ザ」で「金蓮子(キムヨンジャ<キムリョンヂャ)」では「ジャ」ですから「ツィ」が加わっても驚きません。

フセインという名の人物にはファッションデザイナのHussein CHALAYAN(フセインチャラヤン)もいます。1970年キプロス・ニコシア出身らしい。2002年『octobre Journal du Textile(紡績の雑誌、十月号)』のDesigners’Ranking“Le classement des acheteurs professionnels octobre2002”では14位。13位はMARNIでGucciは15位で1位はJean-Paul GAULTIER(この人はJohn Paul、Ivan Pavlov、Giovanni Paulo、ヨハネパウロと同じ名か?)。頑張って頂きたい。
ちなみにシナ語ではHussein CHALAYANは「胡塞因・査拉雅」Husaiyin Chalayaで、Saddam Husseinは「薩達姆・侯塞因」Sadamu Housaiyinです。「フセイン」は本来「フサイン」のようです。

http://www.google.com/search?hl=zh-CN&inlang=zh-CN&ie=GB2312&q=Journal+du+Textile&lr=



Re: 蟹摂

massangeana (2003/04/15 00:50)

>さて、やはり「日本の漢字音」の「呉音系字音の混質性」のところで、「『法華経』の
>蟹摂(開口)の場合を検討してみよう」として、以下のようなリストが
>I II III IV
これは韻鏡の等位ですね。蟹摂というのはおおむね -ai のような韻で, 一等(I)・二等(II)
・四等(IV)が直音, 三等(III)が拗音(介音-i- がある)です。また三等の甲と乙は介音の口蓋化
の強さの違いと考えられます(声母の違いという人もある)。甲の方が口蓋化が強いです。
一等・二等・四等は主母音の違いで, 一等がもっとも奥舌で口の開きが広く, 四等は前舌
で狭い母音だったようです。切韻の韻でいうと, 一等が[口台]韻と泰韻, 二等が皆韻と佳
韻と夬韻, 三等が祭韻(甲・乙)と廃韻, 四等が斉韻です。

>また、各行の / の区切りの意味するものは何なのでしょうか。
これは声調ですね(平 / 上 / 去)。
泰韻・夬韻・祭韻・廃韻には去声しかないので, 三等は去声以外が空欄になっています。



一青のひとと

にれのや (2003/04/14 23:59)

■なるほど。Maniac.C さんよく調べましたねえ。
少し前の、日テレ『FUN』で字一青(あざ・ひとと)を訪ねていました。現在では、一青という苗字の家は一軒も残っていないそうです。

■それはそうとですねえ。友人が、世界一短い地名は、フランスのYとフィンランドのAだ、などと書いてきまして。フランスのY [イ] は知ってしましたが、フィンランドのAとはなんぞや、というわけで、書店で巨大な地図をひもといてきました。
 フィンランドのAはまちがいで、ノルウェイのÅでした。[オー]と読むんですかねえ?

■で、ここからが本題です。索引で目を引いたものがあります。Aaという名前の川が3本もあるんです。それも、ドイツに2本(Aa ['a:])、フランスに1本(Aa [a'α])。これが、わりと狭い地域にあるんですね。で、思ったことなんですが、これは、ひょっとして、この地域に古く住んでいた民族の言葉が、透けて現れているんではないか、と。どなたか、これについて、思い当たるふしはありませんか?



Re:「牧場」

Maniac C. (2003/04/14 22:22)

>鴛鴦さん
>「farm」のひとつとして「pasture」がある。
→いいえ。並列の関係ではありません。
■比喩が適切ではありませんが、farmは「服」のようなものです。
 「服」の構成要素として、「身頃」「襟」「袖」「隠し」「扣子」等が在るように
 farmの構成要素として、pasture, field, barn, sheepfold, pigpen/pigsty,
 stable, orchard, vegetable garden, beehive, hencoop, silo, farmhouse
 等々が在るのです。

>アメリカには「ranch」や「corral」という単語もある。
■英国の辞書にも載っているのだから、英国でも使えます。でも、
 英国に現物そのものは無いのでしょう。

>「ぼくじょう」だと「farm」、「まきば」だと「pasture」という感じになる(?)
■日本語に関する、私の個人的な語感では、「ぼくじょう」は日常・一般的な語、
 「まきば」は非日常的で縁遠い雅語、という感じがします。
■英語では単音節語が日常的な語として好まれ、多音節語は文章語として好まれます。
 UEJさんやロスケさんは、その辺りの語感を反映して仰っているのだと思います。

>「farm」は商業目的、「pasture」は自分のため
→私個人の感覚では、そういう語感は有りません。
■多分、Amishの方々になぜfarmをやってるんだ、と聞いたら、「自分のため」
 あるいは「自分の家族のため」と答えるでしょう。

>「pasture」は「pasteur」からきているんでしょうか?
→いいえ、同根ですが、違います。
■pastureの現代仏語形はpa^tureです。英語は、古仏語の形に基づきます。
■現代仏語pasteurと同系なのはpastorです。仰るとおり、「『牧師』とか『羊飼い』
 とかいう意味」です。こちらはAnglo-Norman/Norman-French/Anglo-Frenchなどと
 呼ばれる方言の、pastourという語形に基づきます。

>「低温殺菌製法」を「パスツール(Pasteur。フランスの学者の名前)製法」なんていうこともありますが?
→pasteurism/pasteurizationのことですね。仰るとおり、彼の名前に由来しています。



Re:「競馬」

きしろふ (2003/04/14 19:18)

>massangeanaさん
>べつに日本の馬といわず, やたら派手な名前が多くて驚きました。
>「宇宙艦隊・唯我独尊・破壊王・魔法幻影......」
めでたいどころか突っ走れですね(笑)「魔法幻影」は別ですが・・・
「メロンパン」や「ドッコイショ」、「ワナ」(どれも実在)などこんな珍名を中国語に変換したらとうなるんでしょうか??



「牧場」 その2

鴛鴦 (2003/04/14 19:11)

>UEJさん、massangeanaさん、Maniac C.さん、ロスケさん
謝謝(ガラにもなく知っている中国語をひけらかす・・・ ^^;)
うーん・・・(頭の回転が悪い自分)
要するに、
 ・「farm」のひとつとして「pasture」がある。
 ・アメリカには「ranch」や「corral」という単語もある。
 ・「ぼくじょう」だと「farm」、「まきば」だと「pasture」という感じになる(?)
あとこれは想像したことですが、
 ・「farm」は商業目的、「pasture」は自分のため
・・・でいいのかしらん?(^^;;)

>「pastureも含め、全て、仏語経由です。」
ということは「pasture」は「pasteur」からきているんでしょうか?
ちなみに「pasteur」はフランス語で「牧師」とか「羊飼い」とかいう意味だそうです。
「低温殺菌製法」を「パスツール(Pasteur。フランスの学者の名前)製法」なんていうこともありますが?

なかなか理解できなくて申し訳ありません(--;)



re ひとと

Maniac C. (2003/04/14 18:52)

>にれのや師匠(4/13)
>FMで、一青窈の『大家』を掛けたパーソナリティーが、「ダージャー」っていうのは「おおやさん」のことですかねえ、と言っていました。
■彼女の苗字が、石川県鹿島郡(七尾湾の南)に在る鳥屋町(とりやまち)一青に由来することは、
 大家(da2jia1)、御承知だと思いますが、では、「ひとと」って何だか、ご存知でしょうか?
■「一青」の読み方は複数在って、「いちと、いっと、いとと、しとと」などとも読むそうです。
■この中で、語源に当たりそうなのは「しとと」。古語です。
 『広辞苑』や『大辞林』には「しとど」として立項されています。
■しとど【〈巫鳥〉/▼鵐】〔古くは「しとと」〕ホオジロ・アオジ・ノジコなどの総称の古名。
 [季]秋。←『大辞林』より。
■この中で「一青」と関係の有るのは、「アオジ」です。
■アオジの漢字表記は、熟字として「蒿雀」とも書きますが、「青鵐」が、語源に忠実なもの。
 青(あを)+鵐(しとと)で、アヲジトト、これが下略されてアオジとなったらしいのです。
■現代語で「あおじ」という鳥が、古語では「しとと」と呼ばれていて、多分、
 「しちや」と「ひちや」、蒲団を「ひく」と「しく」が各地で入れ替わっているように、
 「しとと」と「ひとと」が入れ替わる地域もあったのでしょう。
■すると、「あおじ」の「じ」の部分と「ひとと」の「ひ」の部分との関係が見えなくなります。
 「鵐」なんぞという国字を、民衆が知っているはずも有りません。でも、「青」の字は解ります。
■そこで顔を出すのが民衆語源。「青」は「青梅(おうめ)」のように「オー」と読むではないか。
 きっと、「ひとと」は「ひとつ・あお」>「ひとつ・おー」>「ひととー」、つまり、「一青」
 に違いない。こう思ったのではないでしょうか。
■恐らくは、こんな具合にして、難読地名・難読姓「一青」が生まれたものと思われます。
■蛇足ですが、同じ鳥屋町に在る「廿九日」も難読地名ですね。大家、考えてください。
■下記のページには、アオジの雄の写真が載っています。見てみてください。
 体はスズメのように茶色で、「どこが青いの?」と思われるでしょう。
■実は、アオジの「アオ」はblueを意味しているわけではないのです。
 青木・青山・青林檎…と同じで、greenを意味しているのです。
■頭を見てください。綺麗な阿利布色をしていますよね。

http://www.asahi-net.or.jp/~xn6s-itu/TORI/A/AOJI/AOJI010106-02D.htm



Re:「牧場」

Maniac C. (2003/04/14 12:28)

ロスケさんが語源にまで話を広げてくださったので、それをもう少し膨らませます。
(内容は『英語語源辞典』に基づきます。)

■pastureと同根の語に、pastern, pastor, pastoral, pasturageなどが在ります。
■pasternは、「放牧中の馬などに掛ける足枷(廃用)」>「繋(けい/つなぎ)=球節
と蹄の中間の部分(この部分に足枷を掛けたから)」。初出は中期英語時代の1284年。
■pastorは、「羊飼い」>「(魂の)牧者」>「牧師/司祭」。単語としては1376年
以前ですが、人名としては1242年初出、いづれも中期英語時代です。
■pastoralは、「羊飼いの」>「牧師の」、又、>「牧歌/田園詩」。初出はやはり
中期英語時代の1425年以前。
■pasturageは、集合・状態・動作を表す接尾辞-ageが着いて、「牧草地/牧草/
放牧・牧畜」。初出は近代英語時代の1533年以前。
■pastureも含め、全て、仏語経由です。何となく長閑な語感を感じ取ってもらえ
たら良いのですが。
■古期英語時代の相当語は、densto ̄w(=den+stow), (eten)l{ae} ̄s(=eat+
lease「共有地、共有放牧場」), feohland(=fee+land), g{ae}rs(=grass),
m{ae} ̄d(=mead, meadow)などです。

■farmの語義について補足説明を加えると、英語での原義は「上納金、地代」。
初出はロスケさんの仰るとおり、中期英語時代の1300年ごろ。動詞としては1415
年以前の「(一定の料金で)保護[管理]を契約する」。ここから、(現在は廃用ですが)
「賃貸する」という意味が生まれ、「(賃貸された)農地・農場」となり、これが
現代では賃貸に限らず、一般化されているわけです。
■古仏語fermeは羅語動詞firma ̄re(固める)に遡り、firm(会社)と同源です。
どちらも「署名により固く結ぶ=契約する」という、極めて西洋的な観念に基づい
ています。
■古期英語時代には{ae}cer(=acre)「耕地、[複数形で]地所」と言いました。

■ちなみに、日本語の「まきば」の語源は(以下、『岩波古語辞典』の記述に基づく)、
「むま・き(馬城)」+「には(庭/場)」で、「馬城」は、「牛馬を飼養放牧する
場所」のことなので、字面と異なり、馬だけでなく、牛もいたようです。
■その証拠に、わざわざ「馬牧(うまき)」という、屋上屋を架する言葉を作って
います。こちらは、軍役・運輸に用いる馬を飼養放牧する場所のようです。
■既に「き(柵/城)」に、「周りに垣を廻らせて、内と外を区切ったところ」の
意味が在りますので、「には」は、後代、「作業・仕事をする平らな一定の地域」
という原義に基づいて、「邸内の農事作業をする平らな場所」という意味を付け
加えたものと思われます。
■面白いことに、「キ(乙類)は百済の語か。」と有りますので、mma-ki¨-nβaは、
中国語+百済語+日本語という構成の混種語、という複雑な生い立ちを持っている
ことになります。

■corralは、前掲の英英辞典では(Amer.)と、米語用法であることを明示して、
「an enclosure for horse, cattle etc.(ウマやウシなどのための囲い。)」と有り
ますし、上掲語源辞典にも「((米))(家畜を入れる)柵囲い.」と有りますので、
「飼育するための場所」というよりは「囲み」に重点があるようですね。
kraal「家畜を入れる囲い・檻」と同源らしいです。



牧場の英語

ロスケ (2003/04/14 05:50)

>「牧場」を「ぼくじょう」と読むか「まきば」と読むかによって
>かなり意味が違ってきますね。
>Pastureの語感は後者に近いと思います。

そうですね、たとえば寒冷地の家畜の夏の放牧場はpastureであって、farmとは呼ばないでしょう。
pastureの語源がラテン語のpascere(牧草で養う)なのに対し、farmは中期英語(1150~1500 A.D.)のferme(賃貸)ですから、farmからは商業的な意味がより強く感じられるのではないかと思います。
余談ですが、西部劇「OK牧場の決闘(Gunfight at the O.K. Corral)」のcorralはスペイン語語源で、「柵で囲う」意味だそうです。また、これは主にアメリカでしか使われない英単語だ、とイギリス人から聞いたことがあります。



サッダームがわかりそうでわからない

にれのや (2003/04/14 02:19)

■書店に並ぶ限りのアラビア語入門書を調べてみましたが、単語の派生法を系統だてて説明しているものがなく、袋小路であります。
■ただ、指小辞の派生法は、第2語根のあとを ai に変え、第1語根のあとを u に変える、というのがあって、なるほど
   Hasan → Husain
となるわけ。

■書店に『国際音声記号ガイドブック』という新刊が並んでいます。大修館。
1999年に Cambridge Univ. Press から出たものの訳書ですが、巻末に日本版独自の「本編に収録されていない言語の音声の一覧」が付録としてついています。
 難を言えば、本編の方は、それぞれの言語ごとに、別々の人物が執筆しているために、音声の分析のレベルがまちまちであることです。ある人は、音韻表記に近い分析をし、ある人は、精密表記に近い分析をしている、という具合です。
 また、巻末に、IPAのアルファベット順の一覧がついているのも便利です。



Re: ミ甲類

massangeana (2003/04/14 00:52)

まつまつさん:
>万葉仮名では「美」は甲類のミ、「微」「未」「味」は乙類のミだそうです。
切韻では「美」は旨韻(脂上声)ですが, 「微」は微韻, 「未・味」は未韻(微去声)で
韻が異なります。脂韻は前舌母音, 微韻は中舌ないし奥舌母音を持っていたと思われます。
後に非前舌母音を持つ韻のでは唇音の声母+拗音が摩擦音に変わりました。

>甲類と乙類の区別は頭子音ではなく母音の区別ですが
イ・エ段に関しては頭子音の区別だったという説も有力です。



Re: 競馬

massangeana (2003/04/13 23:36)

きしろふさん:
以前, 電子明報が登録不要だったころときどき馬の名前を見てました。
べつに日本の馬といわず, やたら派手な名前が多くて驚きました。
「宇宙艦隊・唯我独尊・破壊王・魔法幻影......」



「内」の由来(推測)

Maniac C. (2003/04/13 23:24)

内破音の「内」ではないでしょうか?



Re:「牧場」

Maniac C. (2003/04/13 23:19)

>鴛鴦さん
>おもに「farm」は作物、「pasture」は家畜というような使い分けですか?
>アメリカでは「farm」をよく使っていて、イギリスでは「farm」と「pasture」をきちんと使い分けている感じでしょうか?
■いいえ、どちらも違います。pastureはfarmの一部(構成要素)です。
■私の書き方が拙かったかもしれません。
chicken[poultry] farm(養鶏場), stock farm(牧畜場), mink farm(ミンクの養殖場), oyster farm(牡蠣の養殖場), pearl farm(真珠の養殖場)…のように、複合語の中で使われる場合、farmは”家畜・家禽の飼育場”という意味になるのです。
■我々日本人は「農業」というと、「畜産業」とは別物で、専ら畑や田圃で農作物を作っている心象を持ち勝ちですが、欧米では「混合農業」(社会科の時間に習った懐かしい単語です!)ですから、「畜産業」と一体です。
■米語にはranch(=a cattle-breeding establishment in North America: ウシを育てる北米の施設)という単語も在ります。また、これもmink ranch(ミンク牧場)のように複合語として使うと、a farm where certain other animals are bred(ある種のウシ以外の動物が育てられる飼育場)という意味になります。
ん、massangeanaさんに先を越されてしまいました!



