日本→マレーシア→モーリシャス→マダガスカル


平成17年8月5日(金)

 今回は、関西空港からの出発。まずマレーシアまで行き、そこで乗り継いで、 南インド洋のモーリシャスまで行く予定。マレーシア航空のMH51便に搭乗。 本日、機内の乗客はちらほら。目の子で数えて、定員の2割ぐらいか。 こんなに空いていては、マレーシア航空は大赤字ではないだろうか。

 MH51便は、5時間弱で、ボルネオ島のコタキナバルに着陸。ここで1時間 止まる。ここで大勢乗り込んできて、日本からがらんがらんで来た我々の 飛行機は満席となった。再度離陸してクアラルンプルを目指す。コタキナバル からクアラルンプルまでの飛行時間は2時間。

 本日はクアラルンプルで一泊。

ボルネオ島を経由してクアラルンプルまで。コタキナバルの空港。


平成17年8月6日(土)

 午前10時発の、モーリシャス航空MK647便でクアラルンプルを出発。 この便は、シンガポールを経由して、モーリシャスまで行く。 1時間でシンガポールに到着。そこで1時間止まって、12時に シンガポールを出発。モーリシャスまで7時間のフライト。 スマトラ島を横切った後は、モーリシャスまで、ずっとインド洋の 上を飛んで行く。

 モーリシャスには、現地時間の午後3時過ぎに到着した。 シンガポールとの時差4時間。入国は簡単。税関も素通り。

 去年の8月は、フィジーなど南太平洋を旅行していた。日本の夏は 南半球の冬である。そのために、去年の夏の旅行の時は、フィジーや トンガでは寒くて少々困ったのであった。地図を見る限り、モーリシャス の緯度はフィジーと同じぐらいなので、今の時期は意外に冷えるのでは ないかと考えて、今回は少し厚着をして来た。しかし、降り立った モーリシャスは気温が23℃もあり、暑くも寒くもない、ちょうど良い 気候であった。しかも、それほどじめじめしていない。きっと乾季なの だろう。これなら、夜も良く寝られそうだ。

 まずはともあれ、空港内の銀行でチェンマネ。いくら換えるか少し迷った が、60ドル換えることにして、1722ルピー。ということは、1ルピーは 約4円ということになる。  モーリシャスの首都はポートルイスであるが、島の北の方にあって、空港 からは結構遠そうである(空港は島の南端にある)。それで、空港から一番 近い、マヘブルグという町に泊まることに決定。空港を出ると、タクシー ドライバーたちから声をかけられたが、無視して空港前の道路に出、 そこからバスに乗る。バスはすぐに来た。マヘブルグまで14ルピー。 ということは、わずかに50円だ。空港前にいたタクシーは、マヘブルグまで 12ドルと言っていたから、バスで行って正解。

 車窓からは、のどかな田園風景が広がるのが見える。道の両側は さとうきび畑である。住民はインド系が多く、このバスに乗っているのも インド系とおぼしき人々が多い。この他、フランス系の白人と、華僑らしき 人々もいる。インド系が多いにもかかわらず、フランス系の白人が幅を 利かせているらしく、モーリシャスで一番良く通じる言葉はフランス語 である。英語を話す人もいるにはいるが、片言の域を出ない。しかし、 フランス語は皆流暢である。街を歩いていると、インド系住民と華僑系住民 とがフランス語で立ち話をしている光景に出くわしたりする。

南国モーリシャスに到着。マヘブルグまで市バスで行く。

 さて、程なくしてバスはマヘブルグに到着したが、ホテルなどあるのか ないのか。道端でパンを売っている人に聞く。

「あのー、この辺にホテルはありますか?」

「何、ホテルじゃと?ホテルなど泊まらずに、この道を行って最初の角を右に 曲がり、そこから4つ目の十字路のところにある何々さんは私の友達だから、 そこに泊めてもらえ。」

