今週のコラム                                 大西赤人/小説と評論

「防犯カメラ」の本質とは、どう転んでも「監視カメラ」である。――11月・ 12月・1月のツイッターまとめ

大西 赤人

 

 三ヵ月に一度のペースとはいえ、どうしても『季刊 メタポゾン』の編集に時間を取られる上、何かしら思うところはツイッターで発信してしまうというわけで、ついつい本コラムのほうがおろそかになってしまっている。久々の今回は、あまりにも着々と社会に浸透しつつある「監視カメラ」の存在について述べたい。これまでにも僕は、「監視カメラ」について何度か書き、特に下の二回で詳しく触れている。

  「死刑という刑罰」
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/colum316.htm

 「確実かつ加速度的に進む『監視カメラ』社会」
http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/colum317.htm

  昨年大晦日の平田信被告(出頭後)、先日の菊地直子容疑者、そして今回の高橋克也容疑者と、長年逃走中だった「オウム真理教特別手配被疑者」の逮捕が相次いだ。特に高橋容疑者に関しては、各所の「防犯カメラ」が捉えた画像が警視庁によって数多く公開され、併せて彼自身が「防犯カメラ」に対して強い関心と警戒心を抱いているようだとの報道も多かった。

 「高橋容疑者が信用金庫を出た直後に、近くの横断歩道を斜めに歩いて渡る男の姿がコンビニ店の防犯カメラにわずかに映っていたことが新たに分かりました。ショッピングセンターへはコンビニ店の前を通過するのが最短距離ですが、警視庁は、高橋容疑者が防犯カメラを避けるために迂回したとみて調べています」(11日付『テレビ朝日』)
「捜査本部は、高橋容疑者が【
JR川崎】駅前まで来ながら防犯カメラの多い鉄道を避け、路線バスやタクシーに乗って逃げた可能性が高いとみて、逃走経路の特定を急いでいる」(12日付『産経ニュース』)
「勤務先の社員寮(川崎市川崎区)の部屋には、防犯カメラの機種別の性能を説明した雑誌が残されていた。警視庁築地署捜査本部は、高橋容疑者が駅や街頭のカメラを避け計画的に逃走しているとみて、経路の特定に全力を挙げている」(
13日付『スポニチアネックス』)
「高橋容疑者が逃走準備のため、スーパーに向かったのは
4日午後1時過ぎ。通り道に設置されている防犯カメラに高橋容疑者らしき男がぼんやりと映っていた。時間帯や体形などからほぼ高橋容疑者に間違いない。だが、男はカメラに完全に姿を撮影されないよう、わざわざ道路を斜めに横断しているように見える。捜査員は『死角を計算していたとしか考えられない』と分析している」(14日付『毎日』)

  そもそも高橋容疑者(及び菊地容疑者)の場合、厳重に世間の眼を避けて潜伏していたわけでもなく、普通に定職に就いて他者と日々接触していたのだから、そこまでカメラを意識しても大して意味がなかろうという気もするのだけれど、いずれにせよ、「防犯カメラ」の“存在意義”はますます人々に認められ、当然必須の日常的な装置として――先のコラムからの約六年の間に一層――定着しつつあると感じられる。たしかに、このところ、大きな事件、事故、犯罪が発生すると、「防犯カメラ」の画像(または映像)によって状況が明らかになる、犯人逮捕につながるという例は少なくない。しかし、そんな事は、先のコラムで僕自身――

 「あのオーウェルの『1984年』で描き出された世界並みに、街頭や公共の建物内どころか、各家庭の全部の部屋に監視カメラを取り付けたならば――それでも、後先考えない発作的な犯行までは抑止し得ないにせよ――少なくとも、一方で罪を逃れることをも期待しつつ犯罪を実行することはナンセンスとなるはずである」

 ――と記した通り、「防犯カメラ」の数が増えれば当たり前である。現状では、全体的な風潮として「監視カメラ」から「防犯カメラ」への言い換えが進み、カメラによる犯罪抑止の効果が巧みに強調されているけれども、現実には、ここ数年の間にも、街なかにおける大々的な「後先考えない発作的な犯行」が何度も発生しているわけであり、カメラが決して万能ではないことは明らかである。即ちここでは、「防犯カメラ」のもたらす効能面ばかりが圧倒的に大きく伝えられることにより、それが実は同時に「監視カメラ」として果たす個々人に向けられた抑圧的な機能については、さほど語られなくなっている。しかし、『朝日新聞』などは、最近の記事においても、控えめながら「防犯カメラ=監視カメラ」への懸念を繰り返し報じている。

