今週のコラム                                 大西赤人/小説と評論

見ないフリをするか。許容範囲を拡げてしまうか。
――5月・6月のツイッターまとめ(下)

大西 赤人



【承前】
521
3
12日、東電が現場の判断で1号機への海水注入を開始したのに、菅首相の意向で小一時間中断との批判。だが、官邸から問い合わせを受けた原子力安全委が海水注入による再臨界の惧れありと回答→検討後、恐れ無しと変更→ホウ酸を混ぜ再開というから、何でも菅を叩けばいいわけでもなかろうと思う。

23
「班目氏が首相に『海水注入の場合、再臨界の危険がある』と述べた」との政府発表に「そんなことを言ったら私の原子力専門家の生命は終わりだ。名誉毀損で冗談ではない」(産経)と班目サンが反発した由。たしかに海水と再臨界との関係は不可解だが、そもそも専門家の生命・名誉は残っているのかしら?
 

24
班目氏の弁=「『再臨界の可能性はゼロではない』と言ったのは、事実上(可能性は)ゼロだという意味だ。『注水はやめた方がいい』とは絶対に言っていない」(読売)「だいたいそういう時、口癖として『可能性はゼロではない』と言うんです」(日経)まあ、人命をも左右する責任の重みはゼロではない。
 

25
『季刊 メタポゾン』第二号は、佐々木譲さんの特集に加え、薄手の新書くらいなら一冊作れそうな分量の田中三彦さんへの原発関連インタビュー等、読み応え十分との反応が早々届いています。東日本大震災で創刊の出ばなを挫かれた感は否めませんでしたが、ここで皆さんの認知度が高まることに期待! 

『大西赤人 小説と評論』http://bit.ly/kUW1qt に「“非常時”“戦時”などの物言いによる『国難』の怪しい強調――月のツイッターまとめ(上・下)」をアップ。http://bit.ly/joXMoK http://bit.ly/ll2ZLn 日付を追って読めます。

26
国土交通省の調査で「岩手、宮城、福島3県の計210の避難所が、大雨などの際に土石流や崖崩れの恐れのある『土砂災害危険箇所』に隣接」と判明。梅雨期を控え「同省は県を通じて避難所管理者に警戒するよう要請」(共同) 某ラジオ司会者は“何を警戒するのでしょう”と普通に言っていたが全くだ。

いつ、誰が中断と騒がれた1号機への海水注水が、実は吉田昌郎所長の「事故の進展を防止するためには、原子炉への注水の継続が何よりも重要」との判断で終始継続と東電発表。現場が的確であっても当然だが、「中断がなかったのなら、私はいったい何だったのか」(産経)と班目サンの立場は……(笑)。 

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」なる文句通り、現場(吉田所長)の判断で何とか事態に対応しているという話は、当初から流れていた。結果的に正しかった可能性は大いにあるが、それを無条件に認めては、危機管理システムが無意味になる。その意味では「処分」もアリか。 

27
今度は、吉田所長に関して「本店に盾突く困ったやつ」「気骨のある人物」「自信家」「現場を大切にする指揮官」と褒貶しきり。結果的な判断の是非は個人の資質と無関係だし、システムとしての危機管理が一人に左右されるようでは危うい。しかし、菅が注水を停めた“情報”と騒いだ自民党はどうなんだ?

29
福島の子供の年間被曝量に関し、文科省が“当面、年間1mSvを目指す”と方針。20mSvよりはマシとはいえ、“当面”“目指す”と頼りない。基準を超えると土を入れ替えるそうだが、現在進行形の事態だから、所詮対症療法。仮に状況が進行すれば、また基準が緩み、別の“当面”が出てきかねない。 

九電玄海1号機。「核反応で中性子を浴び続ける原子炉内にある測定用の鋼鉄片の温度から脆化の状況が分かる『脆性遷移温度』が、20094月時点で従来想定を最大20-30度程度上回る98度」「九電は想定データを上方修正した上で『想定を超えているが、安全性は保たれている』」(西日本)⇒ 

「【炉心部では】中性子が絶えず鉄に当たっているわけです。そうすると、僕らの使っていた表現ではカルメラ状になっていく」「【圧力容器には「延性」という】延びがある。だけど何十年も使って行くと、おせんべいのようにパリッと割れるようになる。それを脆性破壊と言います。これが恐いんです」⇒ 