変な答えだ。それで、また、別の人に聞く。

「あのー、この辺にホテルはありますか?」

「何、ホテルじゃと?マヘブルグにホテルはない。あるのは、海辺のバンガロー だけじゃ」

バンガローでもなんでも良い。とにかく、泊まれればよい。それで、海岸の 方に歩いて行った。途中の店で、店番をしている人に聞く。

「あのー、この辺にホテルはありますか?」

「何、ホテルじゃと?あるともあるとも。5つ星の超高級ホテルから、格安の ホテルまで、マヘブルグには各種ホテルがそろっておる。」

何だこの答えは??さっきの別の人の話では、マヘブルグにバンガロー以外の ホテルはないのではなかったのか??さっぱり分からん。

「わしは、ホテルのオーナーじゃ。さてさて、君は、一体いくらのホテルに 泊まりたいのかね?」

何で、このおっさんがホテルのオーナーなんだ。このおっさんは雑貨屋の主人 だろうが。それとも、自分の家で民宿でも経営していると言うのか?

「できれば安いホテル」

「だから、君はいくらなら泊まるつもりだ」

これは怪しい。自分の経営する民宿に、高く泊まらせようとしているのではないか。 その店は出て、また別の店で聞く。

「あのー、この辺にホテルはありますか?」

「あるよ。この道をまっすぐ10分ほど歩くと、ホテルオリエントというホテルが あるよ。一泊20ドルぐらいかな。」

これが一番まともそうな答えである。それを信じて歩いていく。途中、工場のような ものがあって、警備の人がいる。その人に聞いてみる。

「あのー、オリエントホテルって言うホテルは、この道を行けばいいんですか?」

「そんなホテル、聞いたこともないなあ。」

その人は、工場の人々数人にも聞いてくれたが、オリエントホテルを知っている人は だれもいなかった。こんな田舎町で誰も知らないとは、きっと、オリエントホテルなど 存在しないに違いない。

「オリエントホテルでなくてもいいから、どこか泊まれるところを探しているんですが」

「おお、そうだっか。それならあるともあるとも。その向かいの食堂がホテルも兼ねて いるよ」

それで、向かいの食堂に行って聞いてみる。

「すみません。ここの食堂はホテルも兼ねていると聞いたんですが、今晩泊まれますか」

皆に、くすっ、と笑われてしまった。

「ここはこの通り、食堂ですよ。泊まるところではありません」

もう、ここの国はどうなっているんだ!誰に聞いても、まともな 答えが返ってこない

「どこか、この辺に泊まれるところはありませんか」

「あるともあるとも。この道をまっすぐ行って4つ目の角のところに、ペンション・ソレイユ があるから、そこに泊まったら」

ほんまかいな??もうこれでだめだったら、今からポートルイスまで行って泊まることにしよう。 てくてくと歩いて行く。行ってみると、そこは、雑貨屋であった。雑貨屋の中から、中国系と おぼしきハゲ頭の親父が出てきて、

「君、うちに泊まりたいのかね」

「泊まれますか?」

「もちろん。」

見上げると、雑貨屋の上に、「Soleil Levant Pension de Famille」とフランス語で書いて あった。これで、何とか、今晩の宿は確保できそうだ。

 ハゲ親父は、私を2階に案内した。意外に小奇麗にしてある。部屋は小さくて、ベッドと小さな テーブルだけしかないが、まあいいだろう。トイレとシャワーもよく手入れされており、キッチンで は自炊もできる。

 しかし、ハゲ親父の提示してきた値段は、ちょっと高かった。一泊500ルピー。共同トイレ、 共同シャワーでこれは少し高いなあ。どうせ、シャワーと言っても冷水しか出ないだろうし。 私は、一泊300ルピーを限度に考えていたので、値切りに値切って、やっとのことで 400ルピーまで負けさせた。でも、これ以上は無理と考えて、それでOKする。一泊1600円。

