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「リスク」という概念には当てはまらない低線量被曝。――9月・ 10月のツイッターまとめ

大西 赤人

 

「リスク」とは、「リスクがある」「リスクが高い」など、しばしば眼や耳にする言葉である。辞書を見ると、「危険」(『広辞苑』)、「予測できない危険」(『大辞林』)、「危険。危険度。また、結果を予測できる度合い。予想通りにいかない可能性」(『大辞泉』)というように説明の濃淡があるものの、要するに物事の“危うさ・危険性”を指すものとして用いられている。しかし、村上陽一郎(科学史家・科学哲学者)によれば、日本語には「リスク」に該当する概念はなく、ヨーロッパ語における「リスク」には幾つかの成立条件が存在するという。その条件を、僕は次のようにまとめた(http://www.asahi-net.or.jp/~hh5y-szk/onishi/colum325.htm)。

「第一に“『危険を顧みずに、あえて行なう』という原意からも明らかなように、人間の行為について使われるもの”であること。第二に“その人間の行為が、単に危険を冒す『冒険』であるだけではなく、何らかの利益が期待されるもの”であること。第三に“それは『あるかもしれない』ものであり、たとえば、『私が老衰で自然に死ぬ』という絶対的な必然を『リスク』とは呼ばない(リスクは常に『確率』という形で把握される)”こと。第四に、“『リスク』は人間の手で回避することができる(かもしれない)危険である(自然災害の発生自体は、それを制御する手段を人間は持たないので『リスク』に直結しないけれども、その災害によってもたらされる被害の大小については、一定程度、人間の手で制御可能だから『リスク』となる)”こと」

 つまりは、「リスク」を単純に危険性と考える限りは、ひたすらゼロを求める・ゼロに近づけることしかあり得ないし、それで十分だろう。しかし、その危険性と背中合わせに利益――『ベネフィット』が存在している場合には、我々は、その危険性と利益との兼ね合いを『リスク』の確率に基づいて判断しなければならない。一般には「リスク・アンド・ベネフィット」という言い方もあるけれど、これについても、リスクとベネフィットとは対立している二物ではなく、より正確には、ベネフィットと危険との関係性をリスクと見做《なす》すべきなのだろう。

 このようなリスクとベネフィットとの関係を乱暴だが端的に示すものとして、ロシアン・ルーレットがある。リボルバー(回転式拳銃)の弾倉に弾丸を一発だけ籠め、適当に回転させてから銃口を自らの頭に当てて引き金を引く。ベトナム戦争を描いたマイケル・チミノ監督の映画『ディア・ハンター』で米兵捕虜が実行する場面によって有名になったと言われているが、フィクションの世界ではギャンブルの究極の形として便利に使われる。たとえば、六つの弾倉のうちの一つに弾丸を籠め、6分の1の確率で弾丸が出れば死んでしまう代わりに、6分の5の確率で出なければ一定の報酬を手にすることが出来る。あるいは、装填する弾丸を増やし、その分、報酬も増やす。

 通常の感覚からは、6分の1で命を落とす確率が見えていたら報酬が1億円でも御免こうむるだろうけれど、金のために死ぬか生きるかの瀬戸際に立たされている人間ならば、たとえ1000万円でも賭ける人がある“かも”しれない。しかし、弾丸の出る確率は100分の1しかなくても、報酬は1万円となったら、誰も挑みはしないだろう。一方、たとえ報酬が100億円積まれようと、仮に弾丸を全部籠めて6分の6――即ち確率100%で死が絶対の必然――であったら、リスクは成り立たない(ただし、厳密に言えば、六つの弾倉を総て装填した6分の6でさえ、弾丸が「不発」に終るという天文学的確率は想定し得る)。要するに、100分の99100分の1、それどころか10000分の999910000分の1であろうとも、対立する確率上の可能性と、それに基づく利益が存在しない限り、リスクという概念は生じないことになる。同時に、「リスクがある」や「リスクが高い」なる単純な言い方が、実は意味を成さないことも判る。

 典型的な例は医薬品で、仮に効果が全くないのに有害な副作用だけを伴なうとしたら、そんな物はまさに百害あって一利なし、リスクも何も論外だ。問題は、一定の効果と副作用とが同時に見られる場合であり、たとえば、いわゆる薬害に関連して“一人でも被害者を生むような薬剤は認められるべきではない”という種類の主張も現われるけれど、それは感情的には判らなくはないとしても、リスクという考え方を逸脱した観念的極論でしかなくなる。いわゆる「リスク・ゼロ追求」が批判される理由である。