 “防犯装う監視の『目』 カメラ増加 薄れる警戒」”
「昨年
10月のある朝、【東京都文京区の高級住宅街に】集まった多くの報道陣を見て、近所の女性(70)は2カ月前を思い起こしていた。
 大塚警察署の
2人の男性刑事の訪問は突然だった。『この辺りは物騒なので、防犯カメラをつけませんか』。路地に面した軒を指し、『ここは絶好の場所です』と言う。
 近所で事件も事故も起きた記憶はない。でも、『物騒だと言われれば怖い。警察が付けてくれるなら安心』。申し出を快諾した。
 都内で
8月に子どもを含む家族3人が死亡する住宅火災があり、放火容疑などで逮捕された母親が火災後身を寄せていた住宅。それが女性宅の通りの向こうだということを、報道陣が押しかけたことで知った。
『防犯カメラ』が『監視』する先だった」
「『防犯』を目的に警視庁が設置したカメラは現在、
12都府県に計540台ある。1987年に運用が始まった自動車ナンバー自動読み取り装置(Nシステム)は1496台。国土交通省によれば、全国の駅には56千台のカメラがある」
「警視庁は昨年
9月、(中略)カメラの更なる設置推進を提言した。市民アンケートを根拠に『カメラによるプライバシー侵害は否定できないが、安全・安心への期待感の方が大きい』とした」
「放火事件の容疑者が逮捕された
1週間後、男性刑事が再び文京区の女性宅を訪れた。『設置場所を変える』と話し、カメラを外していった。
 大塚署は取材に、逮捕前の容疑者の監視について『放火犯という情報を元に監視していた。捜査にかかわるので、設置目的は説明しなかった』としている」(
429日付『朝日』夕刊)

 “地下迷宮にらむカメラ 2分半の逃走経路に20台”
「【東京・渋谷の東京メトロ副都心線渋谷駅で男性に切りつけた容疑者が逃げたと思われるルートを辿《たど》り】一番早く移動できそうなエレベーター
2本を乗り継ぎ、およそ2分半。この間、絶えず記者を見つめる目があった。
 防犯カメラだ。こぶし大の黒い半円球が天井に埋め込まれ、階段や柱などで死角になる場所では数メートル間隔にある。歩きながら数えると、見えるだけで少なくとも経路に
20台はあった」
「複雑な構造と人混み、乗り換えの便利さは、容疑者の逃走を容易にした。しかし、膨大な人の群れにあっても、その姿は防犯カメラにとらえられ続けた。東京メトロによると、副都心線の構内だけでも、カメラは
209台に及ぶ」
「渋谷駅で記者は、メモを手に何度も立ち止まり、カメラを見上げ周囲を見回した。その姿も、防犯カメラにとらえられていただろうが、周囲を行きすぎる人と視線が合うことは、まずなかった。(小寺陽一郎)」(
524日付『朝日』夕刊)

 “防犯カメラ 進化止まらず”
「目に見えて増えている駅の防犯カメラ。東京メトロ渋谷駅で起きた男性刺傷事件でも、複数の駅での映像が逮捕への有力な手がかりになった。開発の最前線では、足跡を瞬時にたどる研究が進む一方で、知らぬ間に『監視』が広がる現状を懸念する声もある。
 【日立製作所の子会社『日立国際電気』(東京都)が開発中の防犯カメラに映った顔を解析するシステムは】表情がはっきりしない映像でも、目や鼻の位置、輪郭から識別し、異なる場所、時刻に記録された数万の映像から、瞬時に十数枚に絞り込めるという。
1秒間で最大3600万人分のデータが検索可能だ。カメラを網の目に設置してサーバーと開戦でつなげば、対象者がいつ、どこで何をしていたかがわかる。
 横顔や、暗がりなどの場合は精度が落ちるが、実用化に向けた最終段階だという」
「大阪大産業科学研究所の八木康史所長(視覚情報処理)は、歩く姿から個人を識別するシステムを研究中だ。(中略)
5年以内の実用化を目指しているが、すでに捜査機関から鑑定依頼も寄せられている。
 八木さんは『
1台のカメラ映像から、ネットワークを通じて、その人物の前後の行動を瞬時に把握できるようになる日も遠くない』と説明する」(63日付『朝日』)

  これらの記事では、警察が設置した物、駅構内に設置された物、Nシステムなどが主に採り上げられているけれども、言うまでもなくそれ以外にも、ATM、コンビニ、エレベーター、商店街、個人の住宅等々、ありとあらゆる所に「防犯カメラ」は拡散している。

 六年前、僕は次のように書いた。

 「もちろん、これも前回書いたように、『何も後ろ暗いところがないのならば、総て人目に曝《さら》しても構わないはずではないか』という見方もあるだろう。しかし、人間にはプライバシーが保障されるべきであり、緊急の必要に迫られていない平時でさえも、自動的・不可避的にそれが侵害されているという状況は異常ではなかろうか。ところが、今や、その異常が異常として認識されなくなり、むしろ、違和感を表明する人間のほうが、脛《すね》に傷もつ者のごとく白眼視を受ける傾向となりつつある」

  今や、そういう違和感さえほとんど示されることはなく、「防犯」という圧倒的な大義が先行している。先の高橋克也容疑者が漫画喫茶の身分証明証なしで利用可能な「オープン席」で逮捕されたことから、今後、同種の店における身元確認を強化しようという動きも出ているようだが、そんな事を言い出したら、ただの喫茶店だろうと、ファミレスだろうと、牛丼屋だろうと、どんな店に入るにも身分証明証の提示が必要ということになってしまいはしないであろうか?

