言葉の世界・伝言板 2002年11月



ウェブスターの地名

アホの坂田は日本一 (2002/11/30 13:55)

>Merriam-Webster http://www.m-w.com/
>で見てみたんですが、人口ではないでしょうか?
>大体30万以上は載っているようですね。

Webster's New Geographical Dictionary では、Preface に、日本では人口が5万人以上の地名を掲載したと書いてあります。
 基準は国によって違うようです。例えば、ヨーロッパとイギリスは1万が基準のようです。



ありがとうございます!!

shoji (2002/11/28 23:17)

未菜実さん、ありがとうございます!!
 人口ですか!人口についてはあまり考えていませんでした。これで調べる方向が見えてきました。本当に感謝しています。ありがとうございました!



よかった!ありがとう!

和銀庵 庵主 (2002/11/28 10:41)

早速教えていただいてありがとうございます!これで堂々と子供に説明できます!



Re:array

未菜実 (2002/11/27 22:16)

科学・数学用語ではarrayで配列のことを言います。
もともとは(軍隊などを)配列すると言う言葉から来ているようです。



あれー?

和銀庵 庵主 (2002/11/27 19:12)

 調べたり聞いたりしてもわからなかったので、こちらの方々に伺おうと思い書き込みました。算数の掛け算の勉強で「アレイ図」というのを使うのですが、この「アレイ図」の語源がわかりません。子供に話をするのに、なんでそういうの?と聞かれた時のためにぜひとも教えていただきたくお願いいたします。



「告」は何故コウでなくコクか

高駒麗人KOMA (2002/11/26 23:48)

以前、朝鮮語で고[ko]である「告」を「コク」と読む日本語音は特殊だという意見が有り、学研漢和大字典の記載、[一]kok>kok>kau>kau(gao)[二]kog>kau>kau>kau(gao)について、確かMassangeanaさん(間違えていたらすみません)が「『1kok>kok>今は消滅』でないとおかしい」と書いておられました。これに関し学研辞典編輯部から回答を頂きました。

A上古の時代、「告」は一時でkok(告/コク)とkog(誥/コウ)という別音、別儀(類義ではあるが)の二語の表記としても用いられていた。
現代中国語のgao4なる語形は音変化の流れから言うと、ここで指摘されているようにkog(誥)の流れをくむものと理解した方がよいと思われます。しかし、現在の語は古代のように両者を別語として区別しておりません。「告」系、「誥」系の両者ともgao4となっているという理解に立てば、学研漢和大字典p29の記載、[一]kok>kok>kau>kau(gao)[二]kog>kau>kau>kau(gao)自体を誤りとする必要はないと思います。
日本語のコクという漢字音は中古以来の読み方(kok系)を今に傳える物で、何も特殊な物とは言えません。
だから同じ「告」gaoを声符としても、kog系の「浩hao、[告・おおざと]、皓」はコウと読み、kok系の「鵠、酷ku、梏、告gao」はコクと読み分けているのです。

KOMAより補足:「説」shuoは古代には「説」、「税」shui、「悦」yueを兼ねていた様で、「遊説」の「説」(ゼイ:税と同音)や、「学而時習之、不亦説乎」の「説」(shuoでなくて「悦」と同様 yueと読む)に残っています。
「画」huaは本来「畫」と「劃」であり、日本語の「絵画(かいが←くわいぐわ)」「企画(きかく)」に対し、現代漢語で「絵画」huihua、「企劃」qihuaです。
「畫」「劃」の音韻は、huag>hua>hua>huaという変化をした物が日本語で「ぐわ」>「が」(絵画、画家、画廊)になり、一方、huak>huak>hua>huaという変化をした物は日本語で「かく」(企画、計画、画数、筆画、一線を画す)になったのでしょう。
(この場合、上古代のhは有声だったでしょうが、ここでは記号上、無声のhと特に区別しませんでした。)

日本語音で「ガ」に当るのは現代中国で「画」になり、日本語音「カク」に当るのは中国で「劃」になっていますが、例外は「画数」「筆画」の「画」で、中国では「劃数」「筆劃」でなく「画数」「筆画」です。これは少し不思議です。
似た例には「悪」の「アク」「オ」(「亜、唖」では「ア」)。「作」の「サク」「サ」。「奥」の「オク」「オウ」。「意」の「イ」に対する「億」「憶」の「オク」。上古代「意」はg韻尾(隋唐代にgが消滅)で、「憶」「億」はk韻尾だったのでしょう。
「由、油」you(日本語音ユウ、ユ)、「抽」chou「宙」zhou(日本語音チュウ)、「笛、迪」di(日本語音テキ)は上古代には何か *dhioug 或いは *dhiouk の様な類似音で、それから派生したのでしょう。



「倩」の音韻について

高駒麗人KOMA (2002/11/26 23:04)

「倩」qianが本来「青」qingと同じ-ng韻母だったことについて学研辞書編集部から説明を頂きました。

@詩経「碩人」の引用「倩」が韻を踏んでいるのは
「盻」でなくて「[目分]」です。
「[目分]」は諧音符「分」からも判るように-n音尾の字です。しかし、この語における押韻は、上古における「合韻」(本来の韻とは別の韻として押韻だれた物)の一例であって、-ng系韻の「倩」が-n系韻に合韻させられた物として段玉裁等先学が扱っている物です。(段玉裁:六書音均表の詩経韻文十七部表の詩経韻文十七部表の第十三部参照)同じところに類似の合韻例として詩経桑柔の四章での「東」が-n系の「慇」「辰」「[やまいだれ・昏]」と合韻させられた例があげられています。上の例の「倩」を-nであると主張するならば、この例の「東」も詩経の頃は-nで終っていたと主張しなければならないでしょう。

今の中国(大陸、台湾、香港)の歌で、「心」xinと「行」xingで押韻しているのがあったら、この「倩」の例と似ていると言えるでしょう。



へー

zo- (2002/11/26 13:34)

佐藤和美さま

 面白い文章の紹介ありがとうございます。清末民初の中国人は、漢文訓読体に近い日本語を、逆に訓読して読んでいたそうです。もしかしたら、そういうような方法もあったので、中国の知識人に日本語がより身近だったことも関係あるのかも、とか思っています。



Re:英英の地名

未菜実 (2002/11/25 15:29)

Merriam-Webster http://www.m-w.com/
で見てみたんですが、人口ではないでしょうか?
大体30万以上は載っているようですね。25〜30万では載っているのと載っていないのとがあるようです。
調べた中で少なくて載っているのが、下関の262,643でした。



(無題)

shoji (2002/11/24 16:15)

はじめまして!
英語になった日本語を調べていてここにたどり着きました。ここしか頼れる場所はない!って思いました。
 私は大学の卒論で日本語から借用されている英語を調べているのですが、地名についての事がなぜ英英辞典に載ったのか?ということが全然わからないんです(市川という地名がなぜ英英辞典に載っているのか?等です)。広辞苑や大辞林、色々なサイトを探してもないのです。どなたか良い情報知りませんか??もしご存知ならぜひ教えてください。宜しくお願いします。



中国語の中の日本語

佐藤和美 (2002/11/21 13:02)

こんなページもあります。

陳生保「中国語の中の日本語」
http://www.nichibun.ac.jp/text/fn91.html



Re: バーバリー

いばら (2002/11/19 19:07)

ブランドのバーバリーの綴りはBurberry、
創始者の名前Thomas Burberryから来ているようです。
http://www.burberry.com/

Burberryという名前の語源はわかりませんが、
地名によく使われているbur-は要塞を意味する言葉が語源となっているそうです。
http://www.countrylovers.co.uk/places/placnams.htm

いずれにしても、ギリシア語のバルバロイとは関係なさそうですね。



はじめまして

仙人掌 (2002/11/19 17:29)

はじめてきました。ある地名について調べていて、ここにたどりつきました。
もともと、地名だけでなく、こういったことに興味があったので、大変興味深く読ませて、
いただきました。
ところで、「地名の世界地図」の批判の中で、ギリシャ語のバルバロイには、野蛮人、未開人
という意味はないとありましたが、ギリシャ語のbarbaros,ラテン語のbarbarusが語源とされる
英語のbarbarian,barbarousは、異邦のという意味合いもありますけど、野蛮な、未開なという
意味合いの強い単語だと思います。また、brave・・・勇敢な といった単語も派生していますが、
言葉が他国へ伝わる過程で、こういったニュアンスの変化はありうるのでしょうか?
むしろ、こういったニュアンスがもともと混在していたと考えるほうが自然かなと思ったのですが。
まー詳しくないので、わかりませんが。
ところで、マフラーなどのブランド名で、バーバリーっていうのがありますけど、これって
なんか関係あるのでしょうか?



辻本さん、李さん、狐の悠さん

zo- (2002/11/19 14:08)

辻本さん

 私も、最後の言葉、そう思います。私が勝手に残念だなあと思っているのは、東南アジアの国(シンガポール、マレーシアなど)で中国語方言がなくなり、普通話へ転換されつつあるということです。当地でいろいろなびん南語を聞くのは楽しみなんですが。ところで、東南アジアでは広東語話者は依然として広東語を話しつづけるが、ビン南語系は普通話へ転換していく傾向が強い、という話を聞きました。広東語強し。

李さん
 HPお邪魔させていただきます。いろいろ教えてください。

狐の悠さん
 勝手に話をずらしてすいませんでした。



外来語

zo- (2002/11/19 14:01)

KOMAさんへ

なるほど。日本で作った外来語もたくさんありますよね。気が付きませんでした。ということは結果的には、範疇は同じということになりますね。

「経済」は古代漢語の中にも「経世済民」の意味で使われていて、近代になって、そこからとったと以前本で読みました。渋沢栄一だったかどうかは、記憶違いかもしれません。

しょう州は福建省のさんずいに章のしょうです。コンピュータで出なかったので、すいませんでした。



諸々

狐の悠 (2002/11/19 12:56)

・故郷について
私の手を離れたようで(微笑)。

・少女文字について。
>「乙なぃナニ"」って、読めます?
「こないだ」です。2ch語との最大の違いは、入力の手間が増える方向の書き換えが多い点です。
それにしても、こう言った少女達のサイトは押し並べてサイケで文字が小さくて…
サンプル収拾も疲れます(苦笑)。

・2ch語について。
誤変換を放置した例のほかに、検索されるのを防止するために意図的に書き換えた例もあるようです。
或いは、誤読を論って一般化する例もあります。他にも形の似たかなでの置き換えなども。
#誤変換:「厨房」(元は中坊、現在は意味が拡大しています)
#検索防止:「逝き印」
#誤読の一般化:「がいしゅつ」(元は既出)
#かなの置き換え:「香具師」(元は奴、ヤツからヤシに置き換えられて、更に誤変換へ)

他にも色々あるでしょうが、一応振った話題の締めとしておきます。

・誤字、誤変換、雑感。
知り合いの文章書きの人が誤字誤変換の多い人でした。
本人曰く、「何度も読み返している」とのことでしたが、それでも見落とすようです。
入力手段故に誤りが発生すると言うこともあるでしょうが、やはり最後は個人の意識かと。

