図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第34回

ホームページを作ろう


 この連載の第5回でインターネットのホームページで個人が情報発信することの面白さについて書いた。詳しくはその回を読んでいただきたいが、自分のホームページを作って公開することで、インターネットがそれまでと違ったものになることは間違いない。
 プロバイダーと契約してインターネット初めて、いろんなホームページをネットサーフィンするのが第1段階、次に、メーリングリストに参加して投稿するとか、能動的にインターネットに参加するようになるのが第2段階とすれば、第3段階はホームページの開設だ(第2段階と第3段階は同時になることもある)。
 メーリングリストは、参加者という限られた範囲でのコミュニケーションだが、ホームページを開くと、理論的には、世界中のインターネット利用者とのコミュニケーションが可能になる。これは、やっぱり、すごいことだ。
 ホームページの作成には、HTMLという言語を使うが、これはこの連載でも何度か言ったように、それほど難しいものではない。少し勉強すれば誰でもHTMLでホームページを作ることができる。さらに、最近は、使いやすいホームページ作成ソフトがいろいろと発売されているので、HTMLを意識せずに、ワープロ文書を作るような感覚でホームページの作成が可能だ。Netscape Communiator には Netscape Composer(画面右)、Interent Exploler 4.0 には Front Page Express と、2大ブラウザにもホームページ作成ソフトが付属している。
 この2つのソフトは入手しやすいが、この連載では、まず、日本IBM製のHomepage Builder 3.0 (画面左)を使って解説をしよう。Netscape Composer、Front Page Express についても、それぞれのちほど解説する予定だが、取りあえずは、Homepage Builder 3.0で、ホームページ作成の基本を勉強することにしよう。

HTMLの基本はタグ


 ホームページ作成ソフトを使えば、HTMLを意識せずにホームページが作れるが、その過程では、HTMLについて多少の知識があったほうが、作業も早くなるし、より簡単にホームページを作ることができる。まず、HTMLの基本を解説しよう。
 HTML言語の基本は「タグ」という考え方だ。ホームページには、いろんな色、サイズ、書体の文字が使われている。また、画像やイラストレーションや表も組み込まれている。これらを全部指定するのがタグというものだ。
 Netscape Navigaterのようなブラウザでホームページを表示したとき、画面を右クリックして、「ソースの表示」を左クリックしてみよう。そうすると、そのページがHTMLで表示される。普通見ているホームページとは違って、テキスト文書だけがずっと続いているものだ。
 あちこちに、<HTML> <TITLE> <HEAD> </TITLE> </HEAD> など、< > で囲まれたものがある。これがタグで、<TITLE> </TITLE> というように、/のつかないものと/のついたもの2つ1組で挟むことで、その間にあるテキストの属性を決定する(<BR><P>など単独で使われるタグもある)。たとえば、 <H1>鈴木康之のホームページ</H1> とすれば、見出しの一番大きな文字で、「鈴木康之のホームページ」とホームページに表示される。
 これがHTML言語の基本だが、とりあえずは、HTMLにはタグというものがあるのだなと、頭の隅に留めておくだけでいい。Homepage Builder 3.0 のようなホームページ作成ソフトを使えば、取りあえず、タグは意識せずにホームページを作ることができる。

ホームページの内容を考える


 ホームページ作成ソフトでホームページを作るのは簡単だが、面白いホームページ、みんながアクセスしてくれるホームページを作るのは難しい。どうせホームページを作るなら、みんながアクセスしてくれる人気のあるページを作りたい。そんな面白いページなんて作れない、と思うかもしれないが、ちょっと考えればけっこう誰でもユニークなページが作れるはずだ。ホームページを作ってみる前に、まず、どんなページを作るか計画を立てることにしよう。
 個人が作るホームページの種類はいくつかに分けることができる。

・ファンページ
 自分の好きなミュージシャン、作家などへの思いを込めたページ。その人の作品リスト、プロフィール、歩みなど、内容はいろいろ考えられる。普段からの思いのたけを発散できるから、けっこう作りやすい。ファン仲間からのアクセスやメールの可能性も高い。

・趣味追求ページ
 写真、鉄道、釣り、スポーツなど自分の趣味をとことん追求したページ。ノウハウやスポット情報などを提供すれば、同好の士からのアクセスが期待できる。

・旅行記ページ
 写真を撮ってくれば、作りやすいページ。単なる旅行日記ではなく、これから行ってみたい人に情報提供を心がければアクセスは増える。あまり人の行かないような場所が狙い目。

・情報提供ページ
 パソコン、携帯電話、PHS、環境問題など、自分の持っている情報を提供するためのページ。内容のレベルが高ければ高いほど、人気が集まるはず。

・日記ページ
 日記を書くのが苦にならない人なら、比較的簡単に始められる。毎日更新できるのもアクセスを増やすポイントになる。子育ての日記もこのバリエーション。ただし、情報提供にも心がけて、独りよがりにならないようにしないと、あまり読んでもらえなくなる。海外に住んでいる人、特殊な仕事をしている人、など、人とちょっと違った人だと人気が出る可能性がある、

・リンク集ページ
 自分に関心のあるテーマについて、インターネットのいろんなサイトを並べたページ。自分の視点で、面白く役に立つページが集めてあれば、興味のある人にとっては利用価値の高いページ。文章を書くのは苦手だなという人には向いているかもしれない。

・地元情報ページ
 情報提供ページのバリエーションだが、自分の住んでいる町にこだわったページというのも面白い。そこに住んでいる人、出張や旅行で行こうとしている人にも役に立つページになる。東京都内でも、自分の近所の狭い範囲だけにこだわったページなら、けっこう面白いものが作れるはずだ。

 大ざっぱに分けたものだが、この中に自分に作れそうなページがないかどうか考えてみよう。どれかひとつくらい行けそうなテーマが出てくるはずだ。そのとき、テーマ選択の基準にしたほうがいいこととして、次のような項目がある。

・他の人が作っていないページ
・ひとつのテーマを掘り下げる
・他の人が読むことを意識する
・役に立つ情報が提供できるか
・そして、もちろん自分が多いに興味のあるテーマ