 そして、ここで特に改めて捉え直すべき一点は、少なくともこれら喧伝《けんでん》される「防犯カメラ」の持つ機能が十二分に活用・発揮されているとしてさえも、それは、実は「防犯」=「犯罪の防止・抑止」ではないということである。つまり、これらのカメラが捉えた映像は、犯罪の事後=容疑者の逮捕に寄与・貢献したに過ぎない。言うまでもなく、「防犯カメラ」の存在が犯罪者の心理を圧迫して実行を未然に思いとどまらせた例もあるだろうし、しかし、その実態・実数は表面化し得まい。とはいえ、「防犯カメラ」と言い換えられることにより「監視カメラ」の本質が隠蔽ないし稀薄化されている欺瞞性は、やはり明白であると言えよう。

  今回は、201111月、12月、20121月、合わせて三ヵ月分のツイッターをまとめた(リンクの一部は便宜上削除しています)。

111
「福島県の佐藤雄平知事は
31日、福島県庁でアジアの女性モデル12人の表敬訪問を受け『311日から毎日のように、おかげさまでテレビ、メディアに出させていただいております。今、世界中で最も有名な首長、知事は私かもわかりません』と発言した」(共同) 浮かれたのかもしらんがノンキ過ぎ。 

2
冷温停止に向かい安定状態と報じられていた福島第一原発だが、ここに到って2号機で核分裂(再臨界)の可能性。東電、保安院は「全体としては安定している」「冷温停止に影響はない」「深刻な事態ではない」「大規模な臨界状態ではない」(共同)などと強調しているものの、収束への遠さが感じられる。

伊藤園が「ミネラル補給に海洋深層水を使用」などと謳っていた「天然ミネラルむぎ茶」について、海洋深層水は原材料の
0.33%しか使われておらず、含有ミネラルもほとんどは麦由来のため、景品表示法に違反として東京都が表示改善を指示。そこがセールス・ポイントだったのに、0.33%は痛い。⇒ 

果汁飲料だと100%以外「ジュース」を名乗れないが、特に缶チューハイ系の酒の場合、ジュースを想わせる果実を描いたデザインが多い。「果汁本来のみずみずしさを!」「果実まるごと搾り」とする有名品も多くは果汁13%。1缶で精々10cc程度、あとは色素、香料、甘味料、酸味料か(苦笑)。

3
「東電によると、
2号機には格納容器内の気体を吸い出して浄化する装置を設置して」いるから把握されたが、「同じ装置がなく原子炉の状況がよく分からない13号機でも『似たような状況にある可能性はある』(松本純一原子力・立地本部長代理)」(報知) 危険度は別にしても実態は見えないのだね。

5
南相馬市内の乳幼児
1532人が対象の医療コンサルタント会社による無料検査において、約7104人の尿から検出限界1リットル当たり20ベクレル以上、最高187ベクレルの放射性セシウムを確認。ただし、会社側でさえ「健康に影響が出るような内部被ばくはなかった」(NHK)としている。⇒

検査の手法・精度、体内のセシウム量について色々な見方が飛び交っているが、1リットル当たり187Bqといえば、3月以降に大きく緩和された飲料水の暫定規制値200Bqにほぼ等しい(それが人体から出ている!)。健康にどれほどの悪影響を与えるかは不明としても、この状況は途轍もなく異様だ。 

7
「ぐるなび」が「食べログ」に倣いランキング(口コミ採点)を導入する一方、口コミをサクラで請け負う「やらせ書き込み」業者も。経産省調査で「口コミサイトを『信頼する情報源』と答えた人が5割超」(朝日)といい、たしかに利害関係のない意見と思って信頼するわけだが、アテにし過ぎては危ない。

9
政府は東電、安全・保安院などに対して福島第一原発の廃炉工程表作成を指示。だが、原子力委員会でさえ「「30年以上かかると推定される」「【燃料回収は】『世界初とも言える高度な技術』が必要」(共同)とする難事業。西沢社長の「福島県民に安心いただけるよう、早急に策定」(産経)は現実的か?

10
原稿を書いていて(携帯ではない)電話を取る様子をどう表すか今更迷ってしまった。一旦「送受器」としていたけれど、これはいわゆるハンドセットのことらしい。「受話器」は普通だが物足りない。「電話機」だと機械全体で大仰。「送受話器」はクドい。カタカナ語もないし、日常の道具なのに不思議だ。

11
今月末発行予定の『季刊
メタポゾン』第四号は校了間近です。特集は吉岡忍さん。巻頭エッセイ『四千年に重ねる明日』とロングインタビュー『ぼくにとっての「真実」を書く」。ノンフィクションのあり方を掘り下げます。これまでとまた味の異なる大胆な絵柄の表紙及び各作のイラストは、常盤雅幸さん。

創刊号に戯曲『神聖喜劇』を寄せた川光俊哉さんによる書き下ろし中編『おとぎ草子 その1 アマノジャク』を掲載。小路幸也さんの小説『石田《せきた》荘物語 春』第二回、西原理恵子さんのカラー漫画『サ・イ・バ・ラの季節』、佐々木譲さんのtwitter抄録『北のつぶやき』と連載が並びます。