 現実的な対処としては、「リスク・アセスメント」という手法が使われる。リスクの大きさを評価し、それが許容し得る程度であるかを判断・決定し、必要に応じてリスクの軽減を図ろうとする。危険性と利益とを天秤にかけ、覚悟しなければならないリスクを計算するわけだが、宝クジのように購入資金と当選確率と獲得賞金とが明確な数字として現われ、確実なリスクを求め得る場合は例外的。社会における一般的な事象に関しては、危険性も利益も人それぞれの基準で軽重が異なるため、万人の同意を得ることは容易ではなく、結局は金銭――経済性が物差しにされることも多い。

 福島第1原子力発電所の事故以来、原発のリスク、放射能のリスクが盛んに論議されるようになった。ここでもやはり、「リスク」という言葉だけが先行し、正しい「リスク・アセスメント」は行なわれていない――むしろ不可能である――と感じられてしまう。たとえば、従来は安いと言われていた原子力発電の発電コストが実は高かったとされる時の“事故費用が上積みされた結果”であることの異様さ(原発でそれほどの費用を要する事故を想定したら、電力料金が高いとか安いとかは考慮の外であろうに)。たとえば、食品などに含まれる放射性物質に関してICRPによる災害時・緊急時の基準値が未だに援用されていることの異様さ(百歩譲って福島原発周辺に関してならばともかく、日本全体は、しかも九ヵ月以上経った現在では「災害時・緊急時」とは程遠い状況であろうに)。

 一方、放射能の恐ろしさに関しては、一種自虐的な空気も感じられる。つまり、不安を抱く人々にとっては、“大変だ”“とんでもない事態だ”と騒いでくれる人の言葉のほうが受け容れやすく、実証的に――無責任な安全宣言ではなく――“この程度の影響と考えられます”とする人の言葉はかえって疑わしく聞こえてしまうのではなかろうか。実際、事故直後に危惧された壊滅的な事態は回避されたにせよ、今後長期に渡る低線量被曝に関しては、リスク・アセスメントを行なうために必要な確率のデータ自体が乏しいのである。そこでは、僅かな被曝をも避けようと努めるための物理的・精神的なストレスを仮想し、それを気にせずに生きることを無理やり利益――ベネフィットと位置づけ、低線量放射線の危険性とのリスクを弾き出す嫌いさえある。しかし、不確実なホルミシス効果でも持ち出さない限り、少なくとも恒常的な低線量被曝そのものがもたらす利益――ベネフィットは無いと思われ、即ち「リスク」の考え方を用いる必要さえなく、当然にも可能な限り回避し、ゼロに近づける対象とされるべきはずであろうと思う。

 いずれにせよ、日本・日本人が壮大な人体実験のフィールドとなってしまったことは現実であり、残念ながら、今後の地球における低線量被曝に関する正しいリスク・アセスメント――あるいは、むしろリスク・アセスメント無用の確認――のための貴重な礎《いしずえ》となることに期待するしかないのかもしれない。

  今回は、9月、10月二ヵ月分のツイッターをまとめた(リンクの一部は便宜上削除しています)。

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bit.ly/nMN3NY
「安全とは、危険を認識することに始まる」中大法学部教授・奥山修平氏の穏当かつ妥当な見解。8000原子炉年あたり1回しか炉心溶融が起きない安全性でも、世界500基が各30年稼働すれば2回程度は発生の確率。母数に比して頻度が増すのは当たり前。

 今まで原発の安全性が強調されてきた理由は、そう主張する人たちが本当は万一の事故の恐さを重々承知していたからこそだろう。そして、“起きない”と言っていた事が現実に発生してしまうと、今度は、“たしかに起きたことは起きたけど、実は起きても大して悪い影響はないんですよ”と合理化にかかる。

 渋谷のライブハウスで放火未遂を起こした23歳の容疑者は実名を報じられたが、多くのメディアは、6年前に東大阪市で男児をハンマーで殴り重傷を負わせて中等少年院送致となった少年(当時17歳)と同一人物だったことを伝えている。それぞれの犯行とは別に、この遡及的な実名報道はおかしくないか?

4
『ハンナ』を観てきました。『つぐない』のジョー・ライト監督が、同じくシアーシャ・ローハンを使って撮った映画。むしろ、もう半年か一年前で彼女に幼さが残っていても良かった感じ。悪っぽいケイト・ブランシェットが印象的。別のオチを予想していたけど……。結局、父親は何をしたかったのだろう?

