日本→台北→台中→嘉義→阿里山


平成16年2月3日(火)

 名古屋空港より、台湾に向けて出発。台湾は久々である。一昨年、Mさんと一緒にインドネシアに行った帰りに立ち寄って以来だから、もう一年半になる。

 空港に行ってみて、ちょっと奇妙な事に気が付いた。ほとんどの出発便が、予定時刻より10〜15分ほど早く出発するのである。飛行機の出発が遅れることは良くあるが、出発が早まることは余りない。それが、ほとんどすべての出発便が出発時刻を繰り上げているのである。これは一体どういうことだろうか?でも、その理由は、飛行機に乗ってみてすぐに明らかになった。

 今回はキャセイ航空利用。機体はA330。搭乗率は半分ぐらいか。日本人よりも、台湾人や香港人の方が多かった。我々の便も、予定より15分早い、午後4時50分に出発。この時はまだ、早発する理由は分からなかった。乗客がみな早く乗ってしまったからかな、ぐらいに思っていた。

 いつも、日本−台湾間は西風が強いのだが、今日はとりわけ強かった。西風ということは、行きは逆風になるわけだが、余りに強い逆風のため、飛行機が全然前に進まない!どれぐらい強い風かというと、GPSの表示によれば、時速350kmもの逆風が吹いているである。飛行機の速さは大体時速900kmぐらいなので、この逆風のために、対地速度は時速550kmに落ちてしまう。名古屋を離陸してから一時間以上経っているのに、まだ四国と九州の間ぐらいまでしか進んでいない。ここまで強い逆風は、あまり記憶がない。出発便が軒並み早発していたのは、上空の強い西風で遅れが見込まれたので、それを少しでもカバーするためであったのである!なるほど、納得!

 この強風のせいで、台北までは4時間近くかかった。雲が低くまで垂れ込めていて、何も見えない中を中正国際空港に向けて降下。

「台北地方、悪天候ですが、着陸には支障ございませんので、どうぞご安心ください」

という、特別アナウンスがあったほどである!実際、GPSの表示を見ていても、高度200mでも周りはまだ霧の中。まあ、運を天に任せるしかない。

 結局、中正国際空港には無事着陸(だから今この旅行記が書けるのである)。気温は台湾にしては意外に低く、摂氏10℃であった。それに、割合強い雨が降っている。でも、もっと寒い日本から来たから(何しろ、岐阜は今朝、小雪が舞っていたのであるから)、寒いとは全く感じなかった。

 いつものように、空港バスで台北駅まで。その辺をふらついて、たまたまあったホテルに泊まる。昔は、安いがとんでもなく汚い駅裏の旅社によく泊まったものだが、最近は少しましな所に泊まっている。一泊1000元(約3200円)。部屋はまあまあ。部屋に置いてあったビスケットに、「ほラふのピタミソ」と書いてあったので笑いそうになった。意味不明。多分、「豊富なビタミン」と言いたいんだろうとは思うけどねー。


平成16年2月4日(水)

 朝、バスで友人のLさんのいる台中に向かう。平日割引で片道200元。乗客は数人しかいない。中国大陸に留学していたという中国語ぺらぺらの日本人の女の子2人組とか、やはり中国語ぺらぺらの韓国人の女性とか、私も含めて、バスの乗客はどういう訳かほとんど外国人であった!

 台中までは2時間半かかった。台中の中清路バス停で降り、Lさんの店まで歩いて行く。今年の台湾は意外に寒く、日本の冬服でちょうど良いぐらいである。昨日着いた時は、そんなに寒いとは思わなかったが、もう今日は台湾の気温に慣れてしまったらしく、結構寒いなあ、と思い始めた。人間とはすぐに変わるものである。

 Lさんの家で少し休んで、午後からLさんの案内で、集集地震(台湾中部地震)の震源地を見に行く。以前、崩れたダムや倒壊した小学校は見に行ったことがあるが、震源地そのものは最近まで公開されてなかったらしい。Lさんの車で1時間余りで到着。ただ、震源地は山の中にあって、車が山道を登って行くと、あたりは濃霧に包まれ、全く何も見えない。「ここが震源地です」と言われても、視界ゼロでは何が何だか分からない!

集集地震(台湾中部地震)の震源地を見に行くも、濃霧で何も見えず。

山上の売店小屋。

 帰りに、近くの通称「磁力小屋」を見に行った。写真は以下の通り。私だけなら演技と思われるかもしれませんが、左後方にいる他の3人もやっぱり私と同じように右に傾いているでしょう!