12
「大阪市内は厳しい。反独裁キャンペーンが浸透している」(朝日)と大阪市長選の橋下候補。キャンペーンというか、住民の上に立つ者が今どき「独裁」など打ち出せば、多くは是としないほうが当然という気もするのだが。一企業のトップであるナベツネさんでさえ、身内から造反を食らうくらいなのだし。

13
のぞゑのぶひささんの連載漫画「尾崎翠の世界」第四回は『歩行』(解題・近藤裕子さん)。尾崎ワールドが深まっています。大西巨人への連載聞き書き『映画よもやま話』第四回は『妻よ薔薇のやうに』。同じく語り下ろし短歌自註『秋冬の実』第四回では、軍隊時代での滑稽なエピソードが語られます。

北大路公子さんの連作掌編「均された世界」第四回は、ますます謎の広がる『理想の街』。そして、新人・岡倉大恭さんの短編『サンタクロース』、大西一穂の短編『いたいけな祈り』が続きます。イラスト陣は、これまで通りのにご蔵さん、佐々木淑子さん、木村晴美さんに加えて、稲葉彩乃さんも。

 出河雅彦さんの連載医療ルポ「『薬害』HIV感染を問い直す」第四回は『危機への対処(2)』。谷口源太郎さんの連載コラム「スポーツ・ウォッチング」はラグビーW杯日本招致の裏側を探ります。大西赤人の中編『かけがえ(前編)』を含め、今号も336ページの増大号です。あと少しお待ち下さい。

14
福島第1原発が事故後初めて「取材場所や撮影は厳しく制限され」(東京)つつ報道陣に公開。「思わず息をのむ異様な光景」(産経)「14号機の原子炉建屋は原形をとどめない無残な姿をさらす」(河北新報)という反面、吉田昌郎所長は「放射線量が高く、日々の作業にはまだ危険がある」とした上で⇒

「何とか安定した状態にもってこられた」と説明(産経)。同時に「311日から1週間(略)極端なことを言うと、もう死ぬだろうと思ったことが数度あった」「コントロール不能になるという状態を感じたので、その時に、これで終わりかな」と吐露。当時、安定の維持を強調していた枝野長官らは虚言。

TPPは、まずは交渉への「参加」に過ぎず、その上で主張すべきは主張すると言われたが、たちまち日米首脳会談で「首相は『テーブルにはすべての物品、サービスを載せる』と応じた」(読売)と米国から文書発表される始末。「米側で解釈したものであり、発言は行われなかった」というものの前途多難。

15
アーネスト米大統領副報道官は、野田総理の発言に関する発表を訂正するつもりはないと明言。一方、国会では、交渉参加方針を出した首相が「国益を損ねてまで交渉に参加することはない」(産経)、鹿野農相が「【交渉参加方針の表明は】交渉参加を前提にしたものではないと理解している」…ワケ判らん。

16
「『収束』ほど遠く…まさに崩壊状態」
http://bit.ly/s48aBa「福島第1原発の内部が12日、報道陣に初めて公開された。公開は事故収束作業が進んだとして行われたが、目の当たりにしたのは収束にはほど遠い現実だった」 『産経』でもこう書くのだから、実状は推して知るべしか。 

17
「アゲハは脚で味を見る」http://bit.ly/rVSRjo 昔からアゲハがどうやって食草を探し当てるのか不思議だったのだけど、脚で見分けるのですか。ちなみにキアゲハは違って、ミカン科ではなくセリ科の植物を好む。今年は、家の庭にあるアシタバを食べて、何匹も羽化しておりました。 

S・ソダーバーグ監督の『コンティジョン』を観てきた。パンデミックに翻弄される人間社会のリアルさに引き込まれるが、豪華俳優陣を揃えた割に作り自体は地味だ。「2日目」から始まり、ラストに現れる「1日目」にも大きな意外性はない。この種の物語に出会うたび、中世のペストを想って寒気がする。

18
前任者・ブッシュからの変革を期待させた“We can change”なる合言葉はどこへ行ったのやら。オバマ大統領は新たに海兵隊の豪州駐留を決め、「米国はアジア太平洋地域への関与を強めていくことを明確にした」(日経)と言明。アフガンでもイラクでも混迷を深めさせたのに、ここでもか。→

対中国を念頭に、早くも「米海兵隊豪州へ 日本も抑止に役割果たせ」(産経)ときなくさい意見が。『報道ステーション』では、オバマがアジア太平洋地域の重要性を“all in”という言葉を使って表したことに注目していた。オールインとはポーカーで総てのチップを賭ける大勝負。勘弁してほしい。 

従来、巨人・渡辺球団会長には多々思うところがあったけれど、今回の騒動では、清武“元”代表兼GMのやり方に共感し得る部分が乏しい。世論を味方にしようとしたのだろうが、戦略的には大失敗。ただ、最初の清武会見が文部科学省で開かれたあたりを考えると、背後の勢力がハシゴを外したのだろうか。 

20
福島第1原発から半径20キロ圏内にある自治体庁舎の除染に陸上自衛隊が派遣されるというニュースを見て、“別に自衛隊でなくてもやれるだろうに、好感度アップのためなのかな”と感じた。でも、「除染に自衛隊、便利屋扱い? 防衛省に波紋」(産経)という記事などは、「本来は国防を担う自衛隊を→ 