Re: サッダーム

massangeana (2003/04/13 23:17)

変な名前といえば, アッバース朝で有名なアッバース('abba:s, 「'」はアイン)も
変ですね。'abasa は「眉をしかめる・にらむ」という意味のようです。
オマル・ハイヤームのハイヤーム(khayya:m)は「テントを作る人」という意味のようです。



Re:「牧場」

massangeana (2003/04/13 23:14)

アメリカ英語かもしれませんが ranch もよく使いますね。
日本のアニメで「モンスターファーム」というがありましたが, 米国で放送したときは
Monster Ranch に名前が変わりました。



Re: 三内

massangeana (2003/04/13 22:44)

まつまつさん:
>-k を喉内入声、-t を舌内入声、-p を唇内入声
こういう分類は中国では聞いたことがなく, 日本独自の伝統的な用語なのだろうと
思います。「喉内」は「口内」と書いてある場合もあります。「内」の由来は知り
ません。

>伊吉博徳(いきのはかとこ)
入声の後ろにつける母音を主母音にあわせているところがおもしろいと思います。
ちょっと違いますが, キリシタン・ガラス・イギリスなどを思わせます。

>直(ぢか)
「じか」の例は江戸時代以前にさかのぼらないようですので, 「博士」などの読み
とはあまり関係ないのではないでしょうか。

>美作(みまさか)の作や飾磨(しかま)の飾
地名の漢字はかなり無理をしていますので, 一般の漢字音とは区別して考えた方がいいと
思います。



Re:「牧場」

UEJ (2003/04/13 22:40)

「牧場」を「ぼくじょう」と読むか「まきば」と読むかによって
かなり意味が違ってきますね。
Pastureの語感は後者に近いと思います。



Re:「牧場」

鴛鴦 (2003/04/13 20:37)

>Maniac C.さん
分かるような分からんような・・・(^^;)
おもに「farm」は作物、「pasture」は家畜というような使い分けですか?
私たちは(日本人は?)作物も家畜もひっくるめて「farm」をよく使っていますが、
アメリカでは「farm」をよく使っていて、イギリスでは「farm」と「pasture」をきちんと使い分けている感じでしょうか?
そうだったら、我々はアメリカ英語を習っていたために頻繁に「farm」をつかうということ・・・??



Re: 入声について

まつまつ (2003/04/13 14:40)

> ところで、博士(はかせ)のように、古くは喉内入声を -ク, -キ 以外に写す
> こともあったようです。伊吉博徳(いきのはかとこ)なんか、博も徳もそうですね。
> ただ、他の例を思いつかないのですが、何かありますでしょうか。

自己フォローですが、直(ぢか)がそうですね。美作(みまさか)の作や飾磨(しかま)の飾もそうですかねえ。



re farm & pasture

Maniac C. (2003/04/13 12:37)

The Oxford Paperback Dictionaryに拠れば:
■FARM: an area of land and its buildings, owned or rented by one management, used for raising crops or livestock.(一区画の土地とそこに在る建物群で、1つの経営母体により所有または貸与されており、作物を栽培したり家畜を飼育したりするために使用される。)→農場・農園。”家畜・家禽の飼育場”という意味では「牧場」と一部重なるところも有りますね。
■PASTURE: land covered with grass and similar plants suitable for grazing cattle.(牧草や、ウシを放牧するために適する類似の植物で、覆われた土地。)→牧草地・牧場。



いきなりなんですが・・・

鴛鴦 (2003/04/13 11:37)

私はよく翻訳サイトを使って英語のページを日本語に変換して見ることがありますが、
「牧場」という言葉があるとき、なぜか「farm」ではなく「pasture」と必ず変換されてしまいます。
この「farm」と「pasture」の違いって何でしょうか?
そして、なぜ「pasture」ばっかり訳されるんでしょうか?
詳しい資料が無く、こちらとしてはまったくわかりません。
「pasture」はこれと似た名前の学者を聞いた事はありますが・・・
(ちなみにほとんどの日本語への翻訳変換サイトでもやっぱり「pasture」と変換されます。)



re ‘Re:’

Maniac C. (2003/04/13 09:31)

>まつまつさん
>そもそも Re: Re: ... という書き方自体が、〜に関して という意味の前置詞である re を reply や response の略と誤解したところから生じたもの…
→なるほど。羅語re ̄s(=matter, thing)の奪格re ̄(=in the matter of)に由来するのですか。
> Re2 という書き方は…あまり意味がありません。…単に Re: で十分と思います。
→勉強になりました。Merci mille fois. 今後は別の表記を案出します。
私も「reply や response の略」にしては rpl や res にしないのは変だな、と考えていました。
世間の慣用に流されてはいけない、という好い教訓(a good lesson)ですね。
でも、前置詞なのであれば、大文字で始めたり、重点を付けたりするのはおかしくありませんか?
また、使えるのは英文内だけでしょうか? 手持ちの辞書をざっと調べた限りでは、
独語・仏語・蘭語には立項されていませんでした。

>「日本語EUC変換」ではなく…「日本語EUC」という別の文字符号化方式
→なるほど、日本語Extended UNIX Codeなわけですね。
これまた勉強になりました。Je vous remercie.
…未だに変換できず、massangeanaさんから個人的に指導を受けています(^^;)。



いろいろと

鴛鴦 (2003/04/13 09:29)

>高駒麗人KOMAさん
>Allemagneは南ドイツのAlemaniaからです。
そうですか。分かりました。
>「オランダ」Hollandaはネーデルランドの北西部を現す地名なのでアメリカではNetherlandsをHollandと表現するのは不正確だと認識されているそうです。
要するに「Netherlands」にある「Holland」という感じでしょうか?

>にれのやさん
>どうも、「郵便馬車」という訳語はうさんくさいような気がしているんですが。
その説明から見る限りではやはりうさんくさいですねぇ・・・



Re: チョナンカン et 海上 et サッダーム

にれのや (2003/04/13 02:40)

■どちらさまも、大家、じんくえさまです。
FMで、一青窈の『大家』を掛けたパーソナリティーが、「ダージャー」っていうのは「おおやさん」のことですかねえ、と言っていました。

■チョナンカン cho-nan gang というハングル表記は、韓国人にとっては盲点になっているということですね。「草なぎ剛」と併記されていては、疑問の抱きようもないと…… やはり、ダジャレでしょうか。
■s.adda:m というのは、「衝突屋」とか「たたくもの」というような意味になるんでしょうかねえ。そんな、子どもの未来を予測したような名前がつけられているなんて……
アラビア語の派生法をもう少し調べねば。
■海上。そうなんですね。原作が日本語に訳されているんですね。ちょっと調べてみましょう。

■それは、そうとですね、「ハンガリーを知るための47章」という本に、チコーシュの写真が載っていました。洪英辞典で「csik{o+´}s = cowboy」とするのもうなずけます。見た目はカウボーイそっくりです。馬にまたがり、革のむちを持って、馬の群れを御するのがチコーシュの仕事らしいです。どうも、「郵便馬車」という訳語はうさんくさいような気がしているんですが。



英語周辺の[x]

Maniac C. (2003/04/13 01:44)

>高駒麗人KOMAさん
>ghの發音(ドイツ語ich、ach-Laut)は標準英語で消滅した後もScotland等の方言では残っていたかもしれません。ネス湖Ness Lochのchのように[x]が残っていますし。
→Loch Nessですね。
■御賢察の通り、近代蘇格蘭英語(Scots)には[x〜\cedillac\]が残っています。
■loch以外にはheich[he\cedillac\, hi\cedillac\](=high), brocht[br\openo\xt]など。
■knee,knock; write, wrongなど、やはり標準英語で消滅した語頭子音もここの古風な方言形には残っています。
■また、愛蘭英語にもhigh[hi:\cedillac\], lough[l\openo\x](=lake)と、残っています。
■威爾士語でもllwch[θlux](=lake)と言うようです。
■ついでに、蘭語ではhoog[ho:x](=high), bracht[brαxt](=brought)と、ach-lautは健在です。



Re: KSKANJI.CSV

まつまつ (2003/04/13 00:27)

Maniac Cさん、Re2 という書き方はスレッド内の順序が分かりやすいという利点はあるのですが、掲示板では複数の人が同じスレッドに書き込むことがあるので、あまり意味がありません。
Re2 や Re^2 という書き方は、Eメールで Re: Re: ... とだんだん長くなっていくのを避けるために導入されたのですが、そもそも Re: Re: ... という書き方自体が、〜に関して という意味の前置詞である re を reply や response の略と誤解したところから生じたものなので、単に Re: で十分と思います。

> 「日本語EUC変換」とは、どのやうな操作を意味してゐるのでせう??
> お手数をお掛けしますが、素人向けの詳説をお願ひ申し上げます。

massangeanaさんが書かれていたのは「日本語EUC変換」ではなく、「シフトJIS → 日本語EUC変換」です。
後でmassangeanaさんが具体的な方法を示されていますが、「シフトJIS」という文字符号化方式で表された文字列を「日本語EUC」という別の文字符号化方式で表し直すことです。



Re: mbvwについて

まつまつ (2003/04/13 00:08)

まつまつ:
>> m→mbの後、mbからmv(唇歯音)が分化し、mbのままだったものはmに戻り、
>> mvはvを経てwとなったという流れが尤らしく思われますが、
>> mbになる前に分化したのかもしれませんね。

高駒麗人Konmaさん:
> 北京語で「萬(万)」wanはm>b>wですが人名「万俟」はMoqiと読み、
>「邁」maiではmが残り、nがiになってます。
> 「望」「亡」「网」「罔」「網」「忘」wangではm>b>wですが、
> 「盲」「忙」「氓」mangではmが残っています。
>「未」「味」weiに対して「妹」meiもあります。

万葉仮名では「美」は甲類のミ、「微」「未」「味」は乙類のミだそうです。
甲類と乙類の区別は頭子音ではなく母音の区別ですが、このように使い分けられているところを見ると、昔から何かしら差があったのでしょうね。
そもそも「微」「未」「味」は唇歯音だったのですかねえ。



訂正 쿠사나기 츠요시(草なぎ剛) 訂正

高駒麗人KOMA (2003/04/13 00:00)

‘チョナン·カン’은 '쿠사나기 츠요시(草なぎ剛)'의 한글발음이자 작년부터 후지 TV에서 금요일 심야에 방송중인 프로그램의 타이틀. 영화
「チョンナンカン」は
「クサナギチュ(ツ)ヨシ(草なぎ剛)にハングル發音で、
→「クサナギチュ(ツ)ヨシ(草なぎ剛)のハングル發音で、
昨年からフジTVで金曜日深夜に放送中であるプログレム(番組)のタイトル。映画…」

失礼しました。



쿠사나기 츠요시(草なぎ剛) 続き 声調

高駒麗人KOMA (2003/04/12 23:55)

스마프(SMAP)의 쿠사나기 츠요시(草なぎ剛)スマプ(SMAP)のクサナギチュ(ツ)ヨシ
クサナギチチュヨシ>クサナギチュヨシという發音をハングル表記

朝鮮のチヂミ치짐이ch'ijimi(<チヂダ치지다ch'ijida:焼く、煮る)、別名ヂョン전jeonは煎の朝鮮語音ですね。北京語では「剪」も「煎」もjianなので朝鮮語でも両方ヂョン전jeonの筈ですが。Korea yahooで「剪」で検索すると저jeoが太字になって出てきます。

にれのやさんへ
ManiacCさんへ
>赤塔州 達拉松鎮 = チタ州ダラスン
こちらこそ、だんけさまです。

鴛鴦さんへ。
Allemagneは南ドイツのAlemaniaからです。
「オランダ」Hollandaはネーデルランドの北西部を現す地名なのでアメリカではNetherlandsをHollandと表現するのは不正確だと認識されているそうです。しかしEnglandもYankeeも「蔵」Zang(Tibetのシナ語名)も本来は一部を現す名です。

辻本裕幸さんへ、
一声が55(高>高)で二声が35(中>高)で三声が214(中と低の間>低>中と高の間)というのは丁寧に發音する場合で、実際は三声は低く平らの11(低>低)でいいでしょう。
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%b0%ec%c0%bc+55+%c6%f3%c0%bc+35+%bb%b0%c0%bc+214&hc=0&hs=0



쿠사나기 츠요시(草なぎ剛)

高駒麗人KOMA (2003/04/12 23:30)

massangeanaさんへ
>「可汗」はХаанを直接写したものでなく,もっと古い qaghan のような音を写したものだろう
>Kublai はマルコポーロの Cublai に由来。ハイドゥを Caidu,ブハラを Bucara のように,x] はおおむね c で写しているようです。マルコポーロの言葉には [x] も [h] もなかったでしょうから, まあ妥当でしょう。
ご説明有り難うございます。「モンゴル語については不案内 」等とご謙遜を。
ロシア人はalcoholをalkogolにする等、hをgにしますが、私が会ったスペイン人も日本語の「開發」の羅馬字kaihatuをカイガトゥkaigatuと發音していました。

ManiacCさん、英語のghについて参考になりました。ghの發音(ドイツ語ich、ach-Laut)は標準英語で消滅した後もScotland等の方言では残っていたかもしれません。ネス湖Ness Lochのchのように[x]が残っていますし。

私が見た限り韓国のサイトでは「草剪剛」で検索しても何も無くて「草なぎ剛」という表記で色々書かれてありました。

http://kr.softwise.yahoo.com/bin/query?p=%f5%ae+%cb%a7+smap
쿠사나기 츠요시(草なぎ剛) 스마프(SMAP)、 이나가키 고로(稻垣吾カ) 지적인 나르시스트!! 15343 사토
http://enjoyjapan.naver.com/entertainment/starclub03.html?page=2&word=

제목 없음 [현재창] [저장된 페이지]
..LUMN YESNO ▼ about . -----------> 초난강(草なぎ剛)! 자막이 틀렸어요! 아키타에 사는 펜팔이 녹화떠서 보내 준 SMAP X SMAP 는 일본의 超아이들스타 스마프
http://julia.netian.com/yn/3_23.php

영원한 아이돌, 만능 엔터테이너[SMAP] [현재창] [저장된 페이지]
.... 마사히로 이나가키 고로 구사나기 츠요시 가토리 싱고 ●木村拓哉(기무라 타쿠야) 본명 동일. 1972년 11월 13일 도쿄출생. 취미, 특기는 기타, 그림. 성격은
http://www.jpopmall.co.kr/smappro.htm
스마프(SMAP)의 쿠사나기 츠요시(草なぎ剛)
スマプ(SMAP)のクサナギチュ(ツ)ヨシ
クサナギチチュヨシという發音をハングル表記

jj's Weekly update [현재창] [저장된 페이지]
..직접 담당했다고. ‘チョナン·カン’은 '쿠사나기 츠요시(草なぎ剛)'의 한글발음이자 작년부터 후지 TV에서 금요일 심야에 방송중인 프로그램의 타이틀. 영화
「チョンナンカン」は「クサナギチュ(ツ)ヨシ(草なぎ剛)にハングル發音で、昨年からフジTVで金曜日深夜に放送中であるプログレム(番組)のタイトル。映画…」

TTBOARD Family [현재창] [저장된 페이지]
..'의 저녁식사로 등장한다고 한다. 우주로 초대받은 음식은 '호우렌쿠사노치마키(ホウレン草のちまき)' '인도카레(インドカレ-)' '쿠사모찌단고초콜렛(草もち團子チョコレ…


濁音

辻本裕幸 (2003/04/12 23:02)

日本語の濁音てガ行とサ行だけじゃなくて、ダ行とバ行も語頭と語中で音が変わるのではないか?駄々っ子は二つ目のダはなんかこもった音に聞こえるのだけど気のせいか?婆ァ!って時のバも。



中国語 追記

きしろふ (2003/04/12 22:24)

そこのサイトにも記されてありますが、馬名は漢字のみの2〜4字で付けます。



中国語

きしろふ (2003/04/12 22:19)

なんかいろいろと漢字やら発音やらで盛り上がっているようですね。

私のまわりには競馬をやる人(一応成人)が多いのですが、
たまに日本馬が香港のレース等に出走する際、向こうでは中国名、要するに漢字に変換されるようなんですが、これが面白いのなんの!(^^)
いろいろな訳があってうなずけるのも多々。なかには訳の分からんのもあり楽しいです。
下に記したサイトに詳しく載っていますので、是非見てみては。
ちなみに当て字よりかは翻訳のほうが多いとのこと。
そのなかで自分でこれは!と思ったものを少々・・・

 ・「ステイゴールド」=「黄金旅程」 なんか、かのセリフを「君の瞳にカンパイ」と訳したみたいな感じでなかなか。
 ・「ダンスパートナー」=「舞伴」 直訳でのいい例か?
 ・「エアグルーヴ」=「氣槽」 直訳での悪い例か?まるで「地下鉄の通気溝」みたい。
 ・「ビハインドザマスク」=「流行金曲」 意味不明・・・
 ・「フジヤマケンザン」=「富士山」 「ケンザン」は・・・?

ここのサイトの管理人さんの言うとおり、「香港側に馬名の意図を説明し、きちん
と管理している馬主」と「管理していないがために、現地関係者に勝手に
中国名をつけられていそうな馬主」に分けられるのではと。

http://songtian.hp.infoseek.co.jp/page059.html

http://songtian.hp.infoseek.co.jp/page056.html ここのページには香港で売られている馬券の種類がどう表記されているのかが見られます。

http://www.kit.hi-ho.ne.jp/genuine/risk/diary/2001-11.htm ここには外国馬の表記もあります。「錦標」って?