 泊まってみると、なかなかいいところだ。期待していなかった温水も出た。キッチンでお湯を 沸かせば、いつでもお茶が飲める。客は私ともう一人しかいないようだ。もう一人と言うのは 不思議なことに、15歳ぐらいの白人の少年である。いつもロビーでテレビばかり見ている。 ハゲ親父と親しそうに話をしているので聞いてみると、もう長くここに泊まっているらしい。 何でこんな少年が一人でこんな宿に長期滞在しているのだ? どうも、ここの国は不可解な事だらけだ。

マヘブルグの閑静な住宅地。


平成17年8月7日(日)

 朝、宿のおばさんが朝食に呼びに来てくれた。フランスパンにバナナ、 卵とハム、お茶とミルク。なかなか豪勢な朝食。部屋はきれいだし、 シャワーは温水も出るし、キッチンは使えるし、さらにこんないい 朝食まで出るのだから、昨日、部屋代を値切り倒して泊まったのは 少々悪かったような気がしてきた。

 午前中は、市内をぶらぶら。歴史博物館にも行く。日曜だが開いていた(火曜定休 と書いてあった)。入場無料。展示は、オランダに始まり、イギリス、フランスなどに よる植民地支配に関するものが中心だった。

マヘブルグの歴史博物館を参観。

 市内をぐるっと回り、バスターミナル横の市場を少し見て、それから宿に帰ってきた。

 マダガスカルのアンタナナリボ行きの飛行機は午後4時半の予定であるが、早い目から 空港に行っておくことにして、宿をチェックアウト。またバスで空港まで行く。昨日は14ルピー だったのに、今日は13ルピーだった。昨日のが間違いか、今日のが間違いか、それとも昨日は 1ルピーだけぼったくられたのか?

 モーリシャス航空MK289便アンタナナリボ行きは、定刻の午後4時半に出発。アンタナナリボ までの飛行時間は1時間40分。時差が1時間あるので、現地時刻の午後5時過ぎに、アンタナナリボ 国際空港に到着。入国カードが観光パンフレットの 小冊子になっているのには笑ってしまった

眼下に、マダガスカルの未開の大地を蛇行する川を見る。

マダガスカルの入国カードは、観光案内パンフレットを兼ねている!

 マダガスカルのビザは、空港到着時に取得することができる。ターミナルに入ってすぐ右手に ビザカウンターがある。そこでビザ代を払った上で、「NO VISA」の列に並ぶ。しかし、私は、 到着してすぐに外に出たかったので、少しお金はかかったが、日本でビザを取って来ていた。 ところがどうしたことだ。ビザを持っている人は「WITH VISA」の列に並ぶのであるが、 ほとんどの人がビザを用意してきているらしく、「WITH VISA」の列は大混雑。それに反して、 「NO VISA」の方は人数が少なく、すいすい進んでいく。結局、ビザを 持って来ていたために、入国がかえって遅くなってしまった

 アンタナナリボは標高1200mの高地にあるために、空気はひんやりとしている。気温15℃。 日本の晩秋のような気候である。半袖では少し寒い。

 最初に、空港で両替。物価が良く分からなかったので、少し多いとは思ったが、とにかく 60ドル両替。マダガスカルには2泊の予定だが、もしホテルが20ドルぐらいしたら、2泊の ホテル代だけで40ドル。今日は市内までタクシーで行くとして、それが10ドル。あと、食費 と帰りの空港までのバス代など諸々が10ドル、と計算していた。マダガスカルの通貨は アリアリとマダガスカルフランの2本立て。1アリアリ=5マダガスカルフランである。 60ドル換えて、112100アリアリ。大雑把には、1ドル=2000アリアリ=10000マダガスカル フランと思っておけば良い。さらに大雑把に、1ドル≒100円とみなすならば、アリアリを 20で割れば円になると考えても大差ない。例えば、1000アリアリは約50円ということだ (厳密に計算すると、1000アリアリ=58円ぐらいになる)。

