カタール→クウェート→(UAE)→日本


平成17年1月22日(土)

 朝5時半、ホテルをチェックアウト、空港に向かう。今日は、朝7時半の カタール航空QR134便でクウェートまで移動である。タクシーを止めるが、 早朝のせいか、どいつもこいつも天文学的数字を提示してくる。もう頭に来て、 昨日同様、空港まで歩いてやろうかとも思ったが、粘り強くタクシーを止めて、 最後に、メーターで行くというタクシーを拾うことに成功。空港まで 7QR。わずかに200円だ。

 昨日のカタールもそうであったが、今日行くクウェートもかつて、 観光ビザを全く発給せず、観光客の入国を厳しく制限していた。 サウジアラビアと並んで、入国の難しい国であった。それが、 最近、空港で簡単にビザが取れるようになったとの話を聞いて、出かけて きたわけである。私自身も半信半疑であったし、旅行社もそのような 情報は把握していなかった。確かに、クウェートでは最近ビザを空港で発給 するようになったという情報はあるにはあるが、それは、事前にビザの 手配をした人が、大使館の代わりに空港でビザを受け取るだけのことであり、 何の事前準備もせず、ホテルも予約せずにいきなりふらっと行っても、 空港でビザはもらえないのではないか、ということであった。確かに、 そうかも知れない。ずっと以前にアラブ首長国連邦に行った時も、 あらかじめエミレーツ航空を通じてビザを手配しておき、空港でその ビザをピックアップするようになっていた(現在はU.A.E.はノービザ)。 だから、クウェートもそうなのかもしれない。

 そのうち、旅行会社のその担当者の人は、転勤されてしまった。新しい 担当者の人は、もしかするとビザは取れるかもしれませんよ、と言って くれたので、ついに、決意した。それなら、私はトライしてみたい。 新しい担当者の人は、カタールからクウェートに移動するときに、 パスポートにクウェートのビザがないと搭乗拒否される可能性があるのでは ないかと、心配してくれて、そういうときに見せるための資料も いくつか作ってくれた。私は私で、例のごとく、ホテルのニセ予約確認書 を自分でワープロで作って持って来ていた。

 空港で、クウェート行きの搭乗手続き。何のことはない、何も言われず にすぐに搭乗券が出た。これで、搭乗拒否はあっさりと クリアーした。次は、現地空港でビザが取れるかどうかだ。

 まず、カタールの出国手続き。出入国審査官は、一日だけの滞在なら、 トランジット扱いにすれば、ビザを取らなくてもよかったのにと言って いた。そう思ったから、昨日、入国のときに確かめたのに!

 カタール航空QR134便は、定刻7時30分に出発。乗客はほとんどが フィリピン人である。さっきマニラから着いた飛行機から乗り換えてきた 人々だ。クウェートでは、フィリピン人労働者を積極的に受け入れて いるようである。待合室で隣の席に座っていたフィリピン人の女性は、 市内のマリオットホテルのバーで働いていると言っていた。男性は 建設現場などで、女性はホテルのバーや家政婦として働きに来て いるのである。そう言えば、先々月、ブータンに行った帰りに、 バンコクから関空行きのタイ航空がマニラを経由したとき、ニノイ アキノ空港にクウェート航空が来ていたのを見た。変な航空会社が 来ているものだなあと思ったが、実は、そういう 理由だったのである。

 カタールからクウェートまでの飛行時間はわずかに1時間。すぐに 簡単な朝食が出る。そしてもう降下開始。機内アナウンスによると、 クウェートの天気は雨らしい。 砂漠の国のはずなのに、雨など降るのか。 気温は11℃とのこと。U.A.E.やカタールでは気温は20℃を超えていた から、10℃も気温が低いことになる。クウェートの冬は意外に冷える と聞いていたが、その通りである。

 程なくして、クウェート国際空港に着陸。外はかなり強い雨のようだ。 飛行機を降りて進んでいくと、「ビザ申請」の矢印表示が ある。それに沿って進んでいくと、ビザカウンターがあった。聞いてみると、ビザは 取れると言う。OKだ。ビザ申請には3KD(クウェートディナール)の 印紙が必要で、それを買うためには、まず、銀行に行って両替をしなけれ ばならないとのこと。それで、少し離れたところにある銀行に行く。 50ドル替えて、15KD。ということは、1KD=350円ぐらい。それから ビザカウンターに戻る。印紙は、カウンター右横の自動販売機で購入する。 3KDだから、ビザ代は1000円ちょっとだ。何の書類も要求されず、 ビザは簡単に発給。写真も必要なし。公式には必要となっている、 クウェート出国の航空券提示もなし。滞在予定ホテル名も、 滞在予定日数も聞かれることなく、あっけなく ビザは取れてしまった。これで晴れて入国できる。

 外に出たが、かなり激しい雨である。出て左手に市バスの乗り場がある。 501番のバスで市内まで行く。料金250フィルス(=4分の1ディナール。 つまり、1KD=1000フィルス)。市内まではかなり遠かった。市内に着いたら、 10時近くになってしまった。

クウェートに到着。町の中心部。

 さて、今晩のホテル探し。はじめに、フェニキアホテルというホテルに 行ってみたが、潰れて閉まっていた。それで、別のホテルに行ったが、 そこも潰れて閉まっていた。雨の中をあちこち歩くが、シェラトンや 空港での女性が言っていたマリオットなどの超高級ホテルしかない。 それで、近くの食堂に入り、ホテルを尋ねてみた。親切なクウェート人 のお兄さんは、超高級ホテルを除けば、市内で営業しているホテルは、 カールトンタワーホテル一つだけだ、と言った。それだって、4つ星 だから、中級というよりは、「超」の字は付かないが高級ホテルの部類だ。 でも、他のホテルは皆潰れたと言う。それでも、丹念に探せば、中級 ホテルの一つぐらいあるのかもしれないが、この雨ではあちこち歩き回れ ない。仕方ないので、そこに泊まることにする。一泊35KDプラス税金15%。 ということは、一泊14000円だ!でも、仕方ない。 こんなことなら、 朝着いて、昼間だけで市内をさっと見て、夜にはクウェートを 立ち去る日程にしておけばよかった。どうせ見所もない国なのだし。