政治の『道具』『便利屋』扱いする姿勢が透けてみえる」「自衛隊を“道具”のように扱う」とむしろ反対の意味合いで政権を批判している。要するに、自衛隊法の「任務」を見ても、本来、災害対応は第一義ではないわけだから、その目的に特化した組織を別個に設けさえすれば、話は明快になることだろう。 

21
放送延長したものの、結果的に秋山監督による震災を踏まえた今季を総括するコメントをブチ切る最悪の形となった
TBSに“反日”の含みまで加わりネット非難囂々だが、孫オーナーのソフトバンクはもちろん反日、(WBCに選手を出さなかった)中日も反日、要は自分の意に沿わない事柄はどれも反日。 

日本ハム1位指名の菅野が、やはり浪人の方向らしい。「巨人に対し、『自分の中ですごく特別な球団』と述べ、伯父である原監督と一緒にプレーしたいとの思いを口にしていた」(読売) 強い意志は別に結構なのだが、これだけゴタゴタして、伯父さん自体、再来年も監督かどうか判らない巨人なのにねえ。 

佐伯啓思「TPP交渉参加はなぜ危険か」http://bit.ly/v9QpCp Wikiによれば筆者の基盤は“米国批判と近代批判”とのことだが、「労働、資本、資源、食糧、医療、教育、交通」などの「生産要素は容易には市場化できないし、そうすべきではない」など、非常に同意し得る文章。 

23
朝日新聞が「『エネルギー・環境会議』のコスト等検証委員会の公開データで原発の発電コストを試算」し、物価上昇による建設費増
+事故費用1.2円で、04年の政府試算5.3/1kWhより約4割高い7.7円になったとのこと。ただ、コスト高は副次で、事故は論外。安ければ可という話でもない。

25
http://bit.ly/rtT8Dj
漫才コンビなどが私生活では実は不仲みたい話はまま聞くけれど、40年を超えたコント55号・萩本欽一にして、「ずーっとね、気になっていたことがあるの。二郎さんは僕のこと、嫌いだったんじゃないかって」 との疑念とその氷解。 そういうものなんだな。 

26
コースから毎時23μSvの放射線量が検出され営業に支障と二本松市のゴルフ場が東電に除染を求めた仮処分申立てで、東電側は、放射能物質は漂う霧や海で泳ぐ魚と同様“無主物”であり「飛び散った放射性物質は東電の所有物ではない。したがって除染に責任をもたない」(朝日)と主張したという。→

答弁書曰く「既にその放射性物質はゴルフ場の土地に附合しているはずである。つまり、債務者 (東電) が放射性物質を所有しているわけではない」。東京地裁は「除染の手段や時期は国などの調整のもとで慎重に検討されるべき」(読売)で営業も可能と却下、「無主物」の判断は避け(逃げ)たそうな。

29
『季刊メタポゾン』第四号は本日納本しました。直接購読されている方については、間もなくお手元に届きます。書店でお求めの方、今しばらくお待ち下さい。

30
NHK
ニュースは、メルトダウンが起きた福島原発1号機では溶けた燃料が格納容器の底のコンクリートを最大(最悪)65cm侵食しているという東電解析を伝え、今更に「改めて事故の深刻さが浮き彫り」と報じていたが、“改めて浮き彫り”も何も、その種の見方はとっくのとうから溢れていたと思う。

123
原発事故による放射線被曝と白血病などの増加を結びつける各種の憶測が拡散しているという。大部分は全くの誤りと思われるが、疑心暗鬼に陥るのは当然だ。とりわけ誰しも気にかかるのが、吉田所長の退任。「東電は2日、事故後に復旧作業で浴びた放射線との因果関係は考えにくいとの見解を示した。→ 

病名と放射線の被曝線量については、本人のプライバシーを理由に公表しなかった。」(朝日) たしかに個人情報を尊重する世の中ではあるものの、マイコプラズマ肺炎まで逐一報道される皇族と較べても、国民にとって一層切実に知るべき“公人”の実状として、明らかにされて当然の事柄ではなかろうか。

6
一川防衛大臣は政治家の中では相対的に“いい人”なのだろうが、防衛専門の野党議員から言われ放題の質問を浴びせられ、必ず「まー…(あのー…)」と始まる悪しき素人感丸出しの何とも無内容な答弁を馬鹿正直に繰り返す様子を見ていると、むしろ“狙い”の起用だったとしか思われなくなってくる。

7
各地で給食の牛乳から数Bq/kgの微量セシウムが見つかっている中、明治の粉ミルクから2231Bq/kgのセシウムが検出され、希望者に無償交換とのこと。健康への影響はさておき、7倍程度に薄める粉ミルクと生乳の暫定基準値が同じ乳製品の枠で200Bq/kgというのは、実に大雑把だ。

8
昨今、特に男女の問題は痴漢冤罪なども少なくないのに、内柴正人の件に関して逮捕の段階で「地に堕ちた金メダリスト」「裏の顔」という具合に上を下への大騒ぎ。メディアは、全く過去の教訓を踏まえていない。熊本県民栄誉賞も早々と取り消したそうだが、仮に立件に至らなかったらどうするのだろう。→