7
あの山下俊一・福島県立医大副学長に「朝日がん大賞」(選考:日本対がん協会、協力:朝日新聞社、副賞100万円)。受賞理由は従来実績+福島で「健康リスクの有無を調査研究すると同時に、新たな放射線医療科学の世界拠点と体制づくりの中心的存在」となっている点。シュール過ぎてギャグに見える。

8
日本原子力研究開発機構が学校屋外プールの除染方法の手引きを公表。同機構は「七つの学校や幼稚園でプール水の除染実験を実施、全てのプールで放射性セシウムの濃度を飲料水の暫定基準値の1リットル当たり200ベクレル以下まで低減できた」(東京)。「暫定」を今後の「日常」に据える根拠は何か。

9
いかにもな話だが、国民生活センターが「インターネットで10万円未満で購入できる放射線測定器」をテストしたところ「中国製とみられる3万〜6万円台の9種類」「すべてで正確な測定ができない」「【低線量の】野菜や肉などの基準値、1キロ当たり500ベクレルは測定できない」と発表(産経)。⇒

同センターへの相談には「測定値が2種類しか出ない」等(苦笑)。これと並んで、某メーカーによる「家庭向け放射線測定器発売」「使いやすさと購入しやすい価格を兼ね備えた商品を投入」「コストを抑えるため中国で生産した上で、国内で品質を確認する」という15750円の製品の記事。大丈夫か?

10
bit.ly/nU1Vuq 828日の「ふくいちラ­イブカメラ」に映った人物の行動が謎と話題になっていたけれど、本人がサイトを作って意図を述べている。 bit.ly/nfV1TM 作業員の雇用状況、労働環境などの問題点を指摘する極めて真面目な内容だ。

鉢呂失言は「『放射能をつけてやろうか』と冗談まじりに述べた」(日経)、「『放射能を付けたぞ』という趣旨の発言」(時事)、「『放射能をうつしてやる』などと発言」(産経)、「『放射能をつけちゃうぞ』などと語った」(朝日)と色々。当の「毎日」も「『放射能をつけたぞ』という趣旨の発言」⇒

ところが、「毎日」記事の後段を読むと「10人程度の記者が鉢呂氏を取り囲み、鉢呂氏はたまたま近くにいた毎日新聞記者に近寄り、防災服をすりつける仕草をした。鉢呂氏はすりつける仕草をした後、報道陣に『除染をしっかりしないといけないと思った』などと語った」とある。随分話が歪んでいるねえ。

「残念ながら周辺市町村の市街地は人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」(毎日)。大臣として些か配慮に欠けるにせよ、頭に「残念ながら」と振っているし、これで辞任に値するほど悪質なのか? 「怪しいお米セシウムさん」同様、多くが密かに想うところの表出を圧殺する偽善さえ感じる。

11
鉢呂「放射能」失言は、むしろ記者の方が誘発したとの話も流れているが、それはさておき、大臣は会見で「記憶が定かでない」と述べていた。少なくとも「近くにいた毎日新聞記者に近寄り」と明記した毎日新聞は、なぜ「『放射能をつけたぞ』との趣旨の発言」と曖昧な書き方しかしない(出来ない)のか。

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福島県は「浪江町の子どもの内部被ばく線量は最大でも生涯3ミリシーベルト未満と推計」され「全員健康に影響が及ぶ数値ではない」(共同)と公表。ただ、bit.ly/nl9hfl 「内部被ばくは検査が遅れるほど正確な測定が難しくなる」(毎日)などを見ると容易に安心しがたい。

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民主党(政権)を無闇に非難する気も擁護する気もないけれど、少なくとも当面住み得ない土地となった場所を“残念ながら〜まさに死の町”と素直に表現した前任者に代わり、とんでもない状況を糊塗して“ただちに影響はない”とごまかしつづけていた人物が大臣の職に就くなんて開いた口が塞がらない。

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『ミケランジェロの暗号』(監督=W・ムルンベルガー )を観た。ヴィクトル(『es』のM・ブライプトロイ)はウィーンのユダヤ人画商の息子。旧友のルディ(G・フリードリヒ。ひ弱な風情がいい)は親衛隊で将校に。二人の身分が入れ替わる展開は斬新ではないが、微妙な友人関係の継続が面白い。⇒

ドイツ語の台詞は耳に珍しいが、冒頭、入隊前のルディを反ナチと怪しむ警察署長に対し、ヴィクトルの父親が“彼が共産主義者なら私は悪魔だ”と反論する場面、聞き間違えでなければ、原語は“私はスターリンだ”と言っていたと思う(時代背景にも合う)。スターリンでは通じまいとの意訳か。少々感慨。

bit.ly/o7l7LR 鉢呂大臣辞任に至る背景。bit.ly/rn0crt と併せ、状況の一端が判る。放射能失言に関し「いまとなっては真実は闇の中」とあるが、鉢呂言動の対象は『毎日新聞』記者と公表されていたから、同社に内容を確定する責務ありと思う。

