「草野球の窓」
2011年度 野球規則改正内容

2011年1月28日 日本野球規則委員会 発表

 2011年度の野球規則の改正が発表されました。今年度の改正点は多岐にわたるため、改正前後表を作成いたしました。改正内容の原文をご確認なさる場合は、こちら(PDF)をご覧下さい。

<改正前><改正後>
(1)1.04の22行目を次のように改め(赤字部を改正)、3.01(b) の「石灰」を「塗料」に改める。【競技場】
1.04 図表中のファウルラインおよび太線で示されている諸線は、しめりけのある石灰、またはチョーク、その他の白い材料で描く。 1.04 図表中のファウルラインおよび太線で示されている諸線は、塗料、または無害かつ不燃性のチョーク、その他の白い材料で描く。
3.01(b) 石灰、チョーク、その他の白色材料で引かれた競技場の諸線が、.... 3.01(b) 塗料、チョーク、その他の白色材料で引かれた競技場の諸線が、....
(2)1.04 野球競技場区画線(1)のコーチスボックスの前後のラインの長さを、「1フィート〜10フィート」に改める。【競技場】
10フィート(3m4.8cm) 1フィート〜10フィート(30.5cm〜3m4.8cm)
(3)1.06の冒頭を次のように改める。(赤字部を追加) 【競技場】
一塁、二塁、三塁は、白色のキャンバスバッグで表示し、巻頭2図に示すように地面に正しく固定する。 一塁、二塁、三塁は、白色のキャンバスまたはゴムで被覆されたバッグで表示し、巻頭2図に示すように地面に正しく固定する。
(4-1)1.10(a)および(b)を次のように改める。(赤字部を改正) 【バット】
(a) バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2インチ3/4(7.0センチ)以下、長さは42インチ(106.7センチ)以下であることが必要である。バットは一本の木材で作られるべきである。
(b) バットの先端をえぐるときには、....(略).... なお、この際、異物を付着して椀状にカーブさせたりしないで、バットの素材をえぐるだけでなければならない
(a) バットはなめらかな円い棒であり、太さはその最も太い部分の直径が2.61インチ(6.6センチ)以下、長さは42インチ(106.7センチ)以下であることが必要である。バットは一本の木材で作られるべきである。
【草窓注】本条項1.10(a)は、軟式野球には適用されません。
(b) バットの先端をえぐるときには、....(略).... なお、この際、直角にえぐったり、異物を付着させてはならない
(4-2)1.10(c)【原注】を追加する。  【バット】
【原注】パインタールが18インチの制限を超えて付着していた場合には、審判員は、自らの判断や相手チームからの異議があれば、バットの交換を命じる。制限を超えた部分のパインタールが取り除かれた場合だけ、打者は以後その試合でそのバットを使用することができる。
 バットの使用以前に指摘がなければ、本項に適合していないバットによるプレイはすべて有効であり、また、そのプレイについて提訴は認められない。
(5)
(プロ野球関連のため記載を略します。)
(6)2.44(c)を次のように改め(赤字部を改正)、【原注】を追加する。  【妨害の定義】
2.44(c) 審判員の妨害 (1)捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合、(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。 2.44(c) 審判員の妨害 (1)盗塁を阻止しようとしたり、塁上の走者をアウトにしようとする捕手の送球動作を、球審がじゃましたり、はばんだり、妨げた場合、(2)打球が、野手(投手を除く)を通過する前に、フェア地域で審判員に触れた場合に起こる。
【原注】捕手の送球動作には、投手への返球も含む。
(7)3.10(a)および【例外】
(アマチュア野球には適用されないため記載を略します。)
(8-1)4.01(a)および(b)の「監督」を「監督、または監督が指名した者」に改める。   【ボールデッド】
4.01(a) まず、ホームチームの監督が、球審に二通の打順表を手渡す。
4.01(b) 次に、ビジティングチームの監督が、球審に二通の打順表を手渡す。
4.01(a) まず、ホームチームの監督、または監督が指名した者が、球審に二通の打順表を手渡す。
4.01(b) 次に、ビジティングチームの監督、または監督が指名した者が、球審に二通の打順表を手渡す。
(8-2)4.01(c)として次を追加し、4.01(c)(d)を(d)(e)とする。  【試合の開始】
