| この連載の第5回でインターネットのホームページで個人が情報発信することの面白さについて書いた。詳しくはその回を読んでいただきたいが、自分のホームページを作って公開することで、インターネットがそれまでと違ったものになることは間違いない。 プロバイダーと契約してインターネット初めて、いろんなホームページをネットサーフィンするのが第1段階、次に、メーリングリストに参加して投稿するとか、能動的にインターネットに参加するようになるのが第2段階とすれば、第3段階はホームページの開設だ(第2段階と第3段階は同時になることもある)。 メーリングリストは、参加者という限られた範囲でのコミュニケーションだが、ホームページを開くと、理論的には、世界中のインターネット利用者とのコミュニケーションが可能になる。これは、やっぱり、すごいことだ。 ホームページの作成には、HTMLという言語を使うが、これはこの連載でも何度か言ったように、それほど難しいものではない。少し勉強すれば誰でもHTMLでホームページを作ることができる。さらに、最近は、使いやすいホームページ作成ソフトがいろいろと発売されているので、HTMLを意識せずに、ワープロ文書を作るような感覚でホームページの作成が可能だ。Netscape Communiator には Netscape Composer(画面右)、Interent Exploler 4.0 には Front Page Express と、2大ブラウザにもホームページ作成ソフトが付属している。 この2つのソフトは入手しやすいが、この連載では、まず、日本IBM製のHomepage Builder 3.0 (画面左)を使って解説をしよう。Netscape Composer、Front Page Express についても、それぞれのちほど解説する予定だが、取りあえずは、Homepage Builder 3.0で、ホームページ作成の基本を勉強することにしよう。 HTMLの基本はタグホームページ作成ソフトを使えば、HTMLを意識せずにホームページが作れるが、その過程では、HTMLについて多少の知識があったほうが、作業も早くなるし、より簡単にホームページを作ることができる。まず、HTMLの基本を解説しよう。 HTML言語の基本は「タグ」という考え方だ。ホームページには、いろんな色、サイズ、書体の文字が使われている。また、画像やイラストレーションや表も組み込まれている。これらを全部指定するのがタグというものだ。 Netscape Navigaterのようなブラウザでホームページを表示したとき、画面を右クリックして、「ソースの表示」を左クリックしてみよう。そうすると、そのページがHTMLで表示される。普通見ているホームページとは違って、テキスト文書だけがずっと続いているものだ。 あちこちに、<HTML> <TITLE> <HEAD> </TITLE> </HEAD> など、< > で囲まれたものがある。これがタグで、<TITLE> </TITLE> というように、/のつかないものと/のついたもの2つ1組で挟むことで、その間にあるテキストの属性を決定する(<BR><P>など単独で使われるタグもある)。たとえば、 <H1>鈴木康之のホームページ</H1> とすれば、見出しの一番大きな文字で、「鈴木康之のホームページ」とホームページに表示される。 これがHTML言語の基本だが、とりあえずは、HTMLにはタグというものがあるのだなと、頭の隅に留めておくだけでいい。Homepage Builder 3.0 のようなホームページ作成ソフトを使えば、取りあえず、タグは意識せずにホームページを作ることができる。 ホームページの内容を考えるホームページ作成ソフトでホームページを作るのは簡単だが、面白いホームページ、みんながアクセスしてくれるホームページを作るのは難しい。どうせホームページを作るなら、みんながアクセスしてくれる人気のあるページを作りたい。そんな面白いページなんて作れない、と思うかもしれないが、ちょっと考えればけっこう誰でもユニークなページが作れるはずだ。ホームページを作ってみる前に、まず、どんなページを作るか計画を立てることにしよう。 個人が作るホームページの種類はいくつかに分けることができる。 ・ファンページ 自分の好きなミュージシャン、作家などへの思いを込めたページ。