県 内 の 探 鳥 地 案 内
このページでは、高知県内の探鳥地について紹介しています。
(1) 篠山 (宿毛市)
篠山(ささやま)は高知県宿毛市と愛媛県愛南町にまたがる県境の山で、
山頂の標高は1,065mです。足摺宇和海国立公園に含まれていて、山頂付近に
は四国では珍しいハリモミの天然林があります。また、山頂へ至る登山道の
途中のモミやヒメシャラの林の中にアケボノツツジやシャクナゲが生えてい
て、5月には美しい花が咲きます。登山口からは、登山道をゆっくり歩いても
1時間で山頂に着きますが、初夏にはこの森林の中でツツドリ、ホトトギス、
オオルリ、キビタキ、ヤブサメなどの夏鳥が歌声を響かせます。それに加え
て、留鳥としてアオゲラ、ミソサザイ、ウグイスなども生息しています。ま
た、山頂では宇和海の展望を望みながら、上空をアマツバメが飛び回る姿も
見ることができます。
篠山へは、宿毛市あるいは四万十市中心部から登山口まで車で約1時間です。
佐藤重穂
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佐藤重穂
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(5) 天狗高原 (津野町 旧東津野村)
天狗高原は、高知では数少ない草原の環境を持つところです。夏はホオアカやカッコウなど草原の鳥が見られ、国民宿舎「天狗荘」裏に広がる森では、コマドリ、キビタキ、オオルリ、ジュウイチ、アカショウビンなど高知の夏鳥が楽しめます。夜は、コノハズクやトラツグミなども声も聞かれます。冬になると南国高知といえども雪が舞い、チェーンやスタッドレス等冬用タイヤの装備が必須です。しかし、高知ではなかなか見ることができないアトリの仲間のマヒワやハギマシコ、年によりますがオオマシコも観察されています。
天狗高原周辺は、1年を通じて様々な鳥たちを楽しむことができる県内でも第1級の探鳥地といえるでしょう。
西村公志
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(6) 横倉山 (越知町)
横倉山は仁淀川の中流右岸にそびえる標高774mの山です。ハイキングコースが整備されていて、一年を通じて山歩きを楽しむことができます。尾根部にアカガシの天然林があり、隣町の佐川町出身の植物学者牧野富太郎博士が植物採集に通ったことで有名な場所です。
低山帯の森林に生息する野鳥が数多く見られ、夏にはホトトギス、アカショウビン、オオルリ、キビタキなどの夏鳥が、冬にはジョウビタキ、マヒワ、ミヤマホオジロなどの冬鳥が渡来します。アオゲラ、ミソサザイ、トラツグミ、ゴジュウカラなどが留鳥として季節を問わずにみられます。また、秋には上空をハチクマやサシバなどのタカ類が渡る姿も観察できます。登山口にある駐車場はタカ類の渡りの観察ポイントとして適しています。
高知市内から横倉山登山口まで、車で1時間あまりです。山麓には横倉山自然の森博物館があり、この付近の生物、地質、化石などについて学習することもできます。
佐藤重穂
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(7) 仁ノ (高知市 旧春野町)
仁淀川河口の左岸に位置する仁ノには、小松沼と呼ばれる池があります。この池と周辺の湿地は、水鳥の生息地となっています。以前は土佐湾沿岸でも一二を競う大規模な水鳥渡来地だったのですが、近年、池が半分くらいまで埋め立てられてしまったため、水鳥が少なくなりました。
冬にはマガモ、コガモ、ヒドリガモ、ヨシガモなどの多くのカモ類やオオバンなどがやってきます。池の周囲のアシ原にはオオジュリンやツリスガラなどの小鳥もいます。 小松沼の南側の県道脇の堤防の海側にある小さな池や仁淀川河口付近にも、カモ類やカモメ類が見られることがあります。
佐藤重穂
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(8) 瓶ケ森 (いの町 旧本川村)
霊峰石鎚山を見るのに絶好の瓶ケ森周辺は林道が整い手軽に山の鳥を見ることのできる場所でもあります。さすがに休日などは観光客も多く林道沿いではあまり出会えませんが、伊吹山などにすこし登るとそこはブナの森になりコガラやゴジュウカラなどが間近に姿を現してくれます。また林道沿いには瓶ケ森、東黒森といった2000m近い山々が並び、四国では珍しいホシガラス、カヤクグリなどの高山の鳥にあえる事もあります。ただし冬季は林道が閉鎖されます。
高橋 徹
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(10) 紅葉橋 (高知市)
高知市を流れる鏡川の中流に位置する紅葉橋,この当りは中州や両岸に広がる州で羽根を休める水辺の鳥を観察することができる。セグロセキレイ,カワセミ,コサギ等は通年見られ,冬にはヒドリガモ,コガモ,マガモ,カルガモ,ハシビロガモなどのカモ類が集まってくる。また両岸にある公園の潅木には,モズやキジバト,ムクドリなど小鳥の姿もよくみられる。
中西和夫
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(13) 石土池 (南国市)
南国市の十市パークタウンに隣接する石土池には、多くの水鳥が生息します。マガモ、コガモ、ハシビロガモ、ホシハジロなど、さまざまな種
