図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第23回

Macintoshのこつ・その1


 これまでMacintoshについては、Windows 95と比べた操作の特徴と、インターネットへの接続方法について解説しただけでした。今回から3回にわたって、Macintoshの基本的な操作方法と、知っていると役に立つテクニックをいくつかご紹介します。Macintoshユーザーの方お待たせしました。

操作の基本:アイコンとマウス

 Macintoshは、画面上に表示されるグラフィカルなアイコン(絵文字)をマウスで操作するというスタイル(=GUI:グラフィカル・ユーザー・インターフェイス)をいち早く取り入れたパソコンで、その使いやすさには昔から定評がある。
 Macintoshを起動すると現れるのが「デスクトップ」(画面左)。ファイルや、複数のファイルをまとめて入れてあるフォルダ、ソフトウェアなどは、すべてこのデスクトップにアイコンで表示されている。さらに、ハードディスクやフロッピーディスク、CD-ROMなどのドライブや、不要になったファイルを捨てるための「ゴミ箱」も独特のアイコンで表示される。
 アイコンをマウスで一度クリックすると、そのアイコンが暗く表示される。これはそのアイコンが選ばれていることを意味する。アイコンの上でマウスのボタンを押したままマウスを移動すると、その動きにつれて画面上でもアイコンが移動する。あるところでボタンを離すと、その位置にアイコンが置かれる。Macintoshでは、ファイルの移動はこのようにして行う。この操作は「ドラッグ&ドロップ」と呼ばれている。
 アイコンの上でマウスをすばやく二度続けてクリック(ダブルクリック)するとファイルやフォルダが開く。クリックするのがソフトウェアのアイコンの場合は、そのプログラムが起動する。
 マウスで一度に複数のファイルを選択したいときは、シフトキーを押したまま、マウスでアイコンを選べばいい。ワープロを使用中に複数の行を選択するときも、カーソルを起点に置いた後でシフトキーを押したままにし、終点で再びマウスをクリックすると、その間の行をすべて選ぶことができる(これはWindows95でも同じ)。

メニューの操作とショートカットキー

 画面の一番上に表示されているのが「メニューバー」と呼ばれるもので、ソフトウェアで用意されているさまざまな処理は、このメニューバーから行う。メニューバーの各項目をクリックすると、その下にメニュー項目が現れる。マウスのボタンを押したまま選びたいメニュー(「保存」や「印刷」など)の項目のところに移動し、そこでボタンを離す。
(メニュー項目を選ぶ場合、マウスを押し続けなければいけないのが、Macintoshとの特徴だったが、97年9月末に発売されたMac OS 8では、Windows 95同様、メニューバーを一度クリックすると、マウスから手を離してもメニュー項目を表示し続けるようになった)

 ソフトウェアによって実行される処理には、わざわざメニューバーを使わなくてもキーボードの操作だけで処理が実行できるようにショートカットキーが用意されている。たとえば、コマンドキー(アップルマークと#の記号がついています)を押しながら「O」(アルファベットのオー)のキーを押すとファイルを開くこのができる。ショートカットは、コマンドキーを押しながら他のキーを押すという形が基本になる。
 ワープロなどで文書を作成しているときは、不測の事態に備えてこまめにデータを保存する習慣をつけるといいが、その場合、保存処理のショートカットキー「コマンド」+「S」を押すようにすれば、作業を中断することなく保存作業が行える(ソフトウェアによっては自動的に保存処理をするものもある)。
 このほかに覚えておくとよいショートカットキーは、次のとおり。
・マウスで選択したものをコピーする……「コマンド」+「C」
・マウスで選択したものをカット(こぴーでは、その場所にあるものは残るが、カットの場合は、削除される)する……「コマンド」+「X」
・コピーまたはカットしたものを所定の場所に貼り付ける(ペーストする)……「コマンド」+「V」
・直前に行った処理を取り消す……「コマンド」+「Z」
・画面中のデータのすべてを選択する……「コマンド」+「A」
・マウスで選択したファイルやフォルダの情報を見る……「コマンド」+「I」
・ソフトウェアを終了させる……「コマンド」+「Q」
・画面上に表示されているイメージをそのまま画像ファイルに保存する……「コマンド」+「shift」+「3」

 いくつかのショートカットキーの割り当ては、英語の単語が元になっている。
A=ALL(すべてを選択)、C=COPY(コピーする)、D=DUPLICATE(複製を作る)、F=FIND(検索)、I=INFORMATION(情報を見る)、N=NEW(新規作成)、O=OPEN(開く)、P=PRINT(印刷する)、Q=QUIT(終了する)、S=SAVE(保存する)、W=WINDOW(ウインドウを閉じる)
 これを頭に入れておくと、憶えやすいはずだ。

