sense of wonder

DEAN R.KOONTZ

TWILIGHT EYES


Trade Hardcover
The Land of Enchantment

この本は2つの完全に異なる形式でリリースされました。
まず、1985年11月大判(縦が30センチ近くある)のハードカバーによる、Phil Parksによるカラーイラストの入った豪華版で、物語の前半(第1部)が 出版されました。 そして、1987年9月、後半部(第2部)を含む完全版が、Berkleyからペーパーバック版で発行されました。
最初のハードカバーには、4つバージョンがあります。
1. Trade Hardcover(これが普及版です)
2. Collector's Edition (numbers 1 through 50)
3. Signature Edition (numbers 51 through 250)
4. Lettered Edition (24 copies marked A through Y)
これら2から4の限定本は、模造皮本の外箱がついている以外は 普及版と同じです。ただし、 2には、ディーン・クーンツによる識語、フィル・パーク(イラストレーター)のオリジナルドローイングが入っている。 3には、クーンツおよびパーク両方による署名が入っている。 4には、クーンツおよびパーク両方による署名が入っており、クーンツおよびパーク、発行者の Christopher Zavisaに割り当てられました。
現在、1は50ドルから、2は1000ドル以上、3は500ドルぐらいで取り引きされているようです。

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ストーリー

今から何千年(何万年?)もまえ、私たちの世界よりもっと進んだ世界があった。 その文明では、動植物の遺伝子構造に干渉し、意のままに操作する事ができた。 そして、純粋に軍事目的のために人間に匹敵する知能と、変身する能力を持ち、 本質的に罪の意識を感じる事も、恥ずかしく思う事も、愛する事も哀れむ事もできず、 また生殖能力もない生命体「ゴブリン」が生み出された。 しかし、その無意味さに気がついた人類は、「ゴブリン」を駆除することに決定した。 このようなときに備えて、生命停止の機能が遺伝子に加えられていたのだ。 しかしとき既に遅く、一部の「ゴブリン」は突然変異を起こし、生殖能力を持ち、 人類と見分けがつかなくなってしまって、生き残った者がいることに気がつかなかった。 こうして人類にまぎれこんだ「ゴブリン」は、人間社会の上層部に進出した。 かれらにとって、人類を抹殺するのが目的で、自分たちが消滅する事に躊躇はなかった。 そして、全地球規模の核戦争を引き起こした。 人類は生き残った、しかしゴブリンも生き残った。そして現代。

日本では、モダンホラーブームの時、平成2年に翻訳がでましたが、そのまま「品切れ重版予定なし」状態になっていました。しかし 角川ホラー文庫創刊で復活を果たしたものの、またもや「品切れ重版予定なし」になってしまっています。たぶんこのまま「絶版」になってしまうのでしょう。 個人的には、クーンツの作品のなかでは気に入っているので非常に残念です。 ただ、カーニバルが舞台とはいえ、話の内容は暗く、一応「ゴブリン」をやっつけて終わりはするのですが、 「ゴブリン」はまだ、アメリカ中はもちろん、世界中に「うじゃうじゃ」いるわけで、主人公たちの戦いは永遠に終わることはないのです。 で、あんまり人気がないのかもしれません。

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汀一弘訳 永田千秋表紙画 北上次郎解説
帯付き 平成2年3月10日 初版

汀一弘訳 田島照久表紙画 藤田新策カラー口絵 瀬名秀明解説
帯付き 平成8年8月10日 初版
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