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(注)<職員組織の問題については、ここでは要点のみを列挙しています。> 図7
第7章 職員の役割(1)職員組織と就職支援(a)職員の役割の多様化 就職支援活動が、学生への企業斡旋の活動から、企業社会で生きる実力養成、という人材育成の活動に重点が移ってきた。 それにしたがって、職員による様々な教育活動の支援業務が重視されるようになっている。もはや単純に教員の教育活動を支援するということではなく、学生の学習活動の支援という視点から、教員の支援を行ったり、直接学生の支援活動を展開することが、職員の仕事の大きなウエートを占めている。 教育の内容が、専門的知識伝授型である場合には、教員が教育活動の柱になって職員がそれを支援するという協力関係が見られた。 今や、学生の学習活動が教育の柱になって、学習活動を教員が側面から指導し支援するのが新しい教育法になっている。 その際、職員は、学生の学習活動を支援している教員と協力して、間接的に学習の学習活動の中に入るか、場合によっては、直接的に学生の学習活動の中に入って、学生の学習がより活発に進むように学習環境を整えていくことが重要である。 一般に、教員は、研究活動に長時間を要するために非常に多忙であり、必ずしも実践的な教育の現場で多くの時間を費やすことができない。その意味で、学生の実践的な学習活動を指導する職員の働きがますます期待される。 さらに、職員の方が、教員よりもはるかに社会問題に関する関心や知識が深く、実践的な指導のノウハウにも恵まれている。能力育成などの実践的な教育では、教員が、単独で学生の学習指導を指導するよりも、職員と密接に協力態勢を組むか、あるいは、職員が単独で指導した方が、はるかに効率的に学生の実践的な学習活動が進んでいく場合もある。 知識伝授から学習活動へと、新しい教育の手法が移っていくと、こうして職員の参加する分野が広がり、多様化している。 (b)職員の意識と能力 ここで問題は、そうした役割の変化を受けれられるような、職員サイドの意識と能力である。 教育産業に身を投じた以上、人材育成という教育活動への関心や知識は、本来職員に不可欠なものである。銀行業に従事している人が、自分は銀行の人事、あるいは経理を担当しているから、銀行の金融活動に関心はないという人はまったくいない。銀行で働いている人は、皆バンカーである。 そのように職員は、自分の人生の充実実現の場として、教育産業に参加しているという意識を高めることが重要であり、人材育成について積極的に関心を払って、絶えず教育ノウハウを習得して行くべきである。 教育活動は、教員がする仕事であり、職員はそれを裏から支えていればよいと言う意識は、時代遅れのものである。良い意味では、こうした態度は教員への遠慮と見られるが、結局、教育産業に従事しながら直接人材育成に参加しないというマイナス思考が生まれてくる。 どうせ教育行政の責任は教員にあるのだから、教員から言われることだけしておればよい、こんな消極的な思考方法に落ち込んでしまう。素直に教員のいうままに作業をする方が、自己の組織内の昇進には無難であり、新しいことを言い出して組織を混乱させるような危険性は、大学という閉ざされた組織で将来のある職員として、できるだけ避けて小さくした方が良い、こうした判断が職員の中に広がってしまう。 高等教育を行う教員産業は、現状では長期的にみて構造不況業種のようなものであり、如何にコストを切り詰めるかが生き残りの柱になっている。この閉塞状況から脱するには、縮小する市場で新しい教育サービスの創造が不可欠である。 広い意味で大学の生き残りの改革には、もはや教員だけの知恵に任せられる問題ではなく、日常的に大学業務を担当している職員にも、その責任の重要な一端を背負うべきである。教員・職員の異なった立場からの新しい融合した改革の知恵こそが、高等教育の市場で新たな知的価値を生み出す触媒になり、大学の新しい発展の道を拓いていくものである。 このように考えると、職員の思考方法が教員に従属するという消極的なものでなく、教員の教育活動と同じウエートで、学生の学習活動を支え活性化させながら、大学教育の新しいサービス活動を生み出す、という前向きの発想が強く求められる。 特に、現場で日常的に学生と密接に接している職員は、学生の人生の幸せを考えて、大学がどのようなサービス活動がするべきか、或いはできるのか、教員を巻き込んで積極的に新しい創意工夫に取り組むべきである。 