ソフトウェアをすばやく起動する方法

 ハードディスクにインストールしたソフトウェアは、そのアイコンをダブルクリックするか、そのアイコンの上にデータファイルをドラッグ・アンド・ドロップすると起動する。しかし、それも面倒くさい、もっと簡単にソフトウェアが起動できないかという人のために、ソフトウェアのアイコンをもう1つ別に作成し、それをわかりやすい場所に置いておく方法がある(Windows95のショートカットアイコンに似ている)。
 まず、ソフトウェアのアイコンをマウスで選択した状態で、メニューバーの「ファイル」から「エイリアスを作る」を選ぶ。そうすると、「〜のエイリアス」というファイルができる。これをデスクトップなどに置いておくと、使いたいソフトウェアをすぐに起動することが可能になる。
 さらに便利な機能に「ランチャー」がある。システムフォルダの中にある「ランチャー項目」フォルダに、上で説明した手順で作ったエイリアスを入れておくと、ソフトウェアのアイコンをデスクトップ上にボタンのように表示することができる(画面右)。ソフトウェアを使いたいときは、そのボタンをクリックするだけでいい。コントロールパネルの「一般設定」で「システム起動時にランチャーを表示」というオプションを設定しておくと、このランチャーが最初から表示されるようになる。

デスクトップの整理とファイルの検索

 いろいろなソフトウェアをインストールしたり、そのソフトウェアでデータを作っていくうちに、ファイルの数はどんどん増えていく。増えてきたファイルは新しいフォルダを作って管理するようにしよう。
 新しいフォルダを作るには、まず「ファイル」メニューから「新規フォルダ」を選ぶ。デスクトップに「名称未設定フォルダ」ができるので、これに適当な名前をつける。フォルダの中にさらにフォルダ(サブフォルダ)を作ることもできるので、階層を作ってファイルを管理することもできる。
 また、Macintoshではアイコンの色が変えられる。アイコンをマウスで選択してから、デスクトップ画面のメニューバーの「ラベル」で指定。色は7種類あり、分類方法も自分で設定できるので、データの整理がしやすくなるはずだ。
 データをフォルダや色分けで分類しても、なかなか目的のファイルが見つからないときはファイル検索機能を使うといい。デスクトップの「ファイル」メニューから「検索」を選び、検索するディスクと検索条件を指定して「検索」ボタンを押す。検索条件に一致するファイルがあったら、そのファイル名と保存されている場所がアイコンで表示される。アイコンをクリックすると、そのファイルが開く。
 フォルダをいくつも開いて作業をしていると、限られたデスクトップのスペースではそれぞれのウインドウが折り重なって表示されてしまう。マウスを使ってウインドウの大きさや位置を変えたり、使っていないウインドウは閉じるようにしよう。
 また、漢字Talk7.5から加わった「ウインドウシェード」という機能を使うこともできる。ウインドウのタイトルバー(ウインドウ上部の横線が何本か入っている部分)をダブルクリックすると、そのタイトルバー以外が消え、もう一度ダブルクリックすると再びウインドウ全体が表示される。


図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第24回

Macintoshのこつ・その2


 パソコンで作業をしていたら突然調子が悪くなり、それまでの作業をやり直すはめになったとか、急ぎの仕事なのに、パソコンがうまく起動してくれなくて困った経験のある方も多いはずです。Macintoshのこつ第2回では、Macintoshを使う上での注意点と、トラブル対策のほか、Macintoshを使ったネットワークとWindowsユーザーとのデータ交換について解説します。

周辺機器を接続するときの注意


 これはWindows95でも同じだが、外付けのハードディスクやMO(光磁気)ディスクなどの周辺機器を使う場合は、Macintosh本体の電源を入れる前にケーブルを接続して電源を入れておくのが原則だ。そうしないと、周辺機器がうまく動作しない場合がある。プリンターやモデムなども先に接続しておくようにしよう。
 キーボードやマウスも同様で、Macintoshの電源が入ってからつなぎ直したりすると、正常に動作しなくなることがある。

Macintoshの調子が悪いとき


 しばらくMacintoshを使っていると、いろいろなトラブルを経験することになる。Macintoshはシステムがよく「フリーズする」(キーボードやマウスからの操作を受け付けなくなる)と言われていたが、それも今となっては昔の話で、最近はかなり安定して使えるようになってきた。しかし、複雑な処理をすればするほど、トラブルは避けられないそんなときには、次の対処法を試してみよう。