関係ない蛇足:「天国と地獄」のことを「Hell and Heaven」といってもまず通じない・・・



Re: 入声について

まつまつ (2003/04/12 19:54)

massaneana さん、ありがとうございます。

> k 入声(とりあえず日本漢字音でキ・クがつく音をこう呼ぶ)

-k を喉内入声、-t を舌内入声、-p を唇内入声と呼ぶようですが、舌内入声と唇内入声の「内」の使い方にやや抵抗を感じます。

ところで、博士(はかせ)のように、古くは喉内入声を -ク, -キ 以外に写すこともあったようです。伊吉博徳(いきのはかとこ)なんか、博も徳もそうですね。ただ、他の例を思いつかないのですが、何かありますでしょうか。



Re: 入声について

massangeana (2003/04/12 17:19)

まつまつさん:
>声母には舌頭音の端母と舌上音の知母の区別があるのに舌内入声には
>区別がなかったのだろうか
ああ, なるほどそういうことですか。そういう説を唱えている人もあります。
ちょっと日本漢字音とは結びつかないのですが, 橋本萬太郎さんは, 「東・屋」
などの韻尾をそり舌音だったと考えました。彼は -ng/k の口蓋化した韻尾とそう
でない韻尾も区別しますので, ふつうに -k と考えられているものを 3種類にわけて
いることになります。筋が通っていないこともないのですが, ちょっと突飛すぎる上に
あまり必然性がないので, あまり認められていないと思います。

k 入声(とりあえず日本漢字音でキ・クがつく音をこう呼ぶ)だけが特別なのはいろいろ
理由があって,
 1. 切韻では k 入声に相当する韻の数が, ほかの入声にくらべてやたら多い。
 2. 北方語では通常入声は単に脱落するが, k入声では -i/u が後ろにつくものがある
  (白bai, 角jiao のように)
 3. k入声の一部が t になっている方言がある(客家の国kuet とか)。
 4. ベトナム漢字音で k入声が -c と -ch に分かれる。
ほかにもいろいろな現象がありますが, たいてい k入声に関して起きる現象で, ほかの入声では
おきません。



海上

zo- (2003/04/12 17:16)

にれのやさん

私も昔、「海上花列伝」読んだ時に、「海上」ってなんだろうって思った記憶があります。太田訳書に何か書いてあったかどうかは忘れてしまいました。今もって分からないんですが、今はあまり使わないと思うんですが、遊郭の世界に足を踏み入れることを、「下海」というように、「海」は色町などを指すことがあるので、「色町の花の列伝」かなあと思った記憶があります。全く根拠はありませんが。詳しいことが分ったら是非、ご紹介ください。



Re: サダム

massangeana (2003/04/12 16:19)

にれのやさん:
>BaCCa:D
ワッハーブ派をはじめた wahha:b もこの型ですね。文法的にどう説明されて
いるかは知りませんが,
 khabaza パンを焼く khubz パン khabba:z パン屋
 kha:t.a 縫う khiya:t. 針 khayya:t. 洋服屋
 s.a:da 狩る s.aid 狩り s.ayya:d 猟師
 falah.a 耕す falla:h. 農民
 sajada 礼拝する masjid モスク sajja:d 礼拝者 sajja:da (礼拝用)じゅうたん
 sa:ra 旅立つ sair 旅 sayya:ra 自動車
あたりを見ると, わりと普通の形のように思います。



Re: 入声について

まつまつ (2003/04/12 11:42)

massangeanaさん、ありがとうございます。

>> 舌内入声 -t や唇内入声 -p には口蓋化韻尾 はなかったのでしょうか。
>   1. 中国語としては -t / -p を二種類にわける必然性はないように思います。

そうですか。
「日本の漢字音」によれば -k と -ng では口蓋化音が区別されたようです。
非口蓋化音の -k, -ng はそれぞれ -ク, -ウ に写されていますが、先に書いたように、口蓋化音の -k は先行母音によって -キ, -ク に写し分けられており、同様に、口蓋化音の -ng も先行母音によって -イ, -ウ に写し分けられています。
(例) 育(イク), 弓(キウ) (非口蓋化音)
   役(ヤク, エキ), 青(シヤウ, セイ) (口蓋化音)
結局、韻尾の口蓋化音が区別されたのは -k と -ng のみだったのでしょうか。

>   2. 日本漢字音の場合, 漢音では -t ツ, -p フのようです。

そうですね。呉音でも -p フですね。

>   3. 呉音では -tチが多くあります。ぱっと考えただけでも「八」ハチ「達」タチ
>    「七」シチ「質」シチ「節」セチ「別」ベチ「率」ソチなどがおもいうかびま
>    す。「纐纈」も古く「かうけち」といったようですし「ずちなし」の「ずち」
>    もそうかな? 時代が新しくなるにつれてチは減っていったようです。

そうですね。
t は前方で出す音なので、日本語の音韻体系への取り込みの際に、前よりの母音である i と結びやつきやすかったのだろうとのことでした。
-ツ に写された場合は、室町時代末期までは原音が保たれていたというのが通説とも書かれていました。
それでも、声母には舌頭音の端母と舌上音の知母の区別があるのに舌内入声には区別がなかったのだろうかと、疑問に思って質問したのでした。



チョナンカン=超難関

Maniac C. (2003/04/12 03:50)

追加です。下記のページは「毎週日曜日19時からBAY-FMで放送されている、
ご存じしんつよラジオ、SMAP POWER SPLASHのレポルームです。」

2001/4/1 ON AIR の部分で、本人が次のように言っていたみたいです。
>ということで、2002年になったら、サッカーワールドカップ、
>韓国と一緒にやるワケですが、僕も4月から韓国の番組やるんですよ〜。
>
>そうなの、韓国行くのよ〜。
>ちょっとね、なんだろう? 面白い企画になるんじゃないかな?と思って。
>僕の名前が「チョナンカン」って言うの、向こうで。(笑)
>そうそうそう、すっげ〜面白いんだよ、韓国って〜。
本人がスタッフか誰かに言われたみたいですね。

また、2001/4/22 ON AIR のエンディング部分で
>慎吾 「超難関」....「チョウナンカン」だって!(笑)
>剛  あぁ、ひっかけてる!
と、本人自身、認めています。
http://www.asahi-net.or.jp/~ib2r-ytb/power/power.html



チョナンカン&海上花

Maniac C. (2003/04/12 03:11)

■チョナンカン駄洒落説→「あり」だと思います。
 韓日辞典を眺めていたら「遭難」が「チョーナン」でした。

■海上=上海
 『海上花』が上海の花柳界の話だということで、初め、
 「ジャズ」を「ズージャ」のように顛倒して言う洒落た
 言い方が中国語にもあるのかと思いましたが、下記の
 ページの2段落目を見ますと、単なる旧地名かもしれません。
http://langue.hyper.chubu.ac.jp/komori/koushinken/data2.html



Re: 海上花

massangeana (2003/04/12 02:57)

「海上花」って小説の「海上花列伝」をもとにしているんですよね。
「海上花列伝」は太田辰夫さんの訳が平凡社から出ているので, それの解説をみれば
「海上」についても何か書いてあるのではないでしょうか。



フラワーズ・オブ・シャンハイ

にれのや (2003/04/11 23:11)

■先日、台湾の監督、侯孝賢(Hou Xiaoxian) の『フラワーズ・オブ・シャンハイ』という映画を見てきました。原題が『海上花』でした。えっ?と思って、あとで辞書を引いてみると、
  【海上】(1)海上。(2)航海中。(3)[地名] 上海。
とあります。「海上」=「上海」というのは、どういうことなんでしょう? また、シャンハイを「海上」と称する場合、どのようなニュアンス(コノテーション)が含まれているんでしょうか?



サダムについて、まだ考えてます

にれのや (2003/04/11 23:06)

■サダム s.adda:m の語源について、まだ、考え込んでいます。
アラビア語は、前にも書いたとおり、通常は、
  (1)3つの子音を語幹にして
  (2)その間に、さまざまな母音を挟んだり、接頭辞をつけたりして
  (3)さまざまなニュアンスの動詞や、名詞、形容詞を派生させます。
サダム s.adda:m の語幹は、どうやら
   s. d  m
の3つらしいのです。これからできる基本の動詞は、
   s.adama [さダマ] 衝突する、たたく、打つ
です。なかには、
   ta.sa:dama [タさーダマ] (列車・軍隊・意見が)衝突する
などという物騒な動詞もあります。
 語幹を B-C-D で表すならば、s.adda:m というのは
   BaCCa:D
という派生形なのですが、わが貧弱な文法書や辞書には、この派生形がないのです。



チョナン・カン

にれのや (2003/04/11 22:57)

■Maniac.Cさん、UEJさん、めるしいです。
ひょっとすると、ですねえ。
フジTVでですねえ、「草なぎ剛が韓国語をマスターするのは、超難関(ちょう・なんかん)」なんていうダジャレで、ひねり出したのでは? と思ったりして。



(無題)

zo- (2003/04/11 12:54)

千沙登さん

 資料のご紹介ありがとうございました。私の誤解もあったようですいませんでした。すっかり人名用漢字のことだと思い込んでいました。

 あまり関係ないんですが、コンピュータで人名(訓読みの)を変換するのに、どの訓にどの漢字を当てはめるか、あるところが請負ったらしいんですが、そこに属していた人の名前は、かなり特殊な漢字(かなで書けば普通の名前で)でも変換できるようになっている、という話を聞きました。



Re: 入声について

massangeana (2003/04/11 10:38)

>舌内入声 -t や唇内入声 -p には口蓋化韻尾 はなかったのでしょうか。
1. 中国語としては -t / -p を二種類にわける必然性はないように思います。
2. 日本漢字音の場合, 漢音では -t ツ, -p フのようです。
3. 呉音では -tチが多くあります。ぱっと考えただけでも「八」ハチ「達」タチ
 「七」シチ「質」シチ「節」セチ「別」ベチ「率」ソチなどがおもいうかびま
 す。「纐纈」も古く「かうけち」といったようですし「ずちなし」の「ずち」
 もそうかな? 時代が新しくなるにつれてチは減っていったようです。



人名漢字

zo- (2003/04/11 10:04)

massangeanaさん

漢字の話、常用漢字も含めてのことだったんですか。



Re: KSKANJI.CSV

massangeana (2003/04/11 09:26)

>シフトJIS → 日本語EUC変換
nkf などを使います。Windows 用の nkf ならば, たとえば
 http://www.vector.co.jp/soft/win95/util/se031296.html
にあるので, ダウンロードして解凍すると nkf32.exe がでてきます。
kskanji.csv から第3フィールドを(Excel か何かで)除いた後,
コマンドラインから
 nkf32 -e kskanji.csv > temp.csv
として, netscape か opera などのブラウザで temp.csv を開きます。
(Internet Explorer だと Excel が開いてしまうので不可) あとはメニュー
からエンコーディングで韓国語(EUC-KR) を選べば正しく表示されます。



チョナン・カン

UEJ (2003/04/11 09:20)

↓こんなページもあります。

http://www.shinchosha.co.jp/shoushin/kanji_ichiran/kanji0205.html



Khan

Maniac C. (2003/04/11 07:47)

私の愛読書『英語語源辞典』には、以下のような記載が有ります。
■中英(1400ころ)c(h)an←古仏c(h)an←中羅caanus←チュルク語kha ̄n(→土han)←短縮 kha ̄qa ̄n(蒙qa ̄’a ̄n)
■この語がヨーロッパに入ったのは、一部は13C前半の蒙古軍の侵略によるが、更に一般的には1245-55年蒙古宮廷に派遣されたヨーロッパの使節団および1928年のマルコ ポーロの旅行記による。Shakespearの綴りは†Cham….



Re2: KSKANJI.CSV

Maniac C. (2003/04/11 07:25)

massangeanaさん:
早速のご解説、有難う存じます。でも、電脳音痴の私には珍聞漢文です。
>「韓国の KS X 1001 文字集合をシフトJIS と同じ方式でエンコードした」符号化文字集合…
の辺りは、解らなくともあまり問題は無いだらうと考へますが、
>普通の韓国語の符号に直すには, まず 3番目のフィールドは日本語のシフトJIS漢字なので
>それを取り除いた後, シフトJIS → 日本語EUC変換をかけてやれば OK です。
とのお言葉ですが、「日本語EUC変換」とは、どのやうな操作を意味してゐるのでせう??
お手数をお掛けしますが、素人向けの詳説をお願ひ申し上げます。



訂正

massangeana (2003/04/11 06:58)

>「遥」は1990年に
1981年の誤りです。



Re: 人名に使える旧字

massangeana (2003/04/11 06:29)

千沙登さん:
これは大いなるなぞです。

例えば常用漢字表のア行についてみると, 壓圍醫壹隱榮營驛圓鹽歐毆穩の13字
は使えず, 亞惡爲衞應櫻奧および逸謁縁横温の旧字(JIS X 0208にない)の12字
は使えます。その間に何かの違いがあるようには見えません。「人名漢字を口
実に, 役所の文書で旧字が使えるようにしたのではないか(廳とかの字がある
ことから)」という噂をきいたことがありますが, 本当かどうか知りません。

なお常用漢字以外の人名用漢字は 1951年に最初の版がでたあと, 1976, 1981,
1990, 1997 と字が追加されていきました。現在人名用漢字で旧字の使える字
は10字のみですが, そのうち9字は1951年からあったもの, 1字(渚)が1976年に
追加された字で, それ以降は旧字を増やさないようにしているようです。
千沙登さんのおっしゃる字のうち, 「蛍」は当用漢字から常用漢字になるとき
(1981)に追加された字, 「遥」は1990年に人名用に追加された字なので, 「螢・
遙」のないのは理解できます。「龜・聰」などの字は以前は認められていたけ
れど1981年に使えなくなったようです。これも理由がよくわかりません。



Re: KSKANJI.CSV

massangeana (2003/04/11 04:58)

Maniac C. さん: >漢字(KW)・読み(KW) これは日本独自の「韓国の KS X 1001 文字集合をシフトJIS と同じ方式でエンコードした」
符号化文字集合です。昔 Unicode が使えなかったころ, この符号文字集合を使えば, フォ
ントを切り替えるだけで日本語ワープロの上でハングルを混在できたので重宝されましたが,
現在は斜陽に向かっているかと思います。
普通の韓国語の符号に直すには, まず 3番目のフィールドは日本語のシフトJIS漢字なので
それを取り除いた後, シフトJIS → 日本語EUC変換をかけてやれば OK です。



Re: 汗

massangeana (2003/04/11 03:06)

高駒麗人さん:
>汗Hanは蒙古語のХаан(Khaanハーン)ですが、「可汗」Kehanという音譯も
モンゴル語については不案内ですが, 「可汗」はХаанを直接写したものでなく,
もっと古い qaghan のような音を写したものだろうと思います。今のモンゴル語の長母音
の多くは母音間にはさまれた子音が脱落することによって生じたものです。
南北朝の後魏の時代に柔然が最初に「可汗」を称したといいます。

>フビライハーンKhubilai Khaanは英語ではクブライカーンKublai Khanですね。

Kublai はマルコポーロの Cublai に由来しているのでしょうね。ハイドゥを Caidu,
ブハラを Bucara のように, [x] はおおむね c で写しているようです。マルコポーロの言葉
には [x] も [h] もなかったでしょうから, まあ妥当でしょう。



英語ghの綴り

Maniac C. (2003/04/11 02:15)

>高駒麗人KOMAさん
>hがghで書かれるようになった時は既にghは消滅するか(light、right)fになっていた(enough、laugh)のでしょうか?

お返事が遅くなって済みません。ちょっと資料を探していました。
■-gh-の綴りは、15-6世紀に、語頭のh-[h]と語中の-h-[x, \cedillac\]と
を区別するため、語中の-h-を-gh-に変えた結果です。
■[x]の発音は、15世紀には消失しました。
■後に-tを従える場合、laughterとdraught以外は消失しています。
light, rightなどはこの例で、[x]が消失したため、「代償延長」と言って
前の母音が長音化し、GVSで[i:]→[ai]となりました。
■古期英語時代、語末の-gは[γ/y]でしたが、これが長母音の後では
無声化して[x]→[f]となり、語中の場合は無声化せず[w]→[u]となりました。
enoughはこの例で、古期英語ではgeno ̄g「イェノーγ」でしたが、
後期には、男・中性、単数、主・対格ではgeno ̄h「イェノーホ」、
複数、主・対格ではgeno ̄ge「イェノーヱ」となり、現代語では各々、
enough「イナフ」, enow「イナウ」となったわけです。

問題です。次の文を-oughに注意して読んでください。
A rough cough and a hiccough plough me through.



