| エルンスト様: | 夜分遅くに、申し訳ありません。 あなたにお話ししたいことがありまして・・・ その、よろしければ、の話ですが・・・一緒に散歩にでも行きませんか? アンジェリーク、どうです、旅はつらくありませんか? 挫折してしまいそうにはなりませんか? |
| アンジェリーク: | いいえ、大丈夫です! |
| エルンスト様: | そうですか。 ・・・宇宙を救う、という使命に対する肉体的、精神的疲労は、並大抵のものではありません。 あなたがそれに耐え、旅を続けているほどの強さを持っているか、少々心配だったのですが・・・ どうやら、杞憂だったようですね。 あなたは私の予想していた以上に強い人のようだ。 いえ、女王候補の頃から、あなたは見かけによらず、芯の強い方ではありました。 しかし、このような状況でさえ、明るさを保てるような方ではなかったと記憶しています。 女王に就任してから、まだ日も浅いというのに、あなたはずいぶんと成長されたようですね。 しかし、今の状況に甘んじてもらっては困ります。 宇宙を救うのは、そう簡単なことではありませんから。 これから先、 旅は今以上に危険で困難なものになっていくことでしょう。 ときには、自分に限界を感じ辛苦に耐えきれなくなることもあるかもしれません。 それでも、あなたは・・・これから先の旅を乗り越えていく自信が、ありますか? |
| アンジェリーク: | はい! |
| エルンスト様: | それでこそ、一宇宙を担う女王です。 この状況で自信を持てる人間はそう多くはありません。 これからも、その自信を常に忘れることなく、旅を続けてほしいものですね。 女王としてだけではなく、あなた自身が、この旅でさらなる進歩を遂げることを、期待しています。 ・・・そろそろ夜も更けてきたことですし、宿に戻るとしましょうか。 部屋まで送りますよ。 |
| アンジェリーク: | エルンストさんが、期待してくださってる・・・ うふっ、がんばらなくちゃ! |
| エルンスト様: | アンジェリーク、空を見てください。 あなたはこの夜空を見て、何か変化を感じますか? ・・・おそらく、答えは否、でしょう。 ここから見える星には、何の変化も生じてはいませんからね。 しかし、こうして何ひとつ変わっていないように思えるこの夜空も・・・確実に、闇へと変化しつつあるのです。 王立研究院のデータから、私はその事実を読みとりました。 間違いはないと、断言できます。 しかも、その速さは尋常ではありません。 皇帝の力を誇示するように侵略までの時は短い・・・。 私たちが何かひとつ成し遂げる間に、皇帝の支配がその倍も進んでいるように思えてならないのです。 そうやって縮めることのできない力の差を感じたとき、私は不安を抱えずにはいられません。 私たちの行っていることが、本当に宇宙を救うための手段として正しいのか、・・・迷いが生じるのです。 旅が不要だとは思いません。 しかし、今、選択している旅の方向性が間違っているとしたら? ・・・すべてが、無駄です。 そう考えてしまうと、私は次の一歩を踏み出すことに、怖れを感じる・・・。 |
| アンジェリーク: | エルンストさん・・・ 私たちがしていることは無駄ではありません! |
| エルンスト様: | ・・・そうですね。 そう信じることが、この旅を、正しい方向へと導くのかもしれません。 あなたは、やはり強い人ですね。 目の前の闇にも怖れを抱くことなく、志を貫けるのですから。 その強さは、私の弱さを打ち砕いてくれさえする・・・・。 ありがとう、あなたに感謝します。 この程度で、自分を見失うとは・・・思っていた以上に私という人間が弱いことを、痛感しました。 あなたに恥じぬほどの強さを見につけられるよう、一層の努力が必要ですね。 勉強になりました。 少し、肌寒くなってきたようです。 そろそろ帰りましょう。 部屋までお送りします。 |
| アンジェリーク: | エルンストさん・・・ゥ |