4.01(c) 球審は、受領した打順表の正本が副本と同一であるかを照合した後.......(後略)。
4.01(d) ホームチームの打順表が球審に手渡されると同時に........(後略)。
4.01(c) 球審に手渡される打順表には、各プレーヤーの守備位置も記載されなければならない。指名打者を使用する場合には、どの打者が指名打者であるのかを打順表に明記しなければならない。
4.01(d) 球審は、受領した打順表の正本が副本と同一であるかを照合した後.......(後略)。
4.01(e) ホームチームの打順表が球審に手渡されると同時に........(後略)。
(9)5.09(b)を次のように改め(赤字部を改正)、【原注】を追加する。  【ボールデッド】
5.09(b) 球審が捕手の送球動作を妨害した場合−−各走者は戻る。
【付記】捕手の送球が走者をアウトにした場合には、妨害がなかったものとする。
【注】捕手の送球によってランダンプレイが始まろうとしたら、審判員はただちに“タイム”を宣告して、走者を元の塁に戻す。
5.09(b) 球審が、盗塁を阻止しようとしたり、塁上の走者をアウトにしようとする捕手の送球動作を妨害した場合−−各走者は戻る。
【付記】捕手の送球が走者をアウトにした場合には、妨害がなかったものとする。
【注】捕手の送球によってランダンプレイが始まろうとしたら、審判員はただちに“タイム”を宣告して、走者を元の塁に戻す。
【原注】捕手の送球動作には、投手への返球も含む。
(10)5.10(f)【注】、6.05(a)【注】、7.04(c)【注】を削除する。  【ボールデッド】
5.10(f)【注】我が国では、正規の捕球の後、野手がベンチに踏み込めば、ボールデッドとし、各走者は野手が踏み込んだときの占有塁から一個の進塁が許される。
6.05(a)【注】我が国では、正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込んでしまえば、ボールデッドとする。
7.04(c)【注】我が国では、正規の捕球の後、野手がダッグアウトまたはボールデッドの個所に踏み込めば、ボールデッドとし、各走者は野手が踏み込んだときの占有塁から一個の進塁が許される。
( 削 除 )
(11)6.05(g)に次を追加する。   【打者アウト】
6.05(g) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、打者走者に触れた場合。 6.05(g) 野手(投手を含む)に触れていないフェアボールが、打者走者に触れた場合。ただし、打者がバッタースボックス内にいて、打球の進路を妨害しようとする意図がなかったと審判員が判断すれば、打者に当たった打球はファウルボールとなる。
(12)6.05(h)に次を追加する。   【打者アウト】
6.05(h) 打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
 これに反して、フェアの打球が転がってきて、打者が落としたバットにフェア地域内で触れた場合は、ボールインプレイである。ただし、打者が打球の進路を妨害するためにバットを置いたのではないと審判員が判断したときに限られる。
6.05(h) 打者が打つか、バントしたフェアの打球に、フェア地域内でバットが再び当たった場合。
ボールデッドとなって、走者の進塁は認められない。
 これに反して、フェアの打球が転がってきて、打者が落としたバットにフェア地域内で触れた場合は、ボールインプレイである。ただし、打者が打球の進路を妨害するためにバットを置いたのではないと審判員が判断したときに限られる。
 打者がバッタースボックス内にいて、打球の進路を妨害しようとする意図がなかったと審判員が判断すれば、打者の所持するバットに再び当たった打球はファウルボールとなる。
(13)6.06(d)【注】を追加する。   【打者反則行為】
6.06(d) 打者が、いかなる方法であろうとも、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるように改造、加工したと審判員が判断するバットを使用したり、使用しようとした場合。.....(後略) 6.06(d) 打者が、いかなる方法であろうとも、ボールの飛距離を伸ばしたり、異常な反発力を生じさせるように改造、加工したと審判員が判断するバットを使用したり、使用しようとした場合。.....(後略)
【注】アマチュア野球では、このようなバットを使用した場合、打者にはアウトを宣告するにとどめる。
(14-1)6.10(b)を(1)〜(15)にナンバリングする。   【指名打者ルール】
(記載省略) 6.10(b)
(1).......
(2).......