 僕の場合、最初に作ったページは、ビー・ジーズというミュージシャンを取り上げたものだった。これを選んだのは、国内では、他に1人しかページを公開していなかったこと。昔から好きなバンドで情報もいろいろと持っているので、内容もけっこう掘り下げられそうだと思ったからだ。
 さて、テーマと内容が決まったら、ページの構成を考えて、実際に作り始めよう。次回はその話から始めます。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第35回

ホームページを作ろう2


 前回に続いて、ホームページ作成講座の第2回です。前回は、どんなホームページを作ったらいいかという内容の話をしましたが、方針は固まりましたでしょうか。

ホームページを始めるまで


 ホームページを作るとき、今は使いやすいホームページ作成ソフトも発売されているので、HTMLを書くのはそれほど難しくない。実は、どんな内容にするのかが一番迷うところだ。ホームページを作るというと、パソコンが使いこなせて、インターネットについても詳しくなければ、と思う。しかし、そうした知識や経験も多少は必要だが、それだけでは面白いホームページは作れない。それ以上に、雑誌を作ったり、単行本を書いたりするときのような、文章を書いたり、編集力をする能力が必要なのだ。
 普通の人は、広く人に読まれるような原稿を書いたりそれを編集するということはほとんどない。僕は、一応、20年近い編集者とライターとしてのキャリアがあるので、その辺について多少のノウハウは身につけているつもりだ。
 ホームページを作る多少の参考になるかもしれないので、僕が97年3月に最初のホームページを開いたときの手順をもう少し詳しく紹介しよう。
 ホームページを作ったとき、まず考えたのは、一応インターネットに関係するライターの端くれでもあるのだから、あまり恥ずかしいページは作れないということだった。もちろん、たくさんの人にアクセスしてもらえるようなページも作りたいと思ったので、自分に関心のあるもので、他の人があまりやっていないテーマということで考えた。そこから出てきたのが、アーサー・ランサムとビー・ジーズというテーマだ。
 アーサー・ランサムは、『ツバメ号とアマゾン号』という児童文学の作者だが、その舞台となったイギリスの湖水地方を数年前訪ねて、写真もたくさん撮ってきた。そのあとにエッセイとして雑誌に書いた文章もある。ホームページは、画像と文章を組み合わせたのが一番ポピュラーなパターンだから、まずそれで試してみれば、それなりに格好のついたページができるだろうと思った。画像と文章があれば、それなりのページができる。旅行記や日記が作りやすいというのは、そうした理由からだ。

ホームページ作成のポイント


 しかし、それだけでは、雑誌に書いた原稿をそのまま転載するだけで、あまり面白味がない。そこで、もうひとつ、「マサチューセッツ」「小さな恋のメロディ」「恋のナイト・フィーヴァー」などのヒット曲のあるグループ、ビー・ジーズのページを作ろうと考えた。
 ホームページで大切なことは、他の人が見て役に立つということだ。特に、音楽関係の場合には、発売されたシングルやアルバムのリストなど、細かく作ってあればあるほど、情報としての価値は高くなる。ビー・ジーズは67年にデビューした頃からのファンだし、雑誌や単行本、レコードなどの資料もたくさん持っている。これをまとめれば、けっこう価値のあるページができそうだ。
 というわけで、ビー・ジーズのレコードリストを作り、自分にとってのビー・ジーズがどういう存在かという原稿も書いてみた。これで、取りあえず、アーサー・ランサムとビー・ジーズのページはそれなりのものが作れそうな感じがしてきた。
 実際のホームページ作成の前には、どんなページにするか決めて、必要な原稿は書いておこう。画像に関しては、次回以降に詳しく解説するが、今回は取りあえず、文章だけでホームページ作成を進めていく。
 必要な原稿がそろったら、ホームページのタイトルを決める。「鈴木康之のホームページ」とごく普通にしてもいいし、何か自分の好きなタイトルを決めてもいい。僕の場合は、アーサー・ランサムの作品のひとつ「Pigeon Post」 (日本のタイトルは『ツバメ号の伝書バト』)から借用して「The Pigeon Post」としてみた。どんなタイトルをつけようかというのも、ホームページ作りの楽しめるところのひとつだから、いろいろと考えてみよう。

ホームページ・ビルダー3.0を使う


 さて、ここまで準備ができたら、ホームページ・ビルダー Ver.3.0を立ち上げて、実際にページのレイアウトを始めよう。ソフトのインストールは何度も説明したから、もう大丈夫なはずだ。
 ホームページ・ビルダーを立ち上げたら、メニューバーの[ファイル]→[新規作成]をクリックして、開いたウインドウで、ファイル名を入力する。ここのファイル名は、ホームページを登録するプロバイダーによって違うが、最初のページはindex.htm、welcome.htmが多いので、取りあえずどちらかを入力して、新規作成を始めよう。ファイルは、c:\ProgramFiles\Hpb3\home のフォルダに保存される。
 最初に、タイトルを入力する。HTMLでは、本文に使う「標準」の他に、「見出し1」から「見出し6」まで、6種類の大きさの見出しがある。タグでは、「見出し1」が、<H1> </H1> となる。
 メニューバーの下のツールバーの2段目の一番左に、「標準」となっている、ボックスがあるので、▼マークをクリックして、「見出し1」に切り替える。その右隣りは字体を決めるボックスで、「標準文字」のほかに、「強調」「ストロング」などがあるが、ここは、「標準文字」のままでいい。
 その状態で、タイトルを入力しよう。かなり大きめのゴチックで「見出し1」が入力される(画面左)。ホームページ・ビルダーでの文章の入力は、こんなふうに、ワープロと同じ感覚で進めることができる。タイトルをページの左右の中央に持っていきたければ、ツールバーの1段目の右から5番目にあるボタンでセンタリングができる。通常に入力すると左寄せになるが、右寄せにしたければ、その右のボタンをクリックすればいい。これも、ワープロと同じ感覚だ。
 ただし、HTMLはいろんな意味で制約が多いし限界もある。ホームページを見るブラウザは各種の違ったものがあるし、同じブラウザでも、見出しの大きさや本文のフォントは自分で自由に変えることができる。
 ワープロで打って、紙に打ち出した文章なら、自分が画面で見たそのままになるが、ホームページでは、自分でデザインして作ったつもりでも、見る人が同じものを見ているとは限らない。Netscape Communicator と Internet Exploler の2つのブラウザを使ったことのある人なら、同じホームページも感じが違うことに気がついているだろう。もちろん、同じNetscape Communicatorでも、Windows95とMacintoshではまた感じが違う。
 だから、あまりデザインに細かくこだわっていても、いいホームページを作ることはできない。どちらかというと、文章の内容で勝負したほうがいい。
 さて、タイトルの入力まで終わったが、文書のソースは、[表示]→[文書のソース]で見ることができる。