「無欠陥構造ならいいんですが、溶接に問題があったり、(略)応力腐食割れが起きていたりするところに今回のように水をかけると危ないですよ。熱衝撃と言いますけど、古い原子炉の場合、材料の劣化現象があるわけで、魔がさすとパリンと割れる可能性がある」(季刊メタポゾン第二号・田中三彦氏)

30
26日、JR新川崎駅で湘南新宿ラインが男性をはね死亡。「ホームのベンチに座っていたが、同列車が入線する直前に線路へ下りたのを他の乗客が目撃」(産経ニュース)同列車に乗り合わせた記者の動画=http://bit.ly/lWunam まさに人を轢いている車内で平然と過ごす乗客って…。 

31
厚労省が福島原発の作業員増員を安全・保安院に要請。「作業員を増やして、1人当たりの被ばく線量を抑える必要があると判断」「養成には、技術の習得などで通常は510年かかる」が、「作業員の健康管理は急を要するため、厚労省は短期間で作業員を増員するように保安院に申し入れた」(時事)⇒ 

現実に、「作業員2人の被ばく線量が、現在の緊急時被ばく限度の250ミリシーベルトを超えている可能性」「主に3号機と4号機の中央制御室で、データの測定を担当」「これ以上現場では作業はできないということで、現在は東京」「ほかにも40人が高い放射線量を被ばくしている可能性」(FNN)⇒

一方、厚労省は「年間50mSvとしている被ばく線量の上限を撤廃」「年間50mSvを超えても指導は行わず、5年間で100mSvを超えないよう指導」(毎日)と連合に文書通知。曲がりなりにも労組の連合がこれを認める? それこそ他の原発を止めてでも作業員を確保、被曝低減を図るべきでは?

トップの社長と現場の(熟練)作業員とを較べたら、給料は何倍、世俗的ステータスは何十倍、何百倍違うかもしれない。しかし、今回の東電でも判るように、社長は辞任しても簡単に代わりが見つかる。ところが、作業員のほうはそうは行かない。これが労働の単純な本質であり、現実の大きな歪みでもある。 

産経新聞社・FNNによる世論調査の質問「いまの首相にふさわしいのは誰か」の回答で枝野官房長官が10.0%のトップ。元弁護士だし、「まさに」の連発で何事かを毅然として語る(かに見せる)能力は確かだが、結果的にあれほどいい加減な事を並べ立てていた人物を信頼(?)する人が多いとは驚き。

繰り返したくなる。311日の枝野会見。「現段階で放射能漏れはなく、外部への影響は確認されていない。被害が出る状況にもないという。枝野長官によると、福島第一原発では、現在でも冷却機能が確保されており、冷却を継続しているが、今後も冷却を続けるための電力が確保できていない、という」⇒

「このため、一定時間で対応できれば、問題は解決するとし、対象区域内の居住者・滞在者は『直ちに特別な行動を起こす必要はない』と冷静な対応を求めた」(ロイター)。「繰り返しますが、放射能が現に漏れているとか、現に漏れるような状況になっているということではございません」(首相官邸HP

http://bit.ly/fQrEj3 今日から東電が福島第一原発14号機のライブ映像をインターネットで24時間公開開始(通信機器を経由し、実際の時間より約30秒遅れで配信)。情報提供としてはいいけれど「ふくいちライブカメラ」なる(以前からの)ノホホンとしたネーミングに脱力。

61
「日本で草の根の大規模な【原発】反対運動が起きないのは、政府や電気事業者から支出される補助金に依存する地域構造があるから」「原爆投下を経験しながら、(略)欧米で起きたような反原発運動が起きなかったのは、補助金への依存が理由」(共同)とNYタイムズが分析。外の人に言われる情けなさ。

先週の『朝生』を録画で見たら、田原総一朗が“こんなひどい事になるとは誰も思っていなかった”とか、“してやったり、こんな事故が起きたから反対、「ザマアミロ」には賛成できない”に“してやったりなんて誰も思ってない”と応じた福島瑞穂へ“あなたが思ってる”とか。これで通るんだからねえ。

2
菅総理体制を高く評価する気など全くないが、今、不信任なんて何を考えているのだろう? 辞めさせようとしている側には、本気で自分達が責任を取る気構え――自信があるのだろうか。官僚某の「現状もひどいが、ポーカーと同じで手を変えたらもっと事態が悪くなる」(スポニチ)は極めて的確に見える。