今更に安全・保安院は、312日時点で「1号機の格納容器の圧力を下げるベント(排気)が失敗した場合」約10時間後の同日午後11時に格納容器が破損、大量の放射性物質が放出されると想定、気象条件次第で原発から35キロで「著しい公衆被ばくの恐れがある」と試算していたと発表(毎日)。⇒

枝野元長官の312日午前記者発表(内閣官房HP)。「内部の圧力を放出する措置を講ずる必要」により「原子炉格納容器内の放射能物質が大気に放出される可能性がありますが、事前の評価では、その量は微量」「放射性物質を含む空気の一部外部への放出が行われますが、管理された中での放出」大嘘。

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報道では“命に別条(別状)はない”という表現が非常に多い。新聞協会は別条、NHKは別状を使うそうで、要するに“命に変わった事柄はない”=“死には至らない”意味だが、十分「別条」だろうという気もする。“別条がある”と書くことはまずないし、単に「無事」とも雰囲気が違う。奇妙な言葉だ。

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福島第一原発から約75kmの北茨城市立総合病院で35月に常勤医4名が退職、内定者1名も辞退したため、診療科の縮小に追い込まれているという(東京)。5人全員が「放射線の恐怖を口にした」が、現在の同市の放射線量は毎時「約〇・〇〇〇一五ミリシーベルト前後に落ち着いている」とのこと。⇒

記事には「『福島で逃げずにやっている医者もいるのに、ひどい話だ』と憤った」男性や「『放射線が怖くて逃げるとしたら、医師としての資質以前の問題』と怒りをあらわにする」市長の声が。でも“怖くても逃げずに福島でやっている(やらざるを得ない)”医師の方が実は一層「ひどい話」かもしれない。

13日付『朝日』は鉢呂元経産相の放射能発言検証を掲載したが、bit.ly/o7l7LR で同氏は、記事中の「『私が線量計をのぞいて数字を読み上げた』というのは間違いだ」と指摘。16日付『朝日』は「『その日に測定された数値を口にした』の誤りでした」と小さく訂正した。⇒

『朝日』の検証は“失言”に関しても、政治担当記者が居合わせたとして、「『放射能をつけちゃうぞ』と発言」と断定。他社の異なる“失言”報道を列記の上、識者の「情報源がはっきりしないニュースは読者や視聴者の信頼を得られない」などの見解まで載せているが、検証を訂正するようでは信頼度下落。

「独誌『シュピーゲル』(電子版)は18日、ドイツ総合電機大手シーメンスが原発事業から完全に撤退する方針を決めた、と報じた」「【レッシャー社長は】完全撤退の理由について、『脱原発というドイツ社会・政治の明確な姿勢に対する企業としての回答』と語った」(読売)算盤はあるにせよ、明快。

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本年516日に行なわれた参議院行政監視委員会における細川律夫厚労相(当時)の石橋通宏委員(民主)に対する答弁。「今、石橋委員の方からお話がありましたように、私は五月の七日にJヴィレッジとそれから福島第一原発の方に行ってまいりました。Jヴィレッジから福島原発に行く間、⇒ 

これマイクロバスで行きましたけれども、その間、人が一人も見えない、いない、牛が放牧をされて、主のいない牛が、何というか、漂っているといいますか、そんな風景を見まして、本当に町全体が死の町のような印象をまず受けました」(国会会議録)。国会でのこの発言が何の問題にもならなかったのに。

河野太郎公式ブログ「やつらが隠してきたもの」bit.ly/oUYTCY 「原子力村の隠蔽体質がいかに安全を損なってきたか、それに対して政府がいかに穏便に済まそうとしてきたか、よくわかります」「総理、あなたは国民を守るのですか、それとも電力会社を守るのですか」⇒

趣旨は判るが、長年の間に現状の基盤を作り上げた「政府」や「総理」の存在を考えると、少々“いいとこ取り”にも見える。「政府は、原発は低コストだとしてきたが、高レベル放射性廃棄物を処分するには、膨大な費用と数万年単位の時間がかかる」(共同)と“減原発”を訴えたという小泉元首相も同様。

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NASAの大気観測衛星が23日前後に大気圏再突入、同局は26個・532kgの破片が「誰かにぶつかる確率は3200分の1と推計」(読売)というけれど、地球上の「何か」にぶつかる確率は“1分の1”のように思う。つまりは、車や電車や飛行機や船に当たることも個々に想定されるのかしらん?