<HTML>
<HEAD>
<META name="GENERATOR" content="IBM HomePage Builder V3.0 for Windows">
<TITLE></TITLE>
</HEAD>

<BODY>

<H1 align="center">鈴木康之のホームページ</H1>
</BODY>
</HTML>

 ここまでで、HTMLは上のようになっている。まだ見たことのないタグがいろいろあるが、とりあえずは、H1 が見出し1、align="center" がセンタリング、ということだけ意識しておこう。
 次回から、文字の入力や画像の入力、レイアウトの方法について、具体的に解説していきます。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第36回

ホームページを作ろう3


 前回、テキストの入力の仕方を解説したが、これで、いろいろな見出しの大きさと水平線を組み合わせていけば、それなりのページになってしまう。素人でも、それほど考えずに見出しや文章を並べていくだけで、まあまあ見られるページになるのが、HTMLのいいところでもある。
 見出しについて、前回、見出しで文字の大きさが変わると説明したが、HTMLの考え方では、「見出し=文字の大きさ」ではちょっと意味が違うので、解説しておこう。
 見出し1が一番大きくなるが、<H1> </H1>というタグは、正確には文字の大きさを設定するものではなく、その文字の重要性を決めるものと考えたほうがいい。
 文字を大きくするタグとしては、別に、<FONT size="+1"> </FONT> というタグがあり、例えば本文中で文字を大きくしたいときは、FONTのタグを使う。見出しを使っても文字を大きくすることができるが、文章の途中などで、レイアウトの都合で見出しで文字を大きくするのは避けたほうがいい。
 検索サーバーでは、見出しは重要なものとして扱う。大きな見出しに入っている語は、そのサーバーの内容を示す重要な語として扱われるから、気分だけで、見出しを付けると、適切な検索ができないことになる。
 日記などで、あー、とか、おー、とか、擬音語擬態語に見出しを使っているものがあるが、あれは、HTMLの本来の使い方からはずれている。その場合は、<FONT size="+1"> </FONT> のタグを使ったほうがいいだろう。
 文章がそれなりに、レイアウトできたら、あとは、画像を貼り込めば、リンクを張れば、ホームページは出来上がったも同然だ。今回は、画像について解説をしよう。

画像ファイルにはいろんなフォーマットがある

 テキストはたいていの人がワープロでも扱っているから、難しいことはないが、画像については、いろんな形式(フォーマット)のファイルがあるし、処理方法もいろいろあるので、多少専門的な話になる。
 ただし、一度覚えてしまえばそれほど難しくないので、ホームページで旅行記や日記をやって、写真も使いたいという人、自分の書いたイラストを載せたいという人は、この機会に基礎的なことを覚えてしまおう。
 画像ファイルには何種類ものフォーマットがあるが、写真やイラストなどの静止画像として、インターネットのホームページで使えるのはJPEG(ジェイペグ)とGIF(ジフ)の2種類だ。
 JPEGとGIFの特徴は、データが圧縮されていること。Windows95の壁紙などで使われている標準的な画像フォーマットはBPM(ビーエムピー)、Macintoshでは、PICT(ピクト)だが、これらは圧縮されていないので、ファイルの大きさがかなり大きなものになる。
 それに対して、GIFは、もともとパソコン通信で画像を送るために開発されたフォーマットで、ネットワークで送るためにデータが圧縮されている。JPEGも同様に圧縮されているが、GIFとJPEGの違いは、使える色の数にある。
 コンピュータでは、色をRGBという光の三原色(R:Red、G:Green、B:Blue)の組み合わせで表現する。通常フルカラーと呼ばれるものは、RGBそれぞれに、256(2の24乗)色を使い、256×256×256=16,772,216(2の24乗)色の表現ができる。これで、人間が見分けられる色はカバーできるので、これをフルカラー(または24ビットカラー)と呼ぶ。JPEGは、フルカラーに対応したフォーマットだ。
 GIFは、8ビットカラーで、最大256色までしか使うことができない。ホームページでGIFとJPEGをどう使い分けるかというと、JPEGは写真に、GIFはイラストやアイコンやボタンに、ということが多いようだ。自然界のものをそのまま撮影した写真は色数が多くないと、自然な感じにならないが、イラストやアイコンは256色でもそれなりの表現ができる。そんなところから、こういう使い分けになっている。
 最新のパソコンはほとんどフルカラーに対応しているが、少し前のものは256色というものも多い。自分のパソコンがどうなっているかは、デスクトップを右クリックして、「プロパティ」を開き、「ディスプレイの詳細」のタグを開く。ここの、カラーパレットのところに、色数が何ビットか出ているはずだ。256色になっている人は、その右の「デスクトップ領域」を、800×600、640×480とした上で、色数を増やしてみよう(多い色数を使うには、ビデオメモリーの容量が必要だが、画面サイズ(ピクセル数)を少なくすれば、そのままのビデオメモリーでも色数を増やすことができる)。
 例えば、今まで見ていたホームページの写真がぐんときれいになって、256色よりフルカラーのほうがずっと自然な感じに近いことがわかるはずだ。

スキャナーを選ぶか、デジカメにするか

 ホームページで使うGIFやJPEGの画像ファイルを作るには、スキャナーやデジタルカメラといった画像入力装置が必要だ。
 スキャナーは、正確にはイメージスキャナーといい。現在使われているのは、カラーフラットスキャナーが一般的で、個人用のものなら、数万円で手に入る。コピー機のような原理で、原稿を平らに置いて、光センサーでパソコンに画像を読み込む。
 もっと安いモノでは、ファクシミリのように、原稿を読み込んで光センサーは動かないタイプのものもあるが、これだと、本などシート状でないものは入力できない。フラットスキャナーで読み込んで、プリンターから出力すれば、コピー機の代わりにもなるから、インターネットのホームページを作ろうという人はスキャナーはできれば、手に入れておいたほうがいい。
 他に、フィルムスキャナーという装置もあり、これはネガフィルムやポジフィルムを専用に読み込むためのもの。フラットスキャナーでもプリントした写真なら読み込めるが、フィルムスキャナーで直接読み込んだほうが、画像のクオリティはずっと高くなる。僕の場合は、ポジやネガの写真を使うことが多いので、主にフィルムスキャナーを使っている。これも、数万円で手に入る。これは、最新のAPSフィルムも読み込めるものが発売されている。
 もうひとつ、デジタルカメラは今大流行だが、これなら、撮影後、現像に出す手間をかけずにすぐパソコンに読み込むことができる。写真のクオリティは35ミリのフィルムよりはかなり落ちるが、ホームページで使うだけなら、全然問題ない。旅行記や日記で写真を使いたいというのなら、デジタルカメラを購入するのが一番手っ取り早いかもしれない。

