東京混声合唱団第176回定期演奏会プログラム

2000年10月16日(月) 19:00開演 カザルスホール
指揮:大谷研二

●バッハ・曲/シュネーベル・編曲
(曲:Johann Sebastian Bach/編曲:Dieter Schnebel)
コントラプンクトゥスT 〜「フーガの技法」より(1972〜1973)
Contrapunctus T
●タヴナー・曲
(曲:John Tavener 1944〜)
「十字架のヨハネ」と呼ばれるスペインの聖人の詩による  (1970)
Coplas
●武満 徹・作曲/瀧口 修造・詩
(曲:Toru Takemitsu 1930-1996)
手づくり諺 四つのポップソング (1987)
●若林 千春・曲
(曲:Chiharu Wakabayashi)
孔雀頌−とりせかい (1998/2000改訂)
●ヴェルレ・曲/カミングス・詩
(曲:Lars Johan Werle 1926〜)
木々 (1979/82改訂)
trees
●リードホルム・曲
(曲:Ingvar Lidholm 1921〜)
星はまた輝き (1973)
... a riveder le stelle

 シュネーベルの「コントラプンクトゥスT」は、第119回定期演奏会に岩城宏之さんの棒で演奏していますが、この曲を最初に持ってくるということは、ある演出が行われる可能性がありますね。前衛合唱曲(特にドイツ語圏の作品)のスペシャリストであるStuttgart Schola Cantorumでやったらしい演出を、前回の岩城さんの時もやりましたが、今回もやるのでしょうか? 楽しみです。曲はバッハのフーガの技法1番をボカリーズで歌うものですが、ソプラノ、アルト、テノール、バスが5人づつソプラノを前列にして5列に並び、あの有名なメロディが縦・横・斜め等、様々に音源の位置を変えて歌われます。それも、ボカリーズは、口を閉じたハミング、口を少し開いた「ユ」、さらに少し開いた「ウ」、さらに「オ」「イ」「エ」「ア」が加えられ、これらの基本音声は、さらに舌の位置によって多様化される仕組みになっています。(だから演奏は指示どおりの効果を出そうとすると非常に難しい) なおこの曲はオルガニストのGerd Zacherさんに捧げられています。
 タヴナーの「歌」は、1970年作曲ということで、この作曲家の初期の作品ですね。資料がないのでそれ以上詳しい事はわかりません。
 武満さんの「手づくり諺」はThe King's Singers の委嘱により作曲されたものです。
 若林さんの曲はちょっとわからないです。
 ヴェルレの「木々」は、1979年の初稿はシュプレッヒ・シュティンメが多用されたざわついた感じのある曲でしたが、1982年の改訂により、よりメロディアスに、ハーモニアスになり、すっきりしました。バリトン・ソロとカルテット、および合唱による編成で、バリトンソロが素敵に歌えないとなかな決まらない曲だといえるでしょう。なお、この曲はかなり昔ですが、NHKのFM放送で、エリクソン指揮によるスウェーデン放送合唱団の演奏が流されたことがあります。CDでも聴く事ができますね。
 リードホルムの「星はまた輝き」は、第127回定期演奏会で大谷さんの指揮で演奏されたことがあります。クラスターやハーモニーが美しい曲です。(前回は日本語の題名が歌い出しのテキストである「されどまた夜は来れり」となっていましたが、今回はオリジナルの題名を和訳したものになりましたね)