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「玄海原発23号機の再稼働をめぐり、佐賀県庁に侵入し抗議活動したとして建造物侵入や威力業務妨害などの疑いで、俳優の山本太郎さん(36)ら数人を、京都市の行政書士の男性(27)が告発、佐賀地検が受理した」(産経)告発なので単に“受理”は当然だが(検察は拒否し得ない)印象は悪い。

山本太郎他への告発に関し、受理した佐賀地検を非難するツイートが溢れているが、様式が整っていれば告発の受理は当たり前で、起訴に至るかさえ全く不明。即ち、これを騒ぎ過ぎることは、様々な容疑に関し「書類送検」という機械的手続を有罪確定かのごとく報ずるメディアの印象操作に乗るようなもの。

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名古屋大などのグループがスイスからイタリア(約730km)へ地中を通してニュートリノを飛ばしたら光よりも速く到達、特殊相対性理論に反し、「物理学を根底から揺るがす可能性がある」(読売)とのこと。光は0.0024秒、ニュートリノは、それより1億分の6秒速かったそうな。ウ〜ム(笑)。

ニュートリノの実験グループは世界に検証を呼びかけているが、別のグループによる同様の2007年発表を踏まえ、3年間に1万数千回の測定を重ねた結果。「タイムマシンも可能になるかも」(産経)「特殊相対性理論を100年ぶりに修正する必要」(読売)等の言葉に、何も判らないながらもワクワク。

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22日『朝日』が福島県産コメに関し「【放射性セシウム】9割超『検出せず』」「福島市の136ベクレルが最高」「『予想通り』と農水省の担当者は胸をなで下ろす」「基準超のセシウムが出る可能性は低いのではないか」等と楽観的に報じた翌日、二本松市産新米予備検査で500Bq/kgを検出。→

当該農家の主は「本検査の結果にかかわらず、『周囲に迷惑をかけるから出荷はしない』」「何も悪いことはしてないのに。初めから作らないほうがよかった」(毎日)と悲痛だが、4月時点で近くの土壌からは4600Bq超の値が検出、土からイネへの移行係数0.1も高めとはいえ予測に過ぎなかった。→

それなのに「作付けにあたっては、市から『大丈夫』との連絡をもらっていた」(毎日)というから、厳しく言えば、事実上の見切り発車だったとも思われる。三保・二本松市長は「『【原発の】事故が原因で憤りを感じる』と怒りをあらわにした」(同前)そうだが、さもありなんとはいえ、今更の感もある。

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三田署が41歳の男性会社員を逮捕。74日から823日の間に、東電「福島原子力補償相談室」のフリーダイヤルに1808回かけ、女性オペレーターに言い掛かりをつけるなどした偽計業務妨害容疑。「放射能で汚染された食べ物を食べさせられて頭にきた」(スポニチ)そうで、ちょっと同情(笑)。

28
枝野経産相は「運転停止中の原発の再稼働について『原子力安全・保安院は来年4月の組織改編を待たず、さまざまなうみを出し、信頼される組織になるべく努力している』と述べ、改編に伴う原子力安全庁の発足にこだわらず、現体制の下で今年度中に認めることもあり得るとの認識を示した」(時事)→

この枝野“認識”は、来年夏までの再稼働を目指す考えを示した野田総理よりも踏み込んだ内容と報じられているが、そんなものを示すのは、(少なくとも結果的に)とんでもない大嘘ばかり並べ立てていた自らの官房長官当時の発表に関して、責任ある検証及び総括を実行してからのことにしていただきたい。

群馬県立近代美術館(高崎市)で予定されていたロシア国立エルミタージュ美術館所蔵のガラス工芸品展が、福島第1原発に近く「放射性物質による展示品の汚染が懸念される」とのロシア側の意向で開催中止に。まあ、210kmの隔たりなど“ロシアの大地”的距離感からすれば目と鼻の先なのでしょうな。

30
東京都が1986年のチェルノブイリ事故以来続けてきた輸入食品の抜き取り放射性物質調査を中断、検査装置4台も休眠状態。輸入食品の基準値は370Bq/kgなのに、国内産食品の基準値は500Bq/kgのため、仮に400Bqが出たら「消費者の混乱を招く恐れがある」(朝日)と。馬鹿げた話。

愛知県衛生研究所 bit.ly/gqTojx や横浜市衛生局 bit.ly/pRXCvl の過去の対応。以前は、370Bqは甘いとも言われていた。厚労省の記録 bit.ly/cjQG1f を見ると、370以上だが500未満で積戻しとなった例が幾つも。

Amazonは大きな集客力を持つと思われますが、『季刊メタポゾン』のような小さな存在には残念ながら親切ではありません。8月末発売の第三号は約一ヵ月過ぎてもカタログに上がらず、やっと載ったら「930日発売予定」とされ、それも今は「この本は現在お取り扱いできません」に……(苦笑)。