そういう誤変換(など)で引っ掛かるこちらもこちらなんでしょうけど、
直接指摘すると罵倒されたり、遠回しに指摘しても嫌味と取られたり。難しいもんです。



漢語系外来語について

高駒麗人KOMA (2002/11/18 23:22)

zoさんへ
「しょう州、福州」の「しょう」は何でしょうか?
日本語の中の漢語詞は日本人が漢字を組み合わせて作った物が多いのは確かです。しかし、漢語詞以外の外来語でも「オフィスレディー」「テーマソング」(ドイツ語Thema&英語Song)、フリーター(英語free&ドイツ語Arbeiter)のように、日本人が勝手に単語を合わせて作った語彙があり、これらも外来語扱いされている以上、「会社」「写真」「経済」等も漢語系外来語と言ってよいでしょう。「経済」は澁澤榮一の作ですか。古代漢語でも同じ語が偶然あった可能性もあります。
ワンタンは「[食昆]飩」huntunの廣東語音want'an又はwant'ynでしょうか。
ウドンは漢字で饂飩ですが、「[食昆]飩」の江南地方の中世音から来ているようです。(藤堂明保、学研漢和大字典)いずれも漢語からの外来語と言えます。今の中国ではウドンを烏冬wudongと書きます。中国では、ウドンとワンタンをごっちゃにして、ウドンなのに英語名をWonton(即ちワンタン)にしている餐庁もあります。
「ふるさと」の語源について解説頂き有り難う御座います。「ふるさと」は和語(倭語)ですから「故郷」をKokyo:(こきょう)、guxiang、kohyang(고향)と読むのは普通の読みですが、「ふるさと」と読むのは読みではなく翻譯であるというのが私の主旨です。



zoさんへ

辻本裕幸 (2002/11/18 16:08)

なるほど。台湾の問題は難しそうですね。今でも台湾では首都は南京だと主張しているのでしょうか?もしそうなら、官話方言を公用語にするにしても、北京語より、南京語を公用語にしたほうがまだいいと思いました。南京語にはそりした音もありませんからね。(全くないわけではないでしょうが。)普通語に長けてきた中国語学習者は大体第二中国語(?)を勉強し始める人が多い。普通語はかなり人工的言語の側面が強いので、もっと地域に密着した言葉をしゃべれるようになりたいと思うのは当然の欲求でしょう。日本では主に、広東語、上海語、台湾語がよく学ばれテキストも多い第二中国語ですが、やはりこの中で上海語や台湾語を選ぶ人は少ないのだと思います。上海は中国の一部ですし、台湾でも公用語は北京語であるとなれば、北京語でカバーできるのでなかなか学習の必然性には迫られないからでしょう。広東語は、わずか人口500万人の香港とマカオだけですが、広東語しか通じない(これも中国変換後は北京語が普及しているようではありますが、)地域、そしてさまざまなサブカルチャーが広東語で行われている地域が確保されているので学習の必然性は少なくないのだと思います。それで学習者は多い。台湾語ももっと、その立場が確保されてくれば、学習者も増えるし、第二の中国語、さらに野心的なことを言えば、エツ語の中の香港語のように、ビン南語の中の標準的な言語たる地位の確立もありえなくはありません。台湾語が公用語たり得ないのは、私的には本当に残念だと思います。
 台湾はどこにある?とは、なかなか難しい問題ではあると思います。中国の人たちはみんな、台湾が帰ってきたら〜といった言い方をします。中国人にとっては、イギリスに盗まれた香港、ポルトガルに盗まれたマカオ、同様に、国民党(それ以前は日本)に盗まれた台湾という意識があるようです。事実、そう考えること自体には間違いはないのだと思います。(日本もアメリカに盗まれた沖縄を返してもらいましたし。)しかし住民感情はそうともいえない。香港の住民の多くも、経済差のある中国に変換されることはうれしくなかったようですし、台湾の人も同様に考えることは無理もない。しかし今中国は信じられないほどのスピードで経済成長している。上海やアモイ、広州などの沿岸部に限れば、一人あたりのGNPが香港人や台湾人を抜く日も遠くはないでしょう。そうなれば、台湾の人たちの意識も自然に変わるでしょうし、台湾変換というのも有り得なくはないと思います。そうなったとしても、台湾語の地位だけは確保してほしいものですが。





zoー (2002/11/17 04:02)

北は

背を向けるー北を背にして座るー北をあらわす方位詞

ということですか。勉強になりました。
ただちょっと疑問なのは例えば東西に走る道があるとしたら、北向きの家と、南向きの家は、普通半々なのではないかと。南向きのほうがより標準的というか、理想的と考えられていたんでしょうか(例えば風水などの関係で)。それと家の中でも一列に並ぶということですか?

ふと思い出したんですが、古代中国では、南面(南を向いて座る)するというのは王位につくということだったと思います。一般生活の中ではなく、王が背を北に向けている(或いは家来は結果的に北を向いて仕えている)という可能性もあるような気がするんですが。

そういえば「乖」の中にも「北」らしき字入ってますよね。



北について

李 (2002/11/16 23:55)

北という言葉は確かに「逃げる」という意味があるが(例えば「敗北」)、「にげる」と「きた」と直接に関係ないのである。逃げる時、決まったルールで、皆「北」の方向に逃げるのではない。「北」と「逃げる」との共通点は、人間の「背」の向く方向である。実は、「北」の漢字は「背」の本字である。「きた」と「逃げる」ともに人間の「せなか」と関係する。漢語の「きた(北)」と「逃げる(敗北)」の語源的意味は、同じく「背中を向ける」ということである。北中国の日常起居には、東西南北の方向と切っても切れない関係がある。街は東西南北の真直ぐの方向に沿って配置する。住宅の殆どは、南を面する。北に背を向けて、座るのは一般的な作法である。そのために、背中の向ける方向は「きた」という。同じように、逃げる時は東西南北の方向と関係なく、必ず敵に背中を向けて「にげる」のだから、「北」(本当は「せ」の意味で)を動詞とするとき、「にげる」ことを意味する(背を向けるという意味である)。簡単に言うと、漢語「北」の語源的意味は、即ち英語のback(背、背を向ける、バックするgo back)ということである。
(注意:北paukとbackと同語源とは言っていませんよ)



なるほど

zoー (2002/11/16 18:07)

それで、「初」と対比しているとした場合「正」はどうゆう意味なんでしょう?



RE:正午

未菜実 (2002/11/15 13:42)

平安時代の暦(宣明暦:せんみょうれき、862年)では一日を12辰刻に分け、その各々を、初刻と正刻に2分しました。
昼の12時を正午と言うのは「午の正刻」のことです。
午(うま)の刻は午前11時から午後1時までです。(一部12時から2時とする説もありますが)



迷える子羊さんへ

zo- (2002/11/15 12:55)

東西南北の、漢字の形の由来についてお調べなんですか?それなら

私も昔、授業で習ったような気がします。
「東」は説文では木と日に解釈しているが、甲骨文の発見で間違いだと分かったとか、

「北」は背を向けて離れて、或いは逃げていく様子で、どうして北へ逃げるのかは、不明ですが、
「背」にも「逃」にも「北」或いはそれに似た形が入ってるのはそのためだとか。高校で習った漢文(確か『史記』でした)に「北」を「にげる」と読む例があったので、納得した記憶があります。他は忘れてしまいました。



暖簾

zo- (2002/11/15 12:46)

暖簾は唐宋音ですよね。確かにそうなんですが、唐音、近世唐音は南京音を中心にしょう州、福州の音が重なっている部分もあるということを読んだので、かならずしも北京語から類推できるわけではないようですが。

「正」のことなんですが、問題はかなり複雑ではないかと思います。訓の「まさに」に限ったばあい、「将」「当」「方」なども「まさに」と読みますし、中心的な意味は現代中国語の「正在」とは異なって、「もうすぐ」「いままさに」「…しそうだ」が中心的な意味だと思います。「まさに」に「正」という漢字を当てるのは別な理由があるんじゃないでしょうか。どうして「正午」というのかは、別の理由があるとおもいます。確実な資料はありませんが、「真昼」などという言葉(「正午」は漢語で「真昼」は和語ですが)もあるので、私は「正」は本当のに近い、或いはそこから派生した意味ではないかと思います。

かぼちゃ、中国ではそういうんですか。台湾では「南瓜」です。「倭」は日本のことを表しますが、日本以外の地域も表すので、現在ではなんともいえないんじゃないでしょうか。「老」は確かに古いものにつける傾向はありますが、ここでは単なる接頭辞ではないかと思います。



東西南北

迷える子羊 (2002/11/15 12:44)

初めて投稿させていただきます。東西南北のうち、東と西は自分で文献を読んで、なんとなく語源が分かりました。しかし、どの文献にも、北(north)と南(south)の語源については書いてありません。もし、知っている方がいればお教えください。



暖簾(のれん)

貴 (2002/11/15 01:25)

すごい議論が盛り上がっているところ恐縮ですが久しぶりに投稿させていただきます。
目から鱗シリーズです。

いわゆる難読漢字というものの中に「暖簾」があるかと思います。
「のれん」といえば大概の人はあぁあれかとわかると思いますが、
しかしながらその字が暖簾でなぜのれんなのかはわかりづらい。
ぱっと見「だんれん」にしか読めない。
基本的な中国語を習うと「暖」は「ヌァン(nuan)」であることに
気づくのです。「簾」は「リェン(lian)」であるのでこれがなまれば
「のれん」になりうる。おぉそういうことかと思った次第です。
ちなみに暖かいということばは現代中国語では「暖和:ヌァンフオ(nuanhuo)」
といいます。「温暖」とか単に「暖」も使われます。

あと過去ログに反応しておきます。
>中国語には「正」に「ちょうど」の意味があると知って、
>「正午」は「ちょうど12時」なんだと感激したものです。
日本語でも"正に"という場合はちょうどとかぴったりという意味になりますね。
中国語ではその意味で単に「正(zheng)」とか「正在(zhengzai)」として
現在進行・持続の意味を表現するときに使っています。

>カボチャは、中国語で「老倭瓜」とのこと。この倭は、日本のことでしょうか。
>日本では、カボチャはカンボジアから来たといい、中国では、カボチャは日本から来たといっているのでしょうか。
私が調べた光生館・簡約現代中国語辞典(古くなってますが..)では「倭瓜(wogua)」と
ありました。「老」をつけるのは固いという意味のような気がします。
倭は倭寇と関連ありそうな気がするのですが・・嘘つきになるといけないのでやめておきます。

ではでは。



辻本さんへ

zoー (2002/11/14 21:00)

日本では東京以外は小さい頃から方言で育ってると思うんですが、どうでしょう。テレビタレントで、関西出身に限らず、方言的なものを帯びた話し方をする人は、私は意図的なものを感じます(ほとんど関西か東北だと思いますが)。関西出身の多くの人、他地域出身の多くの人のほとんど、標準的な日本語話してますし。意図的ではなくても、社会が関西弁は容認さているのかもしれません。以前三河出身の元漫才師の女性が(名前忘れました)テレビで三河弁を話していましたが、違和感を感じた人は結構いるじゃないでしょうか。
それと台湾がちょっと違うのは、台湾という地域の中には、標準、或いは標準の元になるような言葉を話している地域、或いは集団が無いことです。外省人の話す言葉ももちろん均一的ではありません。ですから、規範化の基準が設定し難く、いっそのこと台北で一般的に話している言葉にしてしまってもいいんでしょうけど、実際には思想的、政治的、実務的、言語学的に難しいんではないでしょうか。それに実は一般の若者は中国の普通話っぽい話し方をすることができる人は多いです。ですが、そんなことをする必要もない、と言った感じです。