その人の作品リスト、プロフィール、歩みなど、内容はいろいろ考えられる。普段からの思いのたけを発散できるから、けっこう作りやすい。ファン仲間からのアクセスやメールの可能性も高い。 ・趣味追求ページ 写真、鉄道、釣り、スポーツなど自分の趣味をとことん追求したページ。ノウハウやスポット情報などを提供すれば、同好の士からのアクセスが期待できる。 ・旅行記ページ 写真を撮ってくれば、作りやすいページ。単なる旅行日記ではなく、これから行ってみたい人に情報提供を心がければアクセスは増える。あまり人の行かないような場所が狙い目。 ・情報提供ページ パソコン、携帯電話、PHS、環境問題など、自分の持っている情報を提供するためのページ。内容のレベルが高ければ高いほど、人気が集まるはず。 ・日記ページ 日記を書くのが苦にならない人なら、比較的簡単に始められる。毎日更新できるのもアクセスを増やすポイントになる。子育ての日記もこのバリエーション。ただし、情報提供にも心がけて、独りよがりにならないようにしないと、あまり読んでもらえなくなる。海外に住んでいる人、特殊な仕事をしている人、など、人とちょっと違った人だと人気が出る可能性がある、 ・リンク集ページ 自分に関心のあるテーマについて、インターネットのいろんなサイトを並べたページ。自分の視点で、面白く役に立つページが集めてあれば、興味のある人にとっては利用価値の高いページ。文章を書くのは苦手だなという人には向いているかもしれない。 ・地元情報ページ 情報提供ページのバリエーションだが、自分の住んでいる町にこだわったページというのも面白い。そこに住んでいる人、出張や旅行で行こうとしている人にも役に立つページになる。東京都内でも、自分の近所の狭い範囲だけにこだわったページなら、けっこう面白いものが作れるはずだ。 大ざっぱに分けたものだが、この中に自分に作れそうなページがないかどうか考えてみよう。どれかひとつくらい行けそうなテーマが出てくるはずだ。そのとき、テーマ選択の基準にしたほうがいいこととして、次のような項目がある。 ・他の人が作っていないページ ・ひとつのテーマを掘り下げる ・他の人が読むことを意識する ・役に立つ情報が提供できるか ・そして、もちろん自分が多いに興味のあるテーマ 僕の場合、最初に作ったページは、ビー・ジーズというミュージシャンを取り上げたものだった。これを選んだのは、国内では、他に1人しかページを公開していなかったこと。昔から好きなバンドで情報もいろいろと持っているので、内容もけっこう掘り下げられそうだと思ったからだ。 さて、テーマと内容が決まったら、ページの構成を考えて、実際に作り始めよう。次回はその話から始めます。 |
前回に続いて、ホームページ作成講座の第2回です。前回は、どんなホームページを作ったらいいかという内容の話をしましたが、方針は固まりましたでしょうか。ホームページを始めるまでホームページを作るとき、今は使いやすいホームページ作成ソフトも発売されているので、HTMLを書くのはそれほど難しくない。実は、どんな内容にするのかが一番迷うところだ。ホームページを作るというと、パソコンが使いこなせて、インターネットについても詳しくなければ、と思う。しかし、そうした知識や経験も多少は必要だが、それだけでは面白いホームページは作れない。それ以上に、雑誌を作ったり、単行本を書いたりするときのような、文章を書いたり、編集力をする能力が必要なのだ。 普通の人は、広く人に読まれるような原稿を書いたりそれを編集するということはほとんどない。僕は、一応、20年近い編集者とライターとしてのキャリアがあるので、その辺について多少のノウハウは身につけているつもりだ。 ホームページを作る多少の参考になるかもしれないので、僕が97年3月に最初のホームページを開いたときの手順をもう少し詳しく紹介しよう。 ホームページを作ったとき、まず考えたのは、一応インターネットに関係するライターの端くれでもあるのだから、あまり恥ずかしいページは作れないということだった。もちろん、たくさんの人にアクセスしてもらえるようなページも作りたいと思ったので、自分に関心のあるもので、他の人があまりやっていないテーマということで考えた。そこから出てきたのが、アーサー・ランサムとビー・ジーズというテーマだ。 