(1)作業中にMacintoshが動かなくなったとき

 作業中にキーボードやマウスを操作してもMacintoshが反応しなくなったら、まずマウスやキーボードのケーブルがゆるんでいないかどうか確かめてみる。案外そんな単純なことが原因ということも多い。
 動作が止まってしまったのが何かの操作をしているときでしたら、「コマンド」キーを押しながら「.」(ピリオド)を押してみる。それでもだめなら「コマンド」と「option」と「esc」の3つのキーを同時に押してアプリケーションを終了する。これでも変化がなかったら、「コマンド」「control」「電源ボタン」(左向きの三角形の記号がついています)を同時に押して、システムをリセットする。機種によっては、本体にリセットボタンがある場合もある。

(2)正常に起動しない場合や、
最近なんとなくMacintoshの調子が悪いなと思ったら


 原因はいろいろ考えられるが、まず次の操作を試してみる。いずれもMacintoshのシステム関係の各種設定をクリア(元に戻す)するもの。

・起動するときに「#」「option」「P」「R」を同時に押し続ける。
・起動するときに「#」と「option」を押し続けてデスクトップファイルを再構築する。日常的なトラブル予防法としても定期的にこの作業をするといい。
・Macintoshに新しいプログラムをインストールするたびに、システムフォルダの中にある機能拡張フォルダには機能拡張ファイルが追加されていくが、しばしばそのファイル同士のコンフリクト(相性の悪さ)がトラブルの原因になることがある。その場合は、Macintoshを起動するときに「shift」キーを押し続ける。こうすることで機能拡張ファイルを読み込まずにシステムが起動する。
 もし、これでシステムが起動したら、機能拡張ファイルに問題があることになる。トラブルの原因だと思われる機能拡張ファイル(最近追加したものなど)をシステムフォルダから外して再起動してみる。この方法では起動するときには、日本語表示機能が読み込まれないので、文字がきちんと表示されない場合がある。
・あらかじめシステムに「機能拡張マネージャ」と「EM機能拡張」がインストールされていれば、起動するときにスペースキーを押し続ける。機能拡張マネージャが起動して、使用する機能拡張ファイルを選択することができる。
 機能拡張のオン・オフは、各項目の先頭についているチェックボックスをクリックして行う。ここで原因になっていそうなファイルを読み込まない設定にして、起動後の動作を確認する。使用する機能拡張のセットをいくつも設定することができるので、いくつかの組み合わせを作っておくといい。
・コンピュータウイルスに感染している可能性もあるので、フリーウェアの「Disinfectant」(ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/mac/umich/util/virus/disinfectant3.6.sit.hqxで入手可能:FTPについては、回を改めて解説します)などでウイルスのチェックと駆除を行う。
・ディスク診断ソフトで、ハードディスクとファイルのチェックを行う。この種のソフトウェアで定番となっているのが、「Norton Utilities」という製品で、デスクトップの再構築やウイルスチェックも同時に行える。
・それでもダメなら、最後の手段は、付属のシステム起動用のCD-ROMを使ってMacintoshを起動し、ハードディスクにシステムを再インストールすること。これにはMacintoshを購入すると付属してくるCD-ROMを使う。

複数のMacintoshでファイルを共有する


 Macintoshでは、LocalTalkと呼ばれるネットワーク機能とファイル共有機能が標準でサポートされている。LocalTalkはMacintoshのプリンタポートを利用したネットワークで、ケーブルさえあれば2台以上のMacintoshを接続したり、プリンタなどの周辺機器を共有したりすることができる。ファイル共有機能を使えば、フロッピーディスクなどを使って行っていたデータの交換がネットワーク経由でできるようになる。
 ネットワークへの接続は簡単で、画面左上の「アップルメニュー」から「セレクタ」を選び、そこでAppleTalkを「使用」にすると、利用可能なプリンタのアイコンがすぐに画面に表れる。そのアイコンをクリックするだけでプリンタが使えるようになる。他のMacintoshのファイルを共有したい場合は、「AppleShare」というアイコンをクリックすると、ネットワークにつながれている他のMacintoshの一覧が現れるので、その中から接続したい相手を選ぶ。ファイルの共有設定では、アクセスを許可する相手やアクセス可能なフォルダを細かく設定できる。