台湾語国語論は、私は反対でも賛成でもないのですが、どうなんでしょうね。私もよく分かりません。この問題は必ず独立問題とセットになっていますが、どうしてセットにしなければならないのかも分かりません。台湾国として独立し、台湾語を国語とし云々、とはっきり言い切れるのはイデオロギー色の強い人の考えでしょうが、多くの人は迷っています。ですが共通して感じていることは現在の台湾の国際的な位置を何とかしたい、ということだと思います。国際連合を始め、国際的な組織の多くに加盟できません。各国との外交も、民間の機関ということになっています。その一つの手段として独立ということがあがってくるんだと思います。前の総統選挙の時にも、実は独立云々は、私が聞いた限りでは、大きな投票の動機ではありませんでした。色々な国際的な場面で、台湾がのけ者にされないことようになることが先で、その後に、独立云々は台湾の人に選択して欲しいと思います。中国の発展に伴い、台湾の経済もますます中国に「依存」している部分も大きくなってきました。僅か5年前までたくさんあった、台湾の下請けレベルの工場は今、一部を除いてほとんど台湾には残っていません。中国で工場を作っているからです。台湾の知り合いでも、お父さんの工場が潰れて、とても困っているという人が本当にたくさんいます。又中国に下請け工場を作った人もたくさんいます。今、中国との関係を悪化させてでも独立したいと思っている人は少ないでしょう。むしろ一国両制或いはもっと他の形体でも、自分たちが単に従属物、或いはかつて国民党が台湾に来たばかりの時のようにはならず、中国人として、そして同時に台湾人として、中国国内でも、世界的にも認められれば、それを選ぶ台湾に人は少なくないと思います。主義主張として独立をいうことはできますが、では実際、将来どちらかを選ぶか、台湾の人たちは迷っています。

独立の声は国内でも高まりメディアにも乗りやすいですが、台湾の人たちがその問題を考える条件は揃っていないと思いますし、中国、台湾を取り巻く状況も刻々と変化しています。



高駒麗人さんへ

zoー (2002/11/14 19:58)

「和語、漢語、それ以外の外来語」という分類もあるかとも思いますが、私が「和語、漢語、外来語」と書いたのは、恐らくそれとは異なった範疇で区分しなければならないのではないかと思います。「漢語」について言えば、もちろん中国から引入れした語彙も多いですが、それだけではなく、日本で作られた語彙も、各時代にたくさんあります。近代について言えば「経済」(渋沢栄一?)、「哲学」(西周)「経済」など。もちろん文字、或いは意義素、語義素としては中国から引入したものですが。単語としては日本で作られたものです。語義素レベルではなく、単語”詞”レベルで外来ということはできないと思います。また、近代以降中国からもたらされたものは、「シュウマイ」「ギョウザ」「ワンタン」など外来語であると思います。「饅頭」も「まんじゅう」は漢語であり、「マントウ」などは外来語でありうると思います。

また「ふるさと」を語源的に「古(い)」+「里」とするのはちょっとおかしいのではないかと思います。前の書き込みに昔は「旧里」と書いていたとか、「古い里」とは一体なんだろうかと書きましたが、語源的には「ふる」は「(年を)へる」と同じものです。ですから古くは「旧」と書くこともあったのです。「ふるい」(古語では「ふるき」)+「さと」ではないと思います。



再訂正

高駒麗人 (2002/11/14 02:20)

和風、和食のように日本を「和」とあらわしますが、昔は「倭」だった筈です。



和と日本

高駒麗人 (2002/11/14 02:19)

訂正:「ふるさと」は語源的には「ふる(古)+さと(里)」
和風、和食にように日本を「和」とあらわしますが、昔は「倭」だった筈です。「倭」は、朝鮮語では wε(左は○の下に亠、右はH)、中国漢語でwoです。元々は北九州のようです。一方、「大和」は奈良県ですが、いずれも、北海道と沖縄を省いた、津軽から薩摩までの日本本土をさしますから、大和=和=倭と考えていいでしょう。中国では「和」には、huo、hu、heの3種の發音があり、「和食」は heshi、「和服」は hefuと言いますが、これらの「和」は「倭」woの代用ですから、woを音が近いhuoを使って、huoshi(和食)、huofu(和服)と言う方がいいと思います、
「倭」を日本への蔑称と考える人がいますが私はそうは思いません。沖縄の人は本土の倭人をヤマトンチュと呼びますし、アイヌ人はアイヌ以外の日本人を和人(アイヌ語で shisam、shamo)と呼びます。
「和(倭)」だけでヤマトですから「大和」の「大」は余計ですが、これは「和泉」の「和」と同様。奈良時代に地名を無理矢理漢字二字にした名残です。「伊達」の「伊」は発音されなくなって黙字になったのだそうです。「大和」には熟語訓「やまと」の他に音讀「だいわ」もあります。中国漢語ではいずれもDaheですが、民族名としては「大倭」Dawoの代用としてDahuoよ読むか、音を取って「牙馬託」Yamatuoにするのがいいでしょう。



故郷 古里 老家

高駒麗人 (2002/11/14 02:01)

辻本さんの文で「非ビン南語住民…香港にも、客家人やちょう州人、イギリス人など、非エツ語住民は多いでしょうが、」とありますが、これは
「非[門虫]Min南語住民…香港にも、客家人や潮州人、アングロサクソン人など、非粤語住民は多いでしょうが、」ということでしょうか。
zo-さんは日本語の語彙を「和語、漢語、外来語」と分類していますが、漢語詞も外来語ですから、「和語、漢語、それ以外の外来語」とすべきです。
 http://www.glossika.com/EN/dict/lang.htm
漢語の方言の研究のホームページは面白いですね。完成が待ち遠しいです。
http://travel.mook.com.tw/explorer/explorer_12/diary_97.php越南
「故郷」は漢語「故郷」guxiangの古音が kohiang のような物だったのを古代の日本人(和人)が「こきやう」kokyauとして取り入れたもので、hometownを取り入れたホームタウンと同様、外来語です。「ふるさと」は語源できには「ふる(古)+さと(里)」ですから語源に忠実に漢字表記すると「古里」ですが、漢語の「故郷」と同義なので「故郷」と書くのでしょう。
漢語の「老家」laojiaには「ふるさと」に似た意味が込められており、「老郷」laoxiangですと「同郷の人」になります。「♪老郷見老郷、両目泪汪汪…」

同様に、「みずうみ」は「みず(水)・うみ(海)」の筈ですが「湖」と書かれたり、「猿滑り」である筈の詞が「百日紅」と書かれたりします。漢語ではサルスベリを「百日紅」bairihongと呼ぶからです。

「てのひら」は語源的に「手の平」の筈ですが、漢語で「掌」zhangという一語があるので「掌を反す」と書かれますが、「てのこう」が「手の甲」なので「手の平」でもいい筈です。
「手掌」shouzhangは直譯すると「手の手の平」です。

朝鮮語で涙は nun-mul(目の水)で、「声」は moksori(喉の音)です。漢語では涙を「泪」とも書きますが、leiという發音には、yan(眼)もshui(水)も入っていません。「眼泪」yanleiや「泪水」leishui、「声音」shengyinのような熟語化は意味の補助でしょう。

彗星を「ほうきぼし」と読むのは、「彗星(すいせい)」という詞を「ほうきぼし(箒星)」に譯しているわけで、「故郷」を「ふるさと」と読むのは、漢語の「故郷」guxiang/kokyouを和語のfurusato(古里)に譯している読みです。もし中国人が「故郷」をlaojia(老家)と読むようになったら「訓読み」でしょうが、現代の普通話では訓読はしないようです。(方言ではあるようです、人を台湾語でlangと読むのは本来別の単語らしい)「姉妹」zimeiを「姐妹」jiemeiと読むのも一種の訓でしょう。中国人が飯票に「2元」と書いてあるのを指差して、liangkuaiと言うのは、単なる文語から口語への言い換え(文語「二元」eryuan→口語「両塊」liangkuai)ですが、これが発展したのが訓読みです。



台湾語

辻本裕幸 (2002/11/13 20:02)

台湾式北京語というのは興味深いです。話を聞いて思ったのは、何か、関西人がしゃべる共通語の話に似てますね。関西人は(三重人も含めて)小さいころから関西語で生活しているので、共通語をしゃべっても、山城しんごや、ラサール石井のような不自然な共通語になるのです。台湾人もそれと同じことでしょうか?そんなのやめて、早くビン南語を公用語にすりゃいいと思うのですが、いかがでしょう?そうすれば、香港映画のように、ビン南語の映画や歌も増えて、いいのに。北京政府の一部ではないといっている人たちがどうして北京の言語を話しつづけているのかが不思議でたまらない。そりゃ、台湾にも外省人や客家人、先住民族など非ビン南語住民が多いでしょうが、それを言うなら香港もそうだ。香港にも、客家人やちょう州人、イギリス人など、非エツ語住民は多いでしょうが、何とか広東語でやっているみたいですしね。台湾も台湾語で何とかやってもらうわけにはいかないのでしょうか?