アーサー・ランサムは、『ツバメ号とアマゾン号』という児童文学の作者だが、その舞台となったイギリスの湖水地方を数年前訪ねて、写真もたくさん撮ってきた。そのあとにエッセイとして雑誌に書いた文章もある。ホームページは、画像と文章を組み合わせたのが一番ポピュラーなパターンだから、まずそれで試してみれば、それなりに格好のついたページができるだろうと思った。画像と文章があれば、それなりのページができる。旅行記や日記が作りやすいというのは、そうした理由からだ。 ホームページ作成のポイントしかし、それだけでは、雑誌に書いた原稿をそのまま転載するだけで、あまり面白味がない。そこで、もうひとつ、「マサチューセッツ」「小さな恋のメロディ」「恋のナイト・フィーヴァー」などのヒット曲のあるグループ、ビー・ジーズのページを作ろうと考えた。 ホームページで大切なことは、他の人が見て役に立つということだ。特に、音楽関係の場合には、発売されたシングルやアルバムのリストなど、細かく作ってあればあるほど、情報としての価値は高くなる。ビー・ジーズは67年にデビューした頃からのファンだし、雑誌や単行本、レコードなどの資料もたくさん持っている。これをまとめれば、けっこう価値のあるページができそうだ。 というわけで、ビー・ジーズのレコードリストを作り、自分にとってのビー・ジーズがどういう存在かという原稿も書いてみた。これで、取りあえず、アーサー・ランサムとビー・ジーズのページはそれなりのものが作れそうな感じがしてきた。 実際のホームページ作成の前には、どんなページにするか決めて、必要な原稿は書いておこう。画像に関しては、次回以降に詳しく解説するが、今回は取りあえず、文章だけでホームページ作成を進めていく。 必要な原稿がそろったら、ホームページのタイトルを決める。「鈴木康之のホームページ」とごく普通にしてもいいし、何か自分の好きなタイトルを決めてもいい。僕の場合は、アーサー・ランサムの作品のひとつ「Pigeon Post」 (日本のタイトルは『ツバメ号の伝書バト』)から借用して「The Pigeon Post」としてみた。どんなタイトルをつけようかというのも、ホームページ作りの楽しめるところのひとつだから、いろいろと考えてみよう。 ホームページ・ビルダー3.0を使うさて、ここまで準備ができたら、ホームページ・ビルダー Ver.3.0を立ち上げて、実際にページのレイアウトを始めよう。ソフトのインストールは何度も説明したから、もう大丈夫なはずだ。 ホームページ・ビルダーを立ち上げたら、メニューバーの[ファイル]→[新規作成]をクリックして、開いたウインドウで、ファイル名を入力する。ここのファイル名は、ホームページを登録するプロバイダーによって違うが、最初のページはindex.htm、welcome.htmが多いので、取りあえずどちらかを入力して、新規作成を始めよう。ファイルは、c:\ProgramFiles\Hpb3\home のフォルダに保存される。 最初に、タイトルを入力する。HTMLでは、本文に使う「標準」の他に、「見出し1」から「見出し6」まで、6種類の大きさの見出しがある。タグでは、「見出し1」が、<H1> </H1> となる。 メニューバーの下のツールバーの2段目の一番左に、「標準」となっている、ボックスがあるので、▼マークをクリックして、「見出し1」に切り替える。その右隣りは字体を決めるボックスで、「標準文字」のほかに、「強調」「ストロング」などがあるが、ここは、「標準文字」のままでいい。 その状態で、タイトルを入力しよう。かなり大きめのゴチックで「見出し1」が入力される(画面左)。ホームページ・ビルダーでの文章の入力は、こんなふうに、ワープロと同じ感覚で進めることができる。タイトルをページの左右の中央に持っていきたければ、ツールバーの1段目の右から5番目にあるボタンでセンタリングができる。通常に入力すると左寄せになるが、右寄せにしたければ、その右のボタンをクリックすればいい。これも、ワープロと同じ感覚だ。 ただし、HTMLはいろんな意味で制約が多いし限界もある。ホームページを見るブラウザは各種の違ったものがあるし、同じブラウザでも、見出しの大きさや本文のフォントは自分で自由に変えることができる。 ワープロで打って、紙に打ち出した文章なら、自分が画面で見たそのままになるが、ホームページでは、自分でデザインして作ったつもりでも、見る人が同じものを見ているとは限らない。