1940年、児童向けのターザン・シリーズを出版して大成功を収めたWHITMAN社は、バローズに
ジョン・カーターを主人公とする「Big Little Book」のための作品を依頼した。
「Big Little Book」とは、作品の長さは一万五千字に決められており、各ページは交互に文章と
絵とからなり、対向ページに描かれている場面を反対側のページで図示する構成になっているもの。
バローズは、そのように厳格な体裁の作品を書く事を渋り、息子のジョン・コールマンに
創作にあたって協力を依頼した。その結果出来上がった作品がこの「John Carter of Mars」
である。(以上:創元推理コーナー5に掲載のルポフのエッセイより)
この本は全428ページからなるので、200枚以上のジョン・コールマンのイラストが入っています。
この本以外に、WHITMAN社は「Big Little Book」のターザン・シリーズを1933年から1950年まで
計14冊出しています。ターザン物は割と市場に出ますが「John Carter of Mars」はほとんど見かけません。
従って、現在の古書取引価格は「John Carter of Mars」が一番高く、ターザンの約2倍から3倍します。
下の画像はほぼ実物大です
JOHN CARTER OF MARS | ||||||
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ちょうどその頃、AMAZINGから新作を依頼されたバローズは、この合作をもとにして 約五千語長くし、大人向けに書き直したのがこれです。
AMAZING STORIES | ||
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これがおなじみの日本語版です。
創元推理文庫SF | ||
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帯と創元推理コーナーの5がついています。
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