テレビを見ていたら、津波による衝撃的な光景の一つとして釜石港岸壁に乗り上げていた貨物船『アジアシンフォニー』号の撤去作業がようやく始まるとのこと。bit.ly/nmQ2PN 今まであのままだったんだ……しかし、県から撤去を命令されたという所有者もとんだ災難ではある。

101
暴力団排除条例は強烈な内容だ。利益供与をはじめ暴力団関係者との接触を断つよう市民に責任を促す趣旨だが、実際問題、身内に関係者を持つ一般人の場合、人としての縁も総て切るべきとして切り得るのだろうか? 山口組・篠田建市組長の一問一答は興味深い。bit.ly/p423Xu 

2
OL」なる言葉は、1964年に従来の「BG」に代わり、『女性自身』の公募で最多投票を得て誕生とされていたが、当時の編集長は『朝日』で“本当は「OG」が1位、独断で7位の「OL」を選んだ”と明かしていた(既にwikipediaにも記載)。今ならさしずめ「ヤラセ」で大問題だろうか。 

何の意図か、東電が福島第一13号機に関する“最悪のシナリオ”を発表。仮に対策を打てず注水が止まれば1819時間後に水素発生の1200度、3850時間後に燃料再溶融に到る。複数のトラブルが起きても3時間程度で復旧するというが、到底信頼しがたい。冷温停止してさえ収束には程遠い。 

4松本市のNPO法人日本チェルノブイリ連帯基金と信大病院が、福島県から来ていた子供130人を対象に今夏行なった健康調査で、10人の甲状腺機能が基準外(信濃毎日)。「病気とは言えないが、経過観察の必要がある」ため再検査を勧めたと医師。比較対照群がなく、これだけで何とも言えないが……。 

6
米国で経済格差などに抗議が広がり、ニューヨークでも1万人以上のデモ。「31歳の女性は、『もし私が1セントでも盗みを働いたら、捕まるのに、企業は搾取しても何のおとがめもないのはおかしい』と訴え、米国の富を独占する上位1%に対し、『我々99%が声を上げる時だ』と続けた」(朝日)。⇒

これに対し、「黒人実業家のケイン氏(65)は【略】「『ウォール街や大銀行を責めるな。職がなく金もないなら、自分を責めろ』と若者らに自助努力を求めた」「ロムニー前マサチューセッツ州知事(64)も【略】『(デモは)階級闘争のようなものであり、危険だ』と批判した」(毎日) 鮮明な構図。 

『毎日新聞』インタビュー bit.ly/qkQ1pX の中で「大事にしているといえば、講談社の『少年少女世界文学全集全50巻』かな」と佐々木譲さん。大西も、それか創元社『世界少年少女文学全集』の相当数を人から貰い読み耽った記憶が。今の子は、こういう読書はしないだろうか。

7
被曝線量基準を検討する文部科学省の放射線審議会基本部会は「平常時の一般住民の被ばく線量限度とされる年1ミリシーベルトを達成することは当面困難と判断」(共同)、「原発事故などからの復旧期は、年120ミリシーベルトの間に設定することを許容する考え方を提言する方針」(毎日)とのこと⇒ 

年間120mSvICRP勧告を採用、その範囲での中間目標設定を可能とする提言が出れば「関係省庁は年一ミリシーベルトよりも緩い規制値を設定しやすく」(東京)なり、食品や土壌の暫定基準値も見直される――即ち一層緩和の方向――というが、審議会なんぞで「許容」を決めるなんて無茶苦茶。 

放射線審議会は「住民の年間被ばく線量上限を平常時の一ミリシーベルトまで下げるには時間がかかり、当面は『中間目標』を年一〜二〇ミリシーベルトの間で設定し、段階的に引き下げてよいとの方針で合意」(東京) 事態回復の困難は現実でも、「引き下げてよいとの方針で合意」するただの追認が無策。 

10
今日からセ・リーグはまさに天下分け目。他方、各球団が続々と戦力外通告選手を発表している。今後の進路を早めに考えられるようにとの傾向だが、選手名鑑やWikiを開き、各自の過去の期待度を見ると寂しくなる。特にトライアウトで拾われた選手が一年、二年で再びクビになる様子は、一層物悲しい。 

11
福島県による18歳以下の子供に対する甲状腺検査は「約36万人を生涯にわたってチェックする世界的に例のない規模の調査」(共同)。当初2年ごと、成人後5年ごと、引越す子も海外に移る子も検査を忘れる子も出るだろう。無事である確率は高いにせよ、漠たる不安を一生強いられなければならない。 

