巨大オオクワガタ(♂78mmUP)作出のために
−孵化後3ヶ月で勝負が決まる!−

 「♂80mmオーバーは無理だとしても、♂78mmオーバーはぜひ羽化させたい!」と思って
 いる人は多いんじゃないでしょうか?私もその一人です。そのためには幼虫を最低でも26g
 以上、理想的には28g以上にまで育てなければならないと言われています。
 で、いくつかの飼育データを見てみますと、飼育中の幼虫が78mmオーバーが狙える28g
 以上に育つかどうかは、孵化後約3ヶ月間の飼育で、ある程度予想できそうです。

 私が昨年飼育した福岡産オオクワガタ全♂6頭の菌床ビン飼育による飼育データによると、
 孵化後1週間前後の初齢幼虫を7月20日前後に菌床ボトルに入れ、44日後の9月2日前
 後に1回目の交換をし、この時幼虫は11〜17gに成長。その50日後の10月21日前後
 に2回目の交換をし、この時幼虫は25〜27gにまで成長しています。その後、最高で29g
 まで成長し、今のところ羽化した中で最高は76.7mm、29gだった幼虫は今も幼虫です。

 また極太個体ときれいな奥様で有名なMスペシャルの飼育データ(雑誌に掲載されていたも
 の)によると、7月10日から52日後の9月1日前後に1回目の交換をし、この時幼虫はなんと
 19.0、23.0、22.0gに成長。その後それぞれ75日後、41日後、65日後に2回目の交換
 をし、28.6、26.8、27.4gにまで成長、最終的に78.8、79.0、78.5mmで羽化しています
 (すばらしいですね)。



 この2つの飼育データを(無理矢理)まとめると、夏場25℃前後の温度管理下で飼育した場合
 まず孵化1週間前後の初齢幼虫を菌床ビンに投入し、約45〜50日後に1回目の交換を行い
 この時幼虫は最低でも11g、最高で22g前後まで成長し、その後、約50日〜70日後に2回
 目の交換を行いこの時点で25g〜28gにまで成長しています。つまり、大きくなる幼虫は孵化
 後約50日で15g前後に成長し、早くて3ヶ月、遅くても4ヶ月目にはもう27g前後にまで成長
 しています。よって♂78mmオーバーが狙えるかどうかは、孵化後3〜4ヶ月後の体重である
 程度予測ができ、この時点で最低でも25g、理想的には28g以上にまで成長していれば可
 能性があるのではないかと思います。

 このグラフからわかるように、孵化30〜40日後に3齢幼虫に脱皮した後、幼虫は急激に成
 長しています。ですから、この3齢の成長期にいかに成長させるかどうかがポイントとなるよう
 です。そのためにはやはり@質のいい菌床ビンを使用し、Aきちんと温度管理をし、B暗所
 静置することだと思います。私の経験上、菌床ビンの質が悪いとすでに3齢に脱皮するまで
 の成長が悪く、頭幅も小さい気がします。そのような幼虫はその後あまり大きくなりません。
 また3齢の成長期に温度が低すぎる(22℃以下)と成長の伸びが悪いような気がします。こ
 れが正しいかどうかわかりませんが、参考にしてみて下さい。