狐の悠さん

zo- (2002/11/13 19:12)

お返事ありがとうございます。

言葉は現代社会では視覚も重要だとは思いますが、やっぱり聴覚のものだと思います。だからといってどのように書くのも自由、表音文字の方が優れているとは思いませんが、やっぱり意味が変わらないから「こきょう」と読んでも「ふるさと」と読んでもいいというのは乱暴な気がします。狐の悠さんが「古里」を見て「古い里」としか感じないように(「古い里」というのがどういうのかちょっと疑問ですが)、「こきょう」と「ふるさと」はその使い方や言葉のもつイメージが違うように思うんですがどうでしょうか。もしかしたら、「古里」と書いた人は「ふるさと」に「こきょう」と違った語感を感じ、「ふるさと」と読んで欲しいがために、敢えて「故郷」を退け、「古里」を選んだ可能性もあります。もちろんその書き方の意図が、どれくらいの人に伝わったのかは別ですが。ちなみに和語、漢語、外来語とそろっているものをいろいろ考えていたんですが、狐の悠さんのおかげで思いつきました。「ふるさと」「故郷」「ホームタウン」。

ちなみに少女文字、全く読めません…。



私は議論を歓迎しますので

狐の悠 (2002/11/13 18:39)

「故郷」を「こきょう」と読んでも「ふるさと」と読んでもそうそう意味は変わらないかと。
「古里」と書くと私は素直に「こり」と読んでしまいますが。
文字のイメージでも「古い里」というイメージがありませんでしょうか。
尤も、「故郷」を(事実上)持たない私がイメージ云々しても仕方ありませんが。

ついでに少女文字に追加。
「乙なぃナニ"」って、読めます?
私は10秒ほど悩みました(鬱)。



そうそう

zo- (2002/11/13 16:35)

「台湾国語」というと発音については「そり舌音がない」点だけがいつも言われますが、それだけじゃないんです。全ての発音が中国の普通話と違う感じです。専門的なことはよく分からないんですが、例えば「和平」の「和」の音、喉の摩擦が少ないとか、「一」の発音が日本語の「い」みたいだとか、「兎子」の「兎」の「U」がちゃんと丸くなってないとか。最近、漫画とか通俗的なもので「我是〜」の「是」をそり舌音がないという理由で「素」と書いていることがありますが(日本で発行している中国語学習雑誌でも紹介していたと思いますが。ちなみに台湾語だと寧ろ「西」の音に近いです)、「似」じゃなくて「素」にしているのもミソかもと思っています。もちろん実際の発音は「似」と同じなんですが。漫画では「とても」という意味の副詞hen3を「粉」と書いたりすることもありますが、それは台湾ではfの音を日本語の「ふ」のように発音する人がいること、hen3自身のhの音が弱いためだと思います。

台湾の言葉も、ぼちぼち紹介されているようですが、こういう点にあまり触れられていないのが不思議でたまりません。

最初台湾で勉強し始めた時、慣れない外国生活ということもあったんでしょうが、あまりにも中国と細かい点で違うので、ストレスがたまり、ある程度親しい人と、どうしてあんた達の発音はこんなに奇妙なんだと、いいがかりをつけていたことがあります(笑)。



massangenaさん

zo- (2002/11/13 15:56)

趙元任の本にそんな記述があるんですね。primerかとか思って読まなかったんですが、読んでみます。何か英語で書かれた中国語学の文献でお薦めというのがあったらご紹介願えませんか?必読書みたいなのより、massangenaさんのお好みの本を明かしていただけるとうれしいんですが。



ありがとうございます

zo- (2002/11/13 15:48)

皆さんありがとうございます。

私も最初に「反而」のfa・ner(fan・nerと書くべきかも?私も分かりません)と聞いた時は驚きました。台湾でも全ての人と言うわけではないのですが、また国語中心のようなところだけというわけではなく、街中でも時々聞く発音です。「天安門」も連音して、tian・nan・menのように発音しているのを聞いたことがあります。



Re: nngm

massangeana (2002/11/13 14:47)

>上海語ではmはみんな取れてなくなってしまい(三sam>sa)nとngの区別もなくなった
上海だったら「三」は se のはずです。あと m がみんなとれてなくなったわけではありません。
「心(m)・新(n)・星(ng)」は全部シンで同音です。



Re: nとng

massangeana (2002/11/13 14:30)

>「反而」の場合はfa・nerのように
これはすごい発音ですね。「天安門」とかはどうなるんでしょうか。

わたしも辻本さんと同様に, きれて聞こえます。こういうときの -n は [n] では
なくて, 鼻母音になっているのではないかと思います。
古い本ですが, 趙元任の Mandarin Primer p.24 にこのような一節があります(p24)。
 Of the nasal endings, those occurring after _a_ are more weakly articulated than after
 after other vowels. But in no case is a nasal ending articulated strongly enough to
 link with a vowel or semi-vowel at the beginning of the next word except particles. Thus
 in _ren'ay_ 'benevolent,' the tongue avoids touching the front part of the mouth so that
 no sound like the syllable _nay_ is heard.
(「ren'ai (仁愛)」というときの n は舌を口の前面のどこにもふれさせずに発音し,
レンナイとはならない)



大和について

辻本裕幸 (2002/11/13 04:40)

私は中国では日本人の呼称を大和族(Dahezu)、愛努族(Ainuzu)を使っていますが、私は固有語優先派なので、できれば、邪馬台族(Yemataizu)のほうを使いたいですね。会話の中で日本人(Ribenren)中国人(Zhongguoren)といったぼやけた表現を私は使わない。漢族に用があるときは、漢族(Hanzu)と言い、アイヌ人を話題にしているときは愛努族(Ainuzu)を使う。国家という便宜的に引かれた境界線を元にして、人々の文化一般について語るのはおかしいですからね。ただしつまるところは個人差ですがね。大和族なら全部同じな人間だというわけがない。



nngm

辻本裕幸 (2002/11/13 04:25)

私の耳がおかしかったら申し訳ありません。しかし私が実際に感じるのは、反而ならfanerよりも、むしろ、fan erのように聞こえるということです。もし、語尾が完全にnなら、韓国語や英語のように連音していくでしょう。しかしここ西安で生活していろんな地方の出身者と知り合ってその話を聞いても、連音は感じないのです。もっとも私は同時に韓国語学習者でもありますが、韓国語ほど露骨に連音する言語に接していると、中国語にもし連音があっても、その現象の小ささから、感じ取れないのかもしれませんが。ご指摘のとおり、語気助詞は、最後の子音によってその発音が変化するとは教えられましたが、〜naはなかなか聞かれません。しかし台湾でもこの区別は曖昧になっているんですね。北方語では、mとnが合流して、nとngの区別は残りました。ですが逆に広東語では、nとngの区別がなくなりつつあり、nとmは区別を残しているようです。上海語ではmはみんな取れてなくなってしまい(三sam>sa)nとngの区別もなくなったようですね。どうしてこういうことが起こるのでしょうか?



nとng

zoー (2002/11/13 01:35)

ふと思い出したことがあるんですが、語気助詞の{口阿}はその前の発音によって変化し、そして表記も{口尼}{口牙}だったりするし、北方の人は基本的には区別してるのではないでしょうか?

ちなみに、福州語ではngに統一されてしまっています。



辻本さん

zoー (2002/11/13 01:30)

に、お伺いしたいことがあるんですが。
 私は日本で中国式の中国語を勉強し(nとngの発音でも苦しみました)、その後、台湾の師範大学国語中心というところで勉強したんですが、そこで先生の発音が、nとngを区別するためか、nの次に母音が連なる場合、例えば「反而」の場合はfa・nerのように連音していました。中国ではどうなんでしょうか?台湾の人たちは、ほとんど区別していませんし、区別していても中国の区別の仕方と違うように感じます。実際、−nの発音は口の中がかなり狭くなっているので、次の音によっては、連音してしまうか、曖昧な音になるしかない場合があると思うんですが、どうですか。機会があったら、「反而」の発音の仕方など教えていただけたらと思います。



広東語のスペルについて

辻本裕幸 (2002/11/13 01:04)

広東語表記千島式でウムラウトOとウムラウトUの前にある、yのアルファベットには音価があるのでしょうか?普通語では母音i,u,ウムラウトuのゼロ子音のものは、アルファベットが混ざらないようにするため、yi、wu、yuとしますよね?千島式のスペルもこれと同じものでしょうか?それとも、本当に前に(i)の音価があるのでしょうか?



いろいろ

辻本裕幸 (2002/11/13 00:58)

なるほど、確かに、広東人のしゃべっている広東語はどこか広州語を意識している。だから言葉が通じやすいといえるのかもしれない。福建省にはちょっとそういうの言葉はありませんからね。日本の関西人でもそうか?私は三重県の出身ですが、大阪人や滋賀人と自分の方言を使って話しても100パーセント通じる。それは無意識にテレビで使われている関西標準語(?)みたいなものがあるからかもしれない。しかし実際には三重と大阪ではかなり言葉が違う。しかし、同じ九州人でも鹿児島の人と福岡の人はやはり共通語を使わなければコミュニケーションできないのではないでしょうか?これは九州白話みたいなものがあまり普及していないからでは?
 そっか、確かに漢字は融通性が利くシステムではあると思います。今のままでもまあいいといえばいいかもしれませんね。(ローマ字だってイギリスとフランス、ドイツのものでは互いに違うし。)ただ中国人はみんな簡体字になっても繁体字を見ればどの漢字と同じ物なのかが分かるのに、日本人はみんな知らない。それは残念だ。
 しかしですが、nとngの区別は中国人にもできないようなのです。友達に聞いてもどれがnでどれがngか分からんというし、ピンインを聞いてもngのものがnで書かれたり平気でします。中国語にとってはmとnの区別も重要だったはずです。しかし歴史の中でそれをぼやけさせた。ということは、nとngの区別がぼやけてくるのも仕方ないと思います。私が疑問に思ったのは、mの漢字はngではなく、nのほうに合流した。ということは、mはngよりもnに近い。m、n と ngという二分法が成り立つのかもしれない。ということは、仮に鼻音尾をmで発音しても、それは中国の人には、nに聞こえるのではないか?nはngよりもmに近い。ということは、nとngの区別がぼやけるよりは、nはmとして、ngと区別するというのはどうか?としょうもない疑問をもったまでのことです。深い意味はありません。



ねんのために

zoー (2002/11/13 00:51)

今更なんですが、したの書き込みは議論吹っかけてるんじゃありません(少しは吹っかけてるかもしれません)。私も新聞など読んでいて、漢字に限らず、この使い方はちょっと、と思うことは多々ありますので。



漢字

zoー (2002/11/13 00:44)

狐の悠さん
 お返事ありがとうございます。私は、どちらかというと現状肯定・容認派(そんな派あるのか?)なので、明らかに個別的・個人的な間違いではなく、かなりの人がやっている間違いは受け入れてしまう方です。
 確か、「ふるさと」については、ずっと古い時代(平安?)には「旧里」と書くことが多かったと思います。漢字と訓は時代によって、一定していないということもあります。それから、混乱を招くという意味では、「故郷」を「こきょう」と読ませたいのか、「ふるさと」と読ませたいのか分かり難いという問題もあると思います。どうでしょうか?



ビン北語

zoー (2002/11/13 00:23)

辻本さん
  以前、台湾の知り合いと中国へ言ったことがあるのですが、そこで福建の人とビン南語で話していたので、通じるんじゃないかと思います。私もアモイ語から入りましたが、微妙な抑揚が(声調とかではなくて)違う感じがしましたが、ほとんど同じに感じました。私の場合はどちらも中途半端ですが。
 ところで、少し前までは、ビン語はビン南語とビン北語に分けて、ビン北語の代表が福州語奪たんですが、今は細分化されて(或いは区分が変わって)、ビン南、ビン東、ビン北などがあり、福州はビン東に分類されています。この場合、ビン北は建おう等を指すようです。
 それで福州語のことなんですが、ビン南語とは全く違いますが、語彙、語法を比較してみると、やっぱり語彙、語法でビン南語と近いところがあるなあと思いました。どれくらい近いか、というのを説明できませんが。私も実際に聞いたことがあるのは、ビン南方言の幾つかと福州語だけです。それ以外のビン語は聞いたことがありません。massangeanaさん、情報があったら教えてください。それから、中国の方言ってmassangeanaさんのおっしゃるように、結構学術的とか政府の政策としてではなく、一般の生活の中でも、標準化みたいなことおこってますよね。周辺地域の人たちは、やっぱり経済、文化の中心に合わせていかないと困るところもあるんでしょうね。



「厨」の補足と女の子文字

狐の悠 (2002/11/12 22:53)

考えてみたら、一般には理解できないでしょうから解説しておきます。
「中学生→中坊→厨房→厨」という変化ですね。
今では専ら、「一部の中学生のように子供じみた言動をする人」と言った意味に使われるようです。
で、「押し掛け厨」とは「見ず知らずの他人の家に押し掛けて問題を起こす人」のことになります。

「句点が"o"」も充分困り者なんですが、「"ぁぃぅぇぉ"を使いたがる」のも検索ができなくなるので
大変困り者だったりします。



『和』について教えて下さい!