12
「『由布院牛喰い絶叫大会』で、(略)近藤和義県議(77)が『セシウム牛は要りません』と叫び、被災者からは『失礼な発言』と憤る声も出ている」「いわき市から大分市に避難している男性(70)は『現地で生活を立て直そうとしている人に失礼な発言』と怒っていた」(読売)怒りを向ける先が違う。 

「死せるジョブズ、iPhone予約に走らす?」(産経)なる見出しは「死せる孔明生ける仲達を走らす」の苦労した(?)“もじり”とどれほど伝わっているかな。それに較べ、先日、日本テレビ某番組を観ていて驚かされた「タダでは転ばない」というナレーションは、普通に本気だったように思う。 

「世田谷区は12日、同区弦巻地区の住宅街の歩道で毎時271マイクロ・シーベルトの放射線量を検出したと発表」「【計画的避難区域の】福島県飯舘村で12日に計測された205マイクロ・シーベルトより高く」「水で洗浄したが数値は下がらなかった」(読売) 水で洗浄って、拡げて薄めるだけ? 

13
bit.ly/n19NVe 世田谷の放射線量に関する速報。現場の民家床下にあった瓶入りの何物かに由来し、原発事故とは無関係とのこと。保坂区長の対応が素早い。 

14
柳ジョージ。ドラマに使われた『雨に泣いてる…』を聴き、すぐアルバム『Y.O.K.O.H.A.M.A.』を買った。 B面最後の『Fenceの向こうのアメリカ』が切なくて大好きだった。そして『青い瞳のステラ、1962年夏…』 ほめてくれよ しゃがれた声で 芝生の下で眠っていずに…… 

世田谷の放射性物質は「かつてはがんの放射線治療に使われたほか時計の文字盤の夜光塗料としても利用された」(産経)ラジウム226と推定も、家人は全く知らないと言っているらしい。「医療用には粉末では使わないので、推測だが、夜光塗料などに使うためだったかもしれない」(文科省)とのこと。⇒ 

事の経緯は不明ながら、ラジウム226の半減期は1600年だし、「表面は最大で毎時600マイクロシーベルト」に達する瓶からは、高い放射線が長年にわたって出ていたと想像される。家の所有者の女性は90歳というし、“で、周囲に何か影響があったのかい?”と懐疑派のネタにされるのだろうか。 

柳ジョージに関して訂正。最初に買ったのは『WEEPING IN THE RAIN』、次が『Y.O.K.O.H.A.M.A.』だった。前者には英語の『Weeping In The Rain』、後者には日本語の『雨に泣いてる…』。英語版も抜群。bit.ly/q54kko 

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福島県内での除染作業を視察したIAEA・レンティッホ団長は「国が除染に責任を持つ基準を年間1ミリシーベルト以上としたことについて、『非常に野心的で時間がかかるが、問題はない』と評価」(ANN 野心的……。訳された言葉にしても、この文脈には何かそぐわない印象。むしろ「高望み」か?

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5千年に1回」の確率で起きる事象が1年間に“起きない”確率は0.9998だ。それが50年間続く確率は0.999850乗で約0.99、裏返すと“起きる”確率は約1%100年ならば約2%。これをどう考えるか(ちなみに公平を期すと、5000年の間にも“起きない”確率が約37%)。 

「【炉心損傷の確率は】事故前の試算では1000万年に1回としており、2000倍も高くなった。保安院は、試算の内容を検証し、安定化の目標である『冷温停止状態』を維持するための施設運営に生かす」(読売)冷温停止→廃炉に途方もない長時間が想定されるからこそ、この試算が行なわれたのか。 

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「東京電力が福島の原発事故の損害賠償をするため、政府にまず7千億円ほどを出してもらうよう求めることが18日、わかった」=『朝日』夕刊一面記事「東電、7000億円支援要請へ」のリード。本文も「政府が東電にお金を出す」「経産省に認めてもらおうとしている」など、学級新聞のような軟弱さ。 

平野復興担当相の“失言”=「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカなやつがいます」「彼は亡くなりましたけれども、バカなやつって言われてもしようがない」(産経) 公明・山口代表「発言の前後関係が分からないが、同級生が生きてほしかったという悔しさの表現だろう」(同前)そう思います。 

> 平野大臣 「大臣として許されざる言葉だ。人を傷つける言葉を平気で言う野田政権に復興はできない。徹底的に大臣の資格を追及する」「政治家の危機管理うんぬん以前で人としての問題だ」「出処進退について潔さを期待したい」「死者に対する礼節を欠いていること。礼節は政治家のイロハのイだ」⇒ 

bit.ly/rmvT1s 平野大臣の釈明。不用意と言えば不用意な面はたしかにせよ、あくまでも自分の友人に想い余ってぶつけた言葉であり、不特定多数に向けた一般論ではないことは明らか。出処進退だの任命責任だのと騒ぎ立てるべき話だろうか? でも辞めることになるのかな。 