Windowsユーザーとデータを交換する


 ここでは、Windowsマシンを使っている友だちや仕事仲間とデータを交換したいときの手順を説明しよう。

(1)テキストデータの交換

 Macintoshでは、Windowsで使われているMS-DOSフォーマットの2DD/720KBと2HD/1.4MBのフロッピーディスクは問題なく読むことができる(NECのPC-9800で使われている2HD/1.2MBのフロッピーディスクは読めないので、PC-98の場合は、2DD/720KBのディスクを使う)。Windowsユーザーと文書ファイルを交換する場合、テキスト形式ならば、そのままMacintoshのソフトウェアで読み込むことができる。ただし、WindowsとMacintoshでは改行コードが異なるため、WindowsのテキストデータをそのままMacintoshで読み込もうとすると、不要な制御文字が入ってしまう場合がある。
 そのような場合には、フリーウェアの「TextToMac」(ftp://ftp.iij.ad.jp/pub/mac/umich/util/text/texttomac1.2.hqxで入手可能)などのテキスト変換ソフトでMacintoshの改行コードに変換する。また、フリーウェアのテキストエディタ「Jedit」(http://www.iijnet.or.jp/matsumoto/で入手可能)を使うと、Windowsで作成したテキストを読み込むときにMacintoshの改行コードに自動変換することや、Windowsの形式で保存することができる。
 逆にWindowsユーザーにMacintoshで作成したテキストデータを渡すときは、上述のソフトウェアを使ってWindowsの改行コードに変換する。また、Windowsではファイルの種別は拡張子で判断されるので、ファイル名に「.txt」という拡張子をつけるようにする。

(2)テキストデータ以外の交換

 Microsoftのワープロ「ワード」や表計算の「エクセル」など、Macintosh版とWindows版ともに用意されているソフトウェアでは、たいていの場合、一方で作ったファイルを他方でも読み込むことができる。このとき、Mac OSに標準で付いているコントロールパネルの「PC Exchange」を使って、Windowsの拡張子をMacintoshのソフトウェアに割り当てておけば、Windowsで作られたファイルもMacintoshで簡単に開けるようになる。
 Macintosh版、もしくはWindows版しかないソフトウェアの場合は、互いに共通のファイル形式をサポートしている限りにおいて、データの交換が可能になる。たとえば画像ファイルのTIFFやJPEG、GIFなどの形式はMacintoshでもWindowsでもサポートしていることが多いので、データの交換は比較的楽だが、Macintosh固有の画像形式(フォーマット)のPICTなどは、Windows用のソフトウェアではほとんどサポートしていない。互換性のある画像形式に変換してからデータを相手に渡すようにしよう。

図書館員のためのパソコン・インターネット入門 第25回

Macintoshのこつ・その3


 以前にパソコンには大きく分けて、WindowsとMacintoshがあると書いたが、この2つのコンピュータの違いは、使われているOS(Operating System)の違いだ。
 Mac OSというのは、Macintoshの日本語版基本ソフトウェアに付けられている名称。最新の機種には最新のMac OSがインストールされている。ただし、コンピュータの性能の向上とともに、Mac OSにも次々に改良が加えられている。常に最新の機能を使いたいという場合には、Mac OSのアップグレードが必要になる。今回はこのシステムアップグレードについて解説しよう。

Mac OSの種類


 Mac OSにもいろいろなバージョンがある。まず、自分のMacintoshで使われているMac OSのバージョンを調べてみよう。デスクトップの画面からアップルマークをクリックし、いちばん上にある「このコンピュータについて」を選ぶ。表示された画面に「システムソフトウェアJ1-x.x」などという文字が見える。「J」はOSが日本語版であることを意味し、小数点で区切られた2桁または3桁の数字はバージョン番号で、新しいものほどこの数字が大きくなる。
 旧型のMacintoshの人は、漢字Talkのバージョン6や7.1を使っているかもしれない。1995年には、漢字Talk7.5がリリースされた。その後7.6が出、このバージョンから「漢字Talk」という名前が消え、「Mac OS」が正式名称となった。1997年10月現在、最も新しいMac OSは、バージョン8になる。
 バージョン番号の1桁目(小数点の前)と2桁目(小数点の後)が変わるときは、かなりのバージョンアップがあったときで、3桁目はバグ(不良個所)の修正などが行われたときに付けれられるようになっている。OSをバージョンアップしたら、かえって不安定になったという場合は、おそらく大きなバージョンアップの直後で、まだバグが残っているせいかもしれない。修正版を使ってさらに更新すれば直る可能性が高いので、それほど心配する必要はないだろう。