入声について

まつまつ (2003/04/11 02:04)

遅くなりましたが、massangeanaさん、有難うございました。

次は、入声についての疑問です。
喉内入声の韻尾は -k と、それが口蓋化した -k' の2種類があって、-k は常にクに写され、-k' は直前の母音との組み合せで以下のようにク又はキに写されたとのことですが、舌内入声 -t や唇内入声 -p には口蓋化韻尾はなかったのでしょうか。
(1) 直前の母音がイかエの場合の k' はキに写す。
 例: 呉音 色 → シキ 漢音 役 → エキ
(2) それ以外の場合の k' はクに写す。
 例: 漢音 色 → ショク 呉音 役 → ヤク



Re2: 「剪」の韓国音

Maniac C. (2003/04/11 01:09)

■下記のページからDLしたKSKANJI.CSVという
漢字のハングル読みデータで、漢字(KW)のところに「剪」、
漢字(JIS)のところに「鸞」、読み(HR)のところに「nan」、
読み(KW) のところに「貝」と有ります。
nanは「鸞」の読み方でしょうか?
■一方、御指摘の通り、漢字(KW)のところに「銜」、
漢字(JIS)のところに「剪」、読み(HR)のところに「jeon」、
読み(KW) のところに「穿」とも有ります。
今百ぐらい、使い方が解っていません。
すいません。

http://www.han-lab.gr.jp/lib/40.html



Re: 「剪」の韓国音

にれのや (2003/04/11 00:13)

■「剪」の韓国音は jeon ではないのですか?



Re:草なぎ剛

Maniac C. (2003/04/11 00:06)

にれのや師匠

nanは、弓なしの「剪」の読みのようですね。
であれば、中国語ではjian3なのでは?
「SMAP 草剪剛」で967件、当たりましたよ。



草なぎ剛について、疑問2つ

にれのや (2003/04/10 23:42)

■草{弓+剪}剛(くさなぎ・つよし)という名前について疑問が2つ。
(1)中国では{弓+剪}をどう表記し、何と読むのでしょうか?
(2)韓国語では、チョナン・カン cho-nan gang と綴っていますが、いったい {弓+剪}=nan というのを、どこから割り出したんでしょうか?(2年前からずっと疑問でした)



チャン・ツーイーほか

にれのや (2003/04/10 23:38)

■Komaさん、みなさん、だんけさまです。
おおよそは理解しました。そのうち、納得できるかもしれません。声調は、いずれの言語でもむずかしいです。

■Maniac.C さんにやられましたね。
赤塔州 達拉松鎮 = チタ州ダラスン
でした。Дарасун [ダラ'スヌ]
 チタからハバロフスクへ向かって、道路でも鉄道でも3つ目の町です。いわゆるシベリア鉄道、ロシア号では、チタの1つ前の停車駅です。
 地図記号で見ると、1万〜5万の町の記号です。日本人なら「町」と呼びたくなるようなところですが、行政上は город [ゴーラット] の下のランク пгт [ペゲテー] です。



遅れてすみません。

千沙登 (2003/04/10 19:50)

「幸せになる赤ちゃんの名づけ事典」菅原緑夏
「天使におくるすてきな名前」ネーミングスクエア編
「文部省認定漢字検定[1級・準1級]」資格試験対策研究会編
「文部科学省認定1級・準1級漢字検定」漢字検定指導研究会
「角川必携漢和辞典」小川環樹 尾崎雄二郎 都留春雄
「新感覚赤ちゃんの名前事典」国脇泰秀
です。



仏蘭西語

鴛鴦 (2003/04/10 18:53)

>松茸さん
「検索エンジンでサーチするだけで引っ掛かる筈ですが……」
なにが悪かったんでしょうか・・・?(^^;)
>高駒麗人KOMAさん
部族の名称がそこの土地の人々全体を示すようになったということですね。
ありがとうございました。

最近友人と一緒に色々な言葉の意味など調べています。
そんで、今のところ知っていることは、

 ・「マスクメロン(muskmelon)」や「マスカット(muscat)」の語源はジャコウを意味する英語の「ムスク(musk)」から。
 ・「パンツ(pants)」は「パンタロン(pantaloon)」の略から。
 ・「オリーブ(olive)」を「橄欖」と書くのは間違い。「オリーブ」の実と「橄欖」の実はそっくりだが、まったくの別種。(「オリーブ」はモクセイ科の常緑小高木。「橄欖」はカンラン科の常緑高木。)普通は「阿利布」や「阿利襪」などと書く。

一応ここまでは。



Re:コンパス

らにい (2003/04/10 18:27)

>Maniac C.さん
やっぱり言葉は奥が深いです。ポルトガル語からですぁ〜
>「あゝ、やゝこしい。」
本当に(^^;)



3声

zo- (2003/04/10 17:44)

辻本さん

三声は思い切って、低く抑えておけばそれでいいと思いますよ、確か半三声とかいったと思いますけど。声調練習の時のように、後ろが上がっていくのは、実際の言葉の中では、「好」をよほど強調して言ったときくらいでしょう、たぶん。



第三声嫌い

辻本裕幸 (2003/04/10 13:09)

しかし第三声上声は大嫌い。私はいまだに二声と区別が出来んのです。三声は二声より、低い、よりなが〜いというのは分かりますが、上がり具合は、どっちも同じに聞こえる。そして喋っているときに区別は出来ていない。私の喋る北京語は実質、平ら上がり下がりの三声調しか区別していません(区別できないよ〜)しかしまあ、何とか通じていますからね。いやはや



老子

zo- (2003/04/10 10:55)

で思い出したんですが、中国の古代の賢人の名前の「子」は、3声で読みますね。父親という意味の「老子」はlao3zi軽声で、老荘の「老子」はlao2zi3でした。



達拉松

Maniac C. (2003/04/10 03:38)

Дарасун(ダラスン)ですね!



揚子江(Yangzi Jiang)>Yangtze River

高駒麗人KOMA (2003/04/10 03:01)

訂正:揚子江(Yangzi Jiang)は Yangtze Riverで Yangtzeは[jaŋtsi:](ヤンツィー)と發音されます。



チャンツーイー 3声の連続

高駒麗人KOMA (2003/04/10 02:59)

ManiacCさんへ
英語について解説ありがとうございます。lightもghはxというより[ç]ですね。このhがghで書かれるようになった時は既にghは消滅するか(light、right)fになっていた(enough、laugh)のでしょうか?

にれのやさん&zo-さんへ
章子怡(Zhang Ziyi)は確かにチャンツーイーで、Ziは平唇のツーですね、私も「チャン・ツィイー」には違和感があります。しかし北京語zi、ci、siが英語に入ると、iがi:やu:、Λ(曖昧母音に近いア)になることが多く、「チャンツィイー」も英語経由かもしれません。老子(laozi)はlaotzu[lautsΛ]、揚子江(Yangze Jiang)は Yangtze Riverで Yangtzeは[jaŋtsi:](ヤンツィー)と發音されます。 中国の犬 shih tzuは「獅子」shiziかと思いましたが、中国では「西施犬」xishi-quanのようです。
http://www1.dnet.gr.jp/~voice/page053.html章 子怡 ( チャン・ツーイー ) Zhang Ziyi普通話(北京語)発音 : zhang1 zi3 yi2(チャン・ズーイー)廣東語発音 : dzeung1 chi2 yi4(チョン・チーイー)
http://www.yo.rim.or.jp/~nhkj25t/zhangziyi.htm(チャン・ツィイー 章子怡 Zhang Ziyi)

「九把雨傘」jiu3ba3yu3san3(9本の傘)は、jiu2ba3yu2san3になるようです。2音節ごとに意味を区切って、一方を2声にする手があります。

おろしやの地名:赤塔州・達拉松鎮が未だにわかりません。判明するのはまだ先になりそうです。



昔の英語の/h/

Maniac C. (2003/04/10 02:14)

>高駒麗人KOMAさん
>英語のghは古代にはhで書かれ、例えばlightはliht-のように書かれていたようです。古代英語のhは[x]だった可能性があります。

 なんか、「古代」と言われると、何千年も昔のような気がしますが、中期英語の時代(1500年ごろ)までlihtでした。
 古期英語(450年ごろ〜1100年ごろ)の名詞形はli ̄ht、形容詞形はle ̄oht、動詞形はli ̄htanでした。

 古期英語の’h’の発音は、次のように推定されています。
■語頭・音節頭で母音の前は[h]。
■hwは[hw]。
■後母音の後、子音の前後は[x]。(hl, hn, hrはl, m, nの無声化を表すという説も在り) ■前母音の後は[<\cedillac\>]。

 古英語 hros→現代英語horseの変化はhの影響ではなく、rと母音との間に良く見られる「音位転換(metathesis)」という現象です。



よくかんがえたら

zo- (2003/04/10 01:16)

中国語の3声がたくさん連なった場合、必ずしも意味が分かれば変調の仕方もわかるというわけでもないところもあるようなきがします。例が思いつかないんですが。



中国語

zo- (2003/04/10 01:09)

にれのやさん

 したにも書いたように、絶対と言うわけではないようですが、三音節の単語はもともと真中を軽く読む傾向があります。それで、「中国人」の「国」は二声で読んでいる中国人は少ないと思います。それで、姓名の場合はそれぞれ声調どおりに読むことが多いですが、「子」が真中に来た場合は、やはり軽く読む場合が多いと思います。もちろん名前だけ、或いは「姓」+「名」のように強調する時は、3声に読むと思いますが。

ayu に関しては「阿」だと思う人もいるんでしょうが、普通はayu はayu として認識していると思います。

「三声が続くといいにくい」単語を一つ一つ並べているわけではなくて、塊ごとに話しているので、3つ4つ程度でネイティブが発音しにくいということはないと思います。私ですら、3声が連なって困ったという経験はありません。

確か

我把雨傘…(忘れました)

という長い3声ばかりの文がありましたが、意味の切れ目を理解して、言いなれていれば、そんなに言いにくいということはありません。



コンパス

Maniac C. (2003/04/10 01:05)

 何か、今日は爆発していますね。

>らにいさん
>「コンパス」はオランダ語。

 実はそう簡単に一条縄では行かないのですよ。

 日本語の「コンパス」には2つの意味が有って、
1つは製図用具の「両脚規」、和語で言う「ぶんまわし」。
もう1つは航海用具の「羅針儀」。
 英語では前者がcompasses, 後者が(mariner’s) compassなので、
よく同一視されるのですが、日本語の「コンパス」の歴史は
些か複雑です(英単語の発音も[k\turnv\m-]に注意です)。

 蘭語では、前者はpasserと言い、後者のみをkompasと言うのです。

 では、製図用具の「コンパス」はどこから来ているのでしょうか?

 実際、航海用具の「コンパス」は『角川外来語辞典』に依れば
初出は1797年で、蘭学期に当たりますが、製図用具の方は
それよりも150年以上早い1641年なのです。
(一往、1609年から和蘭との貿易は行われています。)

 学会では新井白石の記述(『西洋紀聞』)を元に、
伊語compassoを語源とする意見も在りますが、
「コンパッソ」では語末の音が違います。
伊語の母音の音色は、比較的日本語の母音に似ていますから、
「ソ」と「ス」は聞き間違えるはずが無いし、
密航して来てすぐ捕まった一宣教師(シドッチ)の言葉が
日本語として定着するわけが無い。
1708年と、時代も違います。

 新村出さんは何故か上述の部分を仏語と誤り、『広辞苑』は
暫く仏語compasを語源として載せていた時期が在ります。
これは「コンパー」ですし、日本で幕府の命により仏語学習が
始まったのは1808年ですから、絶対におかしい。

 いい加減、私の答えをお教えしましょう。
製図用具の方の「コンパス」の語源は、葡語compassoです。
発音も[ko~´pasu]ですから、バッチリです。
 葡語では逆に航海用具の方はbu´ssola「ブスラ」と言い、
「コンパス」とは言いません。

 あゝ、やゝこしい。



ロシア人の文字まちがい

にれのや (2003/04/10 00:02)

■Komaさん。
わたしは、ハバロフスクの空港で、こんな表示板を見たことがあります。
    ADMINISTRATOP



日本人の中国語読み

にれのや (2003/04/09 23:43)

■Komaさん、zo-さん、だんけさまです。
ううう、いまひとつすっきりしないんですねえ。もっとも、言語とはそういうものでしょうが……
さらに、疑問。

(1a)章子怡(初恋のきた道、よかったなぁ)の、真ん中の「子」は、きちんと声調をつけるのでしょうか、それとも、軽声になったりすることもあるんでしょうか?
(1b)チャン・ツィイーという、日本語の転写形はどう思いますか? わたしは、チャン・ツーイーのほうがいいと思うんですが。
(2)ayu を発音する場合、中国人の頭には、何らかの文字が浮かんでいるんでしょうか? たとえば、a- に対して「阿」とか。
(3)三声が4つも続くと発音しづらいとのことですが、中国語本来の文脈で三声が続いてしまうような場合、中国人は、とっさに別の単語に置き換えて、発話したりするのでしょうか?

しかし、声調って、よ〜く考えると不思議な現象ですよね。



Re:検疫

らにい (2003/04/09 23:22)

>通りすがりさん
資料thanksです(^^)

自分も資料探して見ました。
http://nichigonet.com/perthexpress/contents/special/vol57/aqis_1.htm
「検疫」は英語で「Quarantine」。元々はイタリア語で「40」という意味。
あとは通りすがりさんの言ったとおりに、入港前に港の外で40日間停泊し、
安全が確認されてから入港を許可していたことからだそうです。



再訂正 初めて>始めて

高駒麗人KOMA (2003/04/09 22:52)

初めて>始めて
中国人が外語を学ぶ場合、「学日語的笑着進去、哭着出来(日本語学習者は笑って始めて泣いて終わる)。学英語的哭着進去、笑着出来(英語学習者は泣いて始めて笑って終わる)」



ジンギスカンの漢字

高駒麗人KOMA (2003/04/09 22:50)

成吉斯汗は成吉思汗と書く方が普通ですね。



おろしやの地名 赤塔州と達拉松鎮 追加

高駒麗人KOMA (2003/04/09 22:41)

えとちょわ?(おろしや國醉夢単に出てきた「これ何?」←今の標準語でShto Eto?)
訂正 「おろしや國醉夢単」→「おろしや國醉夢譚」に出てきた「これ何?」←今の標準語でShto Eto?)

>英語におけるスペリングと発音の関係と似ていますね。
中国人が外語を学ぶ場合、「学日語的笑着進去、哭着出来(日本語学習者は笑って初めて泣いて終わる)。学英語的哭着進去、笑着出来(英語学習者は泣いて初めて笑って終わる)」
西洋人がシナ語を学ぶときは「哭着進去、笑着出来」、始めは難しいが積み重ねると簡単になります。中国ではロシア人もアメリカ人もシナ語を話して聞き取るのは上手い。

北京語では中国山東省の「青島」も日本人名の「青島」も両方Qingdaoですが、日本語では中国山東省の「青島」は「ちんたお」で、日本人名「青島」は「あおしま」。
高島俊男氏が「漢字はシナ語を表している時は簡単であり決して難しくはない。しかし、漢字が日本語を現すのに使われる時に難しくなる」と書いています(『漢字と日本人』)。私も同感です。

英語の場合、日本人名はAoshima、中国の地名は Qingdaoで、青島ビールは Tsingtao Beerという綴りの違いがあります。中国人は日本人名「青島」を Qingdaoと読んで覚えているのでAoshimaという綴りの人名を見ても全く理解できません。



おろしやの地名 赤塔州と達拉松鎮

高駒麗人KOMA (2003/04/09 22:28)

http://bbs.arukikata.co.jp/lounge/board/index.php?qid=115&cn=25
「地球の歩き方掲示板」によると、GermanyはGerman「ゲルマン」から来た言葉で、元は英国のAnglo・Saxon族も北欧諸民族もドイツ人、オランダ人もゲルマン(諸)族を指す言葉だったのが、その中のごく一部(今のドイツ人)を指す名に轉化したもの(意味の縮小)。
Allemagneは今日のドイツの地に居をかまえたゲルマン族(今のドイツ人)の一部族であるアレマン族の名称が、ドイツ人全体を指す言葉に変わったものです(意味の擴大)。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4475018439/249-1953128-9985119
「世界の言語と国のハンドブック」下宮忠雄 (著) 大学書林参照。

ロシア語では「私は英語を話す」「彼はドイツ語を話す」はそれぞれ
Ya govoryu po-Angliiski.(私はアングリイ語で話す)
On govorit po-Germanski.(彼はゲルマン語で話す)になります。
http://www.myj7000.jp-biz.net/kensaku/kjtougou.htm(日本の名字七千傑)←苗字で使われる漢字です。

>私も英会話は少しできますが、文章はなかなか・・・(--;)
英語は話せても綴りを知らない人は多いでしょう。在中(駐華)日本人で中国語会話はできても、漢字の記憶は不正確でピンインはほとんど覚えていない人もいます。気にすることはないでしょう。

梵語の漢字表記は古代シナ語音韻の重要な資料ですね。摩訶不思議の摩訶は梵語のmaha(大きな)ですが、日本語ではマカmakaフシギと言いますし。昔の人は入声を利用して梵語音を移したのでしょう。感心なことです。
成吉斯汗や忽必烈汗の汗Hanは蒙古語の
Хаан(Khaanハーン)ですが、「可汗」Kehanという音譯もあります。蒙古語のx(kh)は方言的に破擦音[kx]になるようです。日本語ではジンギス「カン」とチンギス「ハーン」がありますし。
フビライハーンKhubilai Khaanは英語ではクブライカーンKublai Khanですね。

Afghanのghも摩擦音[γ]でしょう。故にシナ語では「阿富汗」Afuhanでghがh[x]になっています。一方、Baghdad は 「巴格達」Bagedaで、ghがg(破裂音)になっています。

英語のghは古代にはhで書かれ、例えばlightはliht-のように書かれていたようです。古代英語のhは[x]だった可能性があります。古英語 hrosのhもロシア語
Khruschёvのkh[x]のような物だったと考えると納得できます。それが声門のhになり、前後に母音がないと發音しにくいし聞こえにくいので、horse(母音oがhの直後に移動)や Ross(h消滅)になったのでしょう。
ワロージャという在中ロシア人の名刺にВαлоgяと書いてあり、知人の日本人女性がBajiogと間違えていたので私がValodyaだと教えました。本来Володяでしょうが、Bo[vo]が弱まって[va]に近くなり、д[d]の筆記体がgのそれと似ているので、名刺作成者がそれで印刷して、Вαлоgяになったのでしょう。
このВαлоgяさんの故郷は漢語で「俄羅斯赤塔州達拉松鎮」です。「赤塔」Chitaは満州北西隣のЧита(Chita)でしたが、その中の「達拉松」Dalasong(←このローマ字は漢語pinyin)が原語で何なのか、日本語でどう書くべきかいくら検索してもわかりません。
えとちょわ?(おろしや國醉夢単に出てきた「これ何?」←今の標準語でShto Eto?)



