夏、バイク、北海道 / 出発   出発    上陸  札幌は遠い  疲労  夏はジンギスカン  フェリーは今でました  礼文は最高!

、起きて窓を開ける。どんよりと低くたれ込めた雲。今にも泣き出しそうな空模様。

どうする?もう1日延ばすか?それとも行くか? .....昨日と同じように、丸 1日テレビを見て過ごすのか ....もう待てない、出発だ。
80Lもある登 山用のリュックをバイクにくくりつけて出発したのは、もうすでにお昼前だった。

 甲州街道を東へ、靖国通りから国道4号に入ってひたすら北上する。

 「今日は何処まで走ろうかな....まぁ、走れるところまで走ろう」

学生だった私は、お金はないけど時間だけはたっぷりあった。  それより心配なのは天気。どうか雨が降りませんように。


根川を渡る交差点でスロットルを空けたとき、リアのタイヤにいやな感じがした。

 「ええっ!もしかして....」

利根川橋を渡りきり路肩に停めて調べてみるとやっぱり釘が刺さってる。

 「やれやれ、さい先悪いな....とりあえず次の町まで走れればいいか」

ガソリンスタンドでパンク修理をお願いするがバイクは出来ないと断られる。 パンク修理キットを持ってこなかった事を後悔しても始まらない。
紹介してもらった近くのバイク屋さんまでもう一走り。   なかなか着かない。  そのスタンドから5kmほどもあっただろうか。 やっと着いた バイク屋のおやじさんは声がとても大きかった。

 「そっか、東京から来たのかぁ、たいへんだぁー」

 うわー、なまってるー、よくわらねーぞー。 何とか意志の疎 通は出来るようだ。パンクの修理をお願いする。こっち来いと奥 の部屋に通される。コーヒーとお菓子が出てきた。 ちょっと時 間かかるからここでコーヒーでも飲んで待っててくれ、おやじさ んはそんな様なことを言ったと思う。

出されたインスタントコー ヒーには砂糖とミルクがたっぷり入っていた。
なんだか妙に居心 地がよくなって来て、結局そのバイク屋には2時間近くも長居し てしまった。まぁ急ぐ旅じゃないからいいか。


の日、宿に着いた時にはすっかり日は落ちていた。野宿かユー スに泊まるつもりだったけど時間も遅いし、疲れていたので、駅 の旅館案内で食事付きで一番安い宿を探してもらった。

木賃宿と言う言葉がぴったりの旅館だった。普通の旅行者はまず泊まらな いだろう。行商のおじさん、おばさんなんかが利用する宿と言っ た風情が漂ってる。かなり古い。冗談じゃなく裸電球がぶら下が ってる。歩くと床がキーキー音を立てる。

 食堂なんてものはない。少し腰の曲がったおばあさんが二階の部屋まで食事を運んでく れる。何だか寅さんになった気分だ。これはもう「お銚子2本!」 とか頼まないわけにはいかないだろう。

アルコールが入るとその 日の疲れが一気に出てそのまま寝てしまった。




to be continued.......

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