Huck (2002/11/12 22:26)

『和=日本、日本人』という考え方ありますが、なぜ『和』は日本の事を表す言葉なのでしょうか?
それから、『京都』といえば、やはりイメージするのは『和』や『和風』って思い浮かんできます。『和』の語源と『日本』との繋がりを御存じの方、また自分なりに考えをお餅の方、ヒントを頂けませんか?お願い致します。



初めまして。

こんぺいとう (2002/11/12 19:35)

アイヌ語のことを聞いても良いですか。
雹のことを「カゥカゥ」と表している書物を見つけたのですが、
アイヌ語で雹は「コンル」ですよね。
その書物は間違っているのですか?
それとも、『カゥカゥ=雹』ってこともあるのですか?
教えて下さい。



『厨房ですよ!』

MadKod (2002/11/12 14:42)

↑という番組がありますが(笑)(本当は『チューボーですよ!』ですが)
そのへんがヒントになってるんでしょうかね。
というか、そのあたりの“邪変換”ならまだ可愛い(?)のですが、
他にもっと見苦しいのがあったような気がします。
最近行ってないのでわかりませんが。
・・・って、そうだ「逝く」ですね。不愉快なのは。
あと「氏ね」とかも平気でよく使われますね。
たぶん、深い意味ではなく、軽い気持ちなのかもしれませんが、
言葉というのは(特に漢字は)意味を伴いますからね。
単に音の伝達だけではなく。
言葉遣いが人格形成と関係しているという報告もありますし。

おっと、話が逸れましたが、(すいません、元が心理学科だものですから)
「鯖」なんていうのは、もはや一般の掲示板にも定着してしまいました。
もしかしたら、30世紀ごろには、魚へんの漢字は皆消滅していても、
「鯖」だけは 生き残っているかもしれません。(苦笑)
しかも、本来とは違う意味で・・・。

女の子が使う表現というのも、また、男の子のものと違って興味深いですね。
いや、別に変な意味でなく。
女の子は 見た目にバリエーションが華やかに見えるような書き方を好むみたい(?)ですね。
だから、記号類がたくさん使われたり、句点が「o」になったり。
このへん、日本語の乱れとまではいかなくて、微笑ましいものが多いです。



ほうき星とすい星

MadKod (2002/11/12 14:09)

ご本人がコメントされる前になんですが、
この話は、単体で使う場合の話だと思いますよ。

けれども、私の最近の考えからすると、
「ほうきぼし」と打って「彗星」と変換させるのは、アリではないか(?)と思います。
そうすれば、少なくとも「水星」等に 打ち間違えることはないですからね。
あ、でも今度は「帚星」と当たりますね。(汗)
じゃあ「ほうきせい」にしますか?(笑) 「法規制」とは間違えないでしょうから。



纏めて幾つか

狐の悠 (2002/11/12 09:38)

急ぎなので気になったところだけ簡単に。

>彗星
「ハレーほうき星」は確かにちょっと(苦笑)。それなら未だ「ハレーすい星」の方が判りよさそうです。
天文関係では他には「日食」が気になりますね。
#なんだか「日本食堂」の略のような気がしてどうにも私には・・・

>乱用
「みだれて用いる」ではなく「みだりに用いる」なので、意味を取り違えないためにも「濫用」かと。

>古里
「故郷」でいけない理由は? 「古里」はこり駅もあることですし、これも混乱を招く気がします。

>ユニコード
JIS漢字の制定も結構基準が曖昧ですが、ユニコードが更に輪を掛けてくれています。
「一つのコード体系」と言いつつ既に幾つも分化してしまっているので・・・
#JIS漢字と一対一対応していないのも困り物です。

いずれにしても環境を整備する側が丁寧に矛盾なく作り上げれば、
使う側はなんにも考えないで済むところで苦労させられているわけです。

>意図的な誤変換
代表格は2ch語になってしまった「厨」でしょうか。
でもこれ、既に元の「中」と書かれても通じない・・・
#例えば「押し掛け厨」とか。

それで思い出したのですが、ミドルティーンの女性が使う表現もなかなかキてます。
例えば、「ぉはょぅooo」。

さて、後はじっくり読ませていただいてから頭を整理してみます。



Re: 高駒麗人さん

massangeana (2002/11/12 08:31)

これもまとめてですみません。

>彗星を「ほうき星」と書く方がいい
「彗星」だけならそうですが, 「ハレーすい星」は仮名でも「水星」でないことがわかるし,
「ハレーほうき星」とはいいにくいのでは?

>「狼狽」を「ろうばい」等と書くよりは
これは「ろうばい」で構わないように思います。日本人でなぜ狼と狽で「ろうばい」の意味に
なるのか知ってる人なんてほとんどいないだろうし, 「狽」がどんな生き物だか知っている人
だって少ないでしょう。要するに文字や語源からではなく「ろうばい」という音でわれわれは
この語をおぼえているわけであり, もはややまとことばと変わらない状態にあると思います。
(まあ, 「周章狼狽」というときは漢字にした方がたしょう見栄えがするかもしれませんが)

>やってきまいた
これはわかりませんが, サ行四段が「指す -- 指いた」のようになる方言はありますし,
古くはかなり一般的だったようです。ほかに「頼うだ人」のようにバ・マ行四段がウに
なることも多かったようです。

>「すみません」>「すいません」
これは, 唇音の m が 2つ並ぶために, 異化によって前の m が消えたものかと思い
ます。さらに唇音が退化すると「すいやせん」「しーやせん」まで摩滅するわけで,
いかにひんぱんにすりきれるまで「すみません」といっているかがわかります。



Re: ビン南語

massangeana (2002/11/12 07:59)

zo- さん, きちょうなお話をありがとうございます。
海南島のことばは語彙も発音もかなりちがっているので, 通じなくても驚きませんが,
台湾語の話者にとって潮州語がそこまでわかりづらいとは思いませんでした。

>語彙、語法共にやはりビン南語と似ていて
ええ, 比べてみれば類似は明らかなんですが, 聞いてわかる, というのはまた別問題なんで
しょうね。



Re: 辻本裕幸さん

massangeana (2002/11/12 07:47)

まとめてで失礼。
>官話方言の分布図
お望みのものとは違いますが, James Campbell という人が現在 Chinese Dialects
というページを作りつつあります。声調リストが主ですが, 完成したらすばらしく役に立つ
のではないかと思います。
 http://www.glossika.com/EN/dict/lang.htm

>ビン北語
かなり違います。また, ビン東やビン西はもっと違うようです(じっさいに聞いたことは
ありませんが)。

>広東人は英徳市出身者も広州出身者も、深せん出身者も大体言葉が通じ
これは, ある程度標準的な広東語が存在するからだと思います。実際の
粤語諸方言はかなり多様です。

>漢字について
日本では江戸時代には印刷物を含めてだいたい行書か草書がふつうで, その後中国と似た
字体になったのは, 活字を中国から輸入したからという割合単純な理由があります。
中国の簡体字では画数を減らすために草書を楷書化した字を多く使っており, むかしとは
逆の状態になっています。
漢字というのはよくもわるくもきわめて融通のきくシステムなので, いまのような国ごとの
漢字の多様性は, 個人的には大したことではないと思っています(だって, ちょっと習えば
すぐわかるようになるでしょ)。わたしは, 漢字を復活させる労力を相手のことばそのもの
を理解する努力にふりむけた方が有益だという意見です。

>インタネットなどの記号もみんなひとつですむ
これは別に統一しなくても, すでにユニコードがありますね。

>ベトナム語漢字音
わたしもとくに Web サイトは知りません。ざんねんながら言語に関する信頼できる
情報は, Web 上にはきわめて少ないのが現状です。いまの状態では紙の本か実際の人間
にたよった方がいいと思います。unicode.org の unihan データベースにベトナム語漢字
音も一部書いてありますが, どの程度信頼できるのかわかりません。

>nとngについて
個人的には, あまり変なことをしないでまず実際の中国人による区別を学んだ方が効果が
大きいのではないかと思います。だって自分で n を m に変えたとしても, 相手のしゃべる
ことばまで変えるわけにはいかないでしょう?



官話方言について

辻本裕幸 (2002/11/12 06:09)

官話方言の分布図。何かよいページは無いでしょうか?



ビン北語

辻本裕幸 (2002/11/12 00:30)

ビン南語(アモイ語、ちょう州語、台湾語、海南語など)の話題はよくでますがではビン北語(福州語とか)はどういう方言なのでしょうか?ビン南語とどれぐらい違うのでしょうか?ビン南語内でもこれだけ違うところを見ると想像はできますが。広東人は英徳市出身者も広州出身者も、深せん出身者も大体言葉が通じ団結しておりますが(ここ西安で)福建省出身者はそうではありません。言葉の問題でしょうか?アモイと台湾の方言はだいたい同じでしょうか?



誤変換について

MadKod (2002/11/11 20:17)

「内臓HD」ってよく見かけますよね。(笑)
「蔵」と「臓」が とてもよく似ているので、私も慎重に打ちますけど。
あと、先日見かけたのは、「童謡」と「動揺」の 変換ミスです。
これも「謡」と「揺」が 似ているので、少し紛らわしいです。

で、話は変わりますが、最近の若い人(たぶん中学生〜大学生)で、
わざと誤変換を文章中に使う人たちがいます。
私はそういうのは生理的に大嫌いなのですが、(笑)
特に2ちゃんねるなどのような、荒れた掲示板でとてもよく見かけます。
こういうのを見ていると、日本語の将来が暗澹たる思いです。
もしかしたら、ITの普及によって、日本語はメチャクチャになるかもしれません。
ああいう人たちを見ていると、そのぐらいの危機感を感じてしまいます。



あのー

zo- (2002/11/11 13:29)

すいません、「乱用」「古里」ってだめなんですか?もちろん別に「濫用」、「故郷」「故里」があるのは知っているんですが。



Re:日本語の母音などに関して

狐の悠 (2002/11/11 11:52)

最近、新聞各紙もやっと「拉致」はまともに書くようになりましたね。
その外には「乱用」だとか「古里」だとか、意味不明な漢字の使い方は枚挙に暇がありませんが。

そうそう、同じ報道でもWeb上のニュースだと誤変換もよく見かけますね。
「内臓ハードディスク」なんかはよくある例だと思います。
こう言った同音異義語はどんなに変換ソフト(或いはその辞書)が賢くなってもなくならないのでしょうね。
#例えば「試用」と「使用」など、文脈をどう解釈しても区別できないケースがありそうです。



ビン南語

zo- (2002/11/11 10:47)

以前、時々お邪魔させていただいていたものです。

私事ですが、1ヶ月ほど前、コンピューターが壊れてしまい、その後、此処へたどり着けづにいました。やっと来られました。また参加させていただきます。よろしくお願いします。