検疫

通りすがり (2003/04/09 21:08)

昔イタリアで外国船を沖合いで40日間停泊させて、ペストの流入を防いだから・・と新聞に書いてありました



re:フランス語の単語

松茸 (2003/04/09 20:10)

 たとえば、ここを参照:
http://www.bartleby.com/65/al/Alemanni.html
http://freepages.genealogy.rootsweb.com/~rjhenry/html/the_alemanni.html

 「どこを調べても詳しいことは分かりませんでした」とのことですが、"Allemagne"「ドイツ」をキーワードに検索エンジンでサーチするだけで引っ掛かる筈ですが……



フランス語の単語

鴛鴦 (2003/04/09 19:20)

久し振りにきました。かなり盛り上がっているようで・・・

個人的なことですが、つい先日、先輩が持っていたフランス語辞典で興味本位でいろいろと調べていたら、ある2つの単語に興味を持ちました。
それは「Angleterre」と「Allemagne」です。意味は「イギリス」と「ドイツ」ということです。
詳しい意味を調べると、「Angleterre」は「Angle(Anglais。Englishのこと)の住む土地」という意味らしいです。
しかし、「Allemagne」はどこを調べても詳しいことは分かりませんでした。
「All」と「magne」で分けるのでしょうか?いずれにしても詳しいことは分かりません。
どなたか教えていただけませんか?

「Allemagne」はなんとなく「Armani」に似ているような気が・・・
気のせい?



Re: 【h-】【x-】について

massangeana (2003/04/09 16:27)

現在の北京の h [x] が中古音で h だったか x だったかはあまり確実な証拠がありません。
日本漢字音でカ行になり, 朝鮮・ベトナムで h になるのは, どちらだったとしても同じように
説明できます。おそらく当時も現在と同じように, 北方では [x] で発音する方言が多く, 南方
では [h] が多かったのではないかとは想像されますが。

ひとつ証拠になりそうなのはインドの語の漢字表記で, 水谷眞成さんの研究があります。
玄奘が mahA を「莫訶」, sahA を「索訶」のように書いていることについて, 当時の
インドの h が [γ] のような(有声の)軟口蓋摩擦音であったのに対して「訶」の声母は
喉頭の弱い摩擦音 [h] だったので, 前の字を -k 入声で終わらせることによって摩擦を
強めようとしたと考えれば理解できる, という説を出しています。水谷氏によると, 8世
紀以降この [h] が [x] に変化したと考えられるそうです。



エトセトラ

らにい (2003/04/09 12:43)

>高駒麗人KOMAさん
>「華語(漢語)も本来は音声言語ですから、華語は話せるが漢字は書けないという人が世界にいても不思議はありません。」
私も英会話は少しできますが、文章はなかなか・・・(--;)
>Maniac C.さん
>「『印弗魯英撒』と書くのは、印度、弗蘭西、魯西亜、英吉利など、世界中で
 撒き散らす、という意味が込められているらしい。」
改めて見ると凄いです・・・
ここでもまたひとつ勉強になりました。

ある親友が話したこと。
・「検疫」と言う言葉と「40」という数には深い関係にある。
・「コンパス」はオランダ語。
薀蓄が好きな親友ですが(笑)、「検疫」のことはどういうことなのか分からずじまい。
だれか助けて〜(汗)



【h-】【x-】について

辻本裕幸 (2003/04/09 12:24)

massangeanaさん、有難うございました。中古漢語音探究の旅も、そろそろ聖域にさしかかってきた感があります。しかし我々の先祖が出会ったであろう、その漢字音を考えていくうち、夜も眠れなくなるほど楽しくなります。まだまだ不思議はいっぱいです。【x-】は王力氏の漢語語音史によると、唐代ぐらいには【h-】になったとありますが、不思議なことに元代には再び【x-】に回帰しているではありませんか?そして現代語普通話でもHは【x-】ですね。一度変わった音価がまた元にもどったり、どうしてそういうことが起こるのでしょうか?何より一番不思議なのは、当時の発音のカセットテープが、のこっているわけでもあるまいのに、どうして漢語語音史は【h-】と【x-】の違いなんて調べることができたのでしょうか?



スペリングと発音

ロスケ (2003/04/09 05:20)

高駒麗人KOMAさん
> 呉音と漢音の使い分けは日本語独特の物でしょう。中国人にとっては日本語の
> 漢字の読みは単語ごとに一々覚えねばなにので法外に難しいわけです。

英語におけるスペリングと発音の関係と似ていますね。
ともすれば(私のように)日本人は英語の発音の不規則性を嘆きますが、中国人から見れば日本語も英語も同じ問題を抱えていることになるわけです。
#目くそ鼻くその類(比喩が悪かったりして!)



煬帝 中国より日本の漢字が難しい 訂正

高駒麗人KOMA (2003/04/09 02:57)

中国人にとっては日本語の漢字の読みは単語ごとに一々覚えねばなにので→覚えねばならないので法外に難しいわけです。

中国で作られた中国全土の地図では日本の「いわき」の中文名に「岩城」Yan2cheng2と「伊瓦基」Yi1wa3ji1の2種があります。



煬帝 中国より日本の漢字が難しい

高駒麗人KOMA (2003/04/09 02:43)

「酒井法子」Sakai Norikoは北京語で「酒井法子」「井法子」」Jiu3jing3 Fa3zi3ですが、→「酒井法子」Sakai Norikoは北京語で「酒井法子」「井法子」Jiu3jing3 Fa3zi3ですが、
カギカッコは一つ余計でした。

ロスケさんへ
中国で同じ漢字の發音が変わるのは「音楽」yin1yue4の「楽」yue4と「快楽」kuai4le4の「楽」le4のように意味の区別と直結している場合が普通で、「煬帝」と「皇帝」「始皇帝」の「帝」は同じ意味なので、このような場合、中国の同じ方言の中では同音(北京語「帝」ならdi4)になるのが原則です。呉音と漢音の使い分けは日本語独特の物でしょう。中国人にとっては日本語の漢字の読みは単語ごとに一々覚えねばなにので法外に難しいわけです。中国人が「来月行きます」を「ライガツいきます」と言うのを聞くと、小生は「そういえば日本語では『四月(シガツ)』の『月』では『ガツ』で、『来月(ライゲツ)』では『ゲツ』なんだ、これは難しいな」と再認識します。
日本人の間で「中国語は發音が難しい」が常套句ですが、中国語の漢字の發音は寧ろ簡単で、日本語の漢字の發音のほうが遥かに難しいです。



いろいろ

zo- (2003/04/09 02:42)

かぜ

中国語で風邪をひいたという場合、「着涼」「感冒」が一般的で、それ以外は会話の中では聞いたことがありません。

それから日本人女性の名前に多い、「今日子」の「子」など、私は4声で読むのを聞いたことがありません。中国語でも「孟子」など古代の人名から『駱駝祥子』の「祥子」まで、「子」は軽声で読むのが普通だと思います。ちなみに、中国人の名前には「子○」という名前も結構ありますが、姓名で、例えば「張子栄」などと言う場合も、3音節の単語の真ん中は軽く読むという規則ももともとあり、(「中国人」はzhong1guo2ren2とはあまり言わない)この「子」も軽く読むようです。



キョンキョンとノリピー、あゆのアクセント

高駒麗人KOMA (2003/04/09 02:21)

訂正:中国の女性誌「女友(Nuyou)Love」2003年5・9号で浜崎あゆみについて「總以為[女也]是日本楽http://www.womanfriend.com/(「女友」誌のHP)「濱崎歩」は北京語でBinqi Buですが(「女友」誌の)記事では「這就是24歳的濱崎歩、一个事業如日中天、昵称Ayu的日本女孩。」のようにAyuも多数使われています。
これで中国人は彼女の本当の生前を→名前を知るでしょう。

フランス語liqueur[likœ:r]、英語liqueur[likз:、likjuз]
英語liquorは[likз]のようですね。

にれのやさんへ
外国の固有名詞や外来語の場合、声調は個人の気分次第でいろいろです。「小泉今日子」Koizumi Kyokoは北京語でXiao3quan2 Jin1ri4zi3ですが、「日子」Ri4zi0(0は軽声)を意識すると「今日子」はJin1ri4zi0で軽声でしょう。名前として特別扱いすればJin1ri4zi3になります。
「酒井法子」Sakai Norikoは北京語で「酒井法子」「井法子」」Jiu3jing3 Fa3zi3ですが、3声の音節が4つも並ぶと流石に中国人にとっても發音し辛いでしょう。シナ語には「法子」Fa3zi0(方法)という詞があるので、「子」が軽声で読まれることもあるでしょう。
Ayuについては表記上声調不定ですし、元々シナ語ではないので、読む人の自由という所でしょうか。(私の母語では「あゆみ」は低高高、「あゆ」は高低)

「美麗」はmei3li4で、「麗」は4声ですが、「高麗(こうらい)」の北京語音では、Gao1-li2で「麗」が2声になります。日本の人名・地名の「高麗(こま)」はGao1-li2になります。しかし、姓が「高」で個人名が「麗」であれば Gao1 Li4と呼ばれるでしょう。
中国で作られた中国全土の地図では日本の「いわき」について「岩城」Yan2cheng2と「伊瓦基」Yi1wa3ji1があります。北京語「伊瓦基」の声調は高低高ですが、私の母語では「いわき」のアクセントは高低低です。しかしアクセントは人により色々ですから何が正しいか一概には言えません。

らにいさんへ
>またひとつ勉強になりましたm(_ _)m
お役に立てて光栄です。華語(漢語)も本来は音声言語ですから、華語は話せるが漢字は書けないという人が世界にいても不思議はありません。



influenza

Maniac C. (2003/04/08 23:40)

>らにいさん(4/4)
>今日の某新聞にて。
>「インフルエンザ」は「印弗魯英撤(ママ)」と漢字をあてるらしい・・・

■英口語では、強勢の有る音節だけ取り出して、‘flu’と呼ばれることも。
■見てすぐ判るとおり、‘influence’と二重語。
■語源は中期羅語influentia(m)に遡る。
 分解すると、in+flu-(=to flow)+-ent-(現在分詞語尾)+-em(対格語尾)の変化。
■influenceは元来、占星術用語。
 天体からの霊液が「流出」して、人間に作用を及ぼすこと。
 超自然的な力の流入→精神的に力の流入→影響力→政治的な力の行使、と変化した。
■伊語influenzaは、influenza di febbre scarlattina(猩紅熱の流行)などのように、
 「(流行病の)訪れ、突発」の意味であったものが、後続の病名なしの形で「流行病」
 一般を表すことになり、更に、特に1743年に大流行を見たこの病気(=流感)を指す
 ようになった。
■「印弗魯英撒」と書くのは、印度、弗蘭西、魯西亜、英吉利など、世界中で
 撒き散らす、という意味が込められているらしい。初めて見ました。
■普通に漢字で書けば、「流行性感冒」、略して「流感」だと思います。
■『広辞苑』に依れば「感冒」は、「身体を突然寒気にさらし(冒)たり、
 濡れたまま放置したときに起る呼吸器系の炎症性疾患の総称」だそうな。
■「感冒」は、現代中国語では、名詞で「風邪」、動詞で「風邪を引く」。
 Ta ganmao le(他感冒了). ともTa dele ganmao le(他得了感冒了). とも
 言えます。
■手持ちの辞書では「風邪を引く」の中国語は「shouhan受寒」「zhaoliang着涼」
 「shangfeng傷風」も。どれが一般的なんでしょうかね。
■『源氏物語』の時代には「しはぶきやみ(咳病)」。現代人で「しわぶく」なんて
 日常的に使う人は、もういないでしょうねえ。
■今、巷を騒がせている“ウイルス性肺炎”SARSは、Severe Acute Respiratory
 Syndrome(重症・急性・呼吸性・症候群)の頭文字ですが、中国では
 「厳重急性呼吸系統綜合症」というみたいです。大抵は「SARS」のままですが。



日本人名の中国読み

にれのや (2003/04/08 23:05)

■komaさんに質問です。
(1)小泉今日子のように、最後に「子」のつく名前のばあい、この「子」は声調をつけて、独立した1音節として読むのですか?
(2)ayu というように、アルファベットでタレント名を書く場合、声調はどのように決まるんでしょうか?



Re:朝鮮での漢字

らにい (2003/04/08 20:57)

>高駒麗人Köμäさん
>「東南亜細亜の華人には北京語、廣東語、潮州語其他各方言を話せるが漢字の読み書きは出来ないという人もいるようです。」
朝鮮に限らず華人でも出来ない人はいるんですね。
またひとつ勉強になりましたm(_ _)m



中国の歴史

ロスケ (2003/04/08 20:26)

早速「中国の歴史」全7巻を買ってきて、とりあえず煬帝について書かれた部分を確認しました。
やはり皆さんの仰るとおり、日本での呼び習わしだそうです。

疑問が解けてすっきりしました。



Re: タイ語

massangeana (2003/04/08 19:08)

鶏kay は中国語からの借用だとすると声調が合わないのがちと気になりますね。それ以外は
声調を含めて対応しています。新しい借用である可能性もありますが, 壮語でもタイのタイ
語でも同じように存在していることから, タイ諸語が拡散する前の借用と考えた方がいいよ
うに思います。ただ, こういう古い借用と思われる語は大部分が単音節語で, 熟語があまり
見あたらないのがおもしろいと思います。
サンスクリット・パーリ語からの借用は日本での漢語なみかそれ以上に多いようですね。
クメール語からの借用も多いですし, 近代以降の英語からの借用もありますから, 語源を
さぐろうとすると大変そう。

高駒麗人さん:
>@は何でしょう
ASCII-IPA ですね。
http://www.kirshenbaum.net/IPA/ascii-ipa.pdf



Re: 濁音から帯気音へ

massangeana (2003/04/08 18:54)

これはあんまりやさしくない問題だと思います。というのは全濁音が消滅する直前にどんな
音だったかがよくわからないからです。一部の学者は, 全濁音は有声ではなく, 無声の子音
の後ろに有声のh がついたような音だったと考えます(たとえばプリーブランクの Late Middle
Chinese の再構はそうなっている)。そのような発音は現代の呉方言の一部にもみられます。
この有声のh はたいへん弱い音だったので, そのまま消えてしまえば無声無気音になり, 有声のh
から無声のh へと変化した場合は無声帯気音になったのだろうと一応想像することができます。

もうひとつの難問が常(禅)母で, 現在の北京方言では平声で ch, それ以外で sh になってい
ます。たとえば「盛」はもと平声と去声の声調のみ異なる 2音がありましたが, 現在は前者
が cheng2, 後者が sheng4 になっています。どのようにしてこういう分岐が起きたのかは
よくわかりません。



濁音>有気音どうして?

辻本裕幸 (2003/04/08 12:59)

不思議に思うことがあります。中古音で濁音だったもので、現代音で無声無気音になっているのは、分かります。しかしなぜ、有気音になっている漢字まであるのでしょうか?ドウ「同」tongとか。ということは中古音では濁音にも有気無気の対立があったのか?いや、そんなはずは無い。上海語にもそんな対立は無いですもの。中古音濁音の漢字の一部が現代音で有気音になっている。これがなぜだか、おしえていただけないでしょうか?