Netscape Communicator と Internet Exploler の2つのブラウザを使ったことのある人なら、同じホームページも感じが違うことに気がついているだろう。もちろん、同じNetscape Communicatorでも、Windows95とMacintoshではまた感じが違う。 だから、あまりデザインに細かくこだわっていても、いいホームページを作ることはできない。どちらかというと、文章の内容で勝負したほうがいい。 さて、タイトルの入力まで終わったが、文書のソースは、[表示]→[文書のソース]で見ることができる。 <HTML> <HEAD> <META name="GENERATOR" content="IBM HomePage Builder V3.0 for Windows"> <TITLE></TITLE> </HEAD> <BODY> <H1 align="center">鈴木康之のホームページ</H1> </BODY> </HTML> ここまでで、HTMLは上のようになっている。まだ見たことのないタグがいろいろあるが、とりあえずは、H1 が見出し1、align="center" がセンタリング、ということだけ意識しておこう。 次回から、文字の入力や画像の入力、レイアウトの方法について、具体的に解説していきます。 |
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前回、テキストの入力の仕方を解説したが、これで、いろいろな見出しの大きさと水平線を組み合わせていけば、それなりのページになってしまう。素人でも、それほど考えずに見出しや文章を並べていくだけで、まあまあ見られるページになるのが、HTMLのいいところでもある。 画像ファイルにはいろんなフォーマットがある
テキストはたいていの人がワープロでも扱っているから、難しいことはないが、画像については、いろんな形式(フォーマット)のファイルがあるし、処理方法もいろいろあるので、多少専門的な話になる。 スキャナーを選ぶか、デジカメにするか
ホームページで使うGIFやJPEGの画像ファイルを作るには、スキャナーやデジタルカメラといった画像入力装置が必要だ。 ホームページ・ビルダーで画像を貼り付けるスキャナーやデジタルカメラなどの、画像入力装置を手に入れれば、GIFやJPEGのファイルを作るのは簡単だ。それぞれの画像入力装置や付属のソフトでは、独自の画像ファイル形式を使うようになっているものもあるが、たいていの場合、添付ファイルとして、GIFやJPEGに変換できるものがついている。それを使えば、GIFやJPEGのファイルは簡単に作ることができる。 画像ファイルができたら、ホームページビルダーを使って画像を読み込んでみよう。画像を読み込みたい位置にカーソルを移動して、左側のツールバーの右上にある「イメージ」のアイコンをクリックする。「ファイルから開く」がチェックされていることを確認してから、「参照」のボタンを押して、ファイルを選ぶと、ファイルが c:\ProgramFiles\Hpb3\home のフォルダ以外にある場合には、「このイメージは文書ルートの外にあります。現在の文書から正しく参照させるには、イメージをコピーする必要があります」とメッセージが出る。「イメージ形式」がJPEGになっていることを確認した上で、「OK」をクリックすれば、画面に画像が読み込まれる。 画像の処理については、どのくらいのサイズで読み込むのか、JPEGの場合、圧縮比率はどの程度にすればいいのかなど、細かいところにいろんなノウハウがある。スキャナーの種類や使う画像ソフトの種類によって、違ってくるが、次回は、僕の使っている、フィルムスキャナーを例にして、解説することにしよう。どのスキャナーでも使える一般的なノウハウを中心に解説するので、他の機種を使っている人にも参考になるはずだ。 |
今回は、前回の画像処理の話の続き、フィルムスキャナーを使ったフィルムからの画像読み込みについて解説します。スキャナーからの読み込みは、メーカーや機種、使うソフトで細かいところが違ってきますが、ここでは、僕が現在使っているコニカのフィルムスキャナQSCANを例として取り上げます。次回以降に、フラットタイプのスキャナーについても解説します。スキャナーのパソコンとの接続
