| オスカー様: | こんな遅くにすまない。お嬢ちゃんと星空でも眺めながら、話をしたいんだが・・・俺と一緒に来てくれないか? いい風が吹いてるな。疲れた身体をいやしてくれる・・・そんな優しさを感じる風だ。 |
| アンジェリーク: | そうですね、オスカー様。 |
| オスカー様: | それにしても、こうしてまたお嬢ちゃんとゆっくり話しができるとはな。運命も粋な計らいをしてくれるぜ。 ・・・っと・・・お嬢ちゃん、なんて本当は気安く呼んじゃいけないんだよな。 初めからそれはわかってるんだが・・・「陛下」と呼びたくない気持ちが強くあるんだ。おっと、悪い意味で言ってるんじゃないぜ。 ただ、「陛下」という尊称はどうしても俺たちを遠ざけてしまう。言葉のマジック、ってやつだ。せっかくまた出会えて、一緒に旅をしてるんだ。もう会うこともないと思った2人が、だぜ? せめてこの度の間は、女王という立場を忘れてくれ。そのほうがきっと、毎日が楽しくなるはずだ。お嬢ちゃんと呼ぶことを、許してくれるか? |
| アンジェリーク: | もちろんです。 |
| オスカー様: | お嬢ちゃんは変わらないな。 いつも素直に、等身大の姿を俺に見せてくれる。地位を得たことで変わってしまう人間もこの世界にはたくさんいる。なのに・・・さすがは、お嬢ちゃんだぜ。・・・これからの旅も楽しくなりそうだ。 さて、そろそろお嬢ちゃんを俺の魅力から解放してやるとするか。深夜にいい男と2人きりってのは、心臓によくないだろう?隠したって無駄だぜ。 ほら、そんなに頬を染めて・・・お嬢ちゃんが熱でどうにかなっちまう前に、帰るとしよう。・・・な? |
| アンジェリーク: | オスカー様ったら・・・) |
| オスカー様: | この頃よく思うことなんだが・・・お嬢ちゃんと話していると、宇宙の危機って言葉をついつい忘れそうになるぜ。 |
| アンジェリーク: | え・・・? |
| オスカー様: | おっと、そんな顔して見るんじゃないぜ。 何も俺は、無責任な気持ちで言ってる訳じゃないんだ。お嬢ちゃんも知っているだろう? 俺はいつだって真剣な気持ちしか言葉にしたことはない。 ・・・だから今の言葉も本当だ。お嬢ちゃんといると、まるでここが聖地であるかのような安心感を覚える。最初にそのことに気づいたときは、自分のことを戒めたものさ。オスカー、油断するな・・・ってな。だが、これは油断じゃない。心のゆとりってヤツさ。 お嬢ちゃんの微笑みがそれを与えてくれるんだ。こんな俺を真面目じゃないと思うかい、お嬢ちゃん? |
| アンジェリーク: | いいえ、そんな・・・) |
| オスカー様: | そうか・・・。 お嬢ちゃん、ここに手を当ててみな。伝わるだろう? 激しい胸の鼓動が・・・自分を理解してくれている、そのことが嬉しくて俺の胸は高鳴っているんだ。それにしても小さな手だな。俺の手のひらにすっぽり収まっちまうぜ。ほら・・・ どうした? 震えてるぜ。 ・・・フッ、お嬢ちゃんには少々刺激が強すぎたかもしれないな。 |
| アンジェリーク: | オスカー様・・・ |
| オスカー様: | そろそろ帰るか。俺としてはずっといてもいいんだが、そうもいかないだろう。 ・・・・・・それに・・・このままいたら、俺のほうがどうにかなっちまいそうだ。紳士でいるために、今日はもう帰らせてもらうぜ。 |
| アンジェリーク: | オスカー様ったら・・・) |