「煬帝」の読み方

ロスケ (2003/04/08 04:14)

「煬帝」の読み方 投稿者:ロスケ  投稿日: 4月 8日(火)04時14分06秒

皆様、「ようだい」についての貴重な情報の数々をありがとうございました。陳舜臣『中国の歴史4』(講談社文庫)は早速購入する予定にしています。
私的には一つだけ「明白!」とはいかないところがありまして・・・

>帝という字を「テイ」と呼んであげずに、おとしめる意味で「ダイ」と
>読むようになっているみたいです(なぜ漢音ではなく呉音なのかというと、
>漢音より呉音の方が一般的ではなく、異常な感じがするからでしょう)。

この操作が中国語の段階において行われたのか、または日本語になってからか、その辺がいまいち分かりません。もし日本人が「中国の天子の暴虐」に憤慨して諡号の読み方まで変えた・・・ということなら面白いと思ったので、「中国語では?」とお尋ねしたわけです。
#何はともあれ、陳舜臣「中国の歴史」を読んでみますね。



訂正:湾岸戦争の時の久米キャスターの台詞

高駒麗人 Köμä (2003/04/08 01:10)

「ありアメリカ人が、→「あるアメリカ人が、
他の日本のキャスターと比べて、私(久米宏)は英語ができないからこの戦争を理解できないと批評していた。しかし、この戦争を理解するには英語も必要かも知れないけどアラビア語も必要だと思う」失礼しました。
ロシアとアラブとフランスとシナはアングロサクソンと対立し、距離を置きながらも、英語を勉強する人を育てていて偉い。



Assalam

高駒麗人 Köμä (2003/04/08 01:06)

にれのやさんへ
Assalam Alaykum(こんにちは)
NHKで阿拉伯語講座ですか。shukran(ありがとうございます)
新華社ニュースでも中日英独佛西露語と共に阿拉伯語もあります。
http://202.84.17.83/index.htm(新華社日本語ニュース)
http://www.xinhuanet.com/home.htm(新華社簡体中文新聞)
http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/www.xinhuanet.com/(新華社繁体中文新聞)
http://www.arabic.xinhuanet.com/(新華社Arabia語News)
http://www.xcnjp.com/(新華ネットジャパン)「四川省、ロシアのNizhny Novgorod州と経済貿易合意書を締結」→続きは有料らしい、新華社もうまい商賣してます。
十年余前、湾岸戦争の時、「ニュースステーション」で久米宏がこう言っていました。
「ありアメリカ人が、他の日本のキャスターと比べて、私(久米宏)は英語ができないからこの戦争を理解できないと批評していた。しかし、この戦争を理解するには英語も必要かも知れないけどアラビア語も必要だと思う」
「他の日本のキャスター」は、英語のうまい日本人キャスターで、恐らく筑紫哲也か木村太郎でしょう。湾岸戦争当時、日本ではアラビア語の出来る人が少ない為、日本のマスコミでイラク側のアラビア語放送を聞き取る時、アメリカで英語に譯したのを聞き取って理解していました。アメリカとイラクが戦争している時、情報が皆アメリカ経由では大本営發表と大して変わりません。日本で国際化と称して英語教育だけやっていると世界を見誤るのです。情けない話。

http://www.parkcity.ne.jp/~aali/senmon-Arabic.html
(アジアアフリカ語学院アラビア語コース↑)

あれから十年余、この時期に日本でアラビア語講座が出来たのは何かの因縁か。Allahの神のお導き?この傳言板でさんざん話題になった(わしが話題にした?)coffeeはqahwah、magazine(雑誌、倉庫、店)はmakhazin(貯める所、倉庫)で、皆Arabia語です。皆でsalam(平和)を祈りましょう。

http://www.arabic.xinhuanet.com/



serraglio

Maniac C. (2003/04/08 00:53)

>にれのや師匠(3/30)
>ドイツ語の語末のエルは、イタリア語の段階で -gli- で現れています。なぜでしょう?
→研究社『新英語語源辞典』に、’seraglio’という単語が有りました。
 これによると、伊語のserraglioが語源で、2つの意味が有り、1つはenclosure(囲い)の意味で中期羅語serra¯culum(=bolt 差し錠)に由来し、もう1つはsultan’s palace, harlem(皇帝の宮殿, 後宮)の意味で土耳古語saray(=palace, court, mansion 宮殿, 宮廷, 別荘)に由来する、と有ります。
 どうもここ(伊語)で羅語由来の本来語と土耳古語由来の外来語とが混同せられたようです。
 尚、serra¯culumは、民衆羅語の動詞*serra¯re(=to bar 閂を掛ける)の語幹に、場所の名を示す語尾-a¯culumが着いたものだそうです。
 又、土耳古語sarayは、更に波斯語sara¯iに遡り、古経(Avesta)語のθra¯ya-(to protest)と関連が有るそうです。
 ついでに、caravansaryの語源は、英語の古形がcaravansera(i)で、波斯語ka¯rwa¯nsara¯yに遡り、英語にはcaravanは、仏語caravaneを経由して入り、伊語形はcarovanaで、波斯語ka¯rwa¯n自体は語源不明、と有ります。尚、こちらの項目ではsara¯yはcamp, place(野営地,場所)の意味と有ります。



發音記号&漢語の対外影響

高駒麗人 Köμä (2003/04/08 00:46)

「膠巻」jiaojuan即ちfilmは廣東語で「菲林」feilamですが、filimt發音する方言も→filimと發音する方言もあるでしょう。

馬maa, 象chaang, 鶏kay, 腰eew, 銀gn@n の@は何でしょう?私にはE-mail addressのアットマーク@に見えます。
曖昧母音schwaは文字化けするので私は∂(偏微分)で代用しています。э(ロシア語エ)を使う人もいますが、私はэを「口の大きいオ」の記号として使いたいので、曖昧母音にはз(ロシア語でzを現す)を使いたいです。

フランス語liqueurは[likœ:r]で、英語liquorは[likз:]と現すように。
しかしзをジの音の記号(ひらがなの「ろ」に近い)で使う人もいるので
[krεmd∂mα~t]を[krεmdзmα~t]と書くと[dз]をドゥでなくヂと誤読される恐れがあります。

シナ語(漢語)の単語が、シナ文字(漢字)を使わない言語に借用されると(どちらが基層か上層
かわかりませんが)、漢字に慣れた人にとっては語源が分かりにくくなります。
蒙古語のцонх(tsonkh窓)がシナ語「窗戸」chuang-hu起源であることは、日本人にとってもわかりにくいでしょう。香港を経由してbok choy(白菜)、hoisin(海鮮)、wok(「獲」の獣偏を金偏に変えた漢字、普通話で huo、中華鍋)、
wonton([食昆]飩)、cheongsam(長衫)という廣東語が羅馬字表記で英語化しています。 意外と中国に近い隣国の漢字使用民族が知らなかったりするわけです。

http://www.xcnjp.com/



言葉の混ぜ御飯

高駒麗人KOMA (2003/04/07 23:58)

訂正:creme de menthe[krεmd∂mα~t]…英語の發音は
[kreim d∂ mαnt][kri:m∂mint]→[kri:md∂mint]の2種の發音があり…

Maniac C.さんへ。ご解説ありがとうございます。Bien Merci。
cremeは英語のcreamに当たりますが、[女乃]油naiyouの他に「リキュール」(酒精の強い酒)の意味もあるのですか。日本語の「クリーム」意味が狭いですね。liqueurリキュールとliquorリカーの区別がわからなかったのですが、
どうも英語ではliquorで、そのフランス語版がliqueur[likœ:r]で、それがまた英語に入ったようです。こんなややこしい事されると英語が難しくなります。英語のmenuで「フィレ肉」についてfilletとfiletが両方あったり、これは何だか無駄をしている気がする。
ice creamはシナ語で「冰淇淋」bing qilinですが、creamの音譯らしい「淇淋」は福建語では kilimなのでしょうか?「林」linは廣東語でLam(Agnes Lam、Sandy Lamは林さん)ですが台湾の林さんはLimです。「膠巻」jiaojuan即ちfilmは廣東語で「菲林」feilamですが、filimt發音する方言もあるでしょう。
creamと言えば中国では[女乃]油や軟膏でしょう。
alcool de mentheはessence de menthe のことでessence は、精油のアルコール溶液の香水のこと…するとalcool de mentheが薄荷油というのも納得できますね。

東南亜細亜の華人には北京語、廣東語、潮州語其他各方言を話せるが漢字の読み書きは出来ないという人もいるようです。私はそういう人の一人と会った事があります。
泰語は知りませんが勉強してみたいです。馬来西亜・印度尼西亜語の teh「茶」、Tiongkok「中國」、Tionghua「中華」(チーナCina「支那」もあり)は福建語音に近いですね。前にも書きましたが、潮州をTeochewと呼ぶ言い方が新加坡当たりの英語にあり、中国大陸の英語ではChaozhou、Chiuchow、Teochewが混在しています。同じホテルの英文案内で潮州がTeochewだったかと思えばChao Zhouだったり、四川がSichuanだったりSzechuanだったり…。書いた西洋人は別の町だと思っているのでは?「厦門」の英語名はAmoiとXiamenが併用されています。
煬帝についてはよくわかりました。しかし相当な圧政をしたらしい秦始皇帝趙政(贏政)を我々は「しんしこうだい」とは言いません。
「門」の中に「虫」を書けないJISは本当に不便ですね。
満州では満州語が消えかかっています。満州語はシナ語に何らかの影響を与えた上でほぼ消滅したのでしょうか。



NHKアラビア語講座 常設化

にれのや (2003/04/07 23:20)

□ Manianovich Maniac.C さん、おかえりなさい。
■NHKアラビア語講座が、常設化されることになりました。
講師=本田孝一(アラビア書道の大家ですね)
NHKラジオ第2
  月曜日 午前11:30〜正午(30分)
 再放送
  土曜日 午後 9:00〜9:30
当面は、昨年12月に放送したものの再放送です。
▼アラビア文字を習得しておくと何かと便利です。この際、どうでせう? 好事家のみなさん。



タイ語

zo- (2003/04/07 19:22)

は、サンスクリットからの借用語がかなりの割合を占めているそうですよ。

http://yonok.tripod.co.jp/

早く、↑が完成しないかなあと思っています。

東南アジアではやはり華人強いですね。インドネシアはビン南、潮州、客家、福州、広東などかなりたくさんの地域から移入していて、他の国がほぼ過半数は潮州系とか、ビン南(福建)系になっているのとかなり様子が異なると聞きました。確か少数派の福州系からたくさん企業家が出ているんじゃなかったでしたっけ?



タイ語について

辻本裕幸 (2003/04/07 09:32)

タイ語について、zoさんmassangeanaさんありがとうございました。基層語というのも曖昧な表現ですよね。確かに。タイ語(シャム語)もさすがに、漢字は使わないと思うのですが、どうでしょう?チョウシュウ語と言えば、ビン南系ですね。タイ語も外来語としては、中国系の単語をたくさん取り入れたのでしょうが、多分ベトナムのように、漢字そのものは取り入れなかったのでは?東南アジアの華人はやっぱり強いですね、経済的に。インドネシアの人が母国の経済の八割は華人が動かしていると言っていました。



いろいろ

zo- (2003/04/07 07:20)

Maniac C.さん、お久しぶりです

 基層、上層のこと、ありがとうございます。私の今までの理解もそれと全く同じです。たぶん「『基』層」という字面のせいもあるせいか、その言語の根幹であるような意見を、時々ネットで見ませんか?ちなみに中国語では「底層」ですよね。

それから、「ようだい」のことやっぱりそうだったんですか。でも、質問者はロスケさんなので、ロスケさんに向けて解説してあげてくださいね。



Re: ようだい

Maniac C. (2003/04/07 05:28)

zo-さんへ
下記のページの「6」に、「陳舜臣『中国の歴史4』(講談社文庫)p26あたりを参照し
て」書いたという次の記述が有ります:
>皇帝でありながら皇帝の資格はないという意味をこめて、「帝」を漢音のテイ
>と読まずに、呉音を用いてダイと読み慣わしている…
 zo-さんの仰るとおり、煬帝は暴虐な皇帝であるという評価が一般的で、帝という字を「テイ」と呼んであげずに、おとしめる意味で「ダイ」と読むようになっているみたいです(なぜ漢音ではなく呉音なのかというと、漢音より呉音の方が一般的ではなく、異常な感じがするからでしょう)。「煬」という文字も、このページを読むと、非常に縁起の良くない悪い意味の字だということが判ります。隋に代わった唐にとっては、煬帝を非難して、自らの王朝を正当化する必要も有ったのでしょうね。
http://ww1.enjoy.ne.jp/~nagaichi/chbbs01.txt



Re: 基層語

Maniac C. (2003/04/07 04:59)

zo-さんへ
 これまた、研究社『新英語学辞典』の「言語接触」という項目中の記述です。
「征服などによって異なる言語を話す二つの民族が同一地域に住むようになったとき,言語変化が起こるのが普通である.ガリア語地域にラテン語民族の征服が及んだとき,ガリア語はラテン語に影響を及ぼした上で消滅した.こうしてできたのがフランス語であり,ガリア語をその基層(言語)(substratum)と言う.のちそのフランス語地域を北方からフランク族〔ゲルマン系〕が来て征服したが,文化的に優位にあったフランス語を採用して自らのフランク語(Frankish)は捨てた.フランク語はフランス語の語彙などに多少の痕跡を残した上で消滅したが,これを上層(言語)(superstratum)と言う.…」
 太字は引用者。
 ご参考まで。



crème de menthe

Maniac C. (2003/04/07 04:26)

戻って来ました。…肩慣らし(rehabilitation)が必要ですね。ふう。

高駒麗人Komaさん
>英語の發音は[kreim d∂ mαnt][kri:m∂mint]
→以下の記述は全て研究社『新英和大辞典』に拠ります。
■発音は、[´kri:m-d∂-´mint, -´menθ, ´krem-d∂ ´mα:nt | ´kreim- d∂-´mα:nt, -mO:nt]と有ります。
■意味は、crèmeに「1 =cream 3a. 2 クレーム((甘口のリキュール)).」と有ります。
 creamの3aの語義は「クリーム状の菓子, デザート」であり、ついでに、語義の4には「こくのあるシェリー(酒)((cream sherry ともいう))」とも有ります。

alcool de mentheについては記載が有りませんが、「薄荷油」ならば、おそらく、essence de menthe と同義だろうと思います。
 essence は、精油のアルコール溶液の香水のことですから、この場合のalcoolを、飲料用の「酒」と誤解/誤訳してはいけないと思います。



壮語

zo- (2003/04/07 03:33)

辻本さん

壮語に関する概説的な本ではないんですが、うちにたまたま『漢台語比較手冊』(xing2公wan3著1999商務印書館)というのがありました。主要参考文献のところに、『壮{イ同}語族語言簡誌』『壮{イ同}語族語言詞彙』という本が出ていました。



タイ語

zo- (2003/04/07 02:56)

massangeanaさん

馬maa, 象chaang, 鶏kay, 腰eew, 銀gn@n もやっぱり中国語から入ったんですか(後の2つは気づきませんでしたが)。似てるなあとは思ってたんですが。それはやっぱり同源語というよりも、分化したあと、外来語のように取り入れたということなんですか?



