ポートランド日記                                     スズキメディア

9月24日(月)──55日目


 日本は、秋分の日の振替休日で休みだが、アメリカは普通の月曜日。今日から、PCC(ポートランドコミュニティカレッジ)の秋学期のスタートで、早速、ENL(English as Non-Native Language)のスピーキングの授業が11時からある。10時前にバスで出かけた。
 乗り継ぎがうまくいって、10時半にはついたので、ブックストアを覗いてみる。一階は文房具やトレーナーやバックパック、お菓子など、二階が書店で、教科書が並んでいた。僕が取るENLのスピーキングやライティングのもあった。
 10時50分までは前の授業があるので、222号室の前で待っていた。スピーキングの授業を取るのはけっこう日本人が多いようだ。留学中の大学生という感じの人がけっこういる。

 授業は、これからの授業内容の説明から始まった。女の先生は、小さな声で早く話すので、なかなか意味が取れない。ひとつのことについて、いろんな言い回しをしながら、たんたんと長々と説明する。こういう英語が一番わかりにくい。集中力も途切れてしまい、そうなるとまるでわからなくなる。
 教科書とテープがあるので、授業の前に準備としてテープを聞いてくること。テープは図書館にあるらしい。渡した英文を金曜日までそれぞれテープに吹き込んで来ること。先生が聞いて評価してくれるそうだ。期末には、リスニングとスピーキングのテストがあること。そうか、大学の授業だから、最後にテストがあって評価があるんだな。当たり前だけど、ちょっとだけ緊張する。

 そのあと、隣り同士が組になって、自己紹介をして、相手がどんな人かメモを取るように言われる。でも、最初は何をしていいのかわからなくて焦った。ちょうど先生はコピーを取りに言ってしまったので聞くわけにもいかない。
 僕と組になった隣が日本人の学生で、「どうもお互いに自己紹介をしろ」と言っているらしいですよ、と教えてくれた。先生が戻ってきて、二人ずつの組が順に指名されて、それぞれの相手の紹介をする。単に、英語で自己紹介をするのではなくて、人の話を聞いて、それを英語で発表するというのが面白い。

 スピーチを聴いていると、日本人は四分の一くらい。他は、韓国、台湾、中国、ベトナムなどアジアの人が多くて、あとはロシアなどいろいろ。英語は、全然普通にしゃべっている達者な人もいるし、明らかに僕よりもできないなという人もいる。
 結局時間がなくなって、僕までは回ってこなかったが、高校の時の英語の時間みたいに、先生の目を見ないように目を伏せてしまったり、ドキドキした。

 このクラスは、月水金の週三回。11時から11時50分の1時間。ほかに、月・水、午後6時からのライティングの授業を取ることもできるが、12時50分から6時まで時間が空くのは大変なので、今回はスピーキングのクラスだけにしようと思う(次回があるかどうかわからないが)。

 授業が終わって、ブックストアへ教科書を探しに行く。指定の教科書はカセットテープは付いていないので、図書館へ行ってみると、借りられるようだ。図書館は二階建てで二階が開架の書庫。一階は、雑誌の他は検索用のコンピューターが並んでいる。
 貸し出し(チェックアウト)には、学生のIDカードを使うが、僕のは「まだ登録されていないようで使えない」と言われた。授業は登録したから図書館でも使えるかと思っていたが、「授業の登録と図書館のコンピューターのシステムは別なので、授業の登録をしてから図書館が使えるようになるまで、一週間くらいかかります」ということだった。
 でも、その場で登録してくれて、カセットテープは無事借りることができた。

 そのあと、ブックストアに戻って、教科書を購入する。学期初めなのでレジの前は長蛇の列。40分くらいかかったが、宿題が出ているから買わないわけにはいかない。
 昼食は、カフェテリアで、焼きそばとチャーハンと炒め物の盛り合わせを食べた。どうということのない味だった。


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