フィルムスキャナーというのは、35ミリのネガやポジのフィルムをフィルムキャリアに入れて、読み込ませるタイプのスキャナーだ。各社から発売されているが、僕は、APS(アドバンスト・フォト・システム:今までの35ミリフィルムにかわる新しいフィルムとして開発されたもの。フィルムのサイズが少し小さくなり、現像したあとも、カートリッジに入れたままで使う)も使いたかったので、どちらでも読み込めるQSCANを選択した。 Windowsパソコンのポートについて
ここで、この機会に、Windowsパソコンのポートについて解説しておこう。ポートというのは、コンピュータと周辺機器の接続部のこと。プリンターやスキャナーを接続するのはパラレルポート、モデムを接続するのをシリアルポートという。 フィルムスキャナーで画像を読み込む
ポートとボードの説明で、スキャナーの解説から横道にそれてしまったが、本題に戻ろう。QSCANはSCSI接続なので、SCSI-2のボードを同時に購入してSCSIで接続した。機器を接続したら、説明書に従って、ドライバソフト(単にドライバということもある)をインストールする。プリンターやスキャナーなどの周辺機器を使うためには、ドライバソフトを必ずインストールしなければならない。 「Paint Shop Pro」で画像を保存するまず、「Paint Shop Pro」を起動して、「File」→「Aquire」で、QSCANのドライバソフトが立ち上がる。フィルムを専用のキャリアに入れてセットすれば、プレスキャンが開始される。正式にスキャンする前に、どんな画像かを取りあえず画面に表示するのがプレスキャンだ(画面左)。 QSCANでは、一度に4〜6枚のプレスキャンができるので、その中から本スキャンする画像を選ぶ。そこで、解像度(画像のサイズ)を決めることになるが、ここで、適切なサイズを選ぶことが大切だ。QSCANの場合、200dpi(dot per inch)から1200dpiまで画像サイズ選べるが、ホームページに掲載することを考えればあまり大きくしても仕方がない(画面右)。 僕の場合は、ホームページに掲載するものは、300dpiか400dpiでスキャンしている。ホームページとは関係ないが、インクジェットプリンターを使って、はがきにプリントアウトするときは、もう少し大きくして、500dpiくらいがいいようだ。どの程度の解像度でスキャンするかは、何度か試して自分がいいと思うサイズを決めておこう。 画像サイズを決めて、スキャンをすれば、「Paint Shop Pro」に読み込まれた画像が表示される。この段階ではBMP(ビットマップ)のファイルになっている。ここで、必要のない部分については、コピー&ペーストでトリミングする。また、「Image」→「Nomal Filters」→「Shapen」などの操作で、画像をよりシャープにしたり、明るく(暗く)したりすることもできる。ソフトによっては、画像に修正を加えることができるものもある。 修正が終わったら、画像ファイルの保存。このとき、BMPではなく、JPEG(ジェイペグ)、GIF(ジフ)などにフォーマットを変換して保存できる(写真の場合はJPEGがいい)。ただし、JPEGの場合は、圧縮率がいろいろあるので、それを選択しておかないといけない。「Paint Shop Pro」では、「File」→「Preference」→「File Saving」で設定するが、これも、圧縮しすぎると画像がモザイク状になってしまうし、圧縮しないと、画像ファイルが大きくなってしまう。何度か試してみて、画像の見え方とファイルのサイズを検討して、自分なりに納得できる圧縮率を決めておく必要がある。 以上の操作で、ホームページで使う画像(写真)がJPEGのファイルとして保存できた。写真のスキャンというのは、1点ずつ、スキャンして、トリミングして、JPEGで保存してとけっこう手間がかかる。しかし、ホームページでは画像は表現に幅を持たせてくれるし、カラープリンターを購入すれば、はがきなどにプリントアウトして楽しむこともできる。数万円の出費でけっこういろいろなことができるから、インターネットでホームページを公開しようと思ったら、スキャナーの購入を考えたほうがいいだろう。 |