ホームページ・ビルダーで画像を貼り付ける


 スキャナーやデジタルカメラなどの、画像入力装置を手に入れれば、GIFやJPEGのファイルを作るのは簡単だ。それぞれの画像入力装置や付属のソフトでは、独自の画像ファイル形式を使うようになっているものもあるが、たいていの場合、添付ファイルとして、GIFやJPEGに変換できるものがついている。それを使えば、GIFやJPEGのファイルは簡単に作ることができる。
 画像ファイルができたら、ホームページビルダーを使って画像を読み込んでみよう。画像を読み込みたい位置にカーソルを移動して、左側のツールバーの右上にある「イメージ」のアイコンをクリックする。「ファイルから開く」がチェックされていることを確認してから、「参照」のボタンを押して、ファイルを選ぶと、ファイルが c:\ProgramFiles\Hpb3\home のフォルダ以外にある場合には、「このイメージは文書ルートの外にあります。現在の文書から正しく参照させるには、イメージをコピーする必要があります」とメッセージが出る。「イメージ形式」がJPEGになっていることを確認した上で、「OK」をクリックすれば、画面に画像が読み込まれる。

 画像の処理については、どのくらいのサイズで読み込むのか、JPEGの場合、圧縮比率はどの程度にすればいいのかなど、細かいところにいろんなノウハウがある。スキャナーの種類や使う画像ソフトの種類によって、違ってくるが、次回は、僕の使っている、フィルムスキャナーを例にして、解説することにしよう。どのスキャナーでも使える一般的なノウハウを中心に解説するので、他の機種を使っている人にも参考になるはずだ。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第37回

ホームページを作ろう4


 今回は、前回の画像処理の話の続き、フィルムスキャナーを使ったフィルムからの画像読み込みについて解説します。スキャナーからの読み込みは、メーカーや機種、使うソフトで細かいところが違ってきますが、ここでは、僕が現在使っているコニカのフィルムスキャナQSCANを例として取り上げます。次回以降に、フラットタイプのスキャナーについても解説します。

スキャナーのパソコンとの接続

 フィルムスキャナーというのは、35ミリのネガやポジのフィルムをフィルムキャリアに入れて、読み込ませるタイプのスキャナーだ。各社から発売されているが、僕は、APS(アドバンスト・フォト・システム:今までの35ミリフィルムにかわる新しいフィルムとして開発されたもの。フィルムのサイズが少し小さくなり、現像したあとも、カートリッジに入れたままで使う)も使いたかったので、どちらでも読み込めるQSCANを選択した。
 スキャナーなどの周辺機器はパソコンとの接続にいくつかの方法がある。Windows95の場合、プリンターと同じパラレルポートを使う場合と、SCSI(スカジー)ポートで接続する2通りがある。
 最近は、それに加えてUSBポートというのも出てきた。USB(Universal Serial Bus)では、これまで別々だったマウス、キーボード、プリンター、モデムなどの接続が共通になる。ただし、転送速度は12Mbpsとそれほど速くないので、ハードディスクやCD-ROMドライブなど、高速の接続には向いていない。
 パソコンには普通パラレルポートはひとつしかないから、すでにプリンターが使っている場合、スキャナーをパラレルポートで接続するには、拡張ボードでパラレルポートを増設しなければならない。SCSIポート接続の場合は、すでに、SCSIポートがあれば、それがそのまま使えるし、ない場合は拡張ボードでSCSIポートを増設する。

Windowsパソコンのポートについて

 ここで、この機会に、Windowsパソコンのポートについて解説しておこう。ポートというのは、コンピュータと周辺機器の接続部のこと。プリンターやスキャナーを接続するのはパラレルポート、モデムを接続するのをシリアルポートという。
 シリアルポートは、データを1ビットずつ処理する方式で、伝送速度が最高115.2kbpsしか出ない。パラレルポートは、データを8ビット(1バイト)ずつ処理するので、シリアルポートよりも高速になる。
 SCSIも周辺機器接続のための規格で、周辺機器自体がコントローラーを持っているので、CPUへの負担が軽く転送速度も速い(SCSI-2で20Mバイト/秒)ため、ハードディスクやスキャナ、MOディスクなどの接続に広く使われている。さらに、SCSIのいいところは、7台までの周辺機器が直列でつなげること。パラレルポートやシリアルポートには1台の機器しかつなげないが、SCSIでは、数珠つなぎにして、7台まで機器が接続できる。ただし、SCSIには、SCSI-1、SCSI-2など各種の規格があるので、機器やSCSIボードを購入するときには接続可能かどうか注意が必要だ。
 ハードディスクの接続には、SCSIの他にIDEという規格もある。SCSIに比べると転送速度は遅いが、拡張IDEという規格ができ、データ転送速度も13.3Mバイト/秒という高速転送が可能になり、ATAPI(アタピー)という規格でCD-ROMドライブもつなげられるようになったので、内蔵のハードディスクやCD-ROMドライブは、IDE接続のものが増えている。
 最後に、将来の標準規格と目されているのが、USB(Universal Serial Bus)だ。USBは、シリアル転送の新しい規格で、ハブ(HUB=集線装置。ケーブルを集めて再分配する装置)を使うと、最大127台まで機器が接続できる。転送速度も従来のシリアルポートに比べて最大12Mbpsと高速だ。今後、マウス、キーボード、モデム、プリンターなど、周辺機器が対応していくので、特にたくさんのポートを設けることのできないノートパソコンなどで広く使われるようになるだろう。
 コンピュータと周辺機器の接続部を意味する「ポート」という用語と同時に、SCSIボードのように「ボード」という用語も出てきているので、わかりにくいかもしれない。ボード」は、「板」という意味からもわかるように、電子部品を搭載したプリント基板のこと。
 パソコンでは、マザーボードといって、CPUやチップセットを乗せた1枚のボードが本体の中に入っている。拡張ボードというのは、さらに機能を追加するために、拡張スロットに差し込んで使うもので、ここまでに説明したパラレルポートを追加するボード、SCSIボードのほかに、ビデオ画像を取り込むためのボード、MIDI機器を接続するためのボードなどがある。