| エルンスト様: | どうしました? そのようにふさぎ込むなど、あなたらしくありませんね。 おおかた、明日の闘いのことを考え、不安に駆られているのでしょう。 しかし、厳しいことを言うようですが・・・今は闘いに不安を持つようなときではありません。 明日の決戦には、宇宙の未来がかかっているのです。 ですから、私たちは決して負けてはいけない。 たとえ、命がつきようとも皇帝に「勝利」を与えることは、できないのです。 しっかりしてください、アンジェリーク。 そのような態度では、困ってしまいます。 そのように不安を抱えたあなたが、明日の戦闘に挑んだところで、皇帝に勝てると思いますか? 私が憧れたほどの強さを持ったあなたはどこへ行ったのです? あなたは、物事を行う前から足がすくむような人間ではなかったはずです。 ・・・違いますか? |
| アンジェリーク: | ・・・でも・・・ |
| エルンスト様: | ・・・まだ駄目なようですね。 仕方ありません、それなら・・・。 皇帝が怖いというのであれば、私があなたを・・・ その、お守りします。 この命に代えても。 たとえどのような危険があなたに及ぼうとも、必ず守ってみせるとここに誓いましょう。 ですから、何も恐れることはありません。 あなたは、皇帝を倒すことだけを、考えていればいいのです。 信じて・・・いただけますね? |
| アンジェリーク: | エルンストさん・・・。 |
| エルンスト: | さあ、そろそろ帰りましょうか。 明日の闘いでは、全力を発揮していただきたいですからね。 部屋まで送ります。 行きましょう、アンジェリーク。 |
| エルンスト様: | ・・・アンジェリーク。 |
| アンジェリーク: | え・・・? |
| エルンスト様: | あの、少しお話ししたいことがあるのですが、・・・よろしいでしょうか? 美しい空だ・・・私がいつも見続けてきた宇宙が、再び戻ってきたのですね。 あなたに、ひとつお願いがあります。 ・・・この夜空を、瞳に焼き付けておいてほしいのです。 そして、私たちが守った宇宙が、こんなにも美しいものであったということを忘れないでください。 ・・・それにしても、あなたの活躍は、本当に素晴らしいものでしたよ。 困難を乗り越え、いっそう女王らしくなった姿を見られたことを、私は光栄に思っています。 新宇宙に帰ってからも、今と変わることなく、宇宙の発展に惜しみない努力を注いでください。 そうすればきっと、あなたの宇宙は、素晴らしい発展を遂げることでしょう。 できるならば、私もこの目でその過程を・・・あなたが宇宙を創造していく姿を見たかった。 幸福に包まれ、夢と希望にあふれるあなたの宇宙を傍らで見守りたかった。 ともに行けないことがもどかしい・・・! 私は、自分でも気づかないうちにここまで、あなたを・・・! あっ、いえ、その・・・ 今のは聞かなかったことにしてください。 この宇宙から離れることのできない私の・・・独り言だと、そう、思ってください。 私は、新宇宙には行けない。 この宇宙を離れることも許されない。 それを変えることは・・・誰にもできない。 ですから、私は決めました。 自分の一生の方針を。 共に歩んだ旅の中から、見つけたのです・・・。 |
| (アニメーション) | |
| エルンスト様: | 私は・・・宇宙を見続けます。 あなたのいる遠い宇宙を見守ることに・・・私はこれからの生涯を捧げましょう。 ・・・素晴らしい宇宙を創ってください。 そして・・・いつも・・・いつでも、あなたの宇宙を・・・いえ、あなたのことを考えているものの存在を・・・どうぞ忘れないでください。 |
| (エルンスト様独白) | |
| 宇宙が静けさを取り戻し、月日が流れましたが、私は、あの旅の日々を忘れることができません。 いえ、本当は・・・忘れてしまいたくないのです。 忘れることが、恐ろしくさえもある。 悩み、考え込んだこと。 悲しい出来事に衝撃を受けたこと。 そういう記憶すべてが・・・ 仲間と、・・・あなたと過ごし、気持ちを分かち合ったことを証明する、尊い想い出なのですから。 アンジェリーク・・・・私と共に見た夜空を覚えていらっしゃるでしょうか。 ときには、この宇宙のことを・・・私のことを、思い出してくださるのでしょうか。 私は・・・変わりません。 星々への憧れと同様に、遠いあなたに憧れ、今も空を見上げています。 そしていつも、いつでも祈っています。 あなたから幸福の二文字が失われぬよう。 いつか運命が、あなたとの再開を許してくれるよう。 本当に・・・愛しています。 私の・・・アンジェリーク・・・。 | |