ご参考まで

zo- (2003/04/07 02:51)

http://www.h3.dion.ne.jp/~fffftttt/kanji/jinmei/jinmeikanji.htm



旧字体

zo- (2003/04/07 02:46)

すいません、千沙登さんが、人名漢字と見なされた元の資料を紹介していただけませんか?私がネット上で検索した人名漢字とかなり違うんですが。



mbvwについて

高駒麗人Koma (2003/04/07 00:40)

訂正「萬屋錦之介」は大陸では「万屋錦之介」になってManwu Jinzhijie→Wanwu Jinzhijieと読まれます。
http://www.womanfriend.com/

まつまつさんへ
>m→mbの後、mbからmv(唇歯音)が分化し、mbのままだったものはmに戻り、mvはvを経てwとなったという流れが尤もらしく思われますが、mbになる前に分化したのかもしれませんね。
なるほど、そういう事もありえますね。参考になります。

北京語で「萬(万)」wanはm>b>wですが人名「万俟」はMoqiと読み、「邁」maiではmが残り、nがiになってます。
「望」「亡」「网」「罔」「網」「忘」wangではm>b>wですが、「盲」「忙」「氓」mangではmが残っています。「未」「味」weiに対して「妹」meiもあります。
上海語で「万」は vε、ヴェトナム語で「希望」は hyvongですから、これはmvの段階が分化したのでしょう。時代的には隋唐と宋元明の間当たりでしょうか。「无(無)」は普通wuですが、「南無阿弥陀佛」(梵語Namas Amita Buddha)は北京語でもNamo emituofo、「無」は異読moです。
日本語で無事故は Mujikoなのに無事は Bujiなのは難しいですね。無情はMujouで無精はBushouですし。文学はBungakuで天文学はTemMongaku、これは難しい。
あと、ビーフン(米粉)は[門虫Min、Bin]語でしょうか?どうしてもビーフBeef(牛肉)を連想してしまいます。もし、中華料理で「米粉牛排」mifen niupaiがあったら日本語で「ビーフンビーフ」?ややこしいですね。
「文学」は廣東語でmanhok、朝鮮語でmunhak、[門虫](ミンorビン)語で bunhak、日本語でbungaku、上海語でvenho'(eは曖昧母音でhは有声、語末は声門閉鎖)、ヴェトナム語でvanhoc、北京語でwenxueですが、このm>b>v>wの変化を歴史と地理両方で考えるとどういう流れになるのでしょうか。
ちなみに京劇「打金磚」Da Jinzhuanに出てくる光武帝の家臣・馬武MaWu(<MaMu)を日本で「まぶ」と呼ぶのは呉音(馬武「まむ」)と漢音(馬武「ばぶ」)が混ざっています。
http://home.hiroshima-u.ac.jp/cato/Kyougeki3.html#010



濱崎歩 渋谷 渉谷

高駒麗人Koma (2003/04/06 23:56)

Massangeanaさん、ご解説ありがとうございます。Zhuang語はLaten文字&Cyrill文字ですか。http://www.umin.ac.jp/endai/specialchar.html(IPA)
Memphis[memfis]では語頭のmは両唇音でph[f]の直前のmが唇歯音です。先の投稿で唇歯音の鼻音を大文字にしていたので、MeMphis[memfis]と書けばよかった。
国実百合 (くにざねゆり) さんが藝名表記を「國實百合」にしたことがあったと思います。「西尾學」さんとか「山本學」さん、「廣田」さんとかいう名前の人もいます。ただ、漢字の故郷では日本での事情など無視して簡略化しています。中国大陸では人名だけ繁体字OKというのはないので、「西尾学」Xiwei Xue、「山本学」Shanben Xue、「广田」Guangtianになります。「萬屋錦之介」は大陸では「万屋錦之介」になってManwu Jinzhijieと読まれます。「酒井」さんは「井」Jiujingになります(わしもしつこいな)。文字も發音も変わる以上、もはや同じ名とは言えないでしょう。
「渋谷(澁谷)」は本来「澀谷」です。中国大陸では「澀」は[左が「シ」・右上が「刃」で右下が「止」]seですから、これに「谷」guを続けて、發音は Seguの筈です。しかし、実際は「渉谷」Sheguで代用されています。

中国の女性誌「女友(Nuyou)Love」2003年5・9号で浜崎あゆみについて「總以為[女也]是日本楽壇風頭無二的流行教主、東京渉谷最HIGH的時尚代言人」とあります。
http://www.womanfriend.com/(「女友」誌のHP)
http://218.30.21.60:8080/index.jsp(同じく)
「濱崎歩」は北京語でBinqi Buですが記事では「這就是24歳的濱崎歩、一个事業如日中天、昵称Ayu的日本女孩。」のようにAyuも多数使われています。これで中国人は彼女の本当の生前を知るでしょう。
日本語の「ミルク」の「ミ」は口蓋化したmjでしょう。英語のmilkでは母音iがイとエの中間音なのでmは口蓋化していないのでしょうか。日本語の「ミルク」[miruku]は英語のmilkと比べると、lがrになってkの前後にuが入っていますが、[mi]の部分は英日ほぼ同音だと思います。
(イとエの中間音は母音字IのSMALL CAPITALですが、掲示板上で普通の大文字で書くと子音Lの小文字lと間違えられる恐れがあります。iで書くのがいいでしょう。)

>謠、搖は使えて遙が使えないのがわかりません。
漢字制限には缺陷(欠陥)や不可解な点が多いのが常です。今の日本で「軍曹」を「軍そう」とした所で、「曹操」の名は日本語でも漢字で書くわけで、固有名詞の漢字で何が使えるか使えないかは無意味だと思います。

「煬帝」Yangdiだけヨウテイでなくヨウダイなのは変ですね。「礼」liはレイの他にライ(日本で礼記はライキ、Bill Clintonは、Book of Rights:Lijiと呼んでいた)、「弟」diはテイの他にダイもあります。日本語音でei、aiであるものが北京語でi、廣東語でaiであることが多いようです。廣東語では「煬帝」はYongdai、「禮記」は Laigeiかもしれません。
「麗」の日本語音は「奇麗」ではレイ、「高句麗」ではリ、「高麗」ではライです。
北京語では「麗」はli、廣東語ではlai、「高麗」は北京語Gaoli、廣東語でGoulaiになります。
「ようだい」「らいき」「こうらい」は廣東風ですね。

フランス語の料理用語辞典を入手しました。alcool de mentheが「はっか油」で、creme de mentheが「はっかを主とした強精酒」とあり、これは逆じゃないか。creme…が「…油」でalcoolが「酒」だろうと思いましたが如何でしょう。
creme de menthe[krεmd∂mα~t]は「薄荷入りリキュール(liqueur)」の事で、英語の發音は
[kreim d∂ mαnt][kri:m∂mint]の2種の發音があり、日本語では「クレムドマント」の他「クリームドミント」でもいいようです。何で薄荷のalcool(alcohol)が「はっか油」なのか…。



旧字体

千沙登 (2003/04/06 22:10)

明らかに名前には相応しくない旧字体とか入っているんですよね?
陷、僞、盜、碎、臟、獸、惡、卑の旧字、渇の旧字、禍の旧字、臭の旧字。
このような字は名前には使いづらいですよね?どう使えって言うんでしょうか?
螢、實、學、穩、鐵、覺、譽、勵、寶
とかは名前に使うような字なのに…

謠、搖は使えて遙が使えないのがわかりません。



Re: タイ語・壮語

massangeana (2003/04/06 11:48)

にれのやさん:
私も東南アジアの言語には疎いです。

タイ-カダイ語群というのが本当にひとまとめにできるかどうかは疑問なので,
Laha 語の数詞みたいなのをタイ語でも昔使っていたかどうかは謎ではありま
すが, タイ語の単語の中に, オーストロネシア系の二音節語の片方(たいてい
1音節め)が落ちて単音節化したのではないかと思われる語が多いのは確かです。
よく使われる例に(タガログ語を例にすると) mata(目) - taa, patay(死ぬ) -
taay, manok(鶏) - nok(鳥) などがあります。もっとも全然関係ありそうにな
い語の方がずっと多いので, そう簡単にはいかないようですが。

そうそう, タイのタイ語では序数用にインド系の語(eek, thoo, ...)を使うこ
とがあるので, これで固有語まであったら三系列になって大変かも。

辻本さん:

参考書は私もあまり持っていません。1980年に民族出版社から出た『壮語簡志』
という薄い本がある程度です。この本の附録に武鳴・龍州の分類語彙集がつい
ていますが, タイ語の知識があればひと目でわかるくらい明かにタイ語です
(とくに龍州の方)。最近ならもっといい本があると思います。

タイのタイ語に入った借用語は, zo- さんのおっしゃるような比較的最近のも
の(タイ語話者の多くは実は華人)と, タイ語がタイまで広がる前もっと中国の
近くに住んでいた頃の借用と思われるものがあり, どちらも多いです。後者に
は 馬maa, 象chaang, 鶏kay, 腰eew, 銀gn@n とか。plian(変わる)とかもそう
かもしれません。



Re: 牙音/喉音/正歯音

massangeana (2003/04/06 10:13)

まつまつさん:
中国語の歴史的な発音では IPA を使わないことが多いのでわかりづらいですね。

>牙のところで発音する音ではないのに
たぶん牙音・歯音などという言い方はサンスクリットの音声学に由来するもの
ではないかと思いますが, そのへんは疎いのでよくわかりません。「牙」と
「歯」はどちらも歯のことですが, 古典的には「歯」を前歯, 「牙」を奥歯と
考えるようです。軟口蓋音を発するときに, 舌の横の方が奥歯に接するので,
そこをとらえた名称でしょうか。レントゲン発明前の用語なので, 不正確なの
はやむをえないと思います。
橋本萬太郎さんが『現代博言学』で同じような文句をつけていたと思います。

>影母(点にしか見えない)や于母(hの頭が丸まった記号)
影母は声門閉鎖音です。「h の頭が丸まった記号」は有声の h です。日本語
の母音間の h はしばしばこれになると言われています。ただし切韻では于母
は匣母と音韻的な区別がなく, どちらも [γ] だったと考える人, どちらも
有声の h だったと考える人などがあります。

>荘母(下点付きts)
そり舌音です。ほかに荘母が英語の ch のような音だったと考える人もありま
す。

>章母('が乗ったts)

おっしゃるとおり口蓋化音です。これについてはほとんどの学者が一致してい
ると思います。



基層語って?

zo- (2003/04/06 06:34)

時々疑問に思うことがあるですが、辻本さんの書き込みを見て思い出しました。基層語って、どういうものを指すんでしょうか。私は、ある地域で言語Aが、もともとあった言語Bにとって変わってしまった場合に、言語Aの中に残っている言語Bの成分で、社会的、政治的、時代的なことを考えなければ、言語Aにとって、言語Bの成分は外来語と同じようなものだと思っていたんですが、最近、基層語が何々だから、こう呼ぶべきだ、こう分類すべきだという主張を、いろいろな掲示板で見かけます。基層語って、一体何なんでしょうか?



タイ語

zo- (2003/04/06 06:26)

辻本さん

>狭義のタイ語にも漢字漢語が被さっているのでしょうか?

狭義のタイ語というのは、今のタイ王国の言葉と言うことですか?それだったら多いですよ。数字の起源は分かりませんが、食べ物、呼称など日常的な言葉に潮州語がたくさん入り込んできています。タイ語に限らず、東南アジアの言葉には多いようで、インドネシア語、フィリピン語などは、ビン南語起源の言葉をかなり取り入れています。タイの屋台の料理にクイッティアウという麺があるんですが、潮州語の「{米果}条」(massangeanaさんご紹介の  http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/hogenji2.htm
にもでてます。)だったり、インドネシア語の「クエ」(お菓子の意味、「お菓子くえ」と教わりました)も「{米果}」のビン南語発音から来ているようです。



(無題)

zo- (2003/04/06 06:08)

惠、櫻は使えるんですか。知りませんでした。最近、人名漢字?を大幅に追加する、或いはしたというニュースを聞いたような記憶があります。

旧字体と現行の字体に違いのあるものに関して言えば、便宜的なものだと思います。例えば、コンピュータで、「わたなべ」さんは「渡辺」「渡邉」「渡邊」と出ますが、実際にはもっと違った異体字が使われていると思います。これは「渡部」さん(「わたべ」とも「わたなべ」)とは違って、日本が簡略化した文字を採用したからには、本来的には同一と考えられるべきものだと思います。が、正式な証明書などを発行する時には、戸籍の登録の文字を使わなければなりません。姓に関しては仕方がないが、名前に関してはそういう混乱を避けるためではないでしょうか。今は、役所で異体字を使っていないか、変なところを跳ねていないか、2画であるところを1画にしてしまっていないかなどチェックするようですが、私(30代)のころはそんなに厳密でもなかったらしく、やや異なった字を使ってしまっていたようで、最近住民ネット?や戸籍謄本をコンピュータ化する際に、市役所からわざわざこういう字体でいいですか?と連絡がありました。逆に、惠、櫻等が使えるというのは、不可解です。



煬帝と幼帝の区別か?

ロスケ (2003/04/06 06:06)

>もともと理由があったものもあるんでしょうけど、今でははっきり
>分からないものが多いようです。

zo- さん有難うございます。
中国語で発音が同じなら、仰るとおり日本語の問題になります。
「煬帝」を「ようてい」と読むと「幼帝」と紛らわしいので、「ようだい」にしたとか?、そんな理由があったのかもしれません。それに煬帝は稀代の好色で、最後に逃れた江南の地で切羽詰った時にも、そこの方言である「呉語」を習って美女を後宮に入れて戯れたとか書かれています。確かにそんな「好色」ぶりを嫌われて差別されたとしても不思議ではないですね。
#そういえば「タイ、ダイ」は「帝」の呉音ですから、この辺は何か意図的な操作かも。



旧字体

千沙登 (2003/04/05 22:02)

戸籍に使われる旧字体が205字らしいのですが
全部使えると言うわけではないのは何故でしょうか?
惠とか櫻とか彌とかは使えるけれど
實とか學とか遙とかは使えないですよね?
どうして全部使えないのですか?



壮族の言葉

辻本 (2003/04/05 16:20)

いま壮族の言葉に関心があります。どの程度、その上層に漢語漢字が被さっているのか?固有語はどの程度、タイ諸語と関連付けられるのか?何かよい参考書があれば、紹介していただけないでしょうか?
狭義のタイ語にも漢字漢語が被さっているのでしょうか?



牙音/喉音/正歯音についての疑問

まつまつ (2003/04/05 08:16)

さて、次なる疑問です。
「日本の漢字音」の章を読み進むと頭子音の表があったのですが、以下の疑問が生じました。

(1) 牙音
k, g, ng の類を牙音というようですが、牙のところで発音する音ではないのに、なぜそういうのでしょうか。

(2) 喉音
喉音の以母(j)はヤ行の子音ですね。暁母(χ)はドイツ語のchの音だと思いますし、匣母(γ)はその濁音だと思いますが、影母(点にしか見えない)や于母(hの頭が丸まった記号)はいったいどんな音なのでしょうか。

(3) 正歯音二等
荘母(下点付きts)、初母(その有気音)、崇母(下点付きdz)、生母(下点付きs)は、いったいどんな音でしょうか。

(4) 正歯音三等
章母('が乗ったts)などは、'が乗っているので口蓋化音と見てよいでしょうか、



mとw

まつまつ (2003/04/05 07:48)

高駒麗人Komaさん、にれのやさん、ありがとうございました。
たしかに、m + J は一続きでなく切れていますから、口蓋化音の方ですね。

高駒麗人Komaさん:
> 漢語音韻史で、「萬(万)」「武」「文」「望」「未」「微」「無」などの声母が
> m>b>wという変化をたどりましたが、mが唇歯音(mの右下をJにした記号)に
> なってvになりwになったという可能性もあるようです。
> 「微」の古音の声母をそう記述している本を見たことがあります。

馬とか妹とかのようにmに戻っているものもありますので、m→mbの後、mbからmv(mは唇歯音化したもの)が分化し、mbのままだったものはmに戻り、mvとなったものはvを経てwとなったという流れが尤もらしく思われますが、mbになる前に分化したのかもしれませんね。
それとも、分化したのではなくて、元々何か違っていたのでしょうか。



いろいろ

zo- (2003/04/05 06:24)

「煬帝」の「帝」も「文帝」の「帝」も中国語では同じ発音なので、たぶんこれは日本語に詳しい方に伺ったほうがいいと思うんですが、私は歴史の授業で、あまりいい皇帝ではなかったから、他の皇帝と区別したというような話を聞いたことがあります。中国の固有名詞の日本語読みには読みくせとかいうのがあって、時々今から見たら変な読み方をするのが結構あるみたいです、唐の詩人の高適(こうせき)とか。もともと理由があったものもあるんでしょうけど、今でははっきり分からないものが多いようです。

「きなくさい」はものの焼けた臭いが「きなこ」に似ているからだと聞いたことがあります。私の感覚では「きな臭い」は怪しい意味ではなく、争い事が起こりそうだという意味なんですが、「燃える」→「火」→「戦争」という感じではないでしょうか?「くさい」はよく「あほくさい」とかの造語を造りますが、においというものの曖昧さから、なにがしかの気配があるとか、そんな感じがするといった意味を表すのではないでしょうか。

以上、殆ど推測で、何ら資料に基づくものではないんですが。



Re: ミルクのm+J

にれのや (2003/04/05 01:34)

■まつまつさんのいう「m+J」というのは、IPAの [m] の(硬)口蓋化音を示す記号ではないでしょうか? comfortable の m に現れる音は [m]の最後のストロークをJのように伸ばすものですが、[m]の口蓋化音を示す記号は、最後のストロークを伸ばすのではなく、少し右にずらして、小さなJのようなカギをつけます。
 この記号は、1980年代に廃止され、現在では、硬口蓋化音は、すべて、口蓋化する子音の右肩に、小さい j をスーパースクリプトすることになっています。つまり m の口蓋化音なら [m^j] (スーパースクリプトを^であらわしました)。
 この記号が表すのは、日本語のミャ、ミュ、ミョの子音です。



タイ語とマレー語

にれのや (2003/04/05 01:28)

■massangeana さま。
わたしは、東南アジアの言語にはとんと疎いのでありますが、タイ語とマレー語には系統関係があるんでしょうか?
提示された数詞を見るかぎり、偶然とは思えませんねえ。en―d あたりがグッときます。



”きな臭い”のきなって何?

ヒデ (2003/04/04 22:37)

きな臭いって日本語ありますよね。
そのきなってなんですか?
それからどうしてなんとなく怪しいって意味になるのでしょうか?
どなたか知りませんか?



なぜだい?