「【警視庁捜査1課は】6日に実施した熊本県玉名市の自宅の家宅捜索で、内柴容疑者が事件当日に着用していたとみられる衣服や靴を押収し、容疑の裏付けを進めている」(産経) “事件”の発生は919日夜。二ヵ月以上前に身につけていた衣服や靴が判るのかな。遠征の記念写真でも撮っていたか。

熊本県は、内柴正人に授与した二つの県民栄誉賞を取り消し、県庁敷地内の受賞記念植樹に際して設置した名前入りの二つの標石も近く撤去と発表。蒲島知事は「県民にショックを与え、栄誉を著しく失墜させた。賞にふさわしくないと判断した」(朝日)と説明。 容疑が確定しない段階だが「教え子に→

飲酒させ関係を結んだことは本人も認めており、教育者としてあるまじき行為だ」と批判したそうな。ドーピング違反がバレたわけでもなし、金メダル二回獲得の実績は揺るぐまいという気もするのだが、そもそも柔道で勝ったからといって、いそいそと県民栄誉賞など授与したこと自体、浅はかだったのでは?

10
双眼鏡で見ると、ウサギが住んでいることが今更によく判りました(笑)。

11
http://bit.ly/vl9rI5 http://bit.ly/tq7hRf 13歳で下半身麻痺、パラリンピック車いす競技で銀メダルを獲得した27歳のオランダ女性が、練習中の事故でなぜか回復したという話。大西も一時期全く歩けなかったが(今も松葉杖)、さぞ嬉しいだろうなあ。

『マネーボール』(監督=ベネット・ミラー)を観た。セイバーメトリクスを本格導入したアスレチックスのGMビリー・ビーンを描いた作品。選手を数値化してコマのように扱うビリーに“それ、違うだろう”とも思いつつ、つい改革を応援したくなる。B・ピットはいよいよR・レッドフォードそのものだ。

12
「内柴正人容疑者が逮捕、送検されたことを受け、全日本柔道連盟(全柔連)が調査委員会を設置した」(共同)
相変わらずの報道だが、「送検」とは警察が事件を検察官に送る単なる事務手続。その後に検察官が起訴するか否かを決める。従って「逮捕」はまだしも「送検されたことを受け」は意味がない。

14
杉並区の小学校で1月〜4月上旬に芝生にかけられていた養生シート(ポリエチレン製)から96000Bq/kgのセシウム検出と騒がれているが、「シートは表面積が広い一方で軽い。キログラム単位での測定では、放射性セシウムの付着量が多くなったのでは」(東京)という区の説明は一応判る。→

怪しいのは「シート一キログラムに対し、廃棄物一トンを混ぜて焼却すれば希釈されるので、焼却処分は可能」との環境省見解で、そんな事を言えば、新品を十倍余り重ねたら「埋め立て処理を容認する国の目安、一キログラム当たり八〇〇〇ベクレル」もクリアするのか。絶対量を見る必要はないのだろうか?

15
『季刊メタポゾン』第三号にも登場した今中哲二さん(京都大学原子炉実験所助教)の講座『福島原発事故から9ヶ月』が開かれます。121713時〜 会場:HOWSホール(本郷3丁目) 参加費:1500円(学生1000円)定員50

Google「ストリートビュー」は便利な半面、勝手に人や家を映してプライバシー侵害との批判も少なくなかった。しかし、今、震災前と震災後を比較する「未来へのキオク」http://bit.ly/vqmIjC を見ると、これがなかったら、多くの過去の風景は消え去っていただろうと感じる。

16
楽天・田中が「自転車の女性はねる」(
FNN)「車が自転車と衝突 女性がけが」(朝日)「車で人身事故…自転車の女性重傷」(読売)「運転中に人身事故…自転車の女性骨折」(毎日)「人身事故 自転車とぶつかる」(産経) 中身を見ると「現場は片側1車線で、田中選手は右から横断してきた→

自転車と衝突した。信号はなく、女性側に一時停止の標識があった」(朝日)「右側から出てきた女性の自転車とぶつかった。交差点に信号はなく、一時停止の標識は女性側の道にあった」(産経) 球団は飲酒や携帯操作がないと確認、厳重注意、3ヵ月間運転禁止処分を下したが、報道(見出し)はひどい。

野田総理のステップ2(冷温停止・放射性物質の放出の管理・抑制)達成宣言はツッコまれ放しだが、http://bit.ly/vnFZfK(東京)は凄まじい。保安院は事故収束(期間不明)までは、汚染水漏出・放出を緊急事態と見なし総量規制を適用せず法的にはゼロ扱い。これで「管理・抑制」。

18
世界中の誰も信じまい原発事故収束宣言はさておき、「放射性物質の外部への飛散も毎時6千万ベクレルで、事故時の1300万分の1に減少」(朝日)との現実は強烈。07年中越沖地震で大問題となった柏崎刈羽原発からの放射性物質放出は約3億ベクレル。今の福島が激減しているとしても5時間で等量。

