■フレーム解体(ヘルプ編)
●冷静に分析
シャフトが抜けない・・・
今までとは違う難関で少しとまどったけれど、冷静に考えてみよう。
現状は、
・シャフトが叩いても抜けない
・スパナで簡単に回る
サービスマニュアルには
・リヤフォークピボットボルトとナットを外し、リヤフォークを取り外す
としか書いていない。
やはり普通であれば抜けるはずである。
ちなみにサービスマニュアルからここの構造を想定してみました。

↑
こんな感じになっていると思う。
シャフトは主にカラーの中を通っており、普通だとシャフトはそのまま抜けるはずだ。
リヤアームのスイングはベアリングとカラーの接点で動くようになっており、グリス注入
口から潤滑油を補給できるようになっている。
シャフトが回るけど抜けないとすれば、カラーとシャフトが錆かグリスの劣化で
くっついてしまっている可能性が高い。
しかも、叩いても抜けないくらいなのでとても強力に密着してしまっていると考えられる。
でも、私の力ではどうしようもない。
・・さあ、どうする?
●困ったときの・・・
そんなときは悩まず、助けを求めましょう。
究極奥義「他力本願」・・。
前回は「勝又輪業」に頼りましたが、今回は3人の叔父さんで構成される「原町モータース」
に頼ります。(実はこっちが本命)
え?なんでそんなに整備関連の叔父さんがわんさかいるかって?
・・・たまたまそういう家系なんです。
親戚付き合いは大切にしておくものですね(~_~;)
本職が3人もいれば鬼に金棒、月とすっぽんだ!(意味不明)
早速、整備工場まで行き、カクカクシカジカ・・・・ヘルプミー・・
(叔父さん)「とりあえずもってこい」
ということで、軽トラかりてFTRちゃんを運び出すことになりました。
どちらにしろ、ここでフレーム塗装するつもりだったので運ぶ
予定が早まっただけです。
当分の間、原町モータースが作業ステージになります。
整備工場に運んで、
とりあえず、オーソドックスにハンマー2個で叩きました。
一個をシャフトに当ててもう一個で叩く。
ガンガン!、ガンガン・・・・・
(15分経過・・・)
ダメだ、ちゃんとしたハンマーでも外れない。

ちゃんとしたハンマー君達でもお手上げ。
(ハンマー君)隊長ー、もーだめです。
まあ、この程度で外れないことはわかっていました。
で、振動を与えたら?という事で、エアーツールでシャフトを回してみました。
ガガガガガガ・・・
そして、もう一度ハンマーで・・・
ガンガン!・・・
(30分経過)
・・ダメみたい、なんの変化もなし。
手詰まりか!?
●火であぶってみる
あー、ダメだ・・と思っていた矢先、叔父さん(三男)がなにやら持ち出して
きました。
カチッ、・・ブシュッ、・・・ゴーーーーーーー
ガスバーナーです。
こともあろうに、リヤアームに直接当ててます。

何を血迷ったか、ガス溶断当ててます。
や、・・・やめてぇぇ (T_T)
私のFTRを溶断するつもり!?
(叔父さん)「火であぶると錆びがボロボロになって取れやすくなるんだよ。」
なーんだ、びっくり。(あぶってるだけか・・・)

熱しています。
それにしても本職はやることが豪快だ。
トーシロの発想では理解できん。

あ、シャフトの隙間から煙が・・・
ダストシーが燃え出して、中のグリスも燃え出しました。
そして、シャフトから火が火炎放射されています。
ブシュブシュいってフレームから火が出てる!
たいへんーーー!
というか笑えるほど面白い!!

ハハハハハハハ・・・・
笑いが止まらん。<--人にやらせて笑うオレ。
整備工場中が真っ白になりました。
で、あぶった後、もう一度ハンマーで叩きました。
・・・しかし、シャフトは抜けませんでした。

ダメだな、こりゃ・・・
写真右上は叔父さん(長男)
●大餅つき大会!?
それでもだめなら、やっぱり力任せに頼るしかありません。
今度はフレーム側にちゃんとした「当て」をつくり、特大ハンマーで
ヘビー級攻撃します。

ガン!・・・ガン!・・・ガン!・・・・・・
大きなハンマーで何回振り下ろしてもシャフトはびくともしません。
むしろあの太いシャフトが潰れてきました。
こりゃやばいと思い、サンダーで出っ張りを細くして再度地道に叩きます。
その光景はまさに餅つき!?

あー、疲れる、もう限界だ・・
と思ったとき、シャフトに変化がありました!
や、やった・・ついに動いた。(T_T)
感動の瞬間です。
チャチャーチャー、チャチャーチャー♪・・・(ロッキーのテーマ)
こうなればこっちのもの、戻し方向に叩いたり、外し方向に叩いたり、
交互に2種類の殴打、殴打の連続攻撃!
3分後、ついにシャフト君はリングに沈みました。<--リングはウソ

シャフトを外した図。
横の棒は押し出しに使ったもの。

とうとうリヤアームが取れた!
活躍の特大ハンマーはこんなのです。
普通の人はこんなのもっていないよなあ・・・、きっと。

取り外したカラー。
やはり、シャフト共にヒドイ錆におかされていました。

ベアリングは当然交換です。
リムーバーがありませんでしたが、反対穴からマイナスドライバーで叩いたら取れました。
つけるときは大丈夫だろうか?

フレーム単体になったので持ち上げたらなにやらポチャポチャ中で音がします。
ひっくり返したら、なんと水がたくさん出てきました。
抜けるところが無いんですね・・。
はっきりいって、今回の作業はそこらへんのバイク屋さんに出してもすぐに解決
できるレベルでは無かったと思います。(ここまで手をかけてもらえないという意味です。)
やっぱり、自分でやるのが一番!<--て、お前、てつだってもらってんじゃねーか!(どーん)
それにしても今回のはホントニ疲れた。
あ!お気に入りのブーツカットが油で真っ黒!
次からは作業着を借りよう。
後日、タッチバイク(2001年11月号42p)みてたら同じ問題で奮闘した記事が
載っていました。(バイクはKSUだったけど。)
この人はグラインダーで無理やり切断したみたい・・・・
やっぱり、普通そうしたくなるよなあ。
次はようやく塗装編にはいりまーす。
(つづく)
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