ロスケ (2003/04/04 21:04)

中国語に強い皆様に教えていただきたいことがあります。
中国の各王朝の天子名に「文帝」「武帝」(もちろん諡号)などがありますが、隋の「煬帝」だけはなぜ「ようてい」ではなく「ようだい」という読み方をするのでしょうか?。同じ隋でも「文帝」は「ぶんてい」なのにどうしてなのか、理由を知りたいのです。



Re: タイ語の数詞つづき

massangeana (2003/04/04 18:20)

まだまちがいが...
「man(陽去)」の声調は何かのまちがいです。ふつうは高平らで発音するようです。
壮語の man2 ですが, 近代以前の漢語からの借用語では第二声が陽平に対応するようなので,
「文」かもしれません。

タイ諸語には私の知る限り固有語の数詞は 1以外残っていませんが, タイ・カダイ語に
系統関係があるという説を信じるならば, カダイ語には漢語的でない数詞が残っている
ので, タイ諸語の古い数詞もこのようなものだったかもしれません。
ちなみにカダイ諸語のひとつの Laha 語(ベトナム北西部)とマレー語を並べると:
3 tu : tiga
4 pa:empat
5 ma:lima
6 dam:enam
となって, なんとなく互いに関係があるように見えます。



朝鮮での漢字

らにい (2003/04/04 12:33)

昔、ある雑誌でみかけたことがあるんですが、
日本では朝鮮の地名や人の名前には(ニュース等で)よく漢字を使っていますが、
朝鮮の人たちは漢字はほとんど使わないし、自分の名前を漢字で書ける人は少ないと書いてありました。
自国語のハングルにとても自信をもっているんでしょうか?
どなたか真相を。

今日の某新聞にて。
「インフルエンザ」は「印弗魯英撤」と漢字をあてるらしい・・・



Re: タイ語の数詞

massangeana (2003/04/04 04:03)

書き忘れ: タイ語の 1 は固有語ですが, 「十一」の「一」は中国語からの借用(et)になります。
また 2 がソーンなのは, 声調から考えて「双」から来ているのだろうと思います。ただし「二十」の
「二」は yii になります。

高駒麗人さん:
>sの鏡文字のように
これは声調の「2」ですね。たぶん活字はキリル文字のгのイタリックを利用していると思います。
ちなみに「3」はзを, 「4」はчを, 「6」はьを使っています。「5」はうまい字が思いつかなか
ったのか, 新しい字を作っています。
「man2」は広東語で元のことを「man(陽去)」というのと関係あるのではないでしょうか。

い字を作っています。



massangeanaさんありがとうございました

はなくらべ (2003/04/04 02:26)

やっと謎が解けてすっきりです。
しかしジブリの造語(字?)だったとはちょっとがっかりです。
でも本当にどうして「せっき」なんでしょうね。



ミルクのミ

高駒麗人Koma (2003/04/04 02:03)

まつまつさんへ
お役に立てて光栄です。
>m の最後のストロークを伸ばして丸めたような記号
それは少し不思議ですね。普通のmは上下唇を閉じて鼻から声を出す鼻音(bilabial nasal)ですが、mの右下をJのようにした記号は、fやvのように上の歯を下唇につけて出す鼻音(labial-dental nasal)をあらわします。英語でこれが出現するのは、nyMph[nimf](妖精)、coMfortable(気持ちいい)、iNformation(情報)、Memphis[memfis](メンフィスという地名)、iNvest(投資、投資する)のように、m・nがf・vの前で唇歯音(labial-dental)になる現象です。milkのmのような語頭のmは普通の両唇音になると思います。informationとinvestmentのnは唇歯音で、mは両唇音です。
ただ、誰であれ白い歯を見せて笑いながら話すと「ミルク」の「ミ」も唇歯音になります。しかし、これは日本人に限らないでしょう。
私は「ミルク」の「ミ」では両唇を閉じて發音しますが、「アイスミルク」「ホットミルク」を速く言うと「ミ」のmが唇歯音になります。
漢語音韻史で、「萬(万)」「武」「文」「望」「未」「微」「無」などの声母がm>b>wという変化をたどりましたが、mが唇歯音(mの右下をJにした記号)になってvになりwになったという可能性もあるようです。「微」の古音の声母をそう記述している本を見たことがあります。
http://websearch.yahoo.co.jp/bin/query?p=%bf%b0%bb%f5%c9%a1%b2%bb&hc=0&hs=0



ミルク

まつまつ (2003/04/04 01:31)

massangeanaさん、高駒麗人Komaさん、ありがとうございました。
「日本の漢字音」では河野六郎博士の再構音に従うと注釈にありました。

ついでにお尋ねしたいのですが、同じ章でミルクのミの子音を表すのに m と J を合成したような記号が使われていますが、それは ng の字が n の最後のストロークを下に伸ばして丸めるように m の最後のストロークを伸ばして丸めたような記号ではないかと想像します。
で、それは原語の m とかけ離れていると書かれているのですが、日本語のミの子音と m が大きく違うという意識が無かったので不思議に思っています。
それほど違うのでしょうか。



Chinese characters and phonetics in dialects

高駒麗人Koma (2003/04/04 00:41)

massangeanaさん: 続きです

訂正:「中国人民銀行」はチワン語で Cuŋbgoz Yinzminz Yiŋzhanz または Cungbgoz Yinzminz Yingzhanzです。
「蔵」を「サ/上」と書く字は上海語ですか。「」は北京語の方言文字ですね。
漢字の写真字典 http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/hogenji2.htmを拝見しました。とても面白いですね。
「停」を[イ丁]で現すのはよく見かけます。
[火局]gukは、普通語でjuと發音され、中国北方の理髪店・料理店の菜単でも頻繁に使われ完全に普通話化しています。しかるに中国制の漢日詞典には載っていないことが多く、漢語方言詞典で見つかります。
鍋を意味する[保の下に火]baoと同様、普通話漢字として採用して欲しいものです。中国の電脳打字機では[火局]が打てないので、「局」で代用しているのを見かけます。
例:姜葱[火局]蟹jiang cong ju xie>姜葱局蟹(CRAB with GINGER & SCALLION蟹の生姜炒め)
>旧かなでは「くゐ」旧かなの定義によりますが, 戦前では「くゎ」以外は合口でも「き・く・け・こ」を使うのがふつうだったようです。
「軌道」guidaoは旧かなでは「くゐだう」でなく「きだう」ですか。ならば旧かなを覚えるより「軌道」guidaoという今の中国の漢語を覚える方が実用的ですね。

>n, n', n~
日の声母はnからnzを経由してz、r、yになったのでしょうか。
舌が上歯茎についたnはナヌネノの子音です。舌が上歯茎と硬口蓋の間当りにつくとニャ・ニ・ニュ・ニョの子音njになります。「娘母」はこれでしょう。
舌面が上硬口蓋につくと、
スペイン語Espan~a,espan~ol、のn~(〜はnの上)になります。
舌面後部が硬口蓋後部〜軟口蓋につくと、ギャ・ギ・ギュ・ギェ・ギョを鼻濁音で發音した音(鼻濁音ギャngya[ŋja]のngy[ŋj])になり、鼻濁音のガ・ゲ・ゴの子音は舌根と軟口蓋がつく音です。

>「せっき」の「せつ」の漢字はジブリが作った字
どうりで辞書にないわけです。



タイ語の数詞

にれのや (2003/04/04 00:33)

■なるほど、みなさん、だんけさまです。
2も本来語ではないということですか。中国周辺の言語は、よく中国語の数詞を借用していますが、序数詞は本来語ということが多いですね。タイ語には、そういう現象もないんですか?
■タイ語本来の数詞はどこへ行っちゃったんでしょうね?



泰語的数詞

高駒麗人Koma (2003/04/03 23:55)

massangeanaさんへ

Thai語の数詞は面白いですね。
泰語 1neung、2sawng、3saam、4sii、5haa、6hok、7jet、8paet、9kao、10sip
壯語 1it、2song、5ha、10cib、100 it bak
中国の紙幣の裏に泰系の壮族の言葉(貨幣金額と「中国人民銀行」の名)が書かれてあります。
「中国人民銀行」は Cuŋbgoz Yinzminz Yingzhanz
「1元」 it manz 「100元」 it bak manz、「1角」 it gak 「10元」 cib maenz、
「2元」 soŋ mang2 「2角」は soŋ gak、ŋはngで書かれる事もあります。zは紙幣によってはsの鏡文字のように曲線を描きます。「5元」は ha3 manz、故に「50」元は ha3 cib maenz。
manとmaenは同じ詞で「元」のタイ語名でしょうか。「角」は gak、これは漢語詞でしょう。「2」は songですがこれは「両」liangか「双」shuangの変音でしょう。「5」 ha は完全にThai語ですね。
http://homepage1.nifty.com/forty-sixer/kakolog.htm(03年9月「中国の貨幣の数字」)
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Labo/6084/kanbun.htm(中国の貨幣の文字)
http://www.16da.org.cn/ri-shaoshu/index.htm(中国の少数民族)
http://www.16da.org.cn/ri-shaoshu/zhuang.htm(中国のチワン族)
http://www.worldtips.net/localtips/chinatips/japanese/culture/trive8.html(中国の壮族)
泰王国の言葉も華南から南下したもので、古い時代に漢語やその近縁の言語から借用を行っているそうです。壯語には南宋時代から漢字に似た文字がありましたが、1955年に中国が拉丁文字を応用した文字を作り1982年にはこの文字で課本(教科書)も作られました。

http://www.16da.org.cn/ri-shaoshu/6.htm





zo- (2003/04/03 22:42)

massangeanaさん

 数字の数え方、ご紹介ありがとうございます。実は私もにれのやさんと同じく、3から10までは中国語の南の方言と似ているなあと思っていたんですが、「1以外」ということは、2は「双」かなんかなのでしょうか?



「ロンドン」

きしろふ (2003/04/03 20:24)

>massangeanaさん
ホントにいろいろあって驚きです(@_@)
まぁ、この話は「追記」にも書いてあるとおり、
いつか聞いた(詳しくは知り合いから聞いた)話です。
「沼地の砦」のことは主張していましたが。



Re: タイ語の数詞

massangeana (2003/04/03 19:19)

世界の 4500 以上の言語の 1 から 10 までの数詞のリストがあります。
そのうちのアジア版
  http://www.zompist.com/asia.htm
にタイ系諸語もありますが, 1 以外の数詞はすべて中国語からの借用になっています。
おそらくタイ系諸語が分化する前の借用でしょう。
どこの方言から借用したかをいうのは難しいですが, 「5」が ha になっているのが気に
なります。現在の中国語諸方言ではだいたい -u/o のような母音が出るのがふつうで(または ng),
これが -a なのは, タイ語内部での変化でないとすれば, かなり古い時代(上古)の中国語を反映
しているのではないでしょうか。



Re: サンズイに九

massangeana (2003/04/03 19:06)

高駒麗人さん:
蔵を「草かんむりに上」と書く字は, 上海の「西蔵路」の標識で見かけたことがあります。
(上海では「蔵」と「上」は同音)。この手の「不標準的簡体字」の写真を Gat Tin さんが
たくさん集めていて, とても興味深いです。
 漢字の写真字典
 http://homepage2.nifty.com/Gat_Tin/kanji/kaindex.htm

>旧かなでは「くゐ」
旧かなの定義によりますが, 戦前では「くゎ」以外は合口でも「き・く・け・こ」を 使うのがふつうだったようです。



Re: 呉音のナ行の子音は?

massangeana (2003/04/03 18:52)

まつまつさん:
>n, n', n~
伝統的な呼び名でいうと, n は泥母, n' は娘母, n~は日母のことですね。これらがどんな
音だったかは学者によって違いがあります。
「日本の漢字音」の中古音がだれの再構によるものか知りませんが, 綴りから判断して,
たぶん n は「ナ」の子音, n' はおおむね「ニ」の子音(n より口蓋化している), n~ は
おおむね「カギ」の「ギ」を鼻濁音で発音したときの子音(やはり口蓋化しているが,
n' よりもっと後ろの位置に舌面がつく) のつもりなのではないかと思います。ほかの説としては,
*娘母も日母も口蓋化しているが, 娘母は n', 日母は n'z' だった(カールグレン説)
*娘母はそり舌音で, 日母は口蓋化した音(羅常培などの説)
*娘母は n であって泥母と音韻的に区別なく, 日母は口蓋化した n' だった(李栄などの説)
などがあります。日本の漢字音(中国語諸方言音も)を考える上では泥母と娘母の区別を考える
必要はありませんが, 日母は別に考える必要があります(漢音で日母がザ行, 泥・娘母がダ行に
なるため)。



Re: アシタカせっ記

massangeana (2003/04/03 16:33)

はなくらべさん:
>「せっき」の「せつ」の漢字
これはジブリが作った字なので, 辞典に載ってなくて当たり前です。
なぜ「せつ」と読むのかが気になりますが。



Re: ロンドン

massangeana (2003/04/03 16:31)

きしろふさん:
>ケルト人がつけたラテン語「ロンディニウム(Londinium)」
というか, ローマ人がつけた Londinium がケルト語に由来する, という説ですね。

>意味は「沼地の砦」
これはちとわかりませんが, ロンドンの地名の由来には本当にいろいろの説がある
ようです。ここに山のようにいろいろな説がのっています。
 http://www.cf.ac.uk/encap/skilton/nonfic/town/townint.html

また, ここではケルト人よりもっと前にすんでいた印欧語に由来するという説が
紹介されています。

http://groups.google.com/groups?selm=_1oM9.66958%24Hs2.8175377%40kent.svc.tds.net



タイ語の数詞、私も知りたいです

zo- (2003/04/03 08:01)

にれのやさんが書かれたタイ語の数字の起源、私もすごく興味があります。

私は極単純に、潮州語かなあと思っていたんですが、サンスクリット、潮州語など来源の注記のある辞書でも数詞には、何も書いてないですよね。



呉音のナ行の子音は?

まつまつ (2003/04/03 07:33)

数年前に、上代日本語の母音などについて質問した者です。
以後、長らくご無沙汰しておりました。

さて、中公文庫「日本の漢字」を最近読んでいるのですが、「日本の漢字音」の章で使われている発音表記がよくわかりません。
例えば、7世紀以前の中国語の鼻音的頭子音として、m, n, ng の他に、n に ' が乗った記号 (以下、n') や n に ~ が乗った記号 (以下、n~) が登場します。
これらの内、n, n', n~ は呉音ではナ行に写されているようなのですが、この三者の区別は何なのでしょうか。
同じ章の他の箇所で、発生部位に前よりと奥よりの対立があるばあいに前よりの方の子音の後ろに ' を付けて表現していることと、n~ は漢音では非鼻音的子音 z を伴っていることから、以下のように推測したのですが、それで合っているでしょうか。

n 舌先を上歯茎に付けた状態で鼻に抜く。
n' 舌先だけでなく舌の上前面を上歯茎に押し付けた状態で鼻に抜く。
n~ 舌先を上歯茎に付けず、若干離した状態で鼻に抜く。



訂正 の → と

高駒麗人KOMA (2003/04/03 02:34)

訂正 日本語で母音が5つ と いうのも母音の四辺形を5つに分けているわけで、

昨日も中国人が手書きで「…大店」と書いているのを見かけました。「ホテル」を意味する「大酒店」の俗字です。「葡萄」「水」等と書かれたら、北京語の知識が無いとまず理解できませんね。



(サンズイに九)の發音&母音の数

高駒麗人KOMA (2003/04/03 02:28)

zo-さん、にれのやさん、ご親切にどうもありがとうございます。

「」について中日辞典を調べたら、普通話(國語)發音が2つあって、一つは「九」「酒」と同音の jiu、もう一つは「軌」と同音の guiで、日本語音読みも「き」でした。旧かなでは「くゐ」でしょう。

アラビア語の母音が3つというのは、a、i、uを中心に母音の四辺形を3つに分類しているということですね。日本語で母音が5つのいうのも母音の四辺形を5つに分けているわけで、実際は日本人も日本語の中でアとエの中間音(catのa)や曖昧母音(motherのoとer)やロシア語のыを發音しているわけでしょう。音素というのは虹の色の分類に似ています。



タイ語をかじって

にれのや (2003/04/03 01:11)

■ここのところ、タイ語をかじっております。語学書付属のCDを聞いていたら、突然、韓国語の数字が! と思ったら、タイ語の数詞なんですね。1、2を除いて、中国語から来ているように思えます。(1)いつの時代に、どんな経路でタイ語に入ったのか (2)もとからあった数詞はどうなったのか、ご教示くだされたし。



どなたかご存知ないですか?

はなくらべ (2003/04/02 02:13)

突然おじゃましてすみません。
どうしても解らないことがありまして・・・。
あの、みなさんご存知だと思うんですが、宮崎駿監督のアニメで
もののけ姫ってありましたよね、あの作品のエンディングテーマ
で、「アシタカせっ記」って曲があるのですがその「せっき」の
「せつ」の漢字がどの辞典にも載っていないのですが、どなたか
真相をご存じないですか??
くさかんむりに、「耳」を左右に二つ並べた字なんですが・・・。

宮崎監督自身は、「せっ記とは草に埋もれながら、人の耳から耳
へと語り継がれた物語」みたいな事を書かれていたと思うんですが
・・・。

「龍」が四つ並んだ字(確か一番画数の多い漢字)が載っているよ
うな辞典でも見あたらなかったんです・・・。
どなたかご存知でしたら教えてください。



4月ですね 追記

きしろふ (2003/04/01 18:55)

今日は「エイプリル・フール」ですけど、
別に嘘ついているわけではありませんので(^^;)
いつか聞いた話です。



4月ですね

きしろふ (2003/04/01 18:53)

以前このサイトで「ロンドン」についての書き込みがあったようなんですが、
薄謝ながらですが私の知っている事を一つ・・・

 ・「ロンドン(London)」の語源はケルト人がつけたラテン語「ロンディニウム(Londinium)」から。
  意味は「沼地の砦」。

本当に拙い知識ですけど・・・



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