フィルムスキャナーで画像を読み込む

 ポートとボードの説明で、スキャナーの解説から横道にそれてしまったが、本題に戻ろう。QSCANはSCSI接続なので、SCSI-2のボードを同時に購入してSCSIで接続した。機器を接続したら、説明書に従って、ドライバソフト(単にドライバということもある)をインストールする。プリンターやスキャナーなどの周辺機器を使うためには、ドライバソフトを必ずインストールしなければならない。
 Windows95では、プラグ&プレイ(接続<プラグ>すればすぐ使える<プレイ>ということ)といって、機器をケーブルで接続して電源を入れれば、自動的にドライバソフトをインストールして使えるようにする機能もあるが、そうでない場合もまだまだ多い。
 スキャナの場合は、TWAIN(Technology Without Any Interested Name)という標準のインターフェース規格があり、これに合ったドライバソフトをインストールするようになっている。
 ドライバソフトだけでも画像を読み込むことはできるが、そのあと、読み込んだ画像をトリミング(一部分を切り取ること)したり、画像をシャープにしたり、明るくしたり、色調を変えたりするためには、画像処理ソフトが必要だ。スキャナーには、添付ソフトとして画像処理ソフトが付いているので取りあえずはそれを使えばいい。QSCANには、「Paint Shop Pro」が添付されている。英語版ソフトなので、メニューが英語なのが多少使いにくいが、慣れてしまえば、それほど気にならない。

「Paint Shop Pro」で画像を保存する


 まず、「Paint Shop Pro」を起動して、「File」→「Aquire」で、QSCANのドライバソフトが立ち上がる。フィルムを専用のキャリアに入れてセットすれば、プレスキャンが開始される。正式にスキャンする前に、どんな画像かを取りあえず画面に表示するのがプレスキャンだ(画面左)。
 QSCANでは、一度に4〜6枚のプレスキャンができるので、その中から本スキャンする画像を選ぶ。そこで、解像度(画像のサイズ)を決めることになるが、ここで、適切なサイズを選ぶことが大切だ。QSCANの場合、200dpi(dot per inch)から1200dpiまで画像サイズ選べるが、ホームページに掲載することを考えればあまり大きくしても仕方がない(画面右)。
 僕の場合は、ホームページに掲載するものは、300dpiか400dpiでスキャンしている。ホームページとは関係ないが、インクジェットプリンターを使って、はがきにプリントアウトするときは、もう少し大きくして、500dpiくらいがいいようだ。どの程度の解像度でスキャンするかは、何度か試して自分がいいと思うサイズを決めておこう。
 画像サイズを決めて、スキャンをすれば、「Paint Shop Pro」に読み込まれた画像が表示される。この段階ではBMP(ビットマップ)のファイルになっている。ここで、必要のない部分については、コピー&ペーストでトリミングする。また、「Image」→「Nomal Filters」→「Shapen」などの操作で、画像をよりシャープにしたり、明るく(暗く)したりすることもできる。ソフトによっては、画像に修正を加えることができるものもある。
 修正が終わったら、画像ファイルの保存。このとき、BMPではなく、JPEG(ジェイペグ)、GIF(ジフ)などにフォーマットを変換して保存できる(写真の場合はJPEGがいい)。ただし、JPEGの場合は、圧縮率がいろいろあるので、それを選択しておかないといけない。「Paint Shop Pro」では、「File」→「Preference」→「File Saving」で設定するが、これも、圧縮しすぎると画像がモザイク状になってしまうし、圧縮しないと、画像ファイルが大きくなってしまう。何度か試してみて、画像の見え方とファイルのサイズを検討して、自分なりに納得できる圧縮率を決めておく必要がある。
 以上の操作で、ホームページで使う画像(写真)がJPEGのファイルとして保存できた。写真のスキャンというのは、1点ずつ、スキャンして、トリミングして、JPEGで保存してとけっこう手間がかかる。しかし、ホームページでは画像は表現に幅を持たせてくれるし、カラープリンターを購入すれば、はがきなどにプリントアウトして楽しむこともできる。数万円の出費でけっこういろいろなことができるから、インターネットでホームページを公開しようと思ったら、スキャナーの購入を考えたほうがいいだろう。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第38回

ホームページを作ろう 5


 前回までで、テキストの入力、画像のスキャナーからの読み込みなど、ホームページ作成の基本の基本がわかったでしょうか。今回は、ホームページの重要な要素の一つであるリンクについて解説します。

ハイパーテキストとリンク

 ホームページはHTMLという言語で書かれている。HTMLはHypertext Markup Languageの略だが、このハイパーテキストについて説明しよう。
 ハイパーテキストというのは、コンピュータのソフトウェアで使われる考えた方のひとつ。けっこう奥の深いものだけれど、簡単に言えば、文字や絵、表などをカードのようなオブジェクトとして捉え、その間にさまざまな関係付け(ハイパーリンク)をしたもののこと。
 つまり、ホームページ上のテキストや、アイコンや、イラストから、他のページにリンク(正確にはハイパーリンク)している状態は、まさしくハイパーテキストなのだ(正確には、ハイパーテキストは文章についてのもので、音声やイメージを含めたものはハイパーメディア・システムという)。
 インターネットがWWW(ワールド・ワイド・ウェッブ)の登場で、大流行したのは、ハイパーテキストの考え方をうまく取り入れていたからだ。それほど難しくないHTMLという言語で書くだけで、写真やテキストやイラストが配置できることもあるが、クリックするだけでどんなところにも飛んでいけるという操作性が、WWWが受けた一番の理由だろう。

