バードウォッチング入門



 このページは、初心者の方がバードウォッチングを始めるにあたり、なるべくお金の無駄使いをしないよう、「観察用具や図鑑の選び方」などバードウォッチングの基礎情報を紹介します。このページを参考にして、自分の使う双眼鏡や図鑑を選んでください。良い道具を正しく使えば、何年経っても使えますから、結局のところ“安い買物”になるはずです。
 とりあえず、双眼鏡と携帯できる図鑑、そして観察記録をつけるフィールドノート(メモ帳で良い)があれば、バードウォッチングは始められます。でも双眼鏡を購入するには、それなりの費用がかかりますので、購入前に観察会に参加されて、観察会に来られている方々にいくつか実物を見せてもらうのもひとつの手です。他の観察用具や図鑑についても、良いアドバイスが得られるはずです。
 高知支部の開催している観察会は基本的に一般参加ができますので、会員外の方の参加も全く問題ありません。「観察会のお知らせ」をご覧になって、ぜひ一度お越しになってください。


1.はじめに・・・

 野鳥たちは、私たちと共に地球上で生活し、地球上の様々な場所で生態系を構成している生き物のひとつです。彼らは、植物や昆虫、その他いろいろな生き物と密接に関わり合いながら生きています。私たち人間もこの生き物たちの関わり合いに深く関係し、自然の恵みを受けながら生活しています。
 そのため、野鳥たちのことを知り彼らをとりまく環境を守ることは、直接的ではないにしても、必ず私たち人間にとって生活しやすい環境を守ることに他なりません。

 近年、地球規模での環境破壊が叫ばれていますが、それを実感できる機会はなかなかありません。でも野鳥たちや彼らをとりまく環境を観察していると、彼らの姿の向こう側にその一端が見えかくれしているのがよく判ります。高知で観察できる野鳥たちは、330種類程あります。その中の約7割の野鳥たちは、いわゆる「渡り鳥」です。彼らは毎年、日本と日本以外の地域間を行き来しています。ですから、彼らを知り、注意深く観察することによって、世界の自然環境について何かを感じ、何かを得ることも少なくありません。

 ここ数年、日本で発生している集中豪雨などからも「何か、おかしい・・・」と感じておられる方も多いと思います。この機会にぜひ自分の足元にある高知の野鳥や自然に関心をもっていただき、それらの向こうにある現在進行形の環境破壊を実感してください。
「地球環境を知るには、まず自分の足元から・・・」です。


2.双眼鏡の選び方

よく新聞広告などで目にする「ズーム式で50倍・・・」なんていう文句に惑わされないこと。「高倍率」と聞くとよく見えそうに聞こえますが、バードウォッチングには使えないのが現実です。倍率が高いと双眼鏡で見える範囲も極端に狭くなるし、手ブレもひどくなります。ただ、キャノンの手振れ防止双眼鏡には、この話は当てはまりません。ちょっと重いけど、驚くほど手ブレを抑えてくれます。
対物レンズの口径が大きなほど、見える範囲も広く、明るく見えますが、どうしても重くなります。見やすさと持ち運びしやすさの兼ね合いからの結論です。
・コンパクトな双眼鏡(新しい“定番”になりつつあるクラスです・・・)
       ペンタックス UP8×25、UP10×25

       ツァイス ポケットグラス
       
ニコン トラベライト EX

・スタンダートな双眼鏡(いわゆる“定番機種”で愛用者が多い・・・)
       ニコン 8×30E U
                                     
・ちょっと大きいけど、見え味抜群の双眼鏡(お値段の方も良いです・・・)
       ツァイス 8×32 T* FL
       キャノン 手振れ防止双眼鏡 12×36IS
       ニコン モナーク
       コーワ BDシリーズ

※双眼鏡の倍率と対物レンズの口径の表示
双眼鏡の倍率、対物レンズの口径は、その機種名から判ります。例えば、「
ニコン 7×35・・」なら、「倍率が7倍で、対物レンズの口径が35mm」という双眼鏡だということを表しています。


3.野外で使う観察図鑑

 野外で使うには、ポケットやウエストポーチ、デイパック等に入る小型のものが基本です。書店にはいろいろな図鑑が並んでいますが、内容等を吟味すると、やはり下記のものにたどりつきます。

    最近リニューアルされた初心者用の図鑑の“定番”で、定価、各550円(税込)。
    日本野鳥の会、発行。薄くてポケットにもすんなり入る。
    身近な野鳥を中心に掲載する種類を厳選しているので、一部掲載されていない種類がある。

    国内で観察されたほぼ全ての種類と種別の分布図(日本を中心とした極東地域)を掲載。
    日本野鳥の会、発行。イラストで構成された図鑑で、定価3360円(税込)。

    写真で構成された図鑑。1種を複数枚の写真で紹介していて分かり易い。
    国内で観察されたほとんどの種類を掲載。種別の分布図も世界の分布図となっている。
    山と渓谷社、発行。定価3150円(税込)。


4.フィールドスコープ

 フィールドスコープとは、三脚に取付けて使う地上望遠鏡のことです。見通しの良い場所や水辺の鳥たちを観察する場合に威力を発揮します。倍率は、接眼レンズを交換することにより変えることができますが、一般に20倍から30倍程度のものが、多用されています。よく使われているメーカーとしては、ニコンとコーワが双璧です。 


    直視型と傾斜型の2つのタイプがあります。
    タイプ別に、大口径の「ED78」、「ED V」、「V」の3機種で構成されています。
    本体とは別に、接眼レンズも購入する必要があります。

    直視型と傾斜型の2つのタイプがあります。
    「TSN−820」、「TS−610」、「TS−500」等の機種で構成されています。
    本体とは別に、接眼レンズも購入する必要があります。