NHKアーカイブズ  案内 2001年10月22日(月)0:30〜 
10月のテーマ
熱き時代に


















  ドラマ「四季・ユートピアノ」
       90分/1980年(昭和55年)


 魅惑的な瞳をもった、若いピアノ調律師の榮子。彼女の心の中では、四季を通じて、一つの音が鳴りつづけていた。
 榮子が初めてピアノを見たのは、4歳の時。兄との別れ、母の死。その頃から、不幸が次々と栄子を襲う。
…初めて聴いたピアノの音は、Aの音だった。
16歳の冬。戦場の音に怯えて生きていた父が海に消えた。祖父母と暮らすようになる榮子。ある日、栄子は砂浜で音叉を見つける。それは、Aの音叉。彼女は、音の仕事をしようと決心し、汽車に乗る。
最初は、ピアノ工場。そして、ピアノ調律師への弟子入り。やがて、榮子は調律師として独立する。
音をめぐり、人々と出会っていく榮子。音とともに、榮子のまわりから消えていく人々。
 ──これは、榮子と音の物語。

【一口メモ】
ドラマの中で流れるピアノの独奏は、主演の中尾幸世さん自身が演奏しているものです。また、中で使われるイラストも中尾さんの作品です。
このドラマのもう一つの主役は音楽です。テーマとして使われているのは、G.マーラーの「交響曲第四番ト長調」の第一楽章と第四楽章のソプラノ。その他、J.S.バッハの「主よ、人の望みの喜びよ」、L.V.ベートーベンの「交響曲第9番」、S.ジョップリンの「ジ・エンターテナー」などが、劇中で重要な役割を果たしています。

出演:  中尾 幸世
  古沢 貞夫
  古沢 みよ
  工藤 斗久
  佐々木 弘幸
  宇都宮 信一
  大川 義行
  横倉 健児
  横倉 祐二
  小林 千秋
  堀口 礼世
  宇都宮 誠一
  池野 東一
   霧多布の人々
   下北半島の人々
   津軽の人々
   松本の人々
   千葉の人々
   横浜の人々
   東京の人々
   キグレサーカスの人々
   ほか多くの人々

制作 : 小林 猛
演出助手 : 佐藤 幹夫
撮影 : 吉田 秀夫
録音 : 長谷川 忠昭
美術 : 稲葉 寿一
効果 : 織田 晃之祐

テーマ音楽 : マーラー・交響曲第四番
ピアノ : 中尾幸世

脚本・演出 : 佐々木昭一郎