不信任に小沢=欠席、鳩山=反対って、何なんでしょう。菅総理の「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故に責任を果たさせてもらいたい。一定のめどがついた段階で若い世代の皆さんに責任の引き継ぎを果たす」(産経)発言で一転したらしいが、原発事故の「めど」など、いつになるのか。永久政権か。

フジ火曜夜『名前をなくした女神』(脚本=渡辺千穂)の陰険・陰湿な展開がハンパないが、毒のない薄っぺらなドラマよりは見応え。母親に遠かった杏が上手くなってきたし、“なぜこの役を?”と思った倉科カナも健闘。今の流れでは救いないけれど、無理無理ハッピーエンドもつまらない。どう収まるか。

3
“想定外”“直ちに”“工程表”と便利な(都合のいい)言葉が次々登場するが、“一定のめど”もなかなか。菅総理は「放射性物質の放出がほぼなくなり、冷温停止という状態になる。そのことが私はこの原子力事故のまさに一定のめど」(産経)と述べたそうだが、そんな“めど”、現時点では無いも同じ。 

参院予算委員会で、自民党・山本一太議員に召喚された(不信任案に賛成するはずだった)副大臣や政務官が事実上の“菅じゃダメ”批判を開陳という異様な光景。ここまで来ては、「一定のめど」も何も、辞めるしかないだろうな。 

4
312日朝、ベントの2時間前に浪江町で「核燃料が1000度以上の高温になったことを示す」(読売)「核燃料が損傷しないと外部に出ない」(朝日)放射性物質・テルル132が検出されていたと保安院が今更に発表。「意図的に隠すつもりはなく、情報を整理して公表する発想がなかった」(日経)⇒

「隠そうという意図はなかったが、国民に示すという発想がなかった。反省したい」(日経)と弁明・釈明。普通の日本語では、「情報を整理して公表する発想がなかった」「国民に示すという発想がなかった」という状況は、事実上、意図的であるかないかにかかわらず、「隠す」と同義であろうと思います。

自民党は、「菅首相の下での第2次補正予算成立にも応じない方針を打ち出し、一段と態度を硬化」(産経)しているという。でも、菅・鳩山間の確認事項の一つは「2011年度第2次補正予算の早期編成にめどをつけること」だった。ならば自民党も、サッサと予算を通す方が「めど」を速めるだろうに。

5
東電は、処理システムで汚染水の放射性物質濃度を千から1万分の1程度に低減する計画も、「薬品を入れてセシウムやストロンチウムを凝縮、沈殿させて取り除く」ので、非常に高い濃度の「放射性物質を含む沈殿物は2千立方メートル程度」(共同)出て、処理方法未定。むしろ扱いが厄介になる「濃縮」?

NHK『原発危機』第1回。班目委員長が「311日以降のことを総て無しにしてくれるのであれば、私は総てを失っても構わない。311日以降のことを無しにしていただきたい」と繰り返し。さすがにtwitterでもボロクソだが、ここまで無責任・無能力・無自覚な人間がトップとは信じがたい。

「失っても構わない」も何も、どれほど大きくて重要なものだか知らないが、あなたの持っている「総て」と(少なくとも)何万、何十万の人々が喪った日常とが秤の両側に載ると思っているのか? 

班目“あの時点で、水素爆発が予測出来た人は、それほどいなかったと思う” 「水素爆発の可能性が高いっていうことは、一般の方は判らないと思うんだけど、我々――僕はもう三十年以上前に現場を離れちゃったけど、あれはかなり一本道ですね」原子炉設計者・田中三彦(『季刊 メタポゾン』第二号)

6
原発は到底早期に収束し得ない⇒必然的に「国難」の強調は蜿蜒続く。国政は民主・自民大連立、東京は前々からの石原都政、大阪は府議会の定数を減らして“独裁”体制作りさえ思わせる橋下府政。様々な異論・異見は“緊急時”“復興”という大義名分の前に封じられかねない。恐ろしい時代になってきた。

412日の遅ればせ「レベル7」認定時、大気中だけで37万(保安院)〜63万(原子力安全委員会)テラベクレルの放射性物質を放出としていたが、保安院は77万テラベクレルへ上方修正。所詮推定値だし、今もなお出つづけているにせよ、なぜ必ずのように少ない数字から後になって増えるのかね?