前回までで、テキストの入力、画像のスキャナーからの読み込みなど、ホームページ作成の基本の基本がわかったでしょうか。今回は、ホームページの重要な要素の一つであるリンクについて解説します。ハイパーテキストとリンク
ホームページはHTMLという言語で書かれている。HTMLはHypertext Markup Languageの略だが、このハイパーテキストについて説明しよう。 実際にリンクを張る
ハイパーリンクという仕組みをWWWに組み込んだのはすごい発明だけれど、実際に自分のホームページでリンクを張るのは、全然難しいことではない。ホームページビルダーでは、リンクを張りたい、テキストの部分をマウスの右ボタンを押しながら反転させ、メニューバーの[作成]→[リンク]をクリックする。 ラベルを付ける
この方法だと、ページの冒頭にしかリンクすることができないが、ページの途中に飛びたいときは「ラベル」というものを使う。この場合は、まず、飛びたいページの飛びたい場所に「ラベル」を設定する。タグは、リンクと同じ<A></A>を使う。例えば、ページの途中に「プロフィール」という項目があって、ここに飛びたければ、 ターゲットとフレーム前半で、説明を飛ばした「ターゲット」だが、これについても説明しておこう。「ターゲット」という考え方は、ホームページに「フレーム」を導入したときに重要になってくる。 フレームは、最近は取り入れているページが増えているから、いろんなホームページにアクセスしている人ならお馴染みだろう。ページが2つとか3つに分かれていて、片方にインデックス、片方に内容というように表現するものだ。フレームになっていると、ホームページの中でいろいろなところに飛んでも、インデックスのほうをクリックするだけで元に戻ることができるので、見やすく使いやすくなる。 リンクを指定した場合は、ターゲットを設定しなければ、そのページが新しいページに変わる。フレームからリンクした場合には、そのフレームが新しいページに変わる。しかし、それでは、インデックスのフレームをクリックしたら、そのインデックスのフレーム自体が変わってしまって、困ることになる。インデックスのフレームをクリックした場合には、その隣りのフレームを新しいフレームに変えたいわけだから、ここで「ターゲット」という考え方が必要になってくる。 「ターゲット」には、新しいウインドウ、同一フレーム、親フレーム、全画面がある。これを「ターゲット」として指定しておけば、クリックしたときに、新しいウインドウの場合は、新たにブラウザの画面が開いてページが表示される(元のページはその下に残っている)。「同一フレーム」は、同じフレームに、「親フレーム」は、2つに分かれていれば両方一緒に、、「全画面」では、3つ以上フレームがあってもブラウザの画面全体にページが表示される。 インデックスのフレームから隣の内容を表示するフレームを変えるときには、それぞれのフレームに名前を付けて、その名前を指定する。フレームについては、これだけでは理解できないと思うので、次回以降に実際にフレームを作りながら詳しく解説しよう。そのときに、この「ターゲット」の説明を読み返せてもらえば、もっとよく理解できるはずだ。 |
前回は、リンクの説明の、「ターゲット」にからめて、フレームについて説明したので、理解がしづらかったかもしれない。今回は、フレームのあるページの作り方をひととおり解説しよう。その上で前回のリンクとターゲットについての説明を読み返せば、もっとよく理解できるるはずだ。フレームエディタを使う
フレームというのは、前回も説明したように、ひとつのページをいくつかのフレームに分けて、メニューとその内容、というふうに使うもの。WWWでは広く使われているから、みなさん見たことがあるはずだ。 フレームを作成する
最初に、左側のフレームをクリックする。クリックすると、そのフレームがアクティブになって囲みが色つきになる。ファイル名は、URLのボックスに記入する。ここでは、menu.htmと入力しよう。すでに、左側のフレームに使うHTMLファイルが作ってあれば、ボックスの左の「...」のボタンを押して、開いたウインドウから、そのファイルを選んで「開く」ボタンを押す。menu.htmというファイル名は、フレームの中央に表示される。 フレーム文書のソース
