(タイ)→ミャンマー→ベトナム


12月22日(金)

 ドンムアン空港はさすが24時間空港だけあって、免税店も両替所も一晩中開いていた。免税店では、売り子が万引きをしないか、経営者が徹夜で見張っている。午前6時に売り子が交代したが、退勤する売り子を一人一人ボディーチェックしている。

 8:40発のTG303便でヤンゴンまで行く。現地時間の9:30着。日本と2時間30分の時差がある。気温は35度もある。寒いネパールから一気に真夏のミャンマーに来た。

 ミャンマーは人がいいと聞いていたが、「ほんまかいな?」と、やや疑っていた。ところが、実際に来てみると、入国審査官がみなニコニコの笑顔でビザをチェックしている。この後の旅行でもそうであるが、大体にして、ほとんどのミャンマー人はすれていない、いい人々であった。

 個人でミャンマーに旅行する場合は、入国に際して200ドルの強制両替をしなければならない。しかし、滞在期間が短いことを主張すれば、100ドルに負けてもらえるとも聞いていた。それで、何としてでも負けさせようと思っていろいろと言い方を考えていた。いざ銀行に行くと、「滞在日数は何日ですか」と聞かれたので、すかさず、「4日間です」と答えると、「じゃあ、強制両替は100ドルでいいです。ただし、5ドル手数料を戴きます」と来た。な〜んだ、折角いろいろと想定問答をして準備してきたのに、あっけなく100ドルになってしまった。でも、手数料5ドルはあまりうれしくない。

 かつての中国の外貨兌換紙幣そっくりのお札が渡された。これはFECと呼ばれるお金で、ホテルや交通機関での支払いに、ドルと同様に使えるが、ミャンマーの現地通貨チャットとは異なるお金である。つまり、ミャンマーでは、外国人は、ドルの現金、FEC、チャットの三種類のお金を使い分けなければならない。また、建前上、FECとチャットはドルに再両替できないということになっている。

 タクシーで市内まで3ドル。5ドルのFECで払うと、2ドルの現金でおつりが返ってきた。これはいい。FECはドルに再両替できないことになっているが、お釣りをドルの現金でもらえれば、そのうちのいくらかは回収したことになる。

いかにも人の良いタクシードライバー。

 タクシーの運ちゃんが勧める中級のホテル、Hotel Beauty Land 2 に泊まる。一泊10ドル。ホットシャワー、冷房付き。しかも、朝食込み。ヤンゴン市内の33rd street にある。駅のすぐ近くで、立地も良い。ホテルのフロントの人々も、みな親切である。

 ホテルで20ドルをチャットに両替し、6400チャット。多分、余りレートは良くないのであろうが、まあいいことにしよう。

 昨晩、空港の椅子で一晩を明かしたので、寝不足である。昼から少し眠ってしまった。

 夕方、市内を見に行く。絵葉書25チャット。日本までの切手は30チャットらしいが、郵便局が閉まってしまっていたので、路上の切手売りから買う。30チャットの切手を35チャットで売っている。明日から土日になるし、その後クリスマスで祭日だから、明日から郵便局は3連休である。馬鹿らしいが、30チャットの切手を35チャットで買った。それにしても、仏教国ミャンマーで何でクリスマスが休日なのだろうか。

 夕食焼き飯で200チャット。みかん10個で200チャット。ミネラルウォーター50チャット。


12月23日(土)

12月23日(土)  今日は、日帰りでバゴーに行くことにした。巨大寝仏のあるところである。フロントで行き方を聞くと、バスターミナルまで行って、そこからトラック改造の乗合ミニバスに乗って行くらしい。

 タクシーでバスターミナルまで300チャット。そこから軽トラック改造の乗合ミニバスでバゴーまで100チャット。約2時間かかった。途中、小さな村をいくつも通過するので、乗っていて面白かった。時々、パゴダの前を通過するのだが、そのたびに乗客の何人かがパゴダに向かって合掌をする。それも老人だけではない。若い人もバスの中で合掌するのである。ミャンマー人の信心深さには心を打たれた。

バゴーまでは軽トラック改造の乗合ミニバスで行く。

 昼前にバゴーについて、まずシュエターリャウン・パゴダに巨大寝仏を見に行く。入場料2ドルだが、他のパゴダにも有効な1日券を買って6ドル。ここでも10ドルのFECを出して、4ドル現金でお釣りをもらう。カメラ持ち込み料50チャット。中に入って、寝仏の巨大さには驚いた。何しろ、長さが55mもある巨大な寝仏像なのである。

バゴーにある、長さ55mの巨大寝仏像。

 その後、マハゼディ・パゴダ、シュエモード・パゴダ、ヒンダゴン・パゴダなどを見て回る。ヒンダゴン・パゴダでは、花を100チャットで買って献花した。

バゴーからヤンゴンに戻る列車の中で。

 帰りは、汽車で帰ってきた。ヤンゴンまで2ドル。17:45バゴー発、20:00ヤンゴン着。

 今日の昼食はカレーで200チャット。夕食は中華どんぶり265チャット。ミャンマーはインド文化と中国文化のちょうど交わるところらしい。インド料理と中華料理のどちらも食べられる。

