ポートランド日記                                     スズキメディア

9月16日(日)──47日目


 昨日(今朝)朝3時半頃までパソコンに向かっていたせいか、今日は何だからとても眠い。
 10時半頃、レンタカーを返しに行く。まず、ヒルズボロー図書館によって先々週借りた本を返したが、日曜日の図書館は午後1時から5時まで。午前中は、教会に行く時間だから休みなのだろう。本は返却ポストに入れて返した。
 そのあと、ビデオを返しに行ったが、ここも午後1時から。日曜日の午前中はお店は休みと考えたほうがいいようだ。レンタカーを返して、バスで寮に帰る。
 ダウンタウンは、「Race for the Cure」というTシャツを来た老若男女であふれていた。ちょうど、寄付のためのマラソンが終わったところのようだ。家族連れも多いので、小さな子どももたくさん参加している。ちょうど、火曜日の事件のあとなので、「Memory of 〜(おそらく亡くなった知り合いの名前)」という紙を背中に付けている人も多かった。

 午後5時45分に、Cがこちらに来て知り合った保健婦のリン・ヨシハラさんが車で迎えにきてくれて、同じ保健婦のスーザンさんの旦那さんのCD発売のコンサートに連れて行ってもらう。スーザンさんの旦那さんは、ダン・プレスリーさんといって、「トール・ジャズ」というジャズバンドをやっている。彼は、ベース、マイクさんが、バイブ(ビブラフォーン:鉄琴みたいな楽器)、カートさんがドラムの3人編成だ。
 コンサートの場所は、「McMenamin's Kennedy School Restaurant」。マクメナミンは地元のビール会社。最初に聞いたときは、何で学校がレストランなんだろう、コンサートをやるんだろうと思っていたが、廃校になった学校の建物を改装して、レストランにしているのだそうだ。

 着いたら、まさに学校だけれど、うまく改装されて、レストランになっている。しかも、コンサートができるようなホールはいくつもあって、「トールジャズ」の他にも、コンサートをやっていた。大教室や講堂が全部コンサートホールになっているわけだ。
 僕らは、ポートランドではおなじみの夕方の渋滞に巻き込まれたので、到着が少し遅れてしまい、「トール・ジャズ」のライブはすでに始まっていた。
 会場は、まさに大講堂や体育館の印象。ただ、アメリカだから洒落ているし(日本の学校を改装してもこうはならない)、改装もうまくしてある。座席は、普通のうちにあるようなイスやソファが並べてあって、中古の家具を集めてきた感じ。でも、そここにテーブルもあって、くつろげる雰囲気だ。ロビーにあたる小部屋にカウンターがあり、ピザなどの食べ物やビールなどの飲み物を買って中に入ることができるようになっている。

 7時までやって、休憩。その前に、昨日はダンさんの50歳の誕生日だったというので、みんなで「ハッピバースデー・ツーユー」を合唱。ロビーで、奥さんのスーザンさんが作ってきたケーキが観客に振るまわれた。おいしいチョコレートケーキだった。
 休憩の間に、新発売の「トールジャズ」のCDを購入。メンバーの3人にサインをもらった。メンバーは、札幌で公演したこともあるそうだ。
 彼らの演奏は、バイブを中心としたスタンダードなジャズだ。CDではバイブの代わりにピアノも使われている。僕はジャズはあまり詳しくないので、的確な説明はできないが、オリジナルの他にライオネル・ハンプトンやミルト・ジャクソンの曲をやったというと少しは雰囲気がわかってもらえるだろうか。

 ピザも買って、夕食もすませる。ここは、McMenaminというビール会社の経営なので、ビールは種類もそろっておいしい。何杯かおかわりをした。
 7時半からトールジャズの演奏が再開。リンさんは、風邪で咳をしているので、30分くらい聞いて、車で送ってもらう。今日の演奏は、僕らが聴いたのが2回目で、5時半から休憩を挟んで3時間くらいやったようだ。最後の演奏が終わるのは12時。ひと晩で3回のステージというのはけっこう大変だ。
 いい会場で、いい気分で、いい音楽が聴けたので、名残惜しい気分だった。


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