| オスカー様: | 俺は今、・・・とても胸が痛い。こうしていると伝わってくるんだ。お嬢ちゃんの心の傷が・・・。 もちろん気持ちはわかるぜ。・・・正直言って、俺もつらい。一度は仲間と思った男だからな。だがな、お嬢ちゃん。裏切られたことを嘆いてばかりでも仕方がない。そいつのことを本当に想っているのなら、悲しむより先にやるべきことがあるはずなんだ・・・。それは・・・ ・・・相手を正しい方向へと導いてやること。そしてそのために、自分は正しいと信じること。たとえ悲しい結果になりそうな予感がしても、自分を信じて、その行いを肯定する強さを持つこと。俺は、あいつがみんなの前で見せた笑顔を、偽りだとは思わない。だからこそ、信じているんだ。明日の行動が間違っていないことを。・・・それがあいつの魂を救うことを。不安だろうが、お嬢ちゃんも信じることだ・・・そして俺のこの言葉を受け取ってくれ・・・。 ・・・俺は、君を守る。どんなことがあっても、守り通してみせる。この俺の命を懸けて。君を怯えさせるものは、俺の炎で、すべて燃やし尽くしてやる。だから今は・・・何も心配しなくていい。こうして、俺の胸の中で微笑んでいてくれ。そう・・・目をつぶって・・・。 君が心の底から笑える、その瞬間まで、俺は闘う。その言葉以上の真実はない。俺の・・・すべてだ。 え・・・? (アニメーション) (オスカー様独白) |
| アンジェリーク: | ありがとうございます、オスカー様。 |
| オスカー様: | お嬢ちゃんを腕に抱いたまま眠らせてやりたいが・・・今日は帰るとしよう。眠れないときは、俺の温もりを思い出すんだぜ。そろそろ行こうか・・・アンジェリーク。 |
| オスカー様: | ・・・ちょっといいか? |
| アンジェリーク: | え・・・? |
| オスカー様: | お嬢ちゃん。二人っきりで話がしたい。・・・来てくれないか。 ああ・・・星影にふちどられた君の姿は、俺の瞳に焼きついて離れないほど美しい・・・嘘じゃないぜ。 だが、手を伸ばそうとするとヒラリとこの手をすり抜けていきそうで、どうすることもできない。 ・・・明日、か。君が別の宇宙へ飛び立つのは。俺の瞳の奥に、姿を残して去って行くのは・・・。 フッ、いつの間にこの俺を惑わせるほふぉの魅力を身につけたんだ? まったく、驚きだぜ。その魅力で、新しい宇宙を導いてくれ。きっと、君のように、強く、暖かい宇宙になるはずだ。かなうなら、俺ひとりのレディでいてほしかったんだが・・・俺は炎の守護聖。ひと度命を受けたからには、男として責任を放棄するような真似はできない。 どんな気持ちが俺を支配しようと、この地を・・・離れるわけにはいかない。それに、だ。蝶は自由に空を舞ってこそ美しい。そうだろ? 誰の手にも止まらず、自らのめざす場所へ、思いのままに舞うといい。俺は、君が華麗に舞う姿を、ここから見守っていることとしよう。・・・だがそれも、明日の話だ。今夜はまだ、君を飛び立たせたくはない。この手につかまえていたい・・・。そして、もっと近くでその身体に触れていたいんだ・・・いいだろう? |
| (アニメーション) | |
| オスカー様: | しばらくこのままでいてくれ・・・ わかるか? 俺の心の高鳴りが・・・強い鼓動が伝わるだろう? 黙って笑顔で送り出そうと思っていた・・・だが、今だけは自分の気持ちを伝えることを許してくれ・・・。 愛してる・・・。 |
| (オスカー様独白) | |
| アンジェリーク・・・君の笑顔を見なくなって、どれほどの時間が流れただろうか。旅の日々を思い出すのは、正直・・・心が痛い。君がいないことを実感しちまうからな。 だが、感謝してるんだぜ。苦しくても最後まで進むことができたのは、仲間がいて、そして・・・俺のそばにいつも、力を与えてくれる君がいたからなんだ。そう、愛というなの力を、な。 今でも忘れられない。悲しみをこらえた瞳も、黄昏に紅く染まる頬も、・・・この手で触れた指先も。その何もかもが限りなく愛しい。今すぐ君を、この胸に抱きしめたい・・・! だが、それは許されぬ願いだ。ならばせめて、聖地の空を見上げながら君に送ろう。宇宙で一番熱い、俺のこの想いを。何ものにも負けない、無限の強さと愛を。 また二人巡り会う日までずっと、愛する君のためだけに。・・・・・・・・・アンジェリーク。 | |