熱中時代

製作=日本テレビ

連続ドラマ

金曜日

1979.02.02 
1979.03.02
45分 カラー
第18回 「三年四組学級閉鎖」
第22回 「お雛さまとさびしい宇宙人」


製作 ................  清水欣也・永野保徳
企画 ................  梅谷 茂
プロデューサー ................ 
監督 ................  矢野義幸  吉野洋
助監督 ................ 
脚本 ................  森崎 東
原作 ................ 
撮影 ................ 
音楽 ................ 
音楽プロデューサー ................ 
選曲 ................ 
美術 ................ 
録音 ................ 
照明 ................ 
編集 ................ 
衣裳 ................ 
スクリプター ................ 
スチール ................ 
製作協力 ................ 
企画協力 ................ 
 
配役  
天城................ 船越英二
天城................ 草笛光子
天城................ 太川陽介
八代................ 山口崇
北野広大 水谷豊
北野青空  池上季実子
小糸桃子 志穂美悦子
花井................ 音無美紀子
魚津 島村佳江
小嶋田................ 小倉一郎
前田 執行佐智子
教頭................ 小松方正
小宮巡査  谷隼人
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     DVDを見て     池田博明
水谷豊が新米小学校教師・北野広大を演ずる連続ドラマ。1978年10月6日から1979年3月30日に金曜21時から放送。30年前のドラマとは思えないほど現代的です。主題歌「ぼくの先生はフィーバー」は同じ日本テレビ系列の『世界一受けたい授業』のテーマソングとして使われています。制作は清水欣也・永野保徳(ユニオン映画)。企画は梅谷茂。主な脚本は布勢博一ですが、第18回「三年四組学級閉鎖」は脚本・森崎東でした。この回の演出は矢野義幸。
 風邪が流行し出してクラスの5分の1、8人が欠席すれば学級閉鎖に。北野先生(水谷)のクラスは欠席者が6人。刃物での鉛筆削りを宿題にしたところ、安達君は母親に刃物の使用を止められてやってきませんでした。眼の病気と言って眼帯をしています。宿題をしないことをクラスのみんなに咎められた安達は早退してしまいます。心配になった北野は家庭訪問、美容室の母親から刃物を探したついでにいたずらで眉毛をそり落としてしまったことを聞きます。ゲームセンターで安達を見つけた北野は自分も眉毛をそり落として、翌日の登校を約束します。
 翌朝、点呼に行った北野は朝いたはずの安達が欠席、別の谷田も欠席して欠席者が8人になったことを知ります。学級閉鎖にしたものの、割り切れない北野は夕方、安達の家へ。クラスのガキ大将に指図されて先生との約束を破って学級閉鎖にするために早退したことが分かります。子供たちに裏切られた北野はショック。クラスの子供たちの家を回ったと花井先生(音無美紀子)に話します。子供たちはまるで犯罪者を捕まえに来た刑事を見るような目で自分を見た、自分は子供たちの敵だったんじゃないかと北野は悩みます。塾の教師にお前たちが子供を落ちこぼしているんだと非難された中学教師の八代(山口崇)は自分たち教師もゴミだし、子供たちの9割もゴミだ、酒でも飲もうと誘いますが、そんな八代を花井先生がビンタ!
 翌日、誰もいない教室で教壇に立ち尽くす北野。様子を見にガキ大将たちがときどきやって来て、いよいよ給食の時間、急に全員が教室に来て給食の準備を始めます。今日も元気にしっかり食べようと子供たちに声をかける北野でした。子供たちは決して善意の存在ではない、先生を裏切ったり、悪知恵も働かしたりする。そんな現実に向き合って、教師はつらい思いをすることがある。けれども、山あり谷ありで信頼を失ったり、取り戻したりしながら成長していくのが人間の社会なんだというメッセージがこめられていました。
 若葉台小学校の校長・天城家(船越英二・草笛光子)は教師を下宿させています。天城家の高校生の息子は太川陽介。同居の小糸先生(志穂美悦子)・魚津先生(島村佳江)・花井先生(音無美紀子)。学校の同僚の小嶋田(小倉一郎)、前田先生(執行佐智子)、教頭(小松方正)、派出所の警官小宮(谷隼人)。北野先生の妹(池上季実子)。

 第22回「お雛さまとさびしい宇宙人」(脚本・森崎東、演出・吉野洋)
 「UFOを見た」という少年・森は自宅のお店(金時屋)で、宇宙人と自称する男(伊東四朗)に出会います。普段から「みなし子」だのとウソをついている森の言うことを信じる生徒はいません。男は縁日で昼でも星が見えるという宇宙ミラーを売っていました。学校でその宇宙ミラーが評判になります。北野が子供たちに見えたような気がしただけということを確認すると、森はみんなから責められ、宇宙人を連れてくるといって学校を出ました。心配した北野は森少年を探します。渋谷のドヤ街、日の出荘に仮住まいしているテキヤの小林長二郎、それが宇宙人の正体でした。北野が部屋を尋ねていくと、フグのはらわた入りの焼酎を勧められます。負けたら人間であることを認めるという条件で腕相撲をすると、必死になる小林へわきあがってくる感情で、北野は負けてしまいます。「もう帰りな。みなし子は俺ひとりでたくさんだ」と言って、森を帰す小林。少年は「あのおじさんは宇宙人じゃなかったね。だって、泣いてたもの」と言います。警官の小宮も少年を探してくれていました。少年を肩車した北野は「もう屋探ししても誰もいないよ。消えちゃったもの。宇宙人だから」と言います。「日の出荘」は『喜劇・女売り出します』にも出てくる木賃宿。その前には労務者用の「小袖」という一杯飲み屋があります。伊東四朗が落ちぶれたテキヤを演じます。この人物像や住まい、飲み屋などが森崎ワールドでした。