日本→シンガポール→ギリシャ


平成11年3月18日(木)

 朝7時15分の快速で米原に向かう。米原で新快速に乗り換えて、大阪9時45分着。大阪駅9時53分の関空特快で10時52分関西空港着。

 空港で800ドルと500ドイツマルクを購入。12時発のシンガポール航空機で出発した。いつものことながら、沖縄付近の気流が悪く、かなり揺れた。シンガポールまで6時間、現地時間の午後5時半に到着。

 アテネ行きまで待ち時間があるので、無料のシンガポール市内観光ツアーに参加。エジプトに行くという日本の某大手旅行会社の団体ツアーと一緒だった。団体ツアーならば専用車を用意すればよいと思うのだが、一般の無料ツアーに混ざって市内観光をするとは、経費節減だろうか。せこい事をするものである。

 無料市内観光ツアーは午後7時に空港を出発、市内をぐるっと回り、例のマーライオンなどを見て、最後に川下りをして、空港に戻って来た。

シンガポールの夜景。

 チャンギ空港には、インターネットルームもある。前に来たときには、中華航空で来たためにターミナル1に着いたので、インターネットルームを見つけられなかった。今回はシンガポール航空で来たのでターミナル2に着いたから、降りてすぐのところがインターネットルームであった。30分使って4S$。

 アテネ行きは22時50分発。それまでロビーで待つ。待合室には、ひげを伸ばし、中世の哲学者のような服を着た人が5〜6人いたのでびっくりした。


3月19日(金)

 シンガポールからアテネまではノンストップで約12時間かかった。現地時間の午前4時30分、アテネ空港に到着。

 まず1万円両替して、約24000ドラクマ。92番バスが空港から市内まで行くようである。同じバスが、市内から空港行きのときは91番と番号を変えるようである。

 空港前のバス停で、始発のバスを待っていると、やはり今来たばかりと思われる日本人のおばさん連れ二人に出会った。聞くと、今から駅まで行くという。私も駅まで行くので、とりあえず同じバスに乗り込んだ。

 このおばさんたちも私と同じシンガポール航空で来たのかと思って聞いてみると、そうではなくて、成田からブリティッシュエアーでロンドンまで行き、そこで乗り換えて、やはりブリティッシュエアーでアテネ入りしたという。

 92番バスで終点まで行き、そこから歩いて駅に向かった。そのおばさんの二人連れが、ガイドブックの地図と実際の街路名とを、十字路ごとに確かめながら進むので面白かった。

 そのおばさんたちは、カランバカというところにある奇岩を見に行くらしい。何でも、そびえ立った岩山の山頂に修道院があり、世界遺産にもなっているらしい。アテネからカランバカに行くには、まずラリサというところまで行き、そこからバスでトリカラというところまで行って、さらに乗り換えるらしい。

 私の方は、アルバニアに行くためにイオアニナを目指しているのだが、イオアニナもトリカラからバスで行くのだそうだ。実は、私はガイドブックを持っていないので何も分かっていなかったのであるが、このおばさんたちがガイドブックを見て、イオアニナへの行き方を調べてくれたのである。すると、私とこのおばさんたちとは、偶然にも途中まで同じルートである事が分かったのである。

 とにかく、トリカラまで二人のおばさんたちと一緒に行く事にした。二人とも、見た感じ50才台でありながら、私よりも小さいリュックサック一つだけをひょいと担いで、バリバリのバックパッカーをしている。これで、東南アジア、インド、ネパール、パキスタン、南米、トルコやモロッコを踏破して来たらしい。ミャンマーのぼろバスで2泊3日行ったり、野宿しながらインドを旅したり、いやはや、話を聞いてこちらも全く脱帽しました。うちの母親と余り変わらない年齢でこんな旅行をするんやからね。それでいてヨーロッパには行ったこともなく、今回のギリシャが初めてのヨーロッパだと言うから、恐れ入りました。

 とにかく、列車でラリサまで行かなければならない。ラリサまでの切符は2450ドラクマ。アテネを出てすぐに雪景色に変わり、一同びっくり。北上するにつれて雪はさらに深くなり、積雪50cmを越えてきた。こっちはいつも通りサンダル履きやし、今からこれでは、先が思いやられる...

ギリシャは大雪。

 ラリサには、1時間近く遅れて、午後2時に着いた。やっぱり雪が積もっている。サンダルでは歩きにくい。トリカラに行くのは明日にして、おばさんたちと市内をあちこち歩いてホテル探し。途中でサンドイッチを食べる。市内を歩いてみて、おばさんたちは、

「ある程度予想はしていたことだけど、ギリシャはやっぱり先進国!」

と言っていたが、私も同感であった。

 結局、駅前のホテルが一番安いことが分かった。いかにも頑固そうなおやじのいるホテルが一泊4000ドラクマ。約1400円ということになる。シャワー・トイレ共同である。おばさんたちはツインを二人で使うから一人当たり2000ドラクマだが、私はツインを一人で使うので4000ドラクマになる。すると、親切にも、

「ツインルーム二つを三人で使ったと解釈して、私たちが2500ドラクマ×二人、あなたが3000ドラクマということにしませんか」

とおばさんの一人が言ってくれた。

「私はありがたいですが、いいんですか?」

と聞くと、

「いいですよ」

と言う答えだったので、ありがたく御好意に甘えることにした。要するに、私のホテル代のうち、1000ドラクマおばさんに出してもらったことになる。えらい親切なおばさんである。

 おばさんたちは、明日朝一に出かけると言っていたので、私はゆっくり寝ていますから、どうぞ先に行ってください、と伝えておいた。


3月20日(土)

 起きたら、朝8時だった。おばさんたちは、もう出かけたようである。私も遅れ馳せながら出発。駅前の太い通りを1kmほど行ったところがバスターミナルである。

 トリカラまで1200ドラクマ。9時半のバスで、10時半着。ここから、イオアニナまでのバスが午後3時までないので、4時間半も待たねばならなかった。それまで市内を見たりして時間潰し。ちなみに、イオアニナを現地の人たちは「ヤナーニャ」と聞こえるような発音をしている。

 イオアニナ行きバスは、午後3時ちょうどに発車。カランバカを経由して、イオアニナに向かう。カランバカに近づくと、前方に例の世界遺産になっている奇岩が見えた。

 カランバカまでは雪は比較的少ないが、ここを過ぎると急に雪深くなる。スキー場もあるらしい。ギリシャと言うと暖かいエーゲ海を連想するかもしれないが、実は、ギリシャの大部分は寒い山がちの地形なのである。

 バスは、険しい山道を走る。積雪している上、霧も出てきて、大変危ない。

 イオアニナには、午後6時半に着いた。バスターミナルの近くの食堂で夕食をとり、近くのホテルに泊まる。5000ドラクマというところを、4000ドラクマに値切って泊まった。ここも、トイレ・シャワー共同。昨日のところと同じく、暖房が十分にないので寒い。


 


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