(15).......(改正後、最終的に(15)になる点に注意。)
(14-2)6.10(b)の冒頭を次のように改め(赤字部を追加)、【原注】を追加する。  【指名打者ルール】
6.10(b)(1)先発投手または救援投手が打つ番のときに他の人が代わって打っても、その投球を継続できることを条件に、これらの投手に代わって打つ打者を指名することが許される。
 投手に代わって打つ指名打者は、試合開始前に選ばれ、球審に手渡す打順表に記載されなければならない。
6.10(b)(1)先発投手または救援投手が打つ番のときに他の人が代わって打っても、その投球を継続できることを条件に、これらの投手に代わって打つ打者を指名することが許される。
 投手に代わって打つ指名打者は、試合開始前に選ばれ、球審に手渡す打順表に記載されなければならない。監督が打順表に10人のプレーヤーを記載したが、指名打者の特定がされておらず、球審がプレイを宣告する前に、審判員またはいずれかの監督(またはその指名する者)がその誤りに気づいたときは、球審は、監督に投手以外の9人のプレーヤーのうち誰が指名打者になるのかを特定するように命じる。
【原注】指名打者特定の明らかな誤りは、試合開始前であれば訂正することができる。(4.01(d)【原注】参照)
(14-3)6.10(b)(11)として次を追加する。  【指名打者ルール】
(11)監督が打順表に10人のプレーヤーを記載したが、指名打者が特定されておらず、試合開始後に、相手チームの監督がその誤りを球審に指摘した場合は、
(i)チームが守備についた後では、投手は、守備につかなかったプレーヤーの打撃順に入る。
(ii)チームがまだ守備についていないときには、投手は、そのチームの監督が指定した打撃順に入る。
 いずれの場合も、投手が置きかわったプレーヤーは交代したとみなされ、試合から退き、それ以後指名打者の役割は消滅する。誤りが球審に指摘される前に起きたプレイは、規則6.07により、有効となる。
(14-4)6.10(b)の末尾に(14)(15)として次を追加する。  【指名打者ルール】
(14)他の守備位置についていたプレーヤーが投手になれば、それ以後指名打者の役割は消滅する。
(15)指名打者は、ブルペンで捕手を務める以外は、ブルペンに座ることはできない。
(15)7.05(j)を削除し、7.04(e)を追加する。  【打者の進塁】
7.05(j) 1個の塁が与えられる場合・・野手が、帽子、マスク、その他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、投球に故意に触れさせた場合。この際はボールインプレイで、ボールに触れたときの走者の位置を基準に1個の塁が与えられる。 ( 削 除 )
7.04(e) 野手が帽子、マスク、その他着衣の一部を、本来つけている個所から離して、投球に故意に触れさせた場合。この際はボールインプレイで、ボールに触れたときの走者の位置を基準に1個の塁が与えられる。
(16)8.02(a)(1)に次を追加する。  【投手の禁止事項】
8.02(a)(1)投手が投手板を囲む18フィートの円い場所の中で、投球する手を口または唇につけること。 8.02(a)(1)投手が投手板を囲む18フィートの円い場所の中で、投球する手を口または唇につけること。ただし、投手板を囲む18フィートの円い場所の中であっても、投手板に触れる前に投球する手をきれいに拭けば、この限りではない。
(17-1)9.02(c)に次を追加する。  【審判員の裁定】
9.02(c) 審判員が、その裁定に対してアピールを受けた場合は、最終の裁定を下すにあたって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して、批評を加えたり、変更を求めたり、異議を唱えたりすることは許されない。 9.02(c) 審判員が、その裁定に対してアピールを受けた場合は、最終の裁定を下すにあたって、他の審判員の意見を求めることはできる。裁定を下した審判員から相談を受けた場合を除いて、審判員は、他の審判員の裁定に対して、批評を加えたり、変更を求めたり、異議を唱えたりすることは許されない。
 審判員が協議して先に下した裁定を変更する場合、審判員は、走者をどこまで進めるかを含め、すべての処置をする権限を有する。この審判員の裁定に、プレーヤー、監督またはコーチは異議を唱えることはできない。異議を唱えれば、試合から除かれる。
(17-2)9.02(c)【原注1】を追加し、【原注】を【原注2】にする。  【審判員の裁定】
9.02(c)【原注】 ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、.......(後略) 9.02(c)
【原注1】 監督は、審判員にプレイおよび裁定を変更した理由について説明を求めることはできる。しかし、いったん審判員の説明を受ければ、審判員に異議を唱えることは許されない。
【原注2】 ハーフスイングの際、球審がストライクと宣告しなかったときだけ、.......(後略)




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