類のカモ類が冬鳥として見られるほか、カイツブリ、バン、オオバンなども水面を泳いでいます。コサギ、カワセミ、キセキレイ、セグロセキレイなども留鳥として見られます。ミサゴがいることもあります。
住宅地のすぐそばで、散歩しながら気軽にバードウォッチングが楽しめる場所です。
佐藤重穂
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(14) 国分川河口 (高知市)
国分川は土佐山田町の新改川、南国市の奈路川などが合流して高知平野の北部を流れる河川で、久万川とともに浦戸湾の最奥部に流れ込みます。
この河口付近にはアシ原があり、夏にはアシ原でヨシゴイや、水辺でササゴイが魚を採っている姿が見られることがあります。冬には水面にマガモ、ヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロなどが泳いでいます。
春と秋には河口周辺の農耕地に、渡り途中のシギ・チドリ類が羽を休めていることがよくあるので、丹念に探すとよいでしょう。
佐藤重穂
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(15) 高知医大前「国分川」 (南国市・高知市)
高知医大前を流れる国分川は、1998年に発生した「98高知豪雨」により大規模に氾濫しました。このため、河川環境は一変し河川改修事業が進められていますが、これまでの河川工事とは異なり、多自然工法が多く採用されています。工事中は致し方ないとしても、工事完了後の自然環境の回復速度に注目しています。
この辺りではカワセミも繁殖し、堤防沿いのブッシュではホオジロ、モズなどが見られます。冬季にはチョウゲンボウもハヤブサ、オオタカなども姿を現す田園風景が展開します。川辺では、ヒドリガモやコガモもカルガモなども飛来し、セキレイの仲間などとともに賑わいます。
西村公志
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(16) 工石山 (高知市 旧土佐山村)
県民の森として親しまれる工石山は高知市から30分ほどで登山口に着ける身近な山の探鳥地です。標高も1000m余りなので四季を通じて登ることが出来ます。
登山道を歩いていて出会える鳥はオオルリ、ミソサザイ、コガラ、ヒガラ、キビタキと言った小鳥たち。遠くにはカッコウやツツドリの声も聞こえてきます。また空を見上げるとクマタカを見る幸運もあるかもしれません。なお、登山口には森林学習館がありますので立ち寄ってみると面白いでしょう。
高橋 徹
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(17) 物部川河口 (南国市)
物部川は高知・徳島県境の三嶺や石立山などの山地を源流部として、南西に向けて流れ下り、土佐湾へ注ぐ一級河川です。
物部川の河口付近の砂礫地は、夏にはコアジサシやイカルチドリなどの繁殖地となります。春と秋には渡り途中のシギ・チドリ類がよく見られます。左岸の吉川村の水田にシギ・チドリ類が渡来することもよくあるので、河口とあわせて観察するとよいでしょう。冬にはカモ類やカモメ類などが冬鳥としてたくさん渡来します。
このように、物部川河口では、水鳥を中心にして多くの野鳥の姿を一年を通じて観察することができます。
佐藤重穂
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(18) 安芸川河口 (安芸市)
安芸市の河川では、安芸川河口が野鳥にとって住み易い場所のようです。常時住み着いているのは、サギ類で、アオサギ、ダイサギ、コサギなどで、河口付近の小魚や昆虫を食べて生活をしているようです。多いときで30〜50羽程度観察できます。
また、秋から春にかけては、マガモ、カルガモ、コガモなどが渡ってきて、水草などを食べています。数は多い時で300羽程度です。
このところ、水が少なくなると中州が陸続きになり、犬などの天敵に襲われることもありますので、付近の池などで夜を過ごすこともあるようです。
門田喜作
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(19) 三嶺 (香美市 旧物部村)
三嶺は剣山国定公園にある標高1893mの山です。山頂付近の稜線部にはコメツツジの群落やササ草原があり、山麓部にかけてウラジロモミ林、ブナ林、モミ・ツガ林などが広がっていて、四国の中でもっとも原生林が残っている場所の一つです。
低山帯から亜高山帯にわたる森林に、多くの野鳥が生息しています。特に夏にはコルリ、コマドリ、メボソムシクイ、エゾムシクイなどが夏鳥として渡来し、カヤクグリ、ルリビタキ、ホシガラスなど、亜高山帯特有の鳥も見られます。稜線部のササ草原ではホオアカも繁殖しています。残念なことに、2000年ごろから移入種のソウシチョウが山麓部に生息するようになり、個体数を増やしているようです。
三嶺に登るには、西熊渓谷の光石、西熊林道、および白髪山の三箇所の登山口があり(そのほかに徳島県東祖谷山村から入る登山口もあります)、いくつもの登山ルートがあります。高知市内から登山口まで車で約2時間です。いずれのルートでも、登山口から山頂まで3〜4時間はかかります。登山用の地図やガイドブックを参照した上で、入山してください。なお、冬には積雪があり、野鳥も少なくなるので、バードウォッチングには適しません。
佐藤重穂
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