就職支援活動は、まさに大学生き残りの新しいサービス活動であり、職員の経験やノウハウをベースに新しい戦略策定の作業と支援活動に主体的な取り組みが求められている。 (c)新しいタイプの職員像ー専門的能力を持つ職員 より専門的な知識を習得した専門職員は、学生の専門的能力の養成において、重要な役割を果たすことになる。 例えば、情報処理の実践的な能力の鍛練には、学問的な研究成果を動員するというよりも、トレーナーとしての機能が重視されている。専門能力のトレーニングには、職員組織に属する専門的な知識を持つ職員が、組織の内部で決められた一定の手法で共同してトレーニングを実施することがはるかに効率的に人材育成の目標を達成できる。 ここでは学生を指導するという、形式的には教員と同じ様な仕事であり、 もはや教員も職員も差がない。その属する組織形態が異なるが、学生教育という機能においては基本的な区別がなくなる。人材育成という共通の仕事で、教員は、主として学問的な立場から学生に専門知識を教えているが、職員は、主として学生の実践的な学習活動の環境を整備し、学習活動の指導相談を通じて、能力のトレーニングを行っている。 実践的な学習支援の分野では、ますます語学力や情報能力などの鍛練という、こうした専門的能力を持つ職員を多く採用し養成し、教育組織の効率性が高めることが求められている。それに伴って、組織的な活動にあまり向いていない教員の採用を大幅に抑えることができる。 すでにふれたような様々な能力育成プログラム、キャリアアップ支援相談、インターン支援など、実践的な教育に関する組織では、むしろ積極的に職員の専門家を登用すべきである。ここでは、全員が専任の職員ではなく、契約職員やパートタイム職員の登用が、これからは中心になる。 職員の雇用形態の多様化がますます進むであろう。 大学の機能が、専門的な能力を持つ人材育成に重点が移ると、学問の研究成果で審査するよりも、トレーナーとして高い能力が、人材採用のポイントになる。 教員のように個人個人が勝手に教育手法を考えるよりも、組織全体として優れた指導法を工夫し、組織的なトレーニング体制の中で共同して学生指導を行うことが主な業務になる。 これは、研究重視の教授会の教員審査(採用及び昇格)とは馴染まなくなり、職員採用という新しい雇用形態がますますウエートを増すようになる。 新しいタイプの職員像として、もう一つ注目されるのは、人間的に高い教育能力を持つ職員である。 すでに述べたように就職市場で企業が求めている若者の能力に、EQ能力がある。これは単に専門的な学問の知識を修得することによって強化されるというものでなく、実際の場における実践的な学習活動を通じて能力のレベルアップが期待される。 実際的な問題を種々の情報を入れながら総合的に考え判断したり、人脈を拡げてコミュニケーションを良くしたり、厳しい事態に追い込めれても精神的にタフに交渉して問題を解決していったり、まさにEQ能力の高い人材が現実社会で活躍している。企業の望んでいるのは、学生のこうしたEQ能力である。企業社会でも、若者が自分の持っている専門的な知識を活用するには、こうした人間社会に生きるための知恵が求められている。 職員の中には、社会経験を積んでいる方も多く、また、日常的に組織の中で業務を遂行してそれだけ人間関係に関する種々の知恵に恵まれている。 個人的な研究に没頭する教員よりもはるかに職員の方が、社会性が豊かで、現場の業務に高いEQ能力を生かしている。 キャンパスの中で日常的にこうしたEQ型職員とフェースツフェースで接していると、職員の持つ高いEQ能力が学生の能力形成に有効な働きを持つようになる。これが職員のもつ高い人間教育の能力である。 実際大学職員に残る志望動機に若い学生との自由なふれあいと学生指導の楽しみが上げられる。元気の良い若者が好きだから、また、若者個人にいろいろ話して育てたいから、大学職員として働き口を求めてきたのである。 こうして大学で働くようになってきた職員は、多くの学生に囲まれてフェースツフェースの指導に生き甲斐を感じなら、学生の優れた人間的能力を育てている。たまたまキャンパスで出会った職員の人間的な魅力に熱く啓発されて、立派に社会人として成長している学生もしばしば見られる。 しかし、職員は日常的に多忙な仕事を抱えており、学生の接触する時間は限られている。職員の高い教育能力を活用するためには、大学の公的な制度として、職員のEQ能力形成のトレーニングを強化するとともに、職員が学生と接する機会をもっと多く増やしていくべきである。教員にはチューター制度や、オフィスアワー制度による学生の個人的な指導機会が保証されているが、EQ能力の高い職員についても、同じ様な制度的に学生指導の機会が定期的に与えられるべきである。 