20
1116日、警戒区域・大熊町に入った記者。http://bit.ly/sDKuxZ「言葉を失った」「想像を絶する世界」「数キロ先に見下ろせる原発が人々の生活を奪ったと思うと、複雑な心境にかられた」なる実感と「1日でも早く町の復興を果たさなければならない」なる名分との苦しい併存。

23
枝野幸男元官房長官が繰り返した“ただちに〜影響はない”という発言に関する
5月時点の釈明 http://bit.ly/u4Q2lr 11月時点の釈明 http://bit.ly/uk9crz 。責任回避・自己弁護(まさに!)という意味では同じだが、その趣旨は明らかに変わっている。

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東京電力に原発事故被害の補償を完遂させるためには、原発への従来・今後の賛否にかかわらず、国民ひとしなみ、電力料金の一定額の値上げも甘受せざるを得ないとは思う。しかし、西沢社長の「料金の申請をするというのが、義務っていいますか、権利としてありますので」(FNN)なる物言いには唖然。

先頃の『THEMANZAI2011』では「バイトリーダー」ネタのウーマンラッシュアワーが群を抜いていると思ったが、予選グループで負けた。検索すると“いつも同じネタ”“見飽きた”など否定的コメントも多いけれど、幾らかでも世の状況に対する風刺要素が切り口に含まれていたのは彼らくらい。

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TBS、テレ朝、NHKと原発関連番組をザッピング兼ハシゴ。最も注目すべきは、“100mSvでガン死が0.5%増”というしばしば持ち出されるICRP基準自体、危険度を半分に見積もっていたとのNHKの指摘か。しかも、原発労働者の被曝基準は、それをなお20%引き下げて作られたという。

当時の米国人委員が“科学的根拠はなかった”“ICRPは政策的判断をする集団”などと証言していた。業界の利害を優先し基準の性質が、改めて明確に裏付けられた恰好だ。“「緊急時」の被曝線量限度は20100mSv”とのICRP勧告を金科玉条と持ち出す人たちは、どう受け止めたのだろう?

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http://bit.ly/vICVkA(毎日) チェルノブイリ事故以来、25年間、子どもの健康調査を続けているというウクライナ放射線医学研究センター放射線・小児・先天・遺伝研究室長ステパノワ博士の話。内部被曝や食品の安全性に関して、実証的かつ具体的で示唆に富む内容と思われる。

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無謀な挑戦として開始した『季刊メタポゾン』、有形無形に震災の影響も受けつつ、一年間・四冊を刊行しました。定期購読の更新が届くと“これからも読むよ”という意志をしみじみ感じます。まだまだ経済的には脆弱な状態ですが、多くの方の御協力をいただきながら来年も頑張ります。皆様、良いお年を!

『大西赤人 小説と評論』 http://bit.ly/kUW1qt に「『リスク』という概念には当てはまらない低線量被曝。――9月・10月のツイッターまとめ」をアップ。http://bit.ly/rOqjJE 日付を追って読めます。

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新年早々重い内容ながら、NHKEテレ『原発事故への道程 前後編』(再放送)を視聴。こう見ると福島の事故は、総ての歴史的経緯が重なり必然的に起きた出来事としか言いようがない。特に、伊方原発訴訟で国側主張として認められた”100万分の1の可能性の事故は想定不適当”なる理屈は凄かった。

5
労組所属の大阪市職員が勤務時間中に選挙活動を行なったことを厳しく批判していた橋下市長に、市労組連合会の中村執行委員長が謝罪。立場が弱いとはいえ、面談後の「組合活動を否定していないことはありがたい」(
NHK)との委員長談話はヘナチョコ。仮に市長が否定したりしたら、憲法違反だろう。→

実際、橋下市長のほうは、「大変遺憾であり、重大な事態だ。労働組合による政治活動は、法的に認められているが、勤務時間中に公の施設で選挙活動を行うのは絶対に違う」(NHK)という言い方をしている。当然ながら、今後、橋下市長を支持する活動があったとしても、もちろん認められないはずだ。

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東大病院放射線治療チーム(中川恵一准教授)の半年ぶりのツイートが「『御用学者』、『安全デマ』などの批判は覚悟の上」で書いた本の広報であることはさておき、ロシア政府によるチェルノブイリ原発事故後25年の総括報告書における「注目すべき一文」の引用が「放射能という要因と比較した場合、⇒

精神的ストレス、慣れ親しんだ生活様式の破壊、経済活動の制限、事故に関連した物質的損失」などのほうが「はるかに大きな損害を人々にもたらしたことが明らかになった」というのは? 不安や避難や買い控えが放射能よりも健康を損ない寿命を縮めるから、それらを避けるべきとの提言なのであろうか。

そのロシアの総括が正しければ(正しいとしても)、日本で行なわなければならないものは、精神的ストレスや生活様式の破壊や経済活動の制限や物質的損失を可能な限り軽減した形で“放射線という要因を避ける方策”を講じることのはずであり、専門家諸氏は、その追求こそを提言すべきなのではなかろうか。