ミャンマー人は日焼け止めのおしろいを塗っている。


12月24日(日)

 朝からヤンゴンの市内観光。まず、ボータタウン・パゴダに行く。総鏡張りのピカピカのパゴダ。しかし、ここの靴預かりはいけない。パゴダに入るには、靴を脱がなければならないので、どこのパゴダでも靴預かりがいるのである。大体は無料、払うにしても、5チャット程度のチップでいいはずだが、私が参観を追えて靴を取りに戻ってくると、200チャットを要求してきた。払わなければ靴を返さないと言う。そんなわけで、靴預かりのおばさんと大げんかする。最後に写真をとる振りをして、「今から警察に行く」と言うと、このおばさん、急に顔色が変わって靴を返してきた。ミャンマーにも、ごく少数だが旅行者の足元を見る連中もいるのである。

 それから、カンドージー湖を見に行き、水族館も見る。入場料わずかに5チャット。近くの食堂で昼食。ちょっと高級なところに入りすぎた。大した食事でもないのに、605チャットもとられた。腹ごしらえがすんだので、シュエダゴン・パゴダに行く。入場料5ドル。まあまあ面白かった。その後、チャウッダッジー・パゴダに寝仏を見に行った。バゴーの寝仏と同じぐらい巨大な寝仏像である。チャウッダッジー・パゴダに行くのに市バスに乗ったのだが、それが釜山の市バスのお古であった。車内の表示などはハングルのままになっていたのが笑える。

シュエダゴン・パゴダにて。

 今日の観光の最後に、動物園に行った。入場料5ドル。ここでも、10ドルのFECを出して、5ドル現金でお釣りをもらう。

 動物園を見た後、屋台でヒモンガーを食べるが、魚臭くて余りおいしくなかった。

ヒモンガーの屋台。

 夕方、市内でFECをチャットに追加両替をした。1ドル=320チャットで、ホテルでの両替とレートは同じであった。もう少しいいレートで替えられるかと思っていたので、ちょっとがっかり。パパイヤ150チャット。


12月25日(月)

 今日はもうミャンマーを後にして、ベトナムに向かう日である。わずか2週間の日程で、ネパール、ミャンマー、ベトナムの3カ国を回ろうと欲張るから、駆け足になってしまうのである。でもまあ、いいであろう。世界中の国々をまず駆け足で一通り回ってから、気に入った国はまたじっくり訪れればよい。

 空港まではタクシーで行く。600チャット。空港税10ドル。これでちょうどFECを全て使い切った。

 TG304便でバンコクまで行く。バンコクで2時間ばかり待って、ハノイ行きのAF172便に乗り継ぎ。同便は、エールフランスのパリ発バンコク経由ハノイ行きである。パリからの到着が少し遅れたが、バンコクを定刻に出発。午後4時にハノイに到着。

 入国手続き自体には特に問題なかったが、入国審査官は全く無愛想であった。ミャンマーとは全く違う。空港内の銀行で50ドル替えて、約76万ドン。1円=130ドンのレートである。空港から、ミニバスで市内まで。22000ドン。

 市内までは、結構遠かった。どんよりと曇っていたこともあるが、ハノイは町並み自体が沈んだ感じの灰色の町であった。少し前の中国に良く似ている。とにかく、タイやミャンマーのような熱帯特有の明るさがない。ホーチミンなど、南に行けばまた感じも違うのかもしれないが、とにかく、ハノイは沈んだ感じの陰気な町であった。そのくせ、道は自転車とバイクの洪水。いや、「洪水」などというものではない。自転車とバイクの「濁流」であった。しかし、ただ交通が乱雑なだけで、そこには活気のようなものが感じられない。

 市内に向かう間、隣に座っていたアメリカ人がしきりに話し掛けてくるのでうるさい。前に来たときにハノイで荷物をナイフで切られて中身を抜かれたとか、ホーチミンで誘拐犯がお母さんの手から赤ちゃんをさらっていくのを、それも全く同じところで二度見たとか、そんな話ばかり延々とバスの中で演説をはじめた。アメリカ人の相手をするのは疲れる。

 市内に入ったところで、我々の目の前で車同士が衝突。前の席に乗っていた日本人の女の子たちが「やった〜」と手をたたいて喜んでいる。この人たちも私と同じエールフランスに乗っていたのかと思いきや、実は、香港からベトナム航空で来たらしい。

 市内の適当なところで降りて、適当に歩いて見つけたホテルに泊まる。一泊10ドル。割といい部屋であった。夕食は鶏肉の入ったおかゆで5000ドン。ミネラルウォーターのペットボトル大が7000ドン。ホテルの向かいのインターネットカフェに行く。

 明日からハロン湾1泊2日のツアーに参加することにして、ホテルで手配を頼む。16ドル。


  


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