実際にリンクを張る

 ハイパーリンクという仕組みをWWWに組み込んだのはすごい発明だけれど、実際に自分のホームページでリンクを張るのは、全然難しいことではない。ホームページビルダーでは、リンクを張りたい、テキストの部分をマウスの右ボタンを押しながら反転させ、メニューバーの[作成]→[リンク]をクリックする。
 「リンク」のウインドウが開き、「ファイルへ」「URLへ」「ラベルへ」「メール」「ラベルを付ける」の5つのタグがある。リンクは、自分のホームページの中(つまり、プロバイダーの自分のスペースの中)に張る場合と、全然別のサイトに張る場合がある。これが「ファイルへ」と「URLへ」の2つだ。
 タグで説明すると、リンクは、<A></A>というタグで表示される。
 たとえば、文中の「鈴木康之のホームページ」というテキストから、http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk というURLに飛ぶ場合には、

<A href="http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/">鈴木康之のホームページ</A>

 と記述する。
 ホームページビルダーでは、URLに飛ぶ場合は、「URLへ」をクリックして、http://…… という目的地のURLを書き込むだけでいい。その下に、「ターゲット」という項目があるが、これについてはのちほど解説する。
 自分のサイトの中へリンクするときには、URLを全部指定せずに、ファイル名(フォルダを作っている場合はフォルダも含めたもの)だけを指定する。自分のホームページを作るには、ページごとのHTMLファイルと、写真やイラストごとの画像ファイル(GIFファイルまたはJPEGファイル)が必要だが、個人のホームページでは、それらのファイルをひとつのフォルダの中に入れる(画像ファイル用に別のフォルダを作ることもある)。
 こう書くと話がややこしいが、ホームページビルダーの場合、ファイルへのリンクは簡単だ。「ファイルへ」のタグを選んで、「参照」のボタンをクリックして、c:\ProgramFiles\Hpb3\homeのディレクトリにある、ファイルを指定すればいい。
 例えば、index.htmというページを作っていて、「物語の舞台を訪ねる旅」という文字をクリックしたら、tabi.htmという別のページに飛びたいときは、ここで、tabi.htmを指定すればいい。

ラベルを付ける

 この方法だと、ページの冒頭にしかリンクすることができないが、ページの途中に飛びたいときは「ラベル」というものを使う。この場合は、まず、飛びたいページの飛びたい場所に「ラベル」を設定する。タグは、リンクと同じ<A></A>を使う。例えば、ページの途中に「プロフィール」という項目があって、ここに飛びたければ、

<A name="profile">プロフィール</A>

 とラベルを付ける。ホームページビルダーの場合は、「プロフィール」のテキストのところをマウスで反転させてから、「ラベルを付ける」のタグを選んで、「profile」と入力すればいい。これで、ラベルが設定されたから、あとは、他のページの「プロフィールを読む」というテキストのところを、マウスで反転させて、今度は「ラベルへ」のタグを選んで、「参照」クリックしてファイル名を選び、さらに「ラベル名」を選べばいい。ラベルへのリンクは同じページの中でもかまわない。
 タグでは、

<A href="tabi.htm#profile">プロフィールを読む</A>

 となり、これで、「プロフィールを読む」というテキストのところから、tabi.htmというファイルのprofileというラベルの場所に飛ぶことができる。
 文書で説明していくと難しいようだが、実際にホームページビルダーを使って、どんなふうにリンクするのか試しながらやっていけば、すぐに覚えられるはずだ。

ターゲットとフレーム


 前半で、説明を飛ばした「ターゲット」だが、これについても説明しておこう。「ターゲット」という考え方は、ホームページに「フレーム」を導入したときに重要になってくる。
 フレームは、最近は取り入れているページが増えているから、いろんなホームページにアクセスしている人ならお馴染みだろう。ページが2つとか3つに分かれていて、片方にインデックス、片方に内容というように表現するものだ。フレームになっていると、ホームページの中でいろいろなところに飛んでも、インデックスのほうをクリックするだけで元に戻ることができるので、見やすく使いやすくなる。
 リンクを指定した場合は、ターゲットを設定しなければ、そのページが新しいページに変わる。フレームからリンクした場合には、そのフレームが新しいページに変わる。しかし、それでは、インデックスのフレームをクリックしたら、そのインデックスのフレーム自体が変わってしまって、困ることになる。インデックスのフレームをクリックした場合には、その隣りのフレームを新しいフレームに変えたいわけだから、ここで「ターゲット」という考え方が必要になってくる。
 「ターゲット」には、新しいウインドウ、同一フレーム、親フレーム、全画面がある。これを「ターゲット」として指定しておけば、クリックしたときに、新しいウインドウの場合は、新たにブラウザの画面が開いてページが表示される(元のページはその下に残っている)。「同一フレーム」は、同じフレームに、「親フレーム」は、2つに分かれていれば両方一緒に、、「全画面」では、3つ以上フレームがあってもブラウザの画面全体にページが表示される。
 インデックスのフレームから隣の内容を表示するフレームを変えるときには、それぞれのフレームに名前を付けて、その名前を指定する。フレームについては、これだけでは理解できないと思うので、次回以降に実際にフレームを作りながら詳しく解説しよう。そのときに、この「ターゲット」の説明を読み返せてもらえば、もっとよく理解できるはずだ。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第39回

ホームページを作ろう 6


 前回は、リンクの説明の、「ターゲット」にからめて、フレームについて説明したので、理解がしづらかったかもしれない。今回は、フレームのあるページの作り方をひととおり解説しよう。その上で前回のリンクとターゲットについての説明を読み返せば、もっとよく理解できるるはずだ。

フレームエディタを使う

 フレームというのは、前回も説明したように、ひとつのページをいくつかのフレームに分けて、メニューとその内容、というふうに使うもの。WWWでは広く使われているから、みなさん見たことがあるはずだ。
 フレームを使ったページは、ホームページビルダーに付属した「フレームエディタ」を使うと簡単にできる。フレームエディタは、[スタート]→[プログラム]→[ホームページ・ビルダー3.0]→[フレームエディタ]で立ち上がる。
 フレームエディタの画面は2分割されているが、右がホームページ、左はフレームをツリー状に表示するものだ。当然、最初は何も表示されていないので、[フレーム]→[縦分割]で、フレームに分割する。その下のツールバーのアイコンをクリックしても、分割することができる。
 フレームは縦にも横にも分けることができるし、2つでも3つでも、いくつにも分けることができる。ここでは、一番ポピュラーな、縦に2つに分けるフレームについて解説することにしよう。
 [フレーム]→[縦分割]で、フレームに分割すると、それぞれのフレームに「URLが指定されていません」と表示される。まず、それぞれのフレームの文書名を入力しよう。
 フレームを持ったホームページは、フレームの構成を指定するHTMLのファイルとそれぞれのフレームのHTMLファイルで構成される。フレームを持たないページの場合は、1枚のページを表わすHTMLのファイルは1つだけだが、フレームを持つページの場合は、フレームの数+1の数のHTMLファイルが必要になる。