世にも不思議!?すべてが右に傾く通称「磁力小屋」。

 台中のいつも泊まるホテルに今日も宿泊。明日、Lさんと阿里山に行く予定。阿里山と言えば、日本統治時代に木材の運搬のために作られた森林鉄道が有名である。Lさんに、鉄道で行きたいとリクエストしておいた。


平成16年2月5日(木)

 朝、Lさんの娘さんの運転する車で、阿里山のふもとにある嘉義に向かう。天気は相変わらず良くない。しかし、Lさんは、「下が天気が悪いときこそ、山の上では雲海がきれいに見えるはずだ」と言っていた。台中から1時間余りで嘉義に到着。Lさんは実は嘉義の出身ということもあって、市内の道は隅々まで知っているようであった。ここで、嘉義名物の「火鶏肉飯」の昼食。なかなか豪勢な昼食となった。

嘉義名物の「火鶏肉飯」で豪華昼食。

 昼食の後、北門駅まで。ここで車を降りて、阿里山森林鉄道に乗車。午後1時37分発の列車で、阿里山に向かう。レジャーシーズンは切符が買えないほどの人気振りらしいが、今日は冬の平日ということで、乗客はまばら。

北門駅より、阿里山森林鉄道に乗車。

同上。背後より列車が入って来た。

阿里山森林鉄道の車内。

 列車は北門駅を出発したが、その速度の遅いこと遅いこと。横をミニバイクが走り抜けて行く。ミニバイクに負けるとは、こりゃ、相当遅いぞ。竹崎駅を過ぎると、列車は山の中に入って行く。平地でも遅いのに、登りになると更に遅い。ガタコン、ガタコン、ゆっくりと山を登って行く。程なくして、霧の中に入った。全く何も見えない。

また濃霧で何も見えず...

 標高500m付近で、独立山の3重ループ。螺旋状に3回ぐるぐると回りながら山を登って行く。それを抜けると、霧が晴れて、雲の上に出た!眼下に雲海が見える景色はすばらしい。でも、一つ問題は、雲は一層ではなく、何層にもなっているということである。せっかく一つの雲の層を抜けたのに、上を見上げると、別の雲の層が控えている。うーん、果たして明日の日の出は見られるだろうか?

眼下に雲海を見る。

 標高1000mまで登り、阿里山発嘉義行きの下り列車と行き違うため、交力坪という駅で数分停車。私もホームに降りて、しばし外の空気を吸う。少しばかりひんやりとする山の空気だが、思ったほど寒くない。これなら、山上でもそれほど寒くはないかもしれない。

下り列車とすれ違うために、交力坪駅に停車。

同上。

 交力坪駅を出発し、更に山の中に入って行く。低地では椰子の木に似たビンロウの林やバナナの木が多かったが、だんだん竹林が増えてきた。そのうち、針葉樹が混ざり始めた。その境界あたりでは、バナナの木の隣に背の高い針葉樹が生えているので、ちょっと奇妙な風景であった。

 列車はぐんぐん急勾配を登り、標高1400m地点の奮起湖駅に到着。ここは、名物駅弁で有名。Lさんが気を利かせて、弁当を買ってくれた。一つ80元(約260円)。奮起湖駅を過ぎると、二つ目の雲の層に突入。これはすぐに通過。再び視界が開ける。でも、上には三つ目の雲の層が見える!

急勾配のため、列車はぐんぐん高度を上げる。現在、標高1400m。

奮起湖駅名物の弁当を売るおばあさん。

これがその名物弁当。一つ80元(約260円)。

蓋を開けると、この通り。

 更に登っていくと、林は全て針葉樹ばかりとなる。ここからはいくつも連続するスイッチバックで急坂を登って行く。方向転換点の度に、車掌が線路上に降りて、手動でポイントを切り替えている。この辺りから、三度目の雲の層に入ったらしく、再び霧で何も見えなくなる。

 午後5時過ぎ、4時間弱かかって、やっと阿里山駅に到着。以前の駅が台湾中部地震で壊れたため、今は仮設の駅を使っている。乗客はほとんどここで降りてしまったが、Lさんが阿里山閣ホテルというホテルを予約していたので、あと一駅、終点の沼平駅まで続けて乗車。

 5分ほどで沼平駅に到着。標高2200m地点。辺りは案の定、濃霧に包まれていた。これでは、明日の日の出は見られるかどうか分からない。

阿里山上は、案の定、霧の中。果たして、明日の日の出は見られるや?

 駅を降りると、ホテルから出迎えが来ていた。ホテルは歩いてすぐ。外から見ると、なかなか立派そうに見えたが、中の造りはまあまあ。暖房もない。冷水は常時出るが、温水は時間給水。でも、山の上のホテルだから、不便なのは当たり前。文句を言ってはいけない。

 普通の観光客は、早朝の列車で祝山駅まで行って日の出を見るのだが、我々のホテルは、日の出を見るのにもっといいポイントまで車を出してくれるのだそうだ。一人300元。明日、朝5時にモーニングコール。このホテルは面白い。阿里山に来る観光客は皆、日の出を見に行くのが普通なので、何も言わなければモーニングコールがある。モーニングコール不要の人だけ、フロントに連絡するのだそうだ。

宿泊した阿里山閣大飯店。


 


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