8
『マイ・バック・ページ』(監督=山下敦弘)を吉祥寺で観た。客席ガラガラ。1955年生まれの大西は本作の登場人物達と同世代ではないが、共有する部分は幾らかある。もじられた人名や名称から原型を推測することも出来る。時代背景は巧く再現されているけれど、やはり空気感は相当違って見える。⇒

髪型、服装などで6070年代が再現されるほど、妻夫木や松山の“今”の雰囲気が際立ち、当時の物語には見えなくなるような逆転した印象。川本三郎の同題著作が原作だが、眞子の「何かいやな感じ」、タモツの「生きてりゃいいよ」という言葉で結ばれ、主人公・沢田自身の声が聞かれないのは不満。

 「トモダチ作戦」なる名称は「日本政府が名づけたものです」と在日米国海兵隊サイトに明記されている。http://bit.ly/hwia8O ところが、ここに来て、退役米空軍軍人が命名との説。http://bit.ly/m0KF4I どちらにしても、何ともウソ寒いネーミングではある。

政府は「有事での自衛隊と米軍の協力内容を定める『共同作戦計画』」について、東日本大震災を受け、大規模災害や原子力発電所テロなど非常事態対処を新たに策定する方針を固めた」(産経)。大震災と原発事故への「対応を巡る教訓を生かし策定」としつつ「対中国有事にも援用する考え」と鎧がポロリ。

9
ダルビッシュが三試合連続完封(パ・タイ)、44回連続無失点(歴代6位、パ2位)で話題。テレビ観戦でも点など入りそうになかったが、歴代1位・641/31958年)の金田正一は、28日間に4戦連続を含む5回の完封と4回の救援(単純に3日に1回登板)で記録。時代が違うにせよ化け物。

10万d以上ある高濃度汚染水を11200dのペースで処理するというが、原子炉の冷却は必須で、その水が1500dずつ漏れているのだから、順調でも何日かかるやら。しかも、その分、行き場のない高濃度の廃棄物が着実に生成される。このような“異常”も“日常”と化し、野球を見ている自分。

11
一昨日「10万d以上ある高濃度汚染水を11200dのペースで処理するというが、原子炉の冷却は必須で、その水が1500dずつ漏れているのだから、順調でも何日かかるやら」と書いたら、浄化システム自体10数カ所水漏れで試運転延期。って、家の蛇口のパッキン交換か。つーか笑うしかない。

 安全宅配がウリの「らでぃっしゅぼーや」が自主検査で静岡産製茶から暫定規制値(1`あたり500ベクレル)以上の放射性セシウムを検出。HP掲載にあたり、県から公表を控えるよう求められた、求められたわけではないと報道が錯綜。いずれにせよ、当該品は1`あたり679ベクレルだったという。⇒

 我が家で利用している某生協は、各食品の放射性ヨウ素・セシウムの自主検査値をチラシに記載。「静岡茶(生の茶葉)」73.2、「梅(茨城県)」87.9(共にセシウム)という具合だが、「暫定規制値」以下だから問題なしの扱い。過去は、精々数ベクレル、2000年以降ほぼ「検出なし」だった由。

2011年憲法寄席」 本11日、構成劇『指揮者のいない合唱団』(作・杉浦久幸)、開演13時、18時半。明12日、講談『チェルノブイリの祈り』(神田香織)、パネルディスカッション『復興の先に視る日本』(田中三彦、神田香織、山口正紀、大西赤人)、開演13時。於:なかの芸能小劇場。

 bit.ly/jbHxQC 福島大准教授有志12名による知事への要望書。“低線量被曝の健康影響はほとんどない”とする現在の山下俊一・長崎大教授ら放射線健康リスク管理アドバイザーにセカンド・オピニオンの参加、疫学調査の透明性確保、住民被曝線量の低減、等を求め、至極妥当。

2011年憲法寄席」 12日:13時開演 講談『チェルノブイリの祈り』神田香織、パネルディスカッション『復興の先に視る日本』パネラー=田中三彦(福島第1原発4号機圧力容器製造技術者)、神田香織、山口正紀(ジャーナリスト、元読売新聞記者)、司会=大西赤人。於:なかの芸能小劇場。

12
410日の高円寺とは違い、昨日の新宿ほか全国150ヵ所「脱原発100万人アクション」は、テレビ等も報道。だが“主催者発表でさえ東京は2万人だし、話1/3程度だから「100万人」には遥かに遠い”と貶める学者・評論家も。デモの一面の危うさは捉えるべきにせよ、冷笑に意味があるのかな?