アップグレードの前に


 新しいOSが出たからといって、すべてのMacintoshユーザーがアップグレードする必要はなし、アップグレードできない場合もある。

(1)アップグレードする必要のない場合

 OSのバージョンによっては、古い機種に対応していないことがある。OSのパッケージに書かれている対応機種をチェックしてみよう。また、システムで必要とするハードディスクやRAMを増設しなければならない場合もあります。現在使っているMacintoshの機能に不満がなければ、あえてアップグレードをしなくてもいいだろう。古くてCPUパワーの非力なマシンでは、アップグレードしたためにかえってエラーが頻発したり、動作が遅くなってしまうことがある。

(2)アップグレードが必要な場合

 使いたいソフトウェアが現在使用中のOSでは動作しないという場合は、OSのアップグレードが必要になる。また、新しいOSで加えられた機能を使ってみたいという場合も同様だ。バージョン6や7.1のユーザーが7.5以上にアップグレードしたい場合や7.5のユーザーが7.6以上にアップグレードしたい場合は、製品版のMac OSパッケージ(Mac OS 8は\24,000)を購入する。Mac OS 7.6ユーザーは、「Mac OS 7.6 to 8アップ グレードキット」(\12,000)を購入することで、パッケージを購入するよりも安くMac OS 8にアップグレードできる。
 なお、細かなアップグレードに関しては、無料で行なう方法がある。現在、バージョン7.5のユーザーは、その最新版の7.5.5に、7.6のユーザーは7.6.1にアップグレードできる。このアップグレード用のソフト(アップデーター)はアップルのホームページ(http://www.apple.co.jp/)の「ソフトウェアダウンロード」のコーナーから無料でダウンロードできる。また、このアップデーターがコンピュータ雑誌の付録CD-ROMなどに入っている場合もある。

アップグレードの手順


 アップグレードはMacintoshのシステム自体を書き換える作業なので、可能ならば外付けハードディスクやMOなどにシステムのバックアップをとってから行なうと安心だ。
 Mac OSはたいていの場合、CD-ROMで提供されている。まず、CD-ROMドライブにMac OSのCD-ROMを入れた後に、「C」キーを押しながらMacintoshを起動します(これでだめな場合は「コマンド」「option」「shift」「delete」を同時に押しながら起動)。
 これでCD-ROMに入っているシステムが起動するので、次にCD-ROMの中にあるインストールプログラムをクリックする。あとは画面の指示に従っていけば、インストールは終了する。インストールには、それまでのシステムに上書きする方法と新規にシステムフォルダをインストールする方法があるが、新規インストールを選ぶようにしよう。
 インストールの方法には「簡易インストール」と「カスタムインストール」があるが、システムに詳しくない方は「簡易インストール」を選ぶといいだろう。インストールが終わったら、Macintoshを再起動する。起動したら、古いシステムのフォルダから、必要と思われる機能拡張(システムに標準で含まれていないもの)やアプリケーションの初期設定ファイルなどを新しいシステムフォルダにドラッグ・アンド・ドロップして移す。再び再起動すれば、アップグレードは完了する。

メモリーの増設


 システムのアップグレードの次に考えたいのがメモリーの増設だ。メモリーはいくらあっても多すぎるということはないので、できるだけ増やしておこう。
 現在使っているMacintoshのメモリは、アップルメニューの「このコンピュータについて」を選ぶと、合計メモリーと使用状況が表示される。アプリケーションをいくつか立ち上げたまま、このメニューを開くと、それぞれのメモリー使用量が表示される。
腕に自信のある方は、買ってきたメモリーを自分で取り付けてもいいが、そうでない方は業者の方にお願いしたほうがいいだろう。
 メモリーを増やせば、一度に起動できるアプリケーションの数を増やすことができるし、作業中のシステムエラーも少なくなる。アプリケーションが使用するメモリーの大きさは自分で自由に設定することができる。ソフトウェアのアイコンをマウスで選んだ後、ファイルメニューから「情報を見る」(「コマンド」と「I」を同時に押してもよい)で開いたウインドウで設定する。アプリケーションを余裕を持って使いたい場合には、「使用サイズ」のところに、「推奨サイズ」よりも多いメモリーを割り当てる。メモリーに余裕があれば、「推奨サイズ」の2倍くらいにしておくといい。逆に、メモリーの割り当てが少なすぎるとアプリケーションが起動しなかったり、作業の途中でエラーが起こりやすくなる。

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