 外に出ると、日はどっぷりと暮れてもう暗くなってしまっていた。もう少し早く出られた ら、アンタナナリボの市内まで行って泊まろうと思っていたが、入国でもたもたしていて、 とっくに日が暮れてしまったので、急遽、空港に隣接しているイヴァトゥ村に泊まることにした。 タクシーと値段交渉。最初、相手の言い値は15000アリアリ。と言うことは7ドル50セント。 約900円だ。相場が全くわからないが、こちらは適当に5000アリアリを主張。すると どうしたことだ。一発で合意成立。5000アリアリなら300円にも満たないが、どうやら それでも高すぎたようで、運転手は跳び上がって大喜びしていた。

 街灯もろくに無く、凸凹で細くて真っ暗闇の田舎道を、タクシーは走る。 5分もしないうちに、イヴァトゥ村に到着。安くてきれいなホテルに行ってもらう。 着いた所は、ホテル・マノワール・ルージュという所であった。もう夜暗いことも あったのだろうが、このホテルは、外から見ると今ひとつぱっとしないように見えたが、 中に入ってみると、木を利用した造りで、どこかの山のロッジの ような、なかなかいけるホテルであった。それと、ロビーに大勢の西洋人 旅行者が集まって談笑している。経験則からして、西洋人旅行者の多い宿は正解だ。 一泊16000アリアリ。ということは、一泊8ドルである。1000円もしない。

ホテル・マノワール・ルージュのロッジ風屋根裏部屋。 なかなかいいでしょう!

 レセプションにいた宿のおばさんは、ほんの片言の英語しか分からないようである。 そこで、こちらもフランス語に切り替え。フランス語は久々だが、いつ話しても、 あのきれいな発音、華麗な文法にはしびれてしまう。私はフランスという国は大嫌い だが、フランス語は大好きである。大学の時に第2外国語として2年間やっただけだが、 今でも大いに役立ってくれている!

 さて、宿は部屋もきれいで、共同のトイレ、 シャワーも非常に清潔にしてあった。これが8ドルなら、文句無い。最近は物価の高い 国ばかり旅行していて、一泊40ドルとか50ドルとかに慣れてしまっていたので、一泊 8ドルでこんなにきれいな宿に泊まれるのがうれしくなってきた。

 夜、少しだけ出かけて行く。店はあちこちにあるが、皆、薄暗い裸電球1個をぶら 下げて営業しており、ボロボロの服を身にまとった人々がそこに群がるようにして 集まっている。そのくせ、誰も物を買うわけでもなく、かと言って世間話をしている わけでもなく、ただ、黙ってつっ立って、並べられた商品を欲しそうに見上げている だけである。私は群がるマダガスカル人たちをかき分けて一番前まで行き、 コカコーラの1.5Lのペットボトルを買った。1300アリアリ。何だ、80円も しないではないか。物価が安すぎる。こんなんでは、さっき 空港で換えた60ドルは使い切れないではないか。

 マダガスカルの通貨はアリアリとマダガスカルフランであることはすでに 述べたが、これが、全くもってややこしいこと限りない。 5マダガスカルフランのことを1アリアリと言うのであるが、お札はアリアリ 建てのものとマダガスカルフラン建てのものの両方が流通している。例えば、 市中では、1000アリアリ札と5000フラン札の両方が使われているが、両者は 等価である。これとは別に、1000フラン札とか5000アリアリ札とかもあるので、 物を買ったりお釣りをもらったりする時は、間違わないようによーく注意 しなければならない(一応、アリアリ札にはフランが、フラン札にはアリアリが 小さく併記してあることにはしてあるが...)。しかも、相手も 値段をアリアリで言ったりフランで言ったりするので、慣れないうちは、 何が何だかさっぱり分からない!(ただ、どうも、現地の人々は値段を普通は アリアリで言っているのではないかと思う。外国人に対してわざわざフランで 値段を言うのは、もしかすると間違って5倍払ってくれるのではないかと内心 期待してのことであるようにも思えるのである。)

あまりに寒いので、ホテルでは暖炉に火を入れていた。


  


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