過去の書き込みを読ませていただきました。ビン南語の話が、ちょっと前ですが出ていたので口を挟ませていただきます。私はアモイ語は少し分かります。潮州語は聞いても数字以外はほとんど分かりませんが、タイの潮州出身の華人に聞くと、自分たちの言葉と、福建のビン南語の言葉は通じるそうです。が、台湾で潮州語のドラマを見てもらっても、全く分からないといっていました。あのあたりではもしかしたら文化、経済的にアモイあたりの方が優位にたっているので、潮州語を話す人たちも、アモイの言葉に日ごろから注意しているんだろうか、と思いました。それから潮州語やビン南語系の海南語の字幕付きドラマ(どちらも松竹新喜劇のような感じでした)を字を追いながら聞いていると、語彙、語法共にやはりビン南語と似ていて、北方の言葉と違う表現が多かったように思います。



nとngについて

辻本裕幸 (2002/11/10 04:35)

中国語のnとngの区別をきっちりするべきだとしたなら、nの方を広東語や韓国語のmで発音してみるというのはどうでしょうか?現在官話方言ではm鼻音尾が無くなっているので、〜mと発音しても、別の音節だと解釈される恐れは無いでしょう。ためしに、食堂で、三塊samkuai!と発音してみましたが通じました。正直日本人には、ンという音を前提で、nとngを区別するのはほぼ不可能だと思います。しかし、〜mならぜんぜん違う音だと認識できるしかつ、北方人にnのほうだと解釈してもらえたらもうけものです。ngは日本語のンで、nはmで発音するという区別の仕方はどうでしょうか?ちなみに私個人的には、nとngの区別は厳密にする必要は無いのではないかとも思っています。現に官話方言でもこの区別は弱まったり混同しているものが多いし、広東語上海語でも、n、ngの区別はしなくなってきているみたいですし。(広東語の場合、mはのこっているが)あえて区別する必要があるならの話です。



re:日本語の母音などに関して

MadKod (2002/11/09 14:15)

ものすごく賛同できるお話です。というか、私も前々からそう思っていました。
漢字制限による誤解というのも、時々一般紙の見出しなどを見ているとありますね。
ああいうのはルビ付きにするなどの対応でいいと思うんですけどね。
最近は新聞の本文も活字が大きくなってきていますし。

あと、「仰ぎて」で思い出しましたが、
詩などでは、必ずしも音便しない書き方をしますね。
私は詩が好きなせいか、そういうものって異質な感じがしないのですが、
やはり今のところはまだ、会話文の中で使うのはちょっと躊躇しますね。(^.^;;;
でも、これからは、できるだけ文意を損なわない範囲で
使っていければと思います。



再訂正

高駒麗人 (2002/11/09 00:35)

再訂正 中国人が日本語を書くと「是非遊びにいらしで下さい」になる。「遊んで」では「で」なのに「いらして」では「て」が正しく「で」が間違いなのは何故か。
自分でもわからなくなってきました。すいません(ま行連用形イ音便)。



日本語の母音などに関して

高駒麗人 (2002/11/09 00:33)

訂正:Nha Trangは芽庄、Hoi Anは「会安」
濃音の从は声門閉鎖+sなので、sの摩擦の直前で息が止まり、これがtsのtに近く聞こえるのでしょう。
「あを」awoはw挿入というより、逆に「アウォ」awo>「アオ」awoのようなw消滅でしょう。「こえ(声)」は本来「こゑ」koweであり、「声色」「声高」ではkowaになっています。
「うえ(上)」も「うへ」(uΦeウフェ)>「ううぇ」(uweウウェ)>「ウエ」ueという変化の結果で、「上着」「上澄み」の「うわ」は、uweのeがaになったもの。「酒屋」「酒井」の「さか(酒)」、「雨宿り」の「あま(雨)」、「船旅」の「ふな(船)」、「風車」の「かざ(風)」、「白雪」の「しら(白)」、「目の当たり」の「ま(目)」と同様です。(日本語では複合語の前半部分の母音がaになる)

漢字を制限して「拿捕」を「だ捕」等と書くよりは、和語の「つかまえる」を使うほうがいいし、「彗星」を「すい星」と書きて(>書いて)「水星」と誤解されるよりは、彗星を「ほうき星」と書く方がいいですし、「狼狽」を「ろうばい」等と書くよりは和語を採用して「あわてる」を使う方がいいでしょう。漢語詞を採用するなら漢字で「拿捕」「彗星」「狼狽」と書くのが一番わかりやすいということです。

音便について。真田太平記で「やってきました」を「やってきまいた」と言って(<言ひて)いました。「ます」はサ行五段かサ変か難しい所ですが、「シ」がイ音便化していたことは確かです。「すみません」>「すいません」もそうですね。アジアアフリカ語学院中文科の鈴木という先生はこれを断固誤りとしており、「『すむ、すまない、すめば』という活用に合わない」との事ですが、では「すんだ」「すんでいる」も「すみた」「すみで」に戻すよう呼びかければいいのですが、そうは言ゐていません。
中国人が日本語を書くと「是非遊びにいらしで下さい」になる。「遊んで」では「で」なのに「いらして」では「て」では間違いで「で」なのは何故か。「遊びて」の「び」が「い」に変わり、「て」が「で」に訛りた(>訛った)結果です。やはり標準語も所詮は方言だという事です。
子門真人氏の歌「ひとりたび」で「星一つ、遠く仰ぎて」とあり、「仰いで」より「仰ぎて」の方が「仰ぎます」等との関連から正確だったとわかります。



越南漢字音 日中略字の違い 日本語の母音

高駒麗人 (2002/11/09 00:04)

ベトナム語の漢語音と漢字の対応をまとめた頁はなかなか見つかりません。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4255860335/vietnam-22/249-0670874-2801910
「漢字音―すぐに役立つ!!日中朝ベトナム・共通語彙408」藤井 友子 (著)
繁体字のyahooで「越南」で検索すると見つかるかもしれません
http://travel.mook.com.tw/explorer/explorer_12/diary_97.php(Nha Trangは芽庄、Hoi An)VietCongは「越南共産党」の略「越共」の越南語音ですし、「アジアアフリカ語学院」の越南語名は、Hoc(学)vien(院)Tieng(ことば、越南固有語)A(亜)Phi(非:アフリカ)です。
中国人が日本語の「売上」をkeshangと読みた(読んだ)のを聞きた(聞いた)事があります。「売」は「賣」の略字なので mai4のはずですが(「うりあげ」自体は漢語で「営業額」yingye'e)、中国人が「売」を「殻」だと思ったわけです。「賣」は「買」との関連性や「貝」
が古代中国の貨幣だったことから考えて「賣」のままがいいでしょう。「販賣」では貝が二つ出てきます。「讀」「續」の旁は本来、「賣」とは似ているが別の字だったようです。
日本語のウ段は東日本では平唇のウ(ハングルでー)であり、西日本では圓唇(ハングルでT)になるようです。日本語のツはts自体が朝鮮語にないため平口の「ス」(人または从の下にー)や「チュ」(大またはススの下にー)にすることになります。トンカツはトンカス(匚亠L・フフト・人ー)になります。濃音の从は声門閉鎖+sなので、sの摩擦の直前で域が止まり、これがtsのtに近く聞こえるのでしょう。英語の tsunamiも[suna:mi]と發音されたりします。
松代大本営跡が朝鮮語の記事で紹介された時も「口ト・从ー・人1・己亠」(マッスシロ)だったと思います。
中国人が作った日本語音韻の本では、日本語の「ズツス」の母音はほかの「ク」などとウ段の母音と違うので、日本語の母音はaiueoの5つでなくaiu(ズツスの母音)u(その他)eo6つだと書いてあります。「ズツス」の母音はzの摩擦を弱めて音節主音にしたものです。しかしこれはuがsやzの後に来たときの異音であり、音韻的には日本語の母音は5つでしょう。
http://google.yahoo.co.jp/bin/query?p=%a5%d9%a5%c8%a5%ca%a5%e0+%b4%c1%bb%fa+%c8%af%b2%bb&b=20&hc=0&hs=1



Re:myein

狐の悠 (2002/11/08 11:22)

取り敢えず、Google辺りで検索してみては如何でしょうか。
ざっとこんな感じですが。
http://www.google.com/search?q=myein



ベトナム語漢字音について

辻本裕幸 (2002/11/08 02:03)

ベトナム語漢字音を調べる良いページはないでしょうか?中国語方言のページのように、この漢字はベトナム語ではなんと発音するのか?が分かるページ。もしありましたら教えてもらえないでしょうか?



myein

shitara (2002/11/07 21:49)

myeinという言葉について知っている方がいれば教えてください



Re: 日本語漢字について・Re:恐縮です

狐の悠 (2002/11/07 15:46)

>最近日本語の常用漢字2000字あまりを勉強しなおしましたが
常用漢字を勉強しなおされたのでしたら、常用漢字とJIS漢字の違いも研究してみてください。
特に、どんな字がJISに採用されているか、それはどんな字形か。
きっと暫くは楽しめ(悩め)ると思います。

>21世紀の日本語のあり方はできる限り、漢語熟語を使わずに固有語で言える言葉がないか、探してみること。
大変興味深いテーマです。漢語熟語に限らず、無作為な漢字の置き換えや安易なかたかな語も避けることができたらどんなに面白いかと思います。


>今回のコメントのように突っ込みを入れていただければと思います。
だったらメールの返事も書きましょうよ。
#尤も、私はここでコメントしたわけじゃないし掲示板とメールでは対応が違うのかもしれませんが。



恐縮です

MadKod (2002/11/06 16:41)

massangeanaさま:
コメントありがとうございます。
ここは私が見ていない時に限って書き込み量が爆発しますね。(笑)
あと、拙HPご来訪ありがとうございます。
こんな私ですから、思い込みで書いていることも多々あるので、
今回のコメントのように突っ込みを入れていただければと思います。
これからも よろしく お願いします。



漢字について

辻本裕幸 (2002/11/06 13:58)

もし漢字が復活したら
北朝鮮、韓国、中国、日本、台湾、香港、マカオ、ベトナム、マレーシア、シンガポールなど、さらに華人社会が文字の上でつながります。これは大きいでしょう。インタネットなどの記号もみんなひとつですむ。しかし、日本が日本独自の略字をつかって、シンガポールや中国が簡体字を使っている現状。さらに、北朝鮮やベトナムの漢字全面廃止、韓国が習慣上ほとんど漢字を使わない。さらに世界各地での華人社会への弾圧。こりゃ、理想には程遠いです。誰かが、依然として旧字体を使いつづける台湾、香港とか言っていましたが、台湾と香港は今までどおりに漢字を使っているだけで、古い漢字を使っているわけではない。誰に頼まれたわけでもないのに、一部の国語会を牛耳る人らが勝手に東アジアの共通財産である漢字を弄くって組織を乱した。それが日本の漢字と中国の漢字である。僕は別に日本漢字や簡体字を使い、教育上教えることには異論はないが、その字のもともとの形が何であるかは教えておくべきだと思う。(中国人は台湾香港の影響でみんな繁体字も読めるみたいですが。)私は中国留学中だが、授業中に繁体字を使うと(日本漢字じゃなくてね)教師は(民間では繁体字は歓迎されているようだが)相当いやな顔をする。しかし私に言わせれば、どうして俺がおまえらに気に入られるためにわざわざ(亜流の)簡体字を書かなきゃならんのじゃ?という気分である。



Re: 日本語漢字について

massangeana (2002/11/05 16:41)

日本語の当用漢字(当時)の字体は, 簡略化というよりも, むしろ通常の筆記に用いられ
ている形(俗字)を正体として認める点に重きが置かれています。したがって, 「歩」の
ように画数が増えているものもあるわけです。中国の簡体字が人工的に画数を減らした
のとは発想が異なります。
>特に私がひどいと感じたのは売という漢字
ひどいと感じるのは自由ですが, 当用漢字の字体はでたらめに決めたのでなく,
日常的に使われていた字を昇格させたにすぎないことに注意してください。



Re: 鼻母音

massangeana (2002/11/05 16:34)

>広東語や西安語、上海語の我ngoみたいな音
それはただの鼻音です。日本語の(ガ行)鼻濁音と混同してませんか?
鼻母音は口蓋帆を垂れ下がったままにして母音を発音することにより, 鼻と口の両方が共鳴する
母音です(鼻音は鼻だけ)。有名なのはフランス語の鼻母音ですが...