最後に、以上の設定をファイルとして保存しておこう。[ファイル]→[上書き保存]をクリックすると、「HTMLタイトルの入力」のウインドウが開く。HTMLタイトルというのは、ファイル名ではなく、そのページ全体のタイトルだ。ブラウザでは、一番上のところに表示されるし、ブックマークに登録すると、そのタイトルが項目として表示される。 フレーム表示できない人のために
上のフレーム文書のソースを見ると、HTMLでのフレームの設定は拍子抜けするほど簡単だ。 |
1年間のインターネットとパソコンの解説も、そろそろラストスパートの時期になってきた。前回まで6回にわたって、ホームページの作り方を解説してきたが、その概要は何となくわかってきたと思う。自分が作りたいホームページの内容(コンテンツ)を持っている人なら、ホームページビルダーの助けを借りて、ホームページを作ることができるはずだ。今回は、作ったホームページを実際に、プロバイダーのサイトにアップロードする方法について解説しよう。FTPでファイルをアップロードする
ホームページを公開するというのは、プロバイダーのサーバー(のある部分を)を自分で管理するということだ。インターネットでメールを送るときも、メールサーバーを使っているのだが、これはあくまでメールソフトを使って、送っているというだけで、メールサーバー自体はあまり意識することはない。 ホームページのリンク状況を確認する
「リンクみるだ〜」を立ち上げ、[ファイル]→[開く]でindex.htm、welcome.htmという、ホームページの最初のページ(このページだけをホームページという場合もある)を開くと、画面の左側に、ページのリンクの様子がツリー状のHTMLファイルやURLで表示される。右側には、左側で選択されているファイル(反転している)に直接リンクする、HTMLファイルや画像ファイル、URLが表示される。右側の画像ファイルを反転させれば、画像も表示できる。(画面左) WWWサーバーのファイルを操作する「リンクみるだ〜」を使うと、ページ単位(htmlファイルと画像ファイル)での転送しかできないが、[ツール]→[ファイル転送]で、「ファイル転送」のソフトウェアを立ち上げて、ファイル転送を行なうこともできる、「ファイル転送」のソフトウェアは、「リンクみるだ〜」からでなく、単独でもスタートボタンから立ち上げることができる。画像ファイルをひとつだけ、HTMLファイルをひとつだけ転送したいときは、こちらのほうが便利だ。 「ファイル転送」ソフトウェアを立ち上げると、左側のボックスに、C:\Program Files\HPB3\home\のフォルダの内容が表示される。「設定」ボタンをクリックして、プロファイル名やログイン情報が正しく記入されているか確認した上で、「接続」をクリックすると、プロバイダーのアクセスポイントに電話をかけ始めて、WWWへの接続が行なわれる。 うまく接続できれば、右側のボックスに、WWWサーバーの自分のスペースのファイルが表示される。 このあとの、転送は簡単で、左側のボックスのファイルを選んで(反転させる)、真中の矢印ボタンをクリックするだけだ、転送状況を示すウインドウが表示されて、ファイルの転送が行なわれる。Ctrlボタンを押しながら、ファイルを選択していけば、複数のファイルをいっぺんに送ることもできる。 この「ファイル転送」ソフトウェアを使うと、左側のボックスに表示されたWWWサーバーの自分のスペースに、新しいフォルダを作ったり、いらなくなったファイルを削除することもできる。また、ハードディスクのほうで間違えて消してしまったファイルを、WWWサーバーのほうからダウンロードすることもできる。慣れてきたら、「リンクみるだ〜」よりも「ファイル転送」のソフトウェアを使ったほうが便利かもしれない。 ******************* 以上で、ホームページ作成に関する説明をひとまず終わりとします。ごく初歩的な解説しかできませんでしたが、7回分の記事を参考にすれば、とりあえずホームページを作って公開することはできるはずです。たいていのプロバイダーが無料でホームページの公開ができるようになっていますから、ぜひ挑戦してみてください。 連載もあと10回を残すのみとなりましたが、次回からは、今までに紹介しきれなかったインターネットとパソコンに関する話、モバイルの活用法など解説したいと思います。また、ホームページ作りのノウハウ、ちょっとしたコツについても、紹介します。 |