特に進路の相談などでは、就職部職員だけでなく、もろもろ組織のEQ型職員が、新入生の段階から相談や指導に当たると、人格的な影響力を通じて学生の成長が大いに期待される。 アドミッションオフィスが設置されると、学生と日常的に接してながら相談指導している経験やノウハウが、高校生の選抜スカウト活動でも非常に有効に活用される。その大学の4年間の大学生活で、どのように成長して、希望の進路に進んでいくか、学生の人間的成長の全体像を的確に把握していると、それだけ高校生の相談に深く関与して、自分の大学で伸びうる人材を的確に選抜するという優れた目を発揮することができる。 入試でより多くの学生を集めるためには、入学から就職活動までの学生の成長過程がますます問題視されているために、職員の高いEQ能力の育成とそれを生かせるような学生指導の場の確保は、今後の重要な課題である。 たとえば、学生のクラブ活動の指導者として時間的な待遇のシステムを積極的に取り入れると、より多様な学生指導の機会が広がってくる。 (d)情報の共有化と組織のスリム化 ・情報ネットの活用 高度情報化社会の進展に伴って、大学の職員組織は今後大きく変革されていく。 学内の情報ネットワークの整備が進めば、組織間の情報交流が非常に活発になり、新しいソフト開発によって、学生支援の活動を新たに展開できる可能性が高まっている。 学生への形式的な情報伝達は、主として情報ネットを通じて行われる。それだけ職員の作業量が減少すると、その部分を学生に対する暗黙知のフェースツフェースの伝達に投入する余裕が生まれてくる。 学部のカリキュラムや教員の紹介、授業料の納付から始まって、科目内容のシラバス開示、履修登録、さらに、教室の配置から先生の動向(休講など)、もろもろ講演会・イベントの開催などに「いたるまで、学生の学習活動に必要な一般的な情報は、ほとんど情報ネット上で学生に伝達される。成績についてもプライバシーの保護を慎重にすれば、ネット上で自由に発行することができる。 教員の活動に関する情報処理でも、学部事務室は、種々の委員会や教授会開催通知、それに伴う学務関係の資料配布から始まって、海外出張、学会出席や休講など、もろもろの事務手続きを情報ネット上で処理することができる。 ・業務のアウトソーシング 事務室など形式知の多くは、データの情報入力の作業が中心になる。したがって、こうした事務的な作業は、外部委託や非常勤職員に任せることができる。職員雇用の経費節減のために、事務的な仕事の多くは、可能な範囲で外部に委託した方が良い。単純な作業に貴重な人材が投入されるのは、大学にとっても、また職員個人にとっても、資源の浪費になると思われる。 こうした事務の情報化のためには、当分は経験の豊かな職員と協力して、ソフト開発の工夫が求められる。 その際、大学間の事務協力が進めば、相互に共通ソフトを利用して、開発コストと開発時間をより低く抑えることができる。 問題は、こうして節約された人的資源を、フェースツフェースの指導が必要な、学生の学習活動の支援活動に回していくことである。学生の生活相談、進路の指導やインターン場所の確保など、実際に現場で職員が動かないとまったく処理できない分野がある。これからは限られた資源を、形式知の伝達から暗黙知の伝達に向けるような工夫が望まれる。 ・情報の共有化と就職関連情報のファイリング まず、学部事務室や就職部・キャリアアップ支援組織などの間で、個々の学生の学習活動に関する情報の共有化が進めば、より多くの職員や教員が人材育成のプロセスに参加して、学生の成長に有効なアドバイスを与えることができる。職員や教員のチューター制度が出来ると、こうしたもろもろの個人情報を統括して総合的な指導が可能になる。 さらに、これからの就職支援活動で重要な課題は、外部の就職市場に関する情報の分析、整理、蓄積と関連組織の職員間での情報共有化である。 就職市場は絶えず大きく動いており、具体的な採用に関する就職情報は、常に新しく更新されていかなければならない。 就職部を中心にして、最近の採用構造の動きや学生志望のミスマッチの解消方法などについて、最近の就職情報を収集分析し、他の組織の職員がだれでも取り出せるようにファイルにして情報ネットワークにのせることが望まれる。 ・情報共有化による協力態勢 新しい就職情報を学内の職員が共有化すると、関連組織の職員間で協力して新しい事態に早急に対応しようという動きがより早い時機に生まれてくる。日常的に同じ情報を持っていると、危機感も共有し易くなり、改革の議論がより活発化する。 