隠れ子音について

辻本裕幸 (2002/11/05 14:13)

う〜むまだいまいち鼻母音が〜?
広東語や西安語、上海語の我ngoみたいな音とはまた違いますか?
 子音なしの漢字(愛とか屋とか)とは言いますが、実は見えない子音があるのでは?だから広州語や西安語では愛がngoiになったり、屋がngokになったりするのでは?日本語でも昔は母音と母音が重なり合ったら間にwの音が入ったみたいですし。(青い>あをい みたいに)



日本語漢字について

辻本裕幸 (2002/11/05 13:59)

最近日本語の常用漢字2000字あまりを勉強しなおしましたが、結局簡略化されているのは、3割にも満たない少数派で、大半は繁体字と同じものでした。そんな中途半端な簡略化ならはなからしないほうがましである。あるいは書く上では簡略のものを教えてもよいが、コンピューターや活字上ではハンタイ字のままでいいと思う。さらにこの簡略化されているいくつかは中国の簡体字と違って、でたらめな略しかただ。特に私がひどいと感じたのは売という漢字である。中国語簡体字の殻とそっくりである。
 21世紀の日本語のあり方はできる限り、漢語熟語を使わずに固有語で言える言葉がないか、探してみること。その上で漢字を使うなら、でたらめに略したものではなく正しい字を使うこと。これらに尽きると思います



Re: 中国語の声調など

massangeana (2002/11/05 05:43)

辻本裕幸さん:
>声門閉鎖音というと上海語や南京語のあれですか?
そうです。私の母語(鹿児島方言)にもありますが, ほかの県の人が声門閉鎖音の有無
を聞き取れないのが不思議でなりません。韓国人はちゃんと聞き取れるようでした。

>鼻母音とはまた新たな概念が出てきて苦しむばかりです。これはほかの方言で
>はどう対応しているのですか?

鼻母音自体は官話系のあちこちの方言にもあって, 珍しいものではありません。
ビン南語の鼻母音はだいたい白話音にでてきて, その多く(8割ていど)はもと
-n/-m/-ng だったものです。下の例でも「請・歓・行」はそうですね。ほかに声母が
n-/m-/ng- だったもの(毛・我・耳など)にも鼻母音になっているものが多いです。
あとはよくわからないものがあります。たとえば下の例の「歹 phai~」はあて字でしょ
うし, 火 ho~ は忌み言葉のせいかもしれません。

>どの方言にしろ声調は大体4〜5ぐらいに収まりますね
もともと(入声を除くと) 3つしかなかったのが分化したわけですから, それほど多くに
はならないでしょう。広東語の場合変音がありますので, 11個(入声を除いて 8個)と数
える人もあります。

>やはり 4〜6個ぐらいが人間が識別できる声調区別の限界なのでしょうか?
人工的に作ればもっとできると思います。たとえば同じ昇り声調でも連続的に上がるのと
急に上がるのを区別する方言がありますし, 曲折調(上がってまた下がるなど)のある方言
もあります。少しふしぎなのはこれらの区別の方法をあまり利用していない方言が多いこ
とです。広東語みたいにやたら平たい声調が多かったり, 昇りはあるのに降る声調がなか
ったりします。



Re: 促音便

massangeana (2002/11/05 04:27)

MadKod さん:
>やはり促音便する活用語尾は“異端”なんですね。
促音便自体が異端ということはないです。「勝った・取った」などは関東でも関西でも同じです。

>法則性からすれば、外れているということは、
>やはり東京弁が標準語として採り入れられてしまったものなのでしょうか。
「歩った」は関東っぽいですが, 「行った」は関西でも同様です。なぜそうなのかは
わかりませんが。

>“打ち言葉”としての日本語
ページ拝見しました。入力方式について研究しておられるのですね。わたしも花配列などという
マイナーなキーボード配列を使っているので, 興味はあります。



訂正:五段活用は子音語幹・一段活用は母音語幹

高駒麗人 (2002/11/05 01:55)

五段活用は子音語幹・一段活用は母音語幹 失礼しました



五段活用は子音語幹・一段活用は子音語幹

高駒麗人 (2002/11/05 01:53)

massangeanaさんへ
>「飲む」は終止連体形で, 原形ではないでしょう。
語幹 nom- に否定の語尾 -anai をつける, と考える方法があります。一段動詞の場合は
語幹が母音で終わるので, 母音の連続をさけるために -anai の -a が落ちると考えれば,
五段と一段を統一的に説明できます。

日本語の動詞は終止連体形が原形の働きをしています。
マ行五段「飲む」は語感がnomです。子音語幹です。一方、1段動詞「食べる」は tabe が語幹で母音で終わっていますから母音語幹です。活用語尾は否定の「ない」naiも過去の「た」taも「ました」masitaも子音で始まっています。子音語幹動詞では、語幹 nom に いきなり nai やtaやmasitaをつけると發音しにくいので、nom と nai の間には a を入れて nom-a-nai(飲まない)、nom と masita の間には iを挟んで nom-i-masita(飲みました)になり、taとの間にもiが入って nom-i-ta(飲みた)の筈でしたが、nomita>nomta>nondaと変化してしまいました。「飲む」の否定は「ない」がつくときは nomとnaiの間にaを挟んで nom-a-nai(飲まない)とするのに、「ません」がつくときは、aでなくiを挟んで nom-i-masen(飲みません)。こんな使い分けをする必然性は何処にもありません。もし、masenの場合と同様に、naiの前でiを採用すると、先述の中国人が言った「飲みない」nom-i-naiになります。

「食べ(る)」tabe-(ru)は語幹が母音eで終わっているので、否定の「ない」nai、「ません」masen、過去の「た」ta、「ました」masitaをそのままつけて「食べない」tabe-nai、「食べません」tabe-masen、「食べた」tabe-ta、「食べました」tabe-masitaと言えます。決して「食ばない」や「食びません」にはなりません。
同様に1段動詞「見る」の場合は「見ません」に対して「見ない」です。
「みません」>「みない」が正しいのに、「のみません」>「のみない」が誤りで「のまない」である理由。日本人はこれを外国人(の日本語学習者に)きちんと教えるべきでしょう。



高母音の音節では主母音は何か

高駒麗人 (2002/11/05 01:27)

ya[ja](牙)、yuan[чεn](圓)、wan[wan](碗)等の
半母音y[j](平唇前舌)、yu[Ч](圓唇前舌)、w[w](圓唇奥舌)は
母音[i]、[y]、[u]がそれぞれ別の母音(a、ε等)の前後で子音化したもので、wにuがついたwuはuと同じです。
中国で作られた漢語の課文では
yi[ji](一、医、衣)、yu[чy](雨、玉、語)、wu[wu](語、呉、午)のように書かれています。 英語のyeast[ji:st](酵母)やwood[wud](木材)などのy[j]とwは摩擦音です。烏龍茶wu-long-chaは oolong teaになっています・
jia(家)やzuo(座)のiとuを半母音y、wと深えてjya、zwoと書くこともできます。するとji(机)やzu(祖)は、半母音が音節主音化したjyとzwと考えられますし、また、主母音が半母音と同じ口形の物になった jyiとzwu だとも考えられます。
「和」huo→huではoが消滅したかのように見えますが、hwo→hwuと書けばoがwの影響で高舌化してuになったと考えられます。



・iong とiung・

高駒麗人 (2002/11/05 01:18)

yingはyi-engの縮小で、zhongはzhu-engの縮小またはzh-wengのようで、高舌母音とn、ngの間には渡りとして曖昧母音が入るようです。中国人が発音する「英語」yingyuはyengyuに聞こえることもあります。「連」などをlianと書くのは、lienと書いた場合、lin(林)と紛らわしいからかもしれません。そう深えるとウムラウトuとngの間に曖昧母音が入り、これが圓唇化してoやuに聞こえるとも考えられます。よくわかりました。
北京語のウムラウトuの多くは、古代漢語の二重母音ioがiuを経てyになった物です。
女・ニョ nu・、旅・リョ lu、去 キョ quなど、日本語音でヨであるものが、北京語でu[y]になっています。[y](圓唇)自体が、iからuへの渡りだったとも考えられます。



声調の数について

高駒麗人 (2002/11/05 01:11)

声門閉鎖・glottalstop喉塞音・とは「あっあっあれっ」というときの「あ」と「あ」の間の「っ」です。「あんあんあん」のような母音の間の「ん」は鼻母音です。上海語では音節末ptkが声門閉鎖に一体化しています。これが消えたのが北京語の開音節の「一」yi、「六」liu、「十」shi等でしょう。英和辞典でJapanの語源が「日本」の中国語音Jihpunだとありますが、Jihpunは台湾語(Lihpunもあるかも)でhは声門閉鎖でしょうか。上海語で「日本」は ze'pen(eは曖昧母音、'は声門閉鎖)のようです。

>4〜6ぐらいが人間が識別できる声調なのでしょうか・
声の高さを高低2種で分けると、高高、高低、低高、低低で、2〜2=4になります。
高中低3種で分けると、高高、高中、高低、中高、中中、中低、低高、低中、低低で3〜3=9
低高も中高も低中も「上り調子」なので、「低いド→ソ」、「ソ→高いド」、「低いド→高いド」の3種を聞き分けるミュージシャン並みの聴覚が必要でしょう。



漢字簡略化の功罪

高駒麗人 (2002/11/05 01:01)

もし、1950年頃にインターネットが既に普及していたら日本も中国も漢字を簡略化することはなかったでしょうし、フォントがバラバラデ文字化けに悩むこともなかったでしょう。
漢字簡略化は却って漢字を無駄に増やしただけです。



中国語の声調など

辻本裕幸 (2002/11/04 14:35)

声門閉鎖音というと上海語や南京語のあれですか?(?の下の点がないみたいな記号)しかし、鼻母音とはまた新たな概念が出てきて苦しむばかりです。これはほかの方言ではどう対応しているのですか?また、古代音ではどうだったか?
 結局日本人にとってどの漢語が一番やさしく難しいでしょうか?
北京語>そりじた音が難しい。軽声が難しい。三重まで母音がある。
上海語>短母音が多い。変調が多い。濁音が多い
台湾語>鼻母音がある。変調が多い。入声がある。
広東語>長母音が難しい。入声がある。
 まあ人それぞれでしょうが、僕は今のところは北京語がもっとも難しく広東語が最も簡単に感じる。しかしどの方言にしろ声調は大体4〜5ぐらいに収まりますね。北京語はそもそも4。上海語は5だけど、うち2個は濁音にしかこない。台湾語は2声と6声が合流し、台北では、4と8も合流。かつ入声は数えなくてもいいから、8-3=5だ。広東語も9-入声3=6。かつ、陽上と陰上がほぼ合流していて、−1=5だ。客家語も4声調+入声2個で実質4個だ。やはり4〜6個ぐらいが人間が識別できる声調区別の限界なのでしょうか?



