大浦信行/コラージュとイラストレーション
 大浦信行さんと初めて出会ってから、もう二十数年が経っている。僕の本を読んだ大浦さんが手紙を下さったことから縁が生まれたのだが、当時、彼は二十代前半、僕は十代後半だったことになる。
 大浦さんのユニークな作風−−その頃は、主に大胆な戯画風の版画−−が気に入った僕は、『新編 善人は若死にをする』(角川文庫)と『君、見よ、双眼の色』(大和書房)の表紙や挿画を彼にお願いした。
 しばらくすると、大浦さんはアメリカへ渡り、日本を外側から見ることによって啓発され、帰国後には、昭和天皇などをモティーフとした連作版画『遠近を抱えて』シリーズを制作。この作品が作者の思惑とは全くかけ離れて右翼等の攻撃を受け、収蔵していた富山県立近代美術館の作品公開(図録閲覧)中止に抗議する裁判に発展した(一審では、大浦さん側の部分勝訴)。
 その後、彫刻やビデオ作品なども手がけてきた大浦さんは、現在は東京都国分寺市に在住。偶然ながら僕は隣の小金井市に住んでいるもので、時おり電話で話したり、お会いしたりの機会がある。目下の大浦さんは、新たなビデオ作品の制作中。「映像は金がかかって大変」などと少しボヤきも入りながらも、精力的に動き回っている。このホームページについては、「自由に使って構いませんから」と快くこれまでの作品の一部をデジタル・カメラのデータで提供して下さった。皆さんにも、大浦さんの作品が持つ魅力の一端を味わっていただければ幸いである。
(大西赤人)


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