逆に、社会の激しい動きを的確に知らなければ、就職支援の活動に有効な改善の方向が見えてこない。外部情報を阻害されている者は、井の中の蛙になり、大学改革への危機感も生まれてこない。 大学は、意思決定に不必要な程の長い時間をかけている。情報に乗り遅れている者も、一致して賛成するまで、相当に長い議論の時間を消費しなければならないからである。 就職問題のように年々大きく変化していく問題に適宜に対応するには、この議論の収斂するまでの時間を短縮しなければならい。特に教員を含めて新しい戦略を策定しようとすると、ますます議論の収斂に時間がかかる。 組織のトップダウンで意思決定される場合には、情報入手・状況判断から具体的な行動までの時間が比較的に短い。しかし、一般的に見られるように、意思決定に当たって民主的な手続きを最優先する組織では、この時間が長い。それを節約するためには、情報ネットワークを活用した情報の共有化を最大限に進めることが、唯一の解決方法である。皆が同じ情報を持つことによって、問題解決への思考過程で考えの収斂する傾向が強くなるからである。 ・組織のスリム化 職員のヒエラルキー組織で上層部と実務の現場が、情報ネットワークで緊密に結ばれてくると、組織のスリム化が可能になる。 まず、いろいろな組織間の情報共有化を通じて、組織間の壁が低くなり、協力態勢がより整備される。その結果、細分化されていた組織は、より大きな組織に統合されて少数のトップが管理し、それだけ中間管理職の仕事が削減されて組織のスリム化がはかられる。 事務的な処理を中心にする学部の事務室も、もはや学部別に細分化される必要性がない。フェースツフェースの対応については、学部の状況が大きく異なれば細分化も必要になろう。 さらに、 もっとも情報難民の古手の職員からクレームが来るかもしれない。 トップに戻る (2)職員の採用と研修就職支援の活動を支える人的資源については、単に新卒市場からの採用だけでなく、社会経験の豊富な人材の中途採用が問題になる。 教員だけでなく、職員についても、社会経験の豊富な人材が就職支援の活動に重要な役割をもっている。大学システムの一部として外部人材の採用がシステマチックに進めることが重要である。 組織内部の人材の質的能力をレベルアップするために研修が重要になる。特に就職支援活動をより効率的に行うために、職員、教員ともに一定の研修が必要である。 (a)採用方法の多様化 (b)新しい研修システム トップに戻る アンケート調査採用就職支援活動に関連する人的資源の状況について、採用と研修の両面から伺います。 まず人事の採用面の姿勢に関しては、以下に掲げた個々の項目について、採用している場合に◯、特に重点的に採用しようとしている場合には◎、を記入して下さい。現状だけでなく、近い将来の見通しについても教えて下さい。 ◎特に重点的に採用 ◯採用している@外部から専門性を持った専任職員の途中採用(一般的状況) A その内;就職支援を直接視野に入れて企業の人事経験者の採用 B 女性の経験者の採用 C カウンセラーなど学生生活支援関連分野で専門職員の採用 D インターン指導の専門職員の採用 E外部から専門性を持った非常勤(契約)職員の途中採用(一般的状況) F その内;就職支援を直接視野に入れて企業の人事経験者の採用 G 女性の経験者の採用 H カウンセラーなど学生 生活支援分野で非常勤専門職員採用 I インターン指導の非常勤専門職員の採用 研修就職支援を視野に入れた人事研修の体制について伺います。例示された研修制度の中で、就職支援の人事研修の一環として導入されている場合には ◯、特に重要な研修制度として導入されている場合には ◎を記入して下さい。現状だけでなく、近い将来についてもおおよその展望をおきかせ下さい。 ◎非常に重要な研修、 ◯研修制度がある就職支援関連業務の大学内の研修制度 @一般職員研修 A 幹部研修 就職問題に関する外部の専門研修機関や講座などへの職員派遣研修 B一般職員 C幹部職員 就職部への配置による支援活動の経験蓄積(OJT); D新人時代に経験を積ませる配置システム E一般の職員ローテーションの中での配置 就職支援の専門能力を持つ職員の研修制度; F 一般職員の専門家育成コースでの研修 G就職支援スペシャリストとしての登用制度 H就職専門家の能力レベルアップのための高度研修制度 就職部と学生指導に関連した部署との交流制度; I就職部以外の部署の職員による就職支援活動の研修体制 J 就職支援専門家とその他部署の職員との交流による研修 職員の企業派遣制度 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