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原則40年で原発を廃炉にすべく政府は原子炉規制法等を改正の方針。敦賀市長「40年超えでも安全確認されれば運転継続を認めるとしている。恐らくは延長運転の動きが出ると思う」美浜町長「例外で延長運転が認められている。40年で廃炉になったらどうしようかと思っていた」(朝日)決まる前から。

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東大病院放射線治療チーム(中川恵一准教授)が“低線量被曝危険視”を盛んに批判している。「
1ミリシーベルト以上の被曝は危険であるという『科学的事実』があるかのように発言してきた『自称専門家』がいます。しかし、このような発言は、『リスク評価』と『リスク管理』を混同したものです」⇒

素人(一般人)には、どちらが正しいかにわかには判らない。ただ、「リスク評価」と「リスク管理」で言えば、検索するとすぐに「予防原則に関するウィングスプレッド会議/声明」(1998126日)なるものが見つかる。「ある行為が人間の健康あるいは環境に危害を与える恐れがある場合には、⇒

原因と結果の関連が科学的に完全には証明されていなくても、予防的措置がとられなくてはならない」 これ自体、真の「専門家」には自明なのだろうし、Wikiの「予防原則」でも「やや『疑わしきは罰す』側に寄り」と説明されるが、欧米における危険回避の為の一つの選択肢という位置づけではある。

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去年、44年ぶりの女子オートレーサーとして佐藤摩弥選手とともに話題を呼んだ坂井宏朱選手が走行練習中の単独事故で死亡。27歳だった。221勝。大学卒業後は旅行代理店に就職、原付免許さえなかったという人だ。「明日も練習して、少しでも改善したいと思います」という最後のブログが哀しい。

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デジタル化の世とはいえ、イーストマン・コダック破綻は驚きだ。世界で初めてデジカメを開発したのに。http://bit.ly/xKydAQを読むと、同社の過去最高利益は1996年の25億ドルだったというから、僅か十年余での転落。“活字”同様、“フィルム”も象徴的な意味だけ残るのか。

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朝日新聞が京大と共同調査を実施、福島県の家庭で
1日三食に含まれる放射性セシウムの量は中央値約4ベクレルであり、国新基準の40分の1と報じた。これを東大病院放射線治療チーム(中川恵一准教授)は「精密に測定」「予想通りとは言え、非常に低い数字で安心しました」と手放しで評価している。→

その通りかもしれないし、それなら結構ではあるが、(福島県の)調査対象は僅か26家族。しかも、最大値17ベクレルを記録した家庭では、野菜の皮を注意して剥く、福島の新米を食べないなど一定の対策を講じた上とも記されていた。このようなデータで「安心」を請け合い得る専門家の立脚が不可解。

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戦前、各地の小学校に建てられた二宮金次郎(尊徳)の像が老朽化し、そのまま消え去る例が多いとのこと(毎日)。改めて道徳的規範に据える必要はないとしても、撤去の理由に「子どもが働く姿を勧めることはできない」や「『歩いて本を読むのは危険』という保護者の声も」とは、馬鹿馬鹿しくないか?

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民主党の環境、内閣両部門と原発事故収束
PTとの合同会議は、原発寿命を40年とする原子炉等規制法改正案の“20年まで延命”は「極めて例外的」(東京)との修正で合意。とはいえ、例外を認めれば拡大解釈は確実。将来必ず“問題なく動いている物をなぜ止めるのか、巨費が無駄”となることだろう。

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NHKE
テレ『日本人は何を考えてきたのか 第4回「非戦と平等を求めて〜幸徳秋水と堺利彦〜」』 日本人“専門家(大学教授)”によるエヘラエヘラ笑いながらの微温的な分析・評価に対して、それに迎合せず直截に切り込みを重ねる人がクリスチーヌ・レヴィさんというフランス人研究者なので面映い。

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専門家であろうとも総てを自力で検証することは不可能だから、学会発表等を経て認められたデータや定説に基づき判断を下すことは当たり前。だが、朝日新聞社と京大による僅か数十例の調査を(新聞社自身も使っていない)「陰膳まるごとセシウム検査」という名前で呼び、その結果を援用しながら福島に→

関する安全の印象を盛んに振りまく東大病院放射線治療チーム(中川恵一准教授)の責任とは、どこに立脚するのだろうか。結果的事実とは別に、このような安易な断定を行ない得る専門家・学者に信頼を寄せることは難しい。ただ、安全の保証を期待する人々にとっては、耳に快い言葉ではあるだろうけれど。

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日の『朝まで生テレビ』「激論!大阪市長“独裁・橋下徹”は日本を救う!?」を観たが、批判派があまりにもブザマで、相対的に橋下株を上げる効果のみ。橋下市長は、選挙による多数の“民意”を根拠に、言わば究極の民主主義を標榜する。即ち、理論上、彼への批判・否定は“民意”の軽視となる。→

これは、歴史上散々指摘されてきた民主主義の根本的弱点――仮に多数の判断が誤っていたら?――を突きつけている。極めて言語明瞭だった橋下が、終盤で自身の目指す政治的価値観を問われた時のみ、幾分の韜晦を見せた。彼は、自らの信条に反する“民意”についても、機関として達成に徹するのであろうか。
(2012.6.19)