 『愛川欽也パックインジャーナル』(朝日ニュースター)でまとめられていた「菅総理の原発をめぐる『お約束』」=浜岡原発一時停止、エネルギー政策白紙、発送電分離、太陽光パネル1000万戸。菅総理の非力はたしかだが、結局“菅下ろし”の主目的は、これら「お約束」の撤回・後退に見えてしまう。

15
原発再開を問うたイタリア国民投票は投票率54.79%で反対94.05%。日本では自民党・石原幹事長が脱原発を「集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」(読売)、経済同友会・長谷川代表幹事が「国民感情とは別に」「【国は】原発をやりたいというべきだ」(産経)。これで当事国。

16
環境省が海水浴場の放射性物質「安全基準」を作る方針。懇談会では「海水浴は生活に必ず必要なわけではないので、基準を厳しめにして余分な被曝を抑えるべきだ」(朝日)と飲料水の暫定基準より厳しい指針を求める専門家の意見が多かったというが、「必ず必要な」飲料水の方こそ厳しくすべきだろうが!

 「環境省は14日、海水浴場での遊泳が可能な放射性物質濃度の目安について、水道水より厳しくする方針を決めた。水道水に加えて海水を飲むことで新たな内部被曝につながる危険性を考慮して厳しくした」(日経)。誰が意図的に海の水を飲む? そのくせ、緩い基準の水道水はガブガブ飲ませておくのか。

17
政府は、事故発生からの年間累積放射線量が20mSvを超えると推定される“ホットスポット”について、「住民避難を住居単位で支援、促進する『特定避難勧奨地点』」に指定する」(産経)と発表。でも、枝野長官は「『政府として一律に避難を指示したり、産業活動を規制したりすべき状況にはない」⇒

 と述べ、特定避難勧奨地点に指定しても、基本的には避難を求めないとの考えを強調した。ただ、同地点で妊婦や子供が生活している世帯については避難を促すという」。避難を“支援、促進、勧奨”するが“指示したり規制したりはしない、求めない”。希望者の自己責任ということなのだろうが実に及び腰。

 石原都知事が2020年夏季五輪招致に強い意欲。「たいまつを消さずにともし続けることは大きな意義がある」(時事)「国家の総力が結集され、機運が盛り上がることが不可欠。日本が一つになることを強く期待」(毎日) また始まるのか。しかも、“日本が一つに”が新たなスローガンになりかねない。

20
やっと稼働した汚染水浄化システムのうち、セシウム吸着装置の放射線量が想定よりも早く交換基準に達したため僅か5時間で運転中止。工程表には影響しないとされているが、交換は一ヶ月に一回程度と見ていたというから、どれだけ高濃度なのか? または相変わらず想定が甘かったのか?

 “脱原発はアナーキー。バックには革マル派、中核派、原水協”とする石原伸晃発言を推進派の“なりふり構わぬレッテル貼り”“デモの効果”とする見解が出ているが、事故発生後の反・反原発の激しさを思うと、楽観は出来ない。何かの拍子の揺り戻しには十分警戒・留意しておかなければ。

 政治(的)を嫌い、組織を嫌い、指示・命令を嫌い、自然発生的な盛り上がりこそ善しとする。それが圧倒的多数を占めるのであればまだしもいいとしても、強力な相手と拮抗して斬り結ばねばならない時には不安もある。いかに力を結果し突破するか。これから脱原発の側も正念場を迎えるのかもしれない。

22
14日発表のNHK世論調査は、今後の原発を“総て廃止”18%、“減らす”47%、“現状維持”27%、“増やす”1%という結果から「47%」だけを拾って「“原発縮小”半数近くに」と報道。19日の共同系列各紙は、日本世論調査会による現在の原発についての“直ちに総て廃炉”9.4%、⇒

 “定期検査に入ったものから廃炉”18.7%、“電力需給に応じて廃炉”53.7%、“現状維持”14.1%という結果から、前三項を一括して「原発『廃炉を』82%」と報道。が、細目の現在運転中の原発の安全対策は「運転を続けて定期検査で対応」が54%。世論調査は報じ方で大きく印象が違う。

 自民・石原幹事長のように、反・反(脱)原発派は、反(脱)原発の動きに既成左翼の色彩・影響を看取したがるようだが、的外れだと思う。目下の反(脱)原発は、必ずしも(または決して)左翼的信条とは結び付いておらず、そして、むしろそれこそが現在の気運の強みでも弱みでもあるのではなかろうか?

