■バッテリケースの製作
●バッテリをどこに収めるか?
さて、エンジンを外したところでフレームを純正色で再塗装しようと思ったんだけど、
どうせフレーム塗装するなら取り付け金具などを溶接したあとでやったほうがきれいに
見える。
・・ということで、FRPでオリジナルバッテリーケースを作ることに決めました。
なぜ、バッテリーケースをつけるか?
・FTRのサイドカウルが気に入らない
↓
・サイドカウルを外すと純正バッテリケースが丸見え
↓
・現状ではエアクリーナが社外なので座席下が空いている
↓
・バッテリーケースを座席下に収納する
↓
・専用のバッテリケースを作らなければならない
まあ、こういう経緯です。
#結末はこれと異なりましたが・・・。
とりあえず、その記録を残しておきます。
●まずは型作り
なにはともあれまずはモック作りです。

最初の検討ではそこら辺にあったダンボールとガムテープで大体のイメージを作って
みました。こんな感じで収まりそうです。取り付け位置もここが最適みたい。
で、型取り用の硬質ウレタンをわざわざ町田の東急ハンズまで行って買ってきました。
(うちの周辺には東急ハンズはない)
今回はすでに発泡してある素材を買ってきましたが、本来は硬質ウレタンを作るための
薬品類で自分で発泡させて使うみたい・・。
この硬質ウレタンはとても加工しやすく、ゴム用ボンドですぐくっつくし、カッターで自在に
切れるし、確かに型取りようにはちょうどいい。
で、ケース型を作ってみました。


とりあえずケース原型を作り、実物合わせにてカッターでカットして調整。
正確な位置出しのために糸や角材を使いました。
なかなかいい感じ・・。
●樹脂を塗る
型ができたのでお次は型に樹脂を塗ります。
俗にいうFRPですね。
これらはちかくのDIYで売ってました。

FRP材料一式です。
材料値段はあまり覚えてませんが、概略を書いておきます。
・グラスマット --メーター\800くらいだったような・・
・不飽和ポリエステル樹脂 --500mlで\1200位だったかなあ・・
・硬化剤 --値段忘れた。安い
・アセトン(洗浄用) --\1000以内だと思う
・バケツ
・ペイントローラー(樹脂塗り用)
・脱泡ローラー(脱泡用) --\1800くらい?これが結構高い。しかし必需品。
・ハケ(樹脂塗り用)
・型
・ゴム手袋
書いてあるように脱泡ローラが意外と高い。
グラスマットと樹脂だけだったら\2000くらいで済むんだけどなあ・・。

今回の製作の先生です。
さて、塗りつけようかと思った矢先、型の固定台がないことが判明。
急きょ、そこら辺のビンとパイプで作りました。

あとで思ったことだけど、固定台はナメてはいけない。
きちんと型が固定されていないととても作業しづらい。
樹脂に硬化剤を調合します。

厳密にはかりで調合しました。
不飽和ポリエステルは空気中にさらしておくとそのうち飽和するそうなので
硬化剤がなくてもそのうち固まるんだけど・・異常におそいみたい。
正確にいうと硬化剤は硬化促進剤ですね。
でも、今回は説明書どおりに調合しました。
で、グラスマットをほぐして樹脂を塗りながらつけてゆきます。

これがなかなかむずかしい。
ある程度ついてくると楽になるんだけど・・
全面を覆ってグラスマットを積み重ねます。

タッチバイクにも書いてあったけど、脱泡が命だそうです。
この作業でだいぶ強度が変わるみたい。
脱泡ローラでゴロゴロと・・・
でもこれがかなり難しい!
根気よくやらないとなかなかとれない。
しばらくするとカチカチに!

いらない部分はあとで金ノコでカットしました。
ウレタンはとてもとりにくく、カッターとスプーンで地道にとりました。
●実物に合わせてみる
数日後、バイクに作ったバッテリケースを合わせてみました。
ガムテープで仮止めしてと、・・・ふむふむ、なかなかいいぞ。
後輪上部の泥除けもついでに作りたい。
と、調子に乗ってその場で泥除けを追加することにしました。
今回は方眼画用紙を型にしました。

バッテリケースに延長する感じで泥除けを追加します。
この方眼画用紙技はウラ技的ですね。
この間、FRP経験者の知人に教えてもらいました。
これを考えると、硬質ウレタンなど買ってくる必要はなかったのでは・・・?
まあ、いいか。

後ろからの図。
前回と同様にグラスと樹脂で積層してゆきます。

それにしても脱泡が疲れる・・・。
根気よくなんとか全部を覆うことができました。
硬くなるまで、座席でも付けてまたがってみましょう・・・

うーん、早く乗りたい。
となりのDTも実は修理中。
・・で、何とか原形完成でーす。

この後まだ取り付けマウントを検討して、不要部分をカットして、パテ埋めヤスリ作業で
平らにして、塗装して、磨いて、それでやっと部品完成だな。
む、・・・・・・・・・・・はっきりいって面倒くさくなりました。
しかもそれを正論づける理由もできてしまったのです。
なぜ、ここまできて今更そうなのか?
それは、エアクリーナを純正品にしなければいけないことに気が付いたからです。
私のバイク使用状況はオール環境です。
冬だろうが、雨が降ろうが、台風が来ようが、環境に関係なくバイク通勤しています。
会社の駐輪場は屋根が無いので雨がモロに当たったりします。
つまり、社外品のエアクリーナ剥き出しのモノではすぐに雨に濡れてしまい、エンジンに
負担をかける要因を作ってしまうということです。
そして、
・横雨に強い純正エアクリーナが必須となる
↓
・座席下にはバッテリを収納できなくなる
↓
・純正位置にバッテリをおかなければならない
↓
・サイドカバーをつけなければならない。
最初の構想と相反する理論になってしまい、
最終的には「サイドカバーをつけるかつけないか」が大きな判断となりました。
これにはとても長い時間迷って悩んでいました。<--そんな大したことじゃなじゃないか!とか
言われそうですけど・・私にとっては大問題。
「サイドカバーがないほうがストリートぽくってかっこいい!」
と初めは思い込んでいましたが、つい最近、方針が変わりました。
ウェブ上でダートラな方々などのページを見ていると、サイドカバーがついているのはレーサーの証(?)
だということに気がつきました。
FTRはストリート仕様で考えるものじゃなく、あくまでもレース仕様が王道だ!
・・と勝手に思いました。<--王道好き
しかもなんとなく眺めていると、サイドカバーがついていたほうが味があるような気が
してきました。
人間、考え方が変わると見方も変わるもんです。
「よし、自作バッテリケースはやめだ!」
そんな経緯で結局、バッテリケースは純正を使うことになりました。
で、これまでのFRP作品はボツ。
今回も骨折り損のくたびれもうけ・・・
あ、でもFRPについては色々勉強になりました。
#sliplotさん、okaさんどうもありがとう。考え方がとても参考になりました。
フレーム塗装に向けて作業を続けます。
(つづく)
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