Re: 台湾語について

massangeana (2002/11/04 03:05)

>台湾語の鼻母音とはなんですか?
まあ実際の音を聞いてみてください。
  http://daiwanway.dynip.com/tw/conversation.shtml
これの「請・歹・歓・行」などに鼻母音が出てきます。
北方の音になれているとかなりとらえどころのない発音に聞こえると思います。

>入声に〜h
これは本当の h ではなくて声門閉鎖音です。上の例文では「呷・著」などに出てきます。



Re: 介母音主母音

massangeana (2002/11/04 01:50)

>〜iや〜u、〜ウムラウトuなどの短母音は解釈としては、介母音のない主母音のみ
>の音節といえるのでしょうか?
そういう解釈もありえますが, しばしば行われているのは, 介母音 i u u の後ろに狭い
主母音(仮に # と書く)のついた i# u# u# だというものです。じっさいには前の i/u/u
に同化されて # 自体は聞こえない, と考えるわけです。ピンインの zi や zhi の i ではこの #
が直接ついている(が, 子音の調音に同化してしまってやっぱり聞こえない)と考えることがで
きます。このようにすると中国語の母音は a @ # の 3種類ですむことになり, 体系的には大変
美しくなります。ただ, やや現実の音から離れすぎているという問題はあります。

>iongの正しい音価
個人差もあると思いますが, ゆるんだ, 円唇性の弱い [Y] + [N] で, その間に短い
[o] か [U] のような音がきこえる, というものだと思います。この [o] を[Y] から[N]
に移動するためのわたり音と考えて表記しなければ [YN] になり, また [Y] の円唇性
を後ろの [o/U] の影響によるものとみれば [IoN] [IUN] などと表記することになります。
けっきょく国際音標字母といえども物理的な音声を完全に表しているわけではないとい
うことだと思います。辞書の発音記号として用いる場合は簡略表記するでしょうから,
なおさらです。



Re: 日本語の動詞活用

massangeana (2002/11/04 01:18)

高駒麗人さん:
>「書くっす」の「っす」は「です」の省略でしょう
語源はそうですが, 「っす」はほとんど変化しないぶん楽です。「です」だと過去が「でした」
にもなり「だったです」にもなりますし, 「だ」のていねい形という意識が強いので,
「書くです」とはいいづらい面があります。

>「書いた」の丁寧形は「書いました」ではだめで「書きました」
これは考え方の問題でしょう。「書きました」は「書きます」の過去なのであって
「書いた」の丁寧形と考えるからおかしくなるのだと思います。

>「ません」を 「ない」にした場合は「飲みない」では駄目
同上。

>原形「飲む」に「ない」をつけた「飲むない」でも駄目
「飲む」は終止連体形で, 原形ではないでしょう。
語幹 nom- に否定の語尾 -anai をつける, と考える方法があります。一段動詞の場合は
語幹が母音で終わるので, 母音の連続をさけるために -anai の -a が落ちると考えれば,
五段と一段を統一的に説明できます。



台湾語について

辻本裕幸 (2002/11/03 17:27)

台湾語の鼻母音とはなんですか?あと、入声に〜hもあるようですが、これらはどう解釈すべきものでしょうか?



なるほど

MadKod (2002/11/02 19:33)

この掲示板は日頃使わないような文字がたくさん出てきて、
ちょっとエキサイティング(?)というか、感動を覚えますね。
マシン(Mac)を多国語化しておいてよかったです。
(というか、ここでその威力が発揮できるので、嬉しいです)

さて、丁寧語の場合の活用語尾の話、なかなか興味深いですね。
してみると、一段動詞の場合は簡単にことが済むような感じです。
うむむ、この違いは、ホントに中国人の方などには さっぱりでしょう。
発音に囚われた日本語と規則性のある日本語、どちらがいいんでしょうね。
発音は所詮、方言の一種であり、時代と共に変わるものともいえるけど、
されど軽視もできないですね。
まぁ、もちろん、無理に統合する必要があることでもないんでしょうけど。(笑)
…って、大した意見でもないのに書き込みなんかして、スイマセン。



介母音主母音

辻本裕幸 (2002/11/02 19:11)

もうひとつ質問があります。〜iや〜u、〜ウムラウトuなどの短母音は解釈としては、介母音のない主母音のみの音節といえるのでしょうか?それとも、主母音のない介母音のみの音節といえるのでしょうか?つまり、〜iの場合、その前に本当は介母音があるべきだけどこの場合は無いという音節である。あるいは、〜iの後ろに本来は主母音があるべきだけどここではそれがない音節。ということでしょうか?
 あとiongの正しい音価が分かりません。デイリーコンサイスの辞典では(iuN)と書いてありますが、別の辞典では(yN)と書いてある。



訂正

高駒麗人 (2002/11/02 04:59)

中原Zhongyuanはキリル文字でЧжун Юяньになり、ローマ字にするとCzun Jujan' チジュンユヤニです。(cとzの上にはvがつく)
1958年以降回族(Khuejzu、Huizu)を名乗っている。「東干」は「東関」つまり西安を中心とする関中地方から来た人の意味です。



Madkod&massangeana様&辻本裕幸様

高駒麗人 (2002/11/02 04:56)

連続レス失礼します。「ピンインについて」に関してコメントを書いた所、電脳が馬鹿で勝手に文字化けしておりました。お陰で何度も書き直すはめになりました。
「書くっす」の「っす」は「です」の省略でしょう。「書くです」「書いたです」「買うです」「買ったです」の法がわかりやすいでしょうか。「書く」が「た」の前で「カイ」になる所は同じです。「書くでした」「買うでした」の法がわかりやすいとも思ゑますが、これは今のところ許容されないでしょう。しかし「赤いです」も昔は間違いだったわけで、「書くでした」も使い続ければ許容されるでしょう。

「食べた」の丁寧形が「食べました」で、「た」を「ました」にするだけでOKなのに、「書いた」の丁寧形は「書いました」ではだめで「書きました」。
私は中国人が「飲みないですか」と言うのを聞きました。「飲みません」では「飲み」でOKなのに、「ません」を「ない」にした場合は「飲みない」では駄目。原形「飲む」に「ない」をつけた「飲むない」でも駄目で、「飲む」を「飲ま」にした「飲まない」が正しい。日本語を学びた(学んだ)中国人はいつも「『ない』の前では『飲ま』だっけ『飲み』だっけ」と考えて日本語を使ってゐるわけでご苦労様です。

ドンガン(東干)語 英Dungan/独Dunganisch/佛doungan/露dunganskij
中央アジアのシナ語。東干族はキルギス、カザフ、ウズベクに計27100人(10549人)いるシナ系民族でその95%が東干語を話す。自称はジュンヤンZun'janで「中原」から来たという意味らしい。中原Zhongyuuanはキリル文字で
Чжун Юяньになり、ローマ字にするとCzun Jujan' チジュンユヤニです。
1958年行こう回族(Khuejzu、Huizu)を名乗っている。「東干」は「東関」つまり西安を中心とする関中地方から来た人の意味です。Trubetzkoj や Polivanov が研究しました。(橋本萬太郎『言語』1977年4・5・6月号)



ああ疲れた

高駒麗人 (2002/11/02 03:13)

文字化けばかりで、変な記号で掲示板を埋めてしまった。使える文字があったらコピーしてください。
・テ翌チて・i屬卜鍔峪・韻靴董・^おかしいんじゃないか(電脳って頭おかしいんじゃないか) 投稿者:ク゚x席ヒ  投稿日:11月 2日(土)03時02分21秒 は以下の内容です。

Hwang Hoは、漢語のeがoと同じ音だからではなくて、ただ西洋人には漢語のeがoに聞こえただけでしょう。
相補分布と言うならzcsとjqxも相補分布しています。
qu(去)、que(却)にしてもをcの異音と考えて、uをつかって、「去」を cu、「却」を cue とかけば、「粗」cuや「錯」cuoとは母音が違うことになり、qという文字を使う必要はなくなるわけです。



Re: ピンインについて

massangeana (2002/11/01 03:43)

>b,p,m,fといった唇で発音する子音の後ろでは、oになり、それ以外の子音の後ろ
>ではeになる
そうですね。あるいは, -uo の u の部分が唇音のうしろでははっきりしなくなっている,
と考えることも可能です。

>eと他の母音が結びついているものはこの限りではありません
e/ie/ue/ei/uo/ou などの e/o を音韻的にはすべて同じ母音と考えることもできます。
なぜなら, io, uo, ue, eu などの音が(ほとんど)存在しないため,
 i か u の前後では [e / E]
  u の前後では [o]
  それ以外では [o- / V / @]
と, おおむね「補いあう分布」をなしているためです。(ただし [e] と [o- / V / @ / o] では
音声的に違いすぎるので, 別の音素と考える人もいます)

>ongと書くものは本当の音価ははung
「音価」をピンインで書くのはつらいですが, ASCII IPA を使うと, eng はおおむね
[o-N], ing が [IN], ung が [UN], iong が [YoN] あたりになります。e/o の音素を /@/ で
あらわすことにすると, eng /@N/ ing /i@N/ ong /u@N/ iong /y@N/ と解釈するのが普通です。

>ianと書くピンインも本来はien
ウェード式ローマ字では ien と書いていました。
しかし, ian の a は [e] ではなくて [E] であり, ie/ei の e より広いです。ian と解釈すること
によって, an/ian/uan/uan と -an の前に 3つの介母音が揃うことになり体系的に好ましい
ですし, 「i と n にはさまれることで a が前よりになった」と説明できます。また, 現代詩で
an と ian はたいてい区別せずに押韻しているので, 中国人の感覚にも合うことになります。



Re: 漢音について

massangeana (2002/11/01 02:08)

>漢語語音史
王力氏の本ですね。

>唐代音ではまだ、濁音が残っている
ここでいう「唐代音」は『切韻』をもとに再構した 7世紀の標準漢字音のことでしょう。
日本漢音のもとになったのはもうすこし後の長安方言で, これは『切韻』の音とはかなり
違っていました。
奈良時代から平安時代のはじめにかけて, 漢音を奨励する詔がしきりに出ていますので,
宋よりは前でしょう。



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