 橋下知事は、関西電力の15%節電要請を「(原発再稼働への)脅しだ」(日刊S)と5~10%を維持、「エアコンを一斉に切って夏を乗り切れば、原発はいらなくなる」と「エアコン一斉停止作戦」を標榜する。でも、節電減→万一の停電の方が、原発の必要を補強しかねまい。なぜ応じないのか不思議。 

612日に行なわれたパネルディスカッション「復興の先に視る日本−原発のない社会をめざして」(パネラー=田中三彦、神田香織、山口正紀 司会=大西赤人)の模様をyoutubeにアップしました。9回に分かれていますので、一覧(bit.ly/kByESq)から御覧下さい。

23
環境省が全国の水浴場で安全に遊泳できる目安として、1gあたり放射性セシウム50ベクレル以下、放射性ヨウ素30ベクレル以下とする指針値案を原子力安全委員会に提示。測定の実施や、開設の判断は自治体に委ねているし、「飲料水の暫定基準値より厳しく設定」(産経)という意味は全く判らない。

24
1972
年創刊の情報誌『ぴあ』が7月で休刊とのこと。一番熱心に読んでいた頃は「月刊」(!)で、観たい映画をノンビリとチェックし、それで用が足りていた。むしろ隔週刊になった頃から慌しくて買わなくなったくらいだ。今でも本棚に80年代の『ぴあmap』とかが残っている。街の地図も今は昔。

25
『名前をなくした女神』終了。ああまでドロドロにしてどうするかと思ったが、やはり何とかハッピー・エンドっぽくまとめた印象。りょうに“私が何か悪い事した?”と叫ぶ杏を見て「してるんだよな」と突っ込んでいたが、りょうの台詞は“してないんじゃない?”。してない=してる(自覚がない)かな。

5月末までに東電から届いた通報文書等約11千枚を安全・保安院が公開。312日午前1時半に菅首相が1号機ベント実施を了解するも、東電本店は経産相発表後の実施を指示、同8時半前に一部住民の未避難が判明して調整など“ベント遅れは菅首相の「視察」のせい”とする説を全く否定するデータ。

26
某週刊誌の広告で見た『死ぬのが早すぎた11人の天才たち』の顔ぶれは「夏目雅子、松田優作、福澤幸雄、津田恒美、岡田有希子、村山聖、大場政夫、堀江しのぶ、尾崎豊、東門明、伊藤計劃」。とりあえず、全部判る(記憶に残っている)。中では、東門明が渋い人選。賛否もあろうけれど皆様はいかが?

 「進歩的な文化人と呼ばれる方々やかつての左翼護憲勢力などが息を吹き返したように元気になっている。こうした人たちの言っていることは威勢はいいが全く新味がない」(産経・安藤慶太が斬る)の結びは「今の暮らしを維持し、国力を維持するには当面、原子力発電は不可欠であり必要」と正に旧価値観。

27
炉心安定冷却への重要工程とされながら、紆余曲折で大きく遅れた高濃度放射能汚染水処理システム→「循環注水冷却」がやっと運転開始。たしかに、簡単に上手く動く代物ではなかろう。なかろうけれども、僅か1時間半で「ホースの途中にある継ぎ目から漏水して」(時事)中断って、大丈夫か? DIYか?

28
東京事変の新アルバム『大発見』に関連した椎名林檎の言葉。「今までも、命のことを書いているつもりで曲を作ってきた。でも、(東日本大震災を経験し)全然だめだったことが分かった。自分にがっかりした。動揺し、反省している」(朝日)。こと“創造”に関わる立場の人であれば、真情だろうと思う。 

29
今日(28日)は、『季刊メタポゾン』第三号に掲載予定のインタビューのため、大阪府泉南郡熊取町にある京都大学原子炉実験所を訪ね、今中哲二さんと小出裕章さんにお会いして、様々な興味深いお話を聞いてきました。研究炉の中も案内していただき、有名な“チェレンコフ光”を見ることも出来ました。

30
政治資金パーティーの席上、橋下大阪府知事が「今の日本の政治に必要なのは独裁」(産経)と語った由。経産省や関西電力にも「電気が足りないから原子力が必要というのは、完全な霊感商法」(毎日)と威勢がいいし、こういう姿勢は一定の支持を集めるのだろう。だが、本当に「独裁」はあるべき形か?
(2011.7.27)