やむなく高級ホテルに泊まる。

ホテルに置いてあった本。『イラクがクウェートに対して 行った戦争犯罪行為の写真記録』。

 部屋で風呂に入ってしばし休息。それから、市内を見に行く。さっきの食堂 で昼食。650フィルス。それから、シェラトンホテルに行って、中の書店で 家に出す絵葉書を買う。シェラトンホテルは、入り口のところで、空港と同じ X線装置と金属探知機で入場者のセキュリティー検査。外国人 が多く泊まっているので、テロの標的にされる可能性があるからだ。 それから、市内をあちこち 歩く。アルジャーラの門やモスク、商店街にも行く。今日もイスラムの祝日 であるが、午後になって、市内の店は少しずつ開き始めた。

午後からは暴風雨になり、市内も冠水。

アルジャーラの門。

商店街の一角。

 あちこち歩き回ったが、天気はだんだん悪くなってきて、もう暴風雨の ようになってきた。寒雨でだんだん凍えてきたので、ホテルに早い目に 戻ることにした。道を歩いていると、急に、前方から走ってきた車が キーッという音を立てて、雨の路面でスリップし、カーレースのように 180度回転して、お尻を前にして滑りながら、歩いていた私の方に 突っ込んできた。ひやっ、危ない!私はひらりと体をかわして、車をよけた。 車はかろうじて、私の目の前で停まった。危ない、危ない。 クウェートに来て、雨でスリップした車にひかれて 死んだのではたまらない。余り雨の 降らない国なので、雨天での運転に慣れていないのではないだろうか。


平成17年1月23日(日)

 今日は一転して好天。すがすがしい朝である。今日も朝から市内を歩き回る。 まず、グランドモスクを見に行った。それから、少し戻って、国立博物館を 見に行った。しかし、今日もクウェートでは祝日のため、夕方からしか開かない そうだ。それではだめだ。今日午後6時の飛行機で帰る予定になっている。 昨日買ったはがきを出すのに郵便局にも行ったが、案の定、祝日で休み。 市内には、「自由の塔」という巨大なタワーがあるが、これも本日は参観不可。 結局、カタール、クウェートともに、折角来たのに全部祝日で、 何一つ見ることができなかった。残念。

国立博物館に行ってみるも、休日で午前中休館。

市内のモスク。

市内の中心にある、自由の塔。高さ372メートル。

 昼にホテルをチェックアウト。それから、昨日の食堂にまた食事に行く。 それから、501番バスで空港まで。空港で飛行機を待っている間、 ふと見ると、クウェートの観光案内パンフレットが置いてあり、それには 中級のホテルもいくつか紹介してあった。残念。昨日知っていたならば、 もう少し安いホテルに泊まれたかもしれなかったのに。

 今回訪れた、カタールもクウェートも、いずれも、過去には観光客の入国を 厳しく制限していた。イスラムの戒律を守り、西洋文化からの汚染を防ぐため、 ということであった。両国とも入国は難しかったのであるが、どちらかと言うと、 クウェートの方がカタールよりもさらに入国が厳しかった。それが、今は、 両国とも簡単に入国できるようになった。それで、実際に入国してみると、 クウェートの方がカタールよりもはるかに開放的であった。カタールでは、 町を歩いているのは男性ばかりであったが、クウェートでは、ベールをかぶって いるとは言うものの、女性も歩いている。ベールも、目だけを出している人 だけでなく、顔全体を出している人もいる。それに、クウェートにはインド人、 フィリピン人や欧米人が多数おり、その人々たちは、女性でも、当然ながら ベールなど付けていない。 その言う点で、クウェートの方がカタールよりもはるかに イスラム色は薄かった。クウェートなど、ガチガチのイスラム国だと 思っていたから、これはやや意外であった。

 エミレーツ航空EK858便ドバイ行きは、 午後6時の出発予定であったが、1時間遅れて、午後7時に出発。ドバイまで 1時間半のフライト。

 ドバイには、現地時間の午後9時半に到着。時差が1時間ある。ここで、 夜中の2時半まで、5時間の待ち時間。

ドバイ空港の免税店街に群がる人々。


平成17年1月24日(月)

 日付が変わって、午前2時半、関西空港行きEK316便に搭乗。 帰りは、行きとは全然違うルートを通るので、またまたびっくりした。 すなわち、行きはソウル、北京の上を越えて中国とモンゴルの国境 に沿って飛び、中央アジアを越えてパキスタンに入りドバイに到着 したのに、帰りは、ドバイを出発して、パキスタン、 インド、ミャンマーの上を飛んで中国に入り、昆明、武漢、上海の 上を飛んで、九州、瀬戸内海を通過して大阪に到着したのである。 行きと帰りとでこんなにルートが違うのは非常に 珍しい

行きのルート。

帰りのルート。行きと帰りとでこんなに違うルートを 通るのは珍しい。

エミレーツ航空は、着陸の様子を放映してくれる。昔、日本航空も 同じようなサービスをやっていた。これは、関西空港着陸直前の様子。 結構、ドキドキものです。

 関西空港に午後4時に到着。

(おわり)


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