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主力抜きの中日相手とはいえ、広島・前田健が7回までに毎回の15奪三振。ところが、01だったため7回裏に代打が出て降板。セ記録は16(過去8人)、日本記録は19(野田浩司)、9回まで投げれば最大6個上積みの可能性があった。何とも勿体ない。野村監督、どれだけ勝ちたかったんだ(笑)。 

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新聞で「選ぶべきは脱原発ではありません」と題した公益財団法人国家基本問題研究所(櫻井よしこ理事長)の意見広告を見た。原発事故は「事故が原発管理の杜撰さによる人災だったこと、【震源地により近い女川原発が生き残ったように】日本の原発技術は優秀だったこと」の二つを教えてくれたとする。⇒ 

従って「人災を引き起こした『管理』の問題と、震災・津波に耐えた『技術』の成果を明確に分離して考えることが重要」というのだが、この論理に則れば、福島原発は地震で損傷されたのではないばかりか、津波で損傷されたのでさえなく、ひたすら担当者のミスにより現在の惨状に到ったことになるらしい。 

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Wikiの東京電力のページがハッキング”の件。検索すると大量のRTが流れているが、要するに偽サイトのようだ。実際、東電ページの全く別の項目に飛んでもgifは動きつづけている。ウイルス等はないらしいけれど、悪意の籠ったページだったら拡散でとんでもない事になるだろう。危ない危ない。 

世田谷の後なので、柏の土壌から27Bq/kgとの報に多少懐疑的だった。だが、セシウム134137の比率から、文科省は「原発事故の影響の可能性が強い」(朝日)と見解。「側溝の雨水が地中にしみ出して濃縮された」(読売)のだとしても、元の雨水の汚染度も相当高かったとしか考えにくい。

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横浜ベイスターズがTBSホールディングスからディー・エヌ・エーに売却の方向。“携帯サイト会社が球団経営?”との見方もあるが、そこは時の流れだからこだわらないとして、新球団名「横浜モバゲーベイスターズ」はあまりにも…。“Mobage Bay Stars”、海外では通りそうにないな。

 内閣府原子力委員会小委員会は、原発過酷事故の確率は最大500年に1回、標準的な損害額(賠償や除染、廃炉等の費用)は1基あたり事故後5年で38878億円との試算を発表したが、極めて長期に及ぶかもしれない放射線による健康被害の額は計上されていない(計上しようがない)のだろうなあ

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任天堂は「49月期連結決算は、円高による巨額の為替差損で最終赤字が702億円」「【3DSの不振で】営業損益も初めて573億円の赤字(前年同期は542億円の黒字)」「【3DS】今年度の世界販売目標1600万台に対し、49月期の販売台数は307万台」(産経)一つの蹉跌でこうまで。 

ソフトボール出身、硬式経験なしの大嶋匠が日本ハムにドラフト7位指名されて話題だが、ソフトと野球は、まあ似通った競技。このニュースを聞いて久しぶりに思い出したのは、飯島秀雄の事。彼は陸上100mで東京、メキシコ五輪出場(共に準決勝敗退)、当時の日本記録(手動計時101)保持者。⇒ 

1968年、東京オリオンズ(現ロッテ)にドラフト9位で入団、登録は外野手。中学時代に野球経験はあったそうだが、代走専門+話題作りの獲得だった。実働3年で代走起用117、盗塁23、失敗17、牽制死5、得点46。でもWikiによれば、投手が飯島を気にしてか、打者は高打率だったという。 

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『大西赤人 小説と評論』 bit.ly/kUW1qt に「本来あるべき危機感を煽りや風評被害と位置づけ圧殺する歪み―7月・8月のツイッターまとめ(上・下)」をアップ。bit.ly/s8XCrt bit.ly/tHwY1e日付を追って読めます。

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シュレッダーにかけられた文書を復元する斬新な方法を見つけるコンテスト。こういう手書きの文書なら、細断された紙片を画像に読み取り、両端の文字線の位置を座標化して、一致する物をコンピューターで拾い上げれば速そうに思うが、そうでもないのかな。

 「東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法」なる法律が出来ていたそうで(30日施行)。政府から独立した調査委は、衆参両院の承認を得た民間有識者10名。その上部機関・両院合同協議会は、衆参議院運営委の委員長、理事ら24名。調査委事務局は、国会職員や民間人ら約50名。これ、回るのか?
(2011.12.31)