フレームを作成する

 最初に、左側のフレームをクリックする。クリックすると、そのフレームがアクティブになって囲みが色つきになる。ファイル名は、URLのボックスに記入する。ここでは、menu.htmと入力しよう。すでに、左側のフレームに使うHTMLファイルが作ってあれば、ボックスの左の「...」のボタンを押して、開いたウインドウから、そのファイルを選んで「開く」ボタンを押す。menu.htmというファイル名は、フレームの中央に表示される。
 続いて、フレーム名も記入する。フレーム名は、ひとつのページの中でのそのフレームの役割を示すためのものだ。前回説明した「ターゲット」に指定するのが、フレーム名になる。ここでは、「menu」と入力する
 次に、右側のフレームに移って、同じようにしてURL(この場合はファイル名)とフレーム名を入力する。ここでは、ファイル名(URL)は、contents.htm、フレーム名は「contetnts」と入力した。
 「フレームの作成はこれでほぼ終わりだ。あとは、フレームの大きさを調節すればいい。分割しただけの状態では、フレームの大きさは左右同じになっている。カーソルをフレームとフレームの境界線のところに持っていって、ドラッグ&ドロップすれば、境界線は左右に移動することができる。ここで、適当に調節しよう。目安としては、1:3とか1:2くらいだが、menu.htm、contents.htmの内容によって違ってくるので、最終的には、実際にブラウザを立ち上げて、どう表示されるか確認しながら、決定する。
 フレームの比率がどのくらいかは、左のツリー状に表示されたフレームのところに、「COLS="30%70%"」のように表示される。フレームの比率は、%で指定するだけでなく、フレームの幅をピクセル値で指定することもできる。%表示だと、そのページを見ている人のブラウザの幅によって、実際のフレームの幅が違ってくるが、ピクセル表示にしておけば、フレームが狭くなって、文書がうまく表示できないということがなくなる。実際のフレームは、目次の長さに合わせて左側のフレームをピクセルで指定している人が多いようだ。

フレーム文書のソース

 最後に、以上の設定をファイルとして保存しておこう。[ファイル]→[上書き保存]をクリックすると、「HTMLタイトルの入力」のウインドウが開く。HTMLタイトルというのは、ファイル名ではなく、そのページ全体のタイトルだ。ブラウザでは、一番上のところに表示されるし、ブックマークに登録すると、そのタイトルが項目として表示される。
 ホームページを作っているときはあまり意識しないので、付け忘れる場合もあるが、そのページの表札のようなものだから、忘れずに付けておこう。「Home Page of Yasuyuki suzuki」や自分がホームページに付けているタイトル「The Pigeon Post」としておけばいい。
 HTMLタイトルを入力すると、ファイル名の入力のウインドウになる。このファイル名が、あなたのサイトにアクセスした人が最初に見るものになるから、index.htmやwelcome.htmといった、それぞれのプロバイダーで指定されたものにする。
 以上のような作業で作ったindex.htm(またはwelcome.htm)は、次のようになる。

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>yasuyuki suzuki</TITLE>
</HEAD>

<FRAMESET cols="27%,73%">
<FRAME src="menu.htm" name="menu" scrolling="auto" >
<FRAME src="contents.htm" name="contents" scrolling="auto" >
<NOFRAMES>
<BODY>

</BODY>
</NOFRAMES>
</FRAMESET>
</HTML>

フレーム表示できない人のために

 上のフレーム文書のソースを見ると、HTMLでのフレームの設定は拍子抜けするほど簡単だ。
 <NOFRAMES>というのは、フレームの表示できないブラウザで、このページにアクセスしたときのためのもの。この<BODY></BODY>の間に、HTML文書を書き込んでおけば、フレーム表示できないブラウザを使っている人には、フレームではなくその部分のHTML文書を見てもらうことができる。
 ホームページビルダーで<NOFRAMES>の部分を作るには、index.htmをホームページ・ビルダーに読み込む。「この文書はフレームのタグを含んでいます。フレームエディタを起動しますか?」と聞いてくるので、「いいえ(N)」を選択すれば、<NOFRAMES>の部分の編集をすることができる。フレームを見られないブラウザを使っている人もいないわけではないから、この部分も作っておくといいだろう。
 フレームエディタを使うと、フレームの文書はごく簡単に作ることができる。ただし、それだけではホームページにはならない。この場合なら、menu.htmとcontents.htmの2つのHTMLファイルを作らなければならない。その作業はホームページ・ビルダーを使い、ページ全体がどう表示されるかは、改めてブラウザで確認する必要がある。
 けっこう手間はかかるが、フレームはホームページを見やすく使いやすいものにしてくれる。ホームページを作り始めたばかりでフレームに挑戦するのは難しいかもしれないが、少し慣れてきたらぜひチャレンジしてみよう。


図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第40回

ホームページを作ろう 7


 1年間のインターネットとパソコンの解説も、そろそろラストスパートの時期になってきた。前回まで6回にわたって、ホームページの作り方を解説してきたが、その概要は何となくわかってきたと思う。自分が作りたいホームページの内容(コンテンツ)を持っている人なら、ホームページビルダーの助けを借りて、ホームページを作ることができるはずだ。今回は、作ったホームページを実際に、プロバイダーのサイトにアップロードする方法について解説しよう。

