ポートランド日記 |
9月29日(土)──60日目 教会の英会話教室の三回目。今日は寮からダウンタウンまで歩いていった。運動にもなるし、これから雨でなければ歩くことにしよう。サタデーマーケットに寄って、クランベリーとブルーベリーを買って、教会へ行く。 今日は、トムさんとイラン人の小児科医の人(名前を聞くのを忘れた)の三人で話す。Cは他のグループに入った。 オレゴン州の歴史から始まって、オレゴン州がまだ合衆国の州になっていなかった頃(当時は、ワシントン州、アイダホ州と合わせてオレゴンテリトリーといった)、アメリカとイギリスの取り決めで、カナダとの国境を決めたこと、今はアメリカの自由連合州となっているプエルトリコが51番目の州になるか、それに、同時多発テロ事件の話、などいろいろ話す。 アメリカ人とイラン人と日本人が歴史の話をしているのはずいぶん不思議な光景だ。イラン人の人が、「オサマ・ビンラディンには四人の妻がいて、そのことはそれぞれの妻も認めている」と言うと、アメリカ人のトムさんは「そんなことはないだろう」と笑う。 来週と再来週の土曜日は、トムさんは、奥さんとワシントンDCの息子さんのところへ行っていないので、会の世話役をしている人に、来週の先生を紹介してもらった。もう一人沖縄出身で20年ポートランドにいるという女性と一緒だ。家にいたので、英語はあまり得意ではないというが、僕よりはずっと上手なはず。 先生の女性は、OHSUのあるマーカムヒル(丘)の上のほうに住んでいるそうで、僕らがOHSUの寮に住んでいるといったら、「あーら、近いのね」と驚いていた。「ホームページにポートランドのことを書いている」と話したら、「車は持っているの?」と聞かれた。「いいえ」と言うと、「それじゃあ、いろんなところに行けないわね」と、「ナイキの工場とかインテルとか、いろいろ連れて行ってあげるわ」という話になって、日にちも、来週の木曜日と、とんとんと決まってしまった。 こちらでは、手助けをしてくれる人が、たくさんいて、うれしい。 そのあと、先週の日曜日に、ポートランド美術館に行く前にコーヒーを飲んだスターバックスの隣のピザ屋さんで昼食。カウンターで注文して、テーブルで食べるタイプの店。僕は、カルボナーラとスープ、Cはピザとサラダ。交換して食べたが、おいしかった。アメリカで食べるピザは、あまりはずれはないが、ここは他の料理もよかった。ピザを食べるとき、ペッパーはあるが、タバスコがないのが残念。 ここで、ペッパーと書いたのは、コショウではなく、日本でいうと、鷹の爪(唐辛子)を刻んだもの。コショウも、トウガラシも、ピーマン(これはフランス語だった)もみんなpepperだから、わかりにくい。前も、ペッパー入りの鶏肉というのを頼んだら、鶏肉とピーマンの炒め物が来た。ピーマンはbell pepper(形から)とか、sweet pepperという。 そのあと、オレゴン歴史博物館に行く。オレゴンの歴史が、19世紀に、ワゴンで移動してきたオレゴン・トレイルの時代から順に展示してある。ワゴンの模型は精巧で美しかったし、その前にヨーロッパから太平洋を超えてオレゴンに着いた帆船の模型も同じように精巧だった。 戦前のアメリカの身の回りのものなんかも、昔テレビや映画の中で見ていた物だなと思って、おかしな話だが、ちょっと懐かしい。でも、2時間英語で話していたあとなので、英語の解説を読むのは疲れるので、今日はざっと見るだけにした。また見に来よう。 ダウンタウンのデパートやショップは、秋のセールの真っ最中。特に驚いたのは、ブランドの「コーチ」までもが、デパートでは25%オフで売っていたこと。さすがに、パイオニアプレイスの「コーチ」の専門店ではセールはやっていなかったが、日本なら、デパートで「コーチ」を安売りすることは絶対ないそうだ。 Cは足りなくなった化粧品を買い、僕は、だいぶ痛んできたベルトを買いかえた。 |
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