FTPでファイルをアップロードする

 ホームページを公開するというのは、プロバイダーのサーバー(のある部分を)を自分で管理するということだ。インターネットでメールを送るときも、メールサーバーを使っているのだが、これはあくまでメールソフトを使って、送っているというだけで、メールサーバー自体はあまり意識することはない。
 しかし、ホームページを公開すると、サーバーの自分に与えられた部分を、自分のパソコンのハードディスクと同じような感じで、ファイルを書き込んだり、削除したりすることになる。このとき使うもの、つまり、インターネットでファイルのアップロードやダウンロードに使うのは、FTPという機能だ。
 wwwサーバーの中の自分のスペースは、他の人がアクセスしてきて、ホームページ見ていくわけだが、中のファイルを書き換えたり操作したりできるのは、自分だけだ(正確には、プロバイダーのサーバー管理者もできる。違法な画像をアップロードしたりすると、削除されることがある。外部の人が勝手に書き換えれば、ハッキングということになる)。そのことを考えると、ホームページを公開するのは、何だかすごいこと、という気がしてくる。
 現在は、インターネットはWWWにブラウザでアクセスするのが標準的な使い方なので、第33回で説明したように、「窓の杜」からソフトウェアをダウンロードするような場合にも、ホームページの画面をクリックするだけでいい。FTPを使っていることは全く意識しないですむ。ただし、ホームページにファイルをアップロードするときには、FTP機能を持ったソフトウェアを使わなければならない。
 ホームページビルダーには、「リンクみるだ〜」というサイト管理とファイル転送機能を持ったソフトが付属している。これを使えば、FTPを使ったファイル転送も難しいことを意識せずに使うことができる。「リンクみるだ〜」は名前からも想像つくように、ホームページの中のファイルのリンクの様子をツリー状に表示して見るためのソフトだ。
 ただ表示するだけでなく、リンクの間違っているところが表示されるので、ホームページの最終的な確認に使うといい。
 「リンクみるだ〜」便利なところは、ツリー状になったファイルを選択して、そのままプロバイダーのサイトに転送できること。「まるごと転送機能」というのを使うと、そのファイルと、そこにリンクした画像ファイルや関連ファイルを、まるごと転送することができる。写真やイラストやアイコンを使ったページでは、ひとつのページでもファイルはかなりの数になるから、この機能はけっこう役に立つ。

ホームページのリンク状況を確認する

 「リンクみるだ〜」を立ち上げ、[ファイル]→[開く]でindex.htm、welcome.htmという、ホームページの最初のページ(このページだけをホームページという場合もある)を開くと、画面の左側に、ページのリンクの様子がツリー状のHTMLファイルやURLで表示される。右側には、左側で選択されているファイル(反転している)に直接リンクする、HTMLファイルや画像ファイル、URLが表示される。右側の画像ファイルを反転させれば、画像も表示できる。(画面左)
 ファイルを転送するには、左側の画面で、転送したいHTMLを選び(反転させる)、[転送]→[ページ転送]または[まるごと転送]をクリックすればいい。[ページ転送]なら、そのページと、そこに含まれる画像ファイルがすべて転送される。[まるごと転送]なら、そのページにリンクしたページもすべて転送される。inex.htmを[まるごと転送]すれば、自分のホームページのファイルをいっぺんに更新できるわけだ。
 「前回の転送時から変更のあったファイルを転送」「今日変更したファイルを転送」というふうに、状況に応じてファイルの選択もできるようになっている。
 FTPでファイルを転送するためには、プロバイダーのWWWサーバーに接続しなければならない。最初にファイルを転送しようとしたときに、「プロファイルの設定」で「新規にプロファイルを作成する」をチェックして、プロバイダー名を入力すれば、「ログイン情報の設定」の画面になって、そこで設定する([オプション]→[ファイル転送設定]でも設定できる)。Asahi-netの場合は、転送先のWWWサーバー名は、netftp.asahi-net.or.jpとなっている。自分の使っているプロバイダーのものを確認しておこう。
 またWWWサーバーへ接続するためのIDとパスワードも入力が必要だ。これは、ログイン用のIDやパスワード、メール用のIDやパスワードと同じにしているプロバイダーが多いようだ。

WWWサーバーのファイルを操作する


 「リンクみるだ〜」を使うと、ページ単位(htmlファイルと画像ファイル)での転送しかできないが、[ツール]→[ファイル転送]で、「ファイル転送」のソフトウェアを立ち上げて、ファイル転送を行なうこともできる、「ファイル転送」のソフトウェアは、「リンクみるだ〜」からでなく、単独でもスタートボタンから立ち上げることができる。画像ファイルをひとつだけ、HTMLファイルをひとつだけ転送したいときは、こちらのほうが便利だ。
 「ファイル転送」ソフトウェアを立ち上げると、左側のボックスに、C:\Program Files\HPB3\home\のフォルダの内容が表示される。「設定」ボタンをクリックして、プロファイル名やログイン情報が正しく記入されているか確認した上で、「接続」をクリックすると、プロバイダーのアクセスポイントに電話をかけ始めて、WWWへの接続が行なわれる。
 うまく接続できれば、右側のボックスに、WWWサーバーの自分のスペースのファイルが表示される。
 このあとの、転送は簡単で、左側のボックスのファイルを選んで(反転させる)、真中の矢印ボタンをクリックするだけだ、転送状況を示すウインドウが表示されて、ファイルの転送が行なわれる。Ctrlボタンを押しながら、ファイルを選択していけば、複数のファイルをいっぺんに送ることもできる。
 この「ファイル転送」ソフトウェアを使うと、左側のボックスに表示されたWWWサーバーの自分のスペースに、新しいフォルダを作ったり、いらなくなったファイルを削除することもできる。また、ハードディスクのほうで間違えて消してしまったファイルを、WWWサーバーのほうからダウンロードすることもできる。慣れてきたら、「リンクみるだ〜」よりも「ファイル転送」のソフトウェアを使ったほうが便利かもしれない。

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 以上で、ホームページ作成に関する説明をひとまず終わりとします。ごく初歩的な解説しかできませんでしたが、7回分の記事を参考にすれば、とりあえずホームページを作って公開することはできるはずです。たいていのプロバイダーが無料でホームページの公開ができるようになっていますから、ぜひ挑戦してみてください。
 連載もあと10回を残すのみとなりましたが、次回からは、今までに紹介しきれなかったインターネットとパソコンに関する話、モバイルの活用法など解説したいと思います。また、ホームページ作りのノウハウ、ちょっとしたコツについても、紹介します。

